メディポート健康コラム:身体とお金の健康

2026/03/31

発酵と腐敗、そして食中毒

腹痛

ヒトは発酵を利用して食品を加工し、世界各地で食文化の一端を築き上げてきました。特に日本での利用は、味噌や醤油などの調味料からお酒に至るまできわめて広範囲に及んでいます。

私たちの食生活に欠かせない発酵食品ですが、発酵と腐敗は紙一重、いや微生物学的にはまったく同じ現象に過ぎません。我々が食品として利用できるか否かというだけで、その判断は個人の許容範囲に委ねられるといっても間違いではありません。

ある人が「腐っている」と言っても、それが食に適さないという事実を示すものではないのです。たとえ腐敗している食品であっても、それが食中毒の原因になるわけではありませんから。

 

発酵とは

微生物の力で糖やたんぱく質を分解して旨味成分などが生まれる現象が発酵であり、アルコール発酵は別にして、基本的に栄養価の向上のみならず保存性にもすぐれた食品になります。

カツオの塩辛やこの世で最も臭いと言われるシュールストレミング(スウェーデンのニシンの塩漬け缶詰)などは、その形状や臭いからはおよそ腐敗食品との区別はできません。誰が最初にそれを食品として認識したのかわかりませんが、あれほど臭うものを口にして、さらにそれを旨いと認識するなど、ヒトというのは実に不思議な生きものです。だからこそ食文化が進化したのでしょう。

ところで人類が作り上げた最も硬い食品をご存じですか?それは、発酵によって旨味成分であるアミノ酸を生み出し、さらにカビの力で極端に乾燥させた特別な食品である、鰹節です。

 

腐敗について

発酵と腐敗は、微生物の働きによって食品等が変化する現象としてはどちらもまったく同じですが、腐敗したものは当然ながら食品としては利用できません。

ただし何を根拠に食用に適さない「腐敗した食品」とみなすのか?その判断は微妙です。食品中のタンパク質やアミノ酸が分解されて、硫化水素やアンモニアなどが発生し臭気が生じて食べられなくなったら腐敗と呼ぶわけですが、この現象が起きているものでも本来のものとはちがう食品と認識して食生活に取り込まれている例はいくらでもあります。

極端な言い方かもしれませんが、たとえ「腐った」食品を食べても病気になるわけではない点はおさえておくべきです。面白いことに乳酸菌や酵母菌といった有用な細菌類であっても、分類法によっては「腐敗菌」と呼ばれるグループに入れられるのは興味深いところです。

 

食中毒はなぜ起きるのか

当然ですが食中毒は原因となる細菌やウイルスが当該食品に存在していたから起きるのです。細菌性食中毒は不適切な食品加工や保存が最終的に食中毒の発生につながります。つまり様々な過程で食品を食中毒原因菌で汚染させてしまい、さらに当該食品が保存に適さない環境下に置かれると細菌は食品中で時間経過とともに増殖し、食べた人に食中毒を起こすのです。

臭いや味など感覚に頼って新鮮であると判断するのは危険です。ただし腐敗している場合はそれなりに時間経過している証であり、食中毒関連菌がもともと存在していた場合には、それが食中毒を起こすに十分な菌数に増えていたり、場合によっては毒素が産生されていたりする可能性が高いと判断できるのです。

ただし生牡蠣の食中毒で有名なノロウイルスは食品中で増殖しないので、その鮮度が安心の根拠にはなりません。

 

ー 健康とお金は車の両輪 ー

当然ですが食中毒は原因となる細菌やウイルスが当該食品に存在していたから起きるのです。細菌性食中毒は不適切な食品加工や保存が最終的に食中毒の発生につながります。つまり様々な過程で食品を食中毒原因菌で汚染させてしまい、さらに当該食品が保存に適さない環境下に置かれると細菌は食品中で時間経過とともに増殖し、食べた人に食中毒を起こすのです。

臭いや味など感覚に頼って新鮮であると判断するのは危険です。ただし腐敗している場合はそれなりに時間経過している証であり、食中毒関連菌がもともと存在していた場合には、それが食中毒を起こすに十分な菌数に増えていたり、場合によっては毒素が産生されていたりする可能性が高いと判断できるのです。

ただし生牡蠣の食中毒で有名なノロウイルスは食品中で増殖しないので、その鮮度が安心の根拠にはなりません。

 


