【会社設立・撤退】香港法人のライフサイクル~設立・休眠・清算の実務~

2026/05/01

進出時の制度理解に加え、将来の出口を見据えた判断が海外ビジネスでは重要となります。香港は設立のしやすさが注目されがちですが、運営や維持、撤退に関する実務も含めて把握しておくことが、安定した事業展開には欠かせません。この項では、香港における法人設立から休眠、撤退の実務を整理します。
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香港市場が選ばれる理由

香港は国際金融都市としての地位に加え、貿易の自由度が高い地域として発展してきました。特に物流・金融インフラの整備が進んでおり、実際の貨物移動を伴わない取引においても、中継地として活用されるケースが多いのが特徴です。

香港の強み

  • ・アジア主要都市へのアクセスの良さ
  • ・比較的低い法人税率
  • ・制度が簡潔で分かりやすい会計ルール
  • ・設立・撤退の手続きが比較的容易
  • ・国際水準の金融サービス

 

進出形態の選択

香港での事業展開には、主に「現地法人」「支店」「駐在員事務所」といった形態があります。営業活動の可否や税務申告の必要性などが異なるため、事業内容に応じた選択が求められます。

・現地法人:
独立した法人として営業行為を含めた活動が可能。会社名も選択できる。ただし、法人設立に伴う会計監査や年次報告書の作成などが必要となる。

・支店:
本社の一部として営業行為ができる。会計監査・年次報告書は不要だが、現地法人と同じく、法人税の税務申告が必要。

・駐在員事務所:
登記は必要だが法人設立は不要であり、税務申告や会計監査、年次報告も求められない。ただし、利用は非営業目的に限られる。

 

法人設立に必要な体制

香港で会社を設立する際には、最低限以下の体制が求められます。

  • ・株主:1名以上(国籍・居住地不問)
  • ・取締役:1名以上
  • ・会社秘書役:香港居住者または香港法人

会議

 

設立手続きの全体像

香港での法人設立は、まず会社名を決定し、登記住所を確保することから始まります。登記住所については、住所貸しサービスを利用することも可能です。

次に、定款や役員・株主情報などの必要書類を整備し、会社登記局へ申請を行います。設立証明書の取得後は税務局での法人登記を行い、事業開始に向けた準備を進めます。

あわせて銀行口座の開設も必要となり、本人確認書類や事業内容の説明資料などを提出し、審査を経て利用開始となります。税務局への申請は業務開始から1カ月以内とされ、その後も毎年更新が求められます。
会社設立までの流れ

 

事業停止の選択肢「休眠制度」の活用

通常、営業活動を一時的に停止している場合も、活動中の会社と同様に監査報告書の作成など諸手続きを行う必要があります。しかし「休眠」という形を取ることで、事業を一時的に停止しつつ法人を維持することができます。この制度を活用することで、コストや労力をかけず将来的な再開を見据えた柔軟な運用が可能です。

2026-05-04_15h31_48 メリット

  • ・年次株主総会の実施不要
  • ・年次報告書の提出不要
  • ・監査報告書の作成不要

※会社秘書役、登記住所、商業登記の更新は
必要

休眠登記のポイント

  • ・会計取引が発生しないことが前提
  • ・休眠中に取引が発生した場合は自動的に通常状態へ移行する
  • ・銀行口座は維持可能だが、取引や利息の発生には注意が必要

登記の流れ 再開時の留意点
営業を再開する際には、宣言書を会社登記局へ提出することで休眠状態を解除することができます。ただし、休眠期間を含めた会計・税務処理が求められる点に注意が必要です。

 

香港法人のクローズ方法

事業撤退の方法は複数あり、会社の財務状況や株主構成によって適切な手段が異なります。
EXIT

  • 1. 登記抹消(簡易手続き):
    比較的簡便な方法で、一定の条件を満たした企業が対象となる。
  • 2. 債権者関与の清算:
    債務超過などの場合に選択され、債権者への説明責任が伴う。
  • 3. 株主主導の清算:
    株主の75%以上の同意と、すべての債務を弁済できることを前提に、株主による任意清算を行うことができる。

株主による任意清算の主な手続き

 

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