【ワークスタイル・マナー】日本とは違う仕事と暮らしの心得
日本とは異なる価値観で成り立つ香港の働き方と暮らし方。仕事は契約に基づいて進めるものとされ、私生活とは無理なく分けられています。また、香港で働くうえで欠かせないのが、現地ならではのコミュニケーションや習慣への理解です。本記事では、ビジネスシーンから冠婚葬祭まで、押さえておきたいポイントを紹介します。
シンプルな仕事観と効率重視の働き方
香港人の仕事観は非常にシンプルです。任された業務は確実にこなしますが、それ以上のことは基本的に行いません。指示されていない行動はトラブルの原因になると考えられているためです。また、仕事が終われば定時で帰るのが一般的で、日本のように先に帰りづらい雰囲気はありません。むしろ残業が多い人は効率が悪いと見られることもあり、限られた時間内で成果を出す姿勢が重視されています。

公私を明確に分ける職場文化
香港では職場の人と社外で過ごす機会はほとんどありません。仕事が終わればすぐ帰宅し、自分の時間を優先します。お酒を飲む文化も強くないため、会社の飲み会は一般的ではありません。例外は年に一度のアニュアル・ディナーや週末のイベント程度で、仕事とプライベートを明確に分ける傾向が特徴です。

高い自己投資意識
日本では専攻やキャリアに関係なく異動が行われることも珍しくありませんが、香港ではこうした大きな職種変更はほとんどありません。営業は営業、会計は会計と、基本的に同じ分野でキャリアを積み上げていきます。そのため昇進や昇給を目指し、仕事後に専門学校や夜間大学で資格取得などの自己投資に励む人が多いのが特徴です。

成果と条件で動く雇用スタイル
定年まで働くという発想はほとんどなく、会社の将来よりも自身の待遇や条件が重視されます。契約内容に基づいて働き、より良いオファーがあれば転職するのが一般的です。そのため企業側も長期的な育成にはあまり投資せず、即戦力を求める傾向があります。成果を出せる人材は転職を重ねてキャリアアップしていき、勤続年数の長さ自体には大きな価値は置かれていません。

香港内の連絡はWhatsAppが基本
香港では、仕事上のやり取りはもちろん、友人や学校関係の連 絡 など、日常のさまざまな 場 面でWhatsAppが利用されています。一方、中国本土ではWeChatが広く定着しており、連絡ツールとしてだけではなく、支払いや公共サービスの利用時などにも使われています。相手の居住地や状況に応じて連絡ツールを使い分けましょう。

重んじられる風水と縁起
風水や縁起を重んじる考え方が根強く、ビジネスの場面でも意識されることが少なくありません。オフィスの内装やデスクの配置にこだわる人も多く、運気を意識した空間づくりが行われています。また数字にも意味があり、「8」は発財(財を成すこと)を連想させる吉数として好まれる一方、「4」は死を連想させるため避けられる傾向があります。

部下にも配るお年玉
旧正月には、赤い封筒に入ったお年玉「利是(ライシー)」を渡す習慣があります。利是は、会社の部下や未婚の同僚、オフィスや自宅の警備員、馴染みの運転手や店員などにも配るのが一般的です。渡す際は「恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)」「新年快樂(サンニンファイロッ)」などの言葉を掛け合います。相場は、部下が少ない場合はHKD100程度、多い場合はHKD50程度、警備員にはHKD20ほどで問題ありません。できれば銀行で新札を入手しておくとよいでしょう。

会食・冠婚葬祭のマナー
円卓で学ぶ中華圏の基本作法
取引先とのビジネスランチなどで円卓を囲む機会もあるでしょう。日本ほど厳格ではないものの、中華圏でも席次は存在します。円卓の場合、入り口からもっとも遠い席が上座、入り口側が下座となります。広東料理などでは、席ごとに箸が2膳用意されていることがあり、内側は口に運ぶための箸、外側は取り箸として使われるのが一般的です。また、平皿とお椀がセットになっている場合は、平皿はお椀の下に重ねて置き、骨入れとして使用します。

香港式ウエディングの心得
長く勤めていると、香港人の同僚や友人の結婚式に招かれる機会もあるはずです。基本的な流れは日本と大きく変わりませんが、服装は比較的自由で、なかにはスニーカーにTシャツ、ジーンズ姿の人もいます。ただし、「白」は弔事を連想させるため、白いネクタイなどは避けましょう。また、日本と同様にご祝儀の習慣はあるものの、会場によって相場が異なったり、受付で祝儀袋が用意されていたり、必ずしも現金で渡す必要がなかったりといった違いがあります。

葬儀と香典のポイント
宗教によってやや異なりますが、葬儀の服装は明るい色でなければ基本的にカジュアルで問題ありません。日本式の喪服で参列すると、かえって浮いてしまうこともあります。香典は関係性に応じて異なり、HKD100~1,000が相場です。ただし、偶数はめでたい場で使われる数字なので、HKD1を足し、奇数となるようにしましょう。
香典袋を自宅で用意する場合には、白い封筒の裏に名前を書きます。袋は葬儀会場でも用意されているので、その場で名前を書いて渡すことも可能です。状況によっては会社で手渡しても差し支えありません。
なお、近く結婚や出産などの慶事を控えている場合は参列を控えましょう。身内に不幸があった場合は、葬儀後100日間は旧正月のライシーは配らないのが慣習とされています。



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