NAC 香港ビジネス通信⑬ 河套深港科学技術イノベーション協力区について②
大湾区政策の重点プロジェクトの一つである河套深港科技イノベーション協力区の開発について、最近注目が集まっています。2024年12月号では、香港側計画「西部鉄道ルート(洪水橋~前海)及び洪水橋/厦村新発展区」、「香港のシリコンバレー建設―新田科技パーク」、「北環状線の東延伸及び古洞北新発展区の検討」についてご説明しました。今回は「羅湖/文錦渡総合発展ハブ」をご紹介します。
1.概要
河套深港科技イノベーション協力区(「河套協力区」と略称)は、香港特別行政区北部と深圳市福田区南部の越境地域に位置し、深セン河に面した3.89㎡で、福田保税区エリアと皇崗イミグレーションエリアを含む深圳園区約3.02㎢と、皇崗の向かい側に位置する香港園区約0.87㎢、2つの陸路イミグレーションで双方の園区は隣接しています。
2.香港側計画
羅湖/文錦渡総合発展ハブ
羅湖はクロスボーダー往来の最も多いイミグレーションを有しています。通関効率を高めるために、香港側の東鉄線を延伸して深圳羅湖までとし、かつ深圳側に「一地両検」のイミグレーションを設置することが検討されています。
この機会に既存の羅湖駅と上水駅の間に羅湖南(暫定名称)駅が計画され、羅湖/上水北及び文錦渡一帯の発展を図り商・住総合発展ハブ建設を計画し、香港側住民の交通便利化と越境就業の選択の可能性が得られることとなります。新駅周辺には鉄路貨物運輸用途の土地及び、9千~10.5千戸の住宅建設が見込まれます。
また文錦渡通関での生鮮食品の通関及び検疫施設と、上水の畜場の香園囲管制ポイントへの移転が計画され、生鮮食品の輸送が羅湖/文錦渡商・住の環境影響や交通渋滞等に与える影響を回避するものとしています。

図は《北部都会区発展策略》より
2024年10月の施政報告
行政長官による2024年10月の施政報告(※1)では河套深港科学技術イノベーション協力区の香港園区の開発促進について、年内に香港パークの発展綱要を発布し、両園区間の人員、物資、資金とデータ流通のイノベーション政策を促進させて国家の新重要政策発信地構築を目指し、両園区の特定人員に対する越境便利化、低空輸送、物品越境流通、香港園区内の内地企業の資金移動便利化等の措置の試行を図るとしています。香港パークには現在第1期建設が行われ、今年末以降に最初の3棟の完成と、生命科学、健康科学、人口智能、データサイエンス等領域の第一陣が来年入居を開始し、残り5棟は今後5年間で完成予定と発表されています。
[参照文書]
1. 香港特別行政区 行政長官2024年施政報告 七、北部都会区発展エンジン推進と大湾区協力深化
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