目から鱗の中国法律事情 「中国の労働分野における「集団契約」③」

2023/11/29

中国の法律を解り易く解説。

法律を知れば見えて来るこの国のコト。

 

Vol.86 中国の労働分野における「集団契約」 その3

前回は、中国の労働分野における「集団契約(中国語原文は「集体合同」)」に規定すべき内容について見ました。今回は、この規定すべき内容についてさらに具体例を見てみましょう。

集団契約で規定すべき内容の具体例
前回は、集団契約で規定すべき内容の一覧を見ました。そして、そこに掲げられていた各項目にはさらに具体例もあげられています。もっとも、全ての項目の具体例を見るには紙幅の都合からも難しいため、ここでは、労働報酬と労働時間、休息休憩の項目について集団契約で規定すべき具体例を見てみましょう。

〇労働報酬
・企業の給与レベル、給与分配制度、給与標準および給与の分配形式
・給与の支払い方法
・残業、休息日の労働に関する給与および特別手当、支給標準および奨励金の分配方法
・給与の調整方法
・試用期間および疾病・私用休暇などの期間の給与待遇
・特殊な状況下の労働者の給与(生活費)支払方法
・その他の労働報酬の分配方法

〇労働時間
・労働時間制度
・残業、休息日の労働の方法
・特殊な労働者の労働時間
・労働定額の標準(一定の労働条件下で一定の業務を完成させるのに必要な労働量の標準)

〇休息休憩
・一日の休憩時間、週の休息日の割り振り、年次有給休暇の方法
・標準の労働時間が実行できない場合の休息休憩
・その他の休憩

以上のような具体的規定を集団契約に規定するわけです。例えば、企業の給与レベルとは、勤続年数やある役職に就いているなどの者の給与は、原則〇〇元であるなどの規定ということです。(続く)28035649_m


高橋孝治〈高橋 孝治(たかはし こうじ)氏プロフィール〉
立教大学 アジア地域研究所 特任研究員
北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)、国会議員政策担当秘書有資格者、法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格者)。中国法研究の傍ら講演活動などもしている。韓国・檀国大学校日本研究所 海外研究諮問委員や非認可の市民大学「御祓川大学」の教授でもある。著書に『ビジネスマンのための中国労働法』、『中国社会の法社会学』他多数。FM西東京 84.2MHz日曜20時~の「Future×Link Radio Access」で毎月1、2週目にラジオパーソナリティもしている。Twitterは@koji_xiaozhi

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