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


若い時から考えよう 将来の健康と生活

考える若者

健康というジャンルでコラムを書いてきましたが、「あのコラムは中高年向けだね.。もっと若い人向けに書いたら」と揶揄されたことがあります。確かに駐在員の若年化が進んでいるのでそれも一理あるところですが、一方で健康関連のコラムはその内容からして若者向けになりにくいものでもあります。最近のコラムのテーマは高齢化社会がさらに深刻になるという社会問題も前提とせざるを得ず、いかにして健康的で幸福度が高い超高齢期を迎えるのかといった話題が多くなってしまいます。「健康は当たり前」と捉える若者が多く、遠い将来の健康など考えられなくても仕方がありません。30歳代くらいまでなら現役で働いている親を見ているので老化に対してイメージするのは難しいのかもしれませんが、50歳を超えたころから親の介護問題が顕在化することをきっかけとして、、自分が高齢になった時をはじめて心配する人が多くなるようです。

若い時から意識しよう
若くて未だ病気知らずであったとしても、今の健康は決して当たり前ではないと思っておいた方が良いのです。不幸にも若くして病魔に倒れることもあります。それは稀なケースとはいえ健康に関して少しだけでも意識しておくに越したことはありません。当たり前ともいえる健康を長く維持するために、チョットした努力の継続が遠い将来の健康に結びつくといっても過言ではないのです。

体重を気にしよう
20歳から40歳、この間はとても太りやすい時期にあたり、循環器系疾患のリスクを高くしてしまう人が多いのです。このことは特に男性に当てはまり、大学時代をスポーツ一筋に打ち込んできた人には特に顕著な現象として起きるようです。健康維持増進には体重管理をしっかりと行うこと。学生時代の体重を思い出してください。当時から筋肉質であったり太っていたりした人は別にして、多くの人にとってその頃の体重がベストだといっても良いのです。若い時の体重を維持する努力はとても大きな意味があり、肥満を指摘されて減量する努力に比べるととても小さな負担で済みます。

運動しよう
運動していますか?そう聞かれて思い浮かべる運動は何でしょうか。ジョギング、ジム通い、あるいは競技スポーツをすることでしょうか?確かに運動には違いありませんが、これらは「娯楽」と思ってください。やりたい人は楽しめば良いのです。大いに体を鍛えれば良いのです。しかし、興味もないのに無理やりやらなければいけないものでは決してありません。健康を維持する上で大切な運動は、とにかく歩くこと。野生動物は餌を求めて終日動き回っていますが、これこそ我々に不足している運動です。もちろん今の時代に一日中歩けというのは現実的ではありません。とはいえ隙間時間などに行う積極的な歩行がとても大切なのです。街の運動器具ともいえる階段も積極的に利用しましょう。骨への刺激にもなって、骨粗鬆症の予防にもなります。

過食を避けるべし
ヒトと野生の哺乳動物の遺伝子は驚くほど共通しており、特に生存に関わる遺伝子はほぼ同じです。野生動物は一日中餌を探し回ったところで満腹になる機会は少ないと思いますがヒトはどうでしょう。一日中座っていても食事にありつけますし、しかも食べるものは高カロリーになりがちで食欲を常に満たせます。ヒトを含めて動物は飢餓には抵抗性がありますが、食べ過ぎていると病気になるので、現代人は適切なカロリー摂取を常に考えなければいけません。ヒトの「栄養摂取」は素晴らしく良くなって十分満たされていますが、いかに過食を避けるかがとても重要な課題となります。

将来の生活を考える
家庭を持ち、住宅を購入し、そしてローンを抱えながら子供を育てるというのが人生のパターンの一形態です。もちろん様々な人生があるので一概には言えませんが、お金のことは常に意識しておいた方が良いものです。お金のことなど~と避けてしまう人もいますが、現実問題として決して綺麗ごとで済ませるわけにはいきません。リタイアして年金暮らしになっても、健康で文化的な安定した生活を送るためには経済的に豊かであったほうがより有利なのです。お金持ちが必ずしも幸せであるとは限りませんが、少なくとも経済力があったほうが多くの不幸から逃れられるのは間違いありません。

健康とお金は車の両輪です。どちらもきちんと回っていなければ満足できる幸福は得られません。最期まで元気で過ごせる人生はとても大切。経済的に余裕があればより幸せであると思いませんか。どちらも早くから意識しての行動が実を結びます。

 

 


