NAC 香港ビジネス通信⑩ 河套深港科学技術イノベーション協力区①

2024/12/18

スクリーンショット (2534) 大湾区政策の重点プロジェクトの一つである河套深港科技イノベーション協力区の開発について、最近注目が集まっています。

1. 概要
河套深港科技イノベーション協力区(「河套協力区」と略称)は、香港特別行政区北部と深圳市福田区南部の越境地域に位置し、深セン河に面した3.89㎡で、福田保税区エリアと皇崗イミグレーションエリアを含む深圳園区約3.02㎢と、皇崗の向かい側に位置する香港園区約0.87㎢、2つの陸路イミグレーションで双方の園区は隣接しています。

2. 香港側計画
香港特別行政区政府は大湾区政策を背景に2021年《北部都会区発展策略》※1にて、深セン湾、大鵬湾と深圳河で深圳に面する、天水囲、元朗、粉岭/上水等の都市部とこの間に広がる郊外地域の開発計画を打ち出しており、今後20年間の都市建設と人口増加が最も活発になる地区とされています。

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深センの前海合作区は最新の政策公布によりその面積が元の14.92㎢から120.56㎢に拡大されたことに伴い、洪水橋/厦村新発展区を新界北部のビジネスセンターとして前海との交通連携を強化する。洪水橋と前海の越境鉄路を計画し、且つ前海において「一地両検」が検討されている。これにより、道路建設と合わせて、南は香港空港と珠海・マカオへのアクセス、北は深圳空港と東がん及び広州へのアクセスとなる、珠江東岸交通ルートのハブとなる。洪水橋/厦村新発展区には、住宅47千~52千戸の増加が見込まれる流浮山及尖鼻咀一帯の土地が含まれる計画であり、前海と連携したビジネス拠点開発により、既存のサイバーポートと同規模の6千~8千の雇用を生むと見込まれる。

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現在建設中の港深イノベーションパークの用地面積は約87ヘクタール、約5万人のイノベーション関連雇用が見込まれている。新田/落馬洲には、深圳側の新皇崗口岸への管制地域を含め、イノベーション発展用途の新田科技城土地面積全体は、周辺を合わせておよそ香港サイエンスパークの16.5倍の面積となる。

新田/落馬洲から新皇崗口岸(一地両検)への直接アクセスを強化し、香港側の沿線駅を整備し、交通網の増強を図る。福田区のビジネスセンターを備える深圳パークとは、鉄道、既存の落馬洲管制地区の陸路の旅客運輸と貨物運輸、隣接の徒歩によるイミグレーション、及び新皇崗イミグレーションの、4つのルートで繋がることになり、越境ルート及び往来が突出して密集する地域となる。香港パークを「新田」と名付けるのは、農耕時代に苦労して開墾された歴史的意義と、深圳側の福田に呼応する意味もある。

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新田科学城に隣接する古洞北新発展区には、古洞駅に加え、北環状線の東側延伸地域計画が含まれている。東側延伸は羅湖及び文錦渡地区へと繋がるほか、粉嶺安楽村工業区の駅設置が計画される。古洞北新発展区北部に新規増加する住宅は12千~13.5千戸とのことである。

[参照文書]
1. 香港特別行政区 北部都会区発展策略 報告書 2021年10月6日

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