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


転ばぬ先の杖

「転んでから杖を用意しても意味がない」という戒めを込めた言葉として使われる「転ばぬ先の杖」。これは特に高齢者に向けたというものではなく、現代では一般的な戒めとして年齢に関係なく使われます。「備えあれば患いなし」も同じ意味で、失敗など悪い結果が出ることを避けるためにあらかじめ準備しておくようにと説いています。もちろん医療や健康といった分野の戒めにも使えるものです。

転ばぬ先の健康診断
自分の健康状態を客観的に確認できる健康診断は、現在の健康上の問題を知るだけではなく、将来の健康状態を予測する上にもとても大切なデータを得る機会になります。当然のことながら健康診断を受診するだけではそれほどの意義は期待できないものであり、その結果を活用してこそ将来にわたって健康に過ごすための「杖」になるのです。健診結果に問題がなかったからといって安心するだけに留まる人も少なくないと思いますが、貴重な健診結果を将来に向けてぜひ活用して欲しいものです。そのためには通り一遍の説明だけではなく、複数のデータを関連づけた解説を受けて欲しいものです。どこで健診を受けても当然ながら同じ結果が出るはずですが、そのデータをどのように解釈して健康増進のために何をするべきかを具体的に理解することが極めて大切になります。健康診断を受診するにあたって、この点を含めてどのような質問にも適切に回答してくれる医療機関(健診機関)を選びたいものです。

早期がんの発見
がんの診断や治療は日進月歩の勢いで凄まじく進歩しており、近い将来、がんは死の病ではなくなるのがほぼ確実です。しかし、少なくとも現時点では「なるべく早く発見する」ことこそががん治療において良好な予後が約束される最大の術となっています。胃がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がんといったがんは、特に早期発見が可能ですが、最近は乳がんも発見が容易になり治療成績がとても向上しています。発見が早ければ100%治癒が見込めるがんについてはそれなりの検査を受けておくことが重要ですが、特に乳がんに関しては定期的な自己検診の有無がその治療成績を大きく左右します。比較的まれながんですが精巣がんも自己検診で容易に発見でき完治が可能です。自分の身体に関心を持って行動するすることこそ「転ばぬ先の杖」になるのです。

脳梗塞予防
脳卒中(脳血管疾患)を原因とする死亡者数は日本人の死亡原因の第4番目ですが、中でも注目したいのが脳梗塞です。死亡には至らないまでも後遺障害が残る割合が7割にも達するのです。つまり、たとえ助かってもその後の生活の質が著しく低下してしまう可能性が高いので、日ごろから循環器系疾患の罹患リスクを低く抑えておくことが非常に重要になります。その意味で最も避けておきたい病気が糖尿病です。脳梗塞はその合併症のひとつで、糖尿病患者の発症率は健常者に比べて2~4倍にもなると言われています。糖尿病でも肥満が引き金となって発症する2型糖尿病は、肥満予防が最大の発症回避策であり、日ごろの自己管理が力強い「転ばぬ先の杖」となるのは言うまでもありません。肥満を避けることは想像以上に多くの病気の予防に貢献します。

お金の健康管理
今後がんの治療技術がさらに進歩し死の病ではなくなると、日本人の平均寿命が現在より8年延びると推測されています。高齢者の孤独化が進む時代であることを考えると長生きは必ずしも幸福とは言えませんし、さらに大きな病気をしたり施設に入ったりする可能性が大きくなるのではないかと、考えれば考えるほど将来への不安の種は増えるものです。若い時に建てた自宅をリフォームする必要性に迫られることもあるなど、まとまったお金が想定外に必要になる可能性もあります。つまり今まで思いもよらなかった大きな出費が突然求められることがあるものと早くから頭の中に置いておかなければなりません。お金の話は避けてしまう人もいますが、これは大切な問題であって誰もが将来に向けて真剣に考えておかなければいけない重要な課題です。決してきれいごとで済まされるものではありません。「転ばぬ先の杖」はケガや病気など目に見えるリスクに備えるばかりではなく、将来の経済的負荷に対して具体的に備えておくことは、お金で痛い目に合うリスクを最小限に抑えて、高齢期をより幸福に過ごすためにも「大切な杖」となります。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


2026年元旦 新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。旧年中は弊社健康診断サービスをご利用いただきましたこと厚く御礼申し上げます。2026年を迎え、新たな気持ちで皆様の健康維持増進のお手伝いをさせていただきたく、引き続きよろしくお願い申し上げます。さて、1999年の創業以来26年間にわたり皆様に支えていただきました弊社メディポートは、昨年NNIグループに正式に加わり新たな時代を迎えました。NNIグループは、損害保険・企業経営上のリスクマネジメントを中心業務とするNNI Insurance Brokers、生命保険・ファイナンシャルプラン ニング 業 務 を 得 意とする Insurance110、そして健康診断および医療コンサルタントとしてのメディポートの3社からなり、今年も皆様に様々な角度からサポートさせていただく所存でございます。平均寿命が延び続けており、誰もが100歳を迎える可能性があり、長生きする「覚悟」が必要な時代です。そんなに長生きしたくないと思っていても生かされ続けてしまうのは辛いことでもあります。さらに長生きするとそれだけお金がかかるものです。年金が先細りしてしまう懸念もあって、将来の生活資金への早くからの備えもますます大切になります。経済的に余裕があれば、超高齢期を迎えても高い幸福度を維持できる可能性が大きくなります。私たちNNIグループでは「ビジネスの健康」、「お金の健康」、「身体の健康」を軸としてアドバイスできることから、皆様に寄り添い、より良いサービスをご提供できるものと信じております。新しい年が皆様にとって素晴らしい1年となりますことを、心から願っております。本年も引き続きお役に立てるよう努力いたしますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

年の初めにこそ健康10か条

AIに聞いた健康10か条に、ちょっと突っ込みを入れてみました。
1.栄養バランスのとれた食事
現代は飽食の時代です。栄養バランスを考えるより、はっきり言って食べすぎ注意。カロリーの摂取過剰に注意しましょう。多くの男性には極めて重要です。
2.十分な睡眠と休養
睡眠無しで生きることはできませんが、睡眠時間は個人差が大きいもの。一概に何時間必要とするのはナンセンス。日中に快適に過ごせる睡眠時間であればOK!
3.適度な運動
運動は日常生活の中での確保が大切。激しい運動は健康のためには無用であるばかりか、健康を害する原因にもなります。歩きましょう。街の運動器具ともいえる階段を使うべし。
4.水分補給
水分補給を心掛けることは大切ですが、ビールはダメ!血液が濃いと言われている人には水分摂取は最も重要な健康法なのかもしれません。就寝前後のコップ1杯、意外に良いかも。
5.禁煙
喫煙が身体に悪いことは百も承知。でも、飲酒を含めて習慣性を絶つことは至難の業。せめて周囲へ影響がないように。禁煙努力は大切。禁煙に失敗しても繰り返し挑戦するべし!
6.節酒
無理してまで飲まない。コミュニケーションに必要という人もいますが、これはただの言い訳。好きだから飲んでるんでしょう?健康に影響がない量があるとはいえ、酒は飲まないに越したことはない。自戒を込めて言っておこう。
7.ストレス管理
ヒトは大なり小なりストレスがあるもの。その受け止め方は人それぞれ。コントロールは難しいですね。自分だけではなく周囲でストレスに悩んでいる人がいたら、話を聞いてあげましょう。アドバイスは不要です。自分のストレスマネージメントにつながる可能性もあります。
8.規則正しい生活リズム
これはちょいとお節介かもしれませんね。生物学的には日没後はあまり明るくない環境でゆっくりと過ごすのが良いのかも。老後の生活はこれですね。生活は太陽に合わせるのが一番。何かと社会とつながっている現代生活では難しいものですが。
9.定期的な健康診断
自分の健康状態を客観的に捉えて改善の必要性を確認することが大切。結果については適切な説明とアドバイスを受けられると良いですね。
10.社会的な交流
高齢者に限らず私たちの生活にはとても大切。人との交流は精神的な健康にも関連します。個が優先される社会ですが、生物学的にはそれぞれが繋がることが必要です。

 


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


 

ヒトの進化と今後

生物の中で著しく進化し特別な存在となったヒトであっても、その祖先はサルと共通です。ヒトに最も近い存在のチンパンジーと分枝したのはおよそ500万年前との説が有力ですが、サルがヒトと共通祖先であることについては、進化の空白期間があったこともあり長らく議論されていました。自分たちがサルから進化したとは心情的に信じたくないのもわからなくもありませんが、どうやらそれは真実のようです。チンパンジーとヒトの遺伝子はたった2%しか違いがないらしいので、生物学的にはほとんど同じ存在であるといえましょう。この地球に生きる生物で、ヒトだけがまったく別の存在であるなど考えられません。

進化の過程 
現在の人類をさすホモサピエンスが生まれたのは30万年ほど前だと言われていますが、ヒトの進化を決定づけたのは、二足歩行になって前足が手になり、道具を作ったり、物を運んだりできるようになったこと。もちろん食べものを得るにも断然有利になったのです。さらに大きく進化したのは偶然ではあったものの火を使えるようになって、加熱したほうがおいしいと覚えたことです。生で食べるより糖質の吸収が格段に良くなり脳が大きく発達した結果、生存にだんぜん有利になって寿命もチンパンジーの倍ほどにまで伸びたのです。

現代の社会
ヒトは生物の中で最上位に君臨し、自分たちにとって都合良い社会をつくるために、ほかの生物の存在を脅かしています。現在の推計世界人口はすでに82億人を超えており、食糧生産の可能性から割り出された扶養限界は最大100億人なので、今はその限界に近い状態です。現代人は、ヒトだけではなくあらゆる生物に様々な歪を生じさせています。栄養状態が良くなり、医学が進歩するなどして、生存に有利な条件が整ってヒトの寿命が延びてきたものの、皮肉にも長寿が幸福であるとの考え方に疑問が持たれるようになっています。「長寿」という言葉は死語になりつつあるのではないでしょうか。

今後に対して
現在生存しているヒトは自分の子供も含めて100年先にはほとんどだれも残っていません。だからといって自分たちの時代をいかに快適に過ごすのかだけを考えていてはいけません。卓越した知能を駆使しているうちに人口が著しく増え、これからも技術革新である程度その増加は続くと思いますが、将来必ず反動が来て人類は大変な時代を迎えることでしょう。これからの時代は、ヒトは自然に対しておごることなく謙虚になるべきであり、自分自身に対しては、日常生活で便利さを求めるのではなく、あえて不便さを受け入れる気持ちを持つべきではないでしょうか。便利さに溺れていると身体は必ず退化します。これまでの社会とは違い、科学がさらに進歩
してより便利な社会になっても、自分もいち生物と捉えて自身を鍛えるつもりでいなければなりません。ちょっと頑張って生きる、そんな気持ちでちょうど良いのかもしれません。

健康とお金は車の両輪
2024年の日本人の平均寿命は、男性81.07歳、女性87.09歳で前年に比べてほとんど変化はなかったものの、女性の平均寿命は40年間連続世界1位を維持しました。また男性の平均寿命は6位だったものの、日本の超高齢化は今も確実に進んでいます。長生きする人が増えていますが、誰もが健康でいられるわけではなく、寝たきりになってしまう人も増えている現実も直視しなければいけません。少子高齢化で現在でも介護の担い手が不足しており、現代人はとにかく健康寿命を延ばさなければいけないという課題に直面しています。いつまでも健康でいるための努力が求められます。
ところが、長生きするとそれだけお金がかかると心配になる人も少なくありません。個人の純資産総額は60歳代から減っていくのが通常であり、そのうち枯渇してしまうのではないかと不安になる気持ちも理解できます。十分な年金があると期待していても、それは定年間際の年収が頭にあるからで、実際に支給される年金額は平均報酬月額を元に算定されるため、その金額の少なさに愕然とする人も少なくないようです。まさに健康管理と同じで、自分の資産を延命させるための管理が必要です。
だれもが超高齢期(90歳以上)まで生き続ける可能性が大きい現代です。とことん健康であることを目指すのは自分自身のみならず家族のためにも当然ですが、それと共に自分の資産にも長生きしてもらわなければいけません。幾つになっても幸せでいられるためには生活にゆとりも必要。健康とお金は車の両輪です。
メディポートとInsurance110は、その両面で皆様のお手伝いをさせていただきます。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


お酒と肝臓の深~い関係

香港はベストシーズンの只中。今は一年を通して最も快適な季節です。お酒がいつもより美味しく感じるのも今頃ではないでしょうか。特に汗をかいた後、爽やかな風にあたりながら飲むビールの味は格別です。この感覚はビール好きにしかわからないのかもしれませんが、ついつい飲みすぎてしまう危険性をはらむことを忘れてはいけません。アルコールには様々な薬理作用があり、特に中枢神経への抑制作用を受けて飲酒がやめられなくなります。今回はお酒と健康、特に肝臓との関係について考えてみましょう。

肝臓のはたらき
人体の化学工場と例えられる肝臓。大きな働きは代謝と解毒であり、アルコールはこの解毒作用で処理され無毒化されます。病気治療などのために服用する薬も人体にとっては毒物であり、最終的には肝臓で解毒分解されます。また代謝では、消化管から吸収された栄養素を体内で利用できる形に作り替え、その貯蔵を行うとともに必要に応じて体内へ供給するなど、その働きは複雑です。さらに脂質の消化吸収を助けたり、老廃物の消化管への排泄に関わったりする胆汁を産生することも肝臓の大きな役割です。

体内でのアルコールの行方
アルコールは小腸で80%、残る20%が胃で速やかに吸収され全身を回ります。一部は尿や汗と共に排泄されますが、ほとんどは肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)などによって分解され、頭痛や動悸の原因となるアセトアルデヒドが生まれます。さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きで酢酸となって血液中を運ばれ、最終的には水と二酸化炭素に分解されて排泄されていきます。アルコールはエンプティ―カロリーと言われる所以がここにあります。しかしこの過程で中性脂肪の合成が促進される一方で、肝臓からグルコース(血糖)の血流への供給が減少してしまい、食べているにも関わらず血糖値が上がらないという現象が起きます。飲酒後に空腹を感じて、締めと称してラーメンなど炭水化物が欲しくなるのは、一時的な低血糖が起きているからです。アルコールが中性脂肪の直接的な原料になるわけではありませんが、飲酒によって中性脂肪が多くできてしまうので単純に脂肪肝の原因にもなるわけです。

好ましい飲酒量
アルコールは誰が何と言おうと毒だとの認識を持たなければいけませんが、毒だと分かっていても避けられないのが人間の性なのかもしれません。どのくらいの量なら問題ないのかは個人差が大きいようです。しかし、血液検査(肝機能検査や中性脂肪)結果の異常の有無がひとつの指標になりそうです。基準オーバーでなくても高めには注意が必要です。また、肥満が重なると肝臓への影響はダブルパンチ。秋の夜長に、美味しいお酒をいつまでも飲みたければ、肥満を避けることも大切です。

健康とお金は車の両輪
2024年の日本人の平均寿命は、男性81.07歳、女性87.09歳で前年に比べてほとんど変化はなかったものの、女性の平均寿命は40年間連続世界1位を維持しました。また男性の平均寿命は6位だったものの、日本の超高齢化は今も確実に進んでいます。長生きする人が増えていますが、誰もが健康でいられるわけではなく、寝たきりになってしまう人も増えている事実も直視しなければいけません。少子高齢化で現在でも介護の担い手が不足しており、現代人はとにかく健康寿命を延ばさなければいけないという課題に直面しています。いつまでも健康でいるための努力が求められます。
ところが、長生きするとそれだけお金がかかると心配になる人も少なくありません。個人の純資産総額は60歳代から減っていくのが通常であり、そのうち枯渇してしまうのではないかと不安になる気持ちも理解できます。十分な年金があると期待していても、それは定年間際の最も高い年収が頭にあるからで、実際に支給される年金額は平均標準報酬月額を元に算定されるため、その金額の少なさに愕然とする人も少なくないようです。まさに健康管理と同じで、自分自身でお金が長生きできるように管理していく必要があります。
だれもが超高齢期(90歳以上)まで生き続ける可能性が大きい現代です。とことん健康であることを目指すのは自分自身のみならず家族のためにも当然ですが、それと共に自分の資産にも長生きしてもらわなければいけません。幾つになっても幸せでいられるためには生活にゆとりも必要。
健康とお金は車の両輪です。メディポートとInsurance110は、その両面で皆様のお手伝いをさせていただきます。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


ハイキングの勧め

10月からいよいよ香港のベストシーズンに入ります。これからの季節は湿度が下がり過ごしやすい日が多くなります。運動を始めようとするには最適ですが、これまでに運動経験がない人にとって、いったい何をすれば良いのか悩んでしまうかもしれません。ジョギングしたりジムへ通ったりということばかりが運動ではありません。無理に始めても続かないものです。まずは四の五の言わず、難しいことは考えずに、とにかく歩きましょう。身体を動かすことすべてが運動です。まずは日常生活の中で少しでも歩く時間を確保すること。エレベーターやエスカレーター、あるいは乗物でも、可能であればこれら文明の利器をできる限り使わない努力をすることが運動量を増やす第一歩です。

ハイキングを始めましょう
香港は大都会と自然が隣接した珍しい都市です。しかも長らく英国の植民地であったこともあり、整備され充実した多くのハイキングコースの存在も特徴です。たくさんの山があり比較的急峻ではありますが、標高は最も高い頂でも1000mありません。ほとんどの山は500m以下であり、健康に良いとされる低山ハイクが楽しめる絶好の場所が香港です。そうはいうものの、それでも初めての人にとっては敷居が高いのかもしれません。とりあえず自宅近くの坂をどんどん登っていってみましょう。そのままハイキングコースに繋がっていることもあるので、ちょっと様子を見に行くくらいの気持ちで近所を散歩してはいかがでしょうか。こうやって私もだんだん奥に入って行くようになってハイキングの楽しさに気付き、本格的に歩くようになりました。

自然を楽しもう
日本ほどの明確な四季はありませんが、温帯夏雨気候にある香港は長く暑い夏と雪が降るほどの寒さにはならないまでも暖房器具が欲しくなる日もある冬があります。そのため動植物相はとても厚いものがあり、ハイキングをしていると季節によって目に入る自然の姿が変わることに気付きます。ハイキングは何も早く歩く必要などありません。ゆっくり歩くほど周囲の様子が目に入ってきますから、足元の小さな花に気がついたり、また普段スーパーでしか見ない熱帯の果物が実っている姿を見たりして、香港は南国だと思いなおす機会にもなります。若干の紅葉もあれば瑞々しくまぶしい新緑に心動かされることもあります。都会の喧騒を離れて自然に接する時には、日頃のストレスも吹き飛ぶかもしれません。

歩くことは運動の基本
野生動物にとっては、エサを求めて歩き回ったり、あるいは木に登ったりする行動が運動となります。ヒトも農耕の時代までは、畑仕事などで終日身体を動かさなければいけない時代が長く続き、それが自然な運動となっていました。我々がスポーツに興じたり、毎日ジョギングに励んだり、あるいはジムに通って筋肉を付けようとすることなど、現代人が一般に認識している運動は、高度に進化したヒトだからこそ楽しめる「娯楽」です。しかしこれらは生物学的には、生存に対して好ましい運動ではないのかもしれません。まずは歩くこと。これこそ運動の基本です。
健康とお金は車の両輪
平均寿命が延び続けて元気な高齢者も増えています。富士山登頂の最高齢記録が今年塗り替えられギネスに収載されました。2晩かけて登頂したのは、なんと103歳の日本人男性です。もちろんそれは極端でも、超高齢期を迎えるまでの心掛けひとつで、寝たきりを逃れる可能性も大きくなります。健康寿命を延ばしましょう。しかし、長生きするとそれだけお金がかかると心配になる人も少なくありません。個人の純資産総額は60歳代から減っていくのが通常であり、そのうち枯渇してしまうのではないかと不安になる気持ちも理解できます。
だれもが超高齢期(90歳以上)まで生き続ける可能性が大きい現代です。とことん健康であることを目指すのは自分自身のみならず家族のためにも当然ですが、それと共に自分の資産にも長生きしてもらわなければいけません。幾つになっても幸せでいられるためには生活にゆとりも必要。健康とお金は車の両輪です。
メディポートとInsurance110は、その両面で皆様のお手伝いをさせていただきます。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


その「運動」は本当に必要?

運動の有無を尋ねると、相手は申し訳なさそうに「運動はしてないんですよね~」と返してくることが珍しくありません。まるで運動をしなければいけないとの、世間一般の共通認識があるようです。ジムに通ったり、毎朝ジョギングしたり、あるいは週末にスポーツに打ち込むなどしていないと、何となく後ろめたさを感じる人も多いようです。果たしてそのような運動が必要かと聞かれると、私は即座に「否」と答えます。

野生動物とヒトの違い
チンパンジーの遺伝子とヒトのそれとの差は意外に少なく、違いはおよそ2%だと言われています。おそらく「生存」に関してはその機能のすべてが共通しているはずです。野生の動物は毎日食べるものを探すために移動するのが行動の基本ですが、それだけ体を動かしていても餌にありつけないときもあります。それに対してヒトはどうでしょう。食べるものを探し回る手間が要らないばかりか、極端に言えば一日中座っていても十二分なカロリーを得られます。つまりヒトは、動物の世界において極めて特殊な存在で、消費カロリーが少ない割に摂取カロリーがとても大きくなっており、「太りやすい動物」という自然界ではありえない生きものです。

運動とは
例えば、ジムに通ったりジョギングしたりするなど、身体に負荷をかけて汗を流すことを運動と我々は認識しています。週末のスポーツもそうですね。しかしこれらはヒトが高度に進化し、生存のために動く必要がなくなり、時間に余裕が出来たことによって生まれた「娯楽」ともいえるものです。生物にとって運動とは、生きるために餌を求めて動き回ることです。ヒトも狩猟採集の時代はもちろん農耕の時代までは一日中体を動かしていましたが、この行動が本来の運動と呼ぶべきもの。つまり、生きるために必要となる身体の動きすべてが運動であると理解しておかなければいけません。「減量のために運動しましょう」というのは、少なくとも間違った考え方です。

運動不足とその改善
当然ながら摂取と消費のカロリーの差が大きくなるほど太りやすくなります。体重増加を抑えるためには過剰となったエネルギーを消費しなければならず、その分の運動量を確保しなければいけないと説明されます。ところがオーバーしている摂取カロリーを運動だけで消費しようとしてもこれは極めて困難であるため、過食状態の改善がまず求められます。そのうえで如何に身体を動かすのかを考えるのは、現代人に与えられた大きな課題です。摂取カロリーを適切に維持することを意識して、日常生活の中でとにかく歩きましょう。そしてなるべく乗物を利用しない、階段を使うなど、体を動かそうと思う小さな心がけを積み重ねる努力が大切です。

スポーツを楽しむ
スポーツはヒトだけが行う運動です。得点や速さを競う競技はもちろん、ハイキングや登山、あるいはダイビングなど自然を相手に行われる身体活動はすべてスポーツとよばれるものです。このようなスポーツは運動選手でもない限り毎日根を詰めて行うと健康に影響してしまう可能性もあるので、一般的には週末に楽しむのがちょうど良いのかもしれません。日常の小さな運動の積み重ねに加えて、このようなスポーツを楽しめれば理想的です。もちろん健康を維持する目的であればこれは絶対的なものではありませんし、無理に行わなければいけないものでもありません。
何事もやり過ぎないことです。リラックスして楽しめる程度に体を動かせれば良いのであって、運動しなければと思い込む必要などまったくありません。

平均寿命が延びています。今後はがんを原因とする死亡者数が著しく減少していくことが予想され、私たちにとって長生きへ備える必要性が増々大きくなります。超高齢者の姿に自身を重ねて、「そんなに長生きしたくない」という声も聞こえてきますが、現代は本人の意思とは関係なく生かされてしまうことを覚悟しなければいけない時代です。
長生きするとそれだけお金がかかると心配する人も少なくありません。個人の純資産総額は60歳代から減っていくのが通常であり、そのうち枯渇してしまうのではないかと心配になる気持ちも理解できます。
超高齢期まで生きてしまう可能性が大きいのでとことん健康を目指すのは当然ですが、それと共に自分の資産にも長生きしてもらわなければいけません。幾つになっても幸せでいられるためには生活にゆとりも必要。健康とお金は車の両輪です。

 


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


スクリーンショット 2025-07-29 112814

健康にとって良くないものとのイメージが強く先行しているコレステロール。健康診断の結果で基準値を少しでも超えていると、なぜかがっかりした表情を見せる人が多いものです。また自分のコレステロールの値を気にして、コレステロールを多く含む食品を徹底的に避ける人もいるようです。卵は避けるべき食品の代表であるかのように位置づけて、極力食べないという人も少なくありません。
コレステロールは本当にそれほどまでに体に悪いものでしょうか?まるで毒物であるかのように忌み嫌う人もいますが、実はコレステロールは生体にとって欠かせないとても重要な物質であることを、一般にはあまり理解されていないようです。

コレステロールとは
コレステロールは、白色から薄黄色の固体で融点は約150℃。アルコールや有機容剤に溶けやすい脂質で、体内ではHDLやLDLと呼ばれるリポ蛋白質と結びついて血液中に溶けて運ばれています。またその合成や分解はおもに肝臓を中心に行われており、血液中の濃度が一定になるよう調整されています。そのため食事から摂取されたコレステロール量が一時的に多かったとしても、肝臓では合成にブレーキがかかるシステムが働きます。つまり高コレステロール食品を多く摂取したとしても、健康体であれば直ちに血中濃度の上昇につながるというわけではありません。
またコレステロールは細胞膜の重要な構成要素であるほか、性ホルモンやビタミンDの骨格を構成している物質でもあります。そのほか胆汁の成分でもあり、消化吸収にも大きな役割を担ってます。人体にとってなくてはならない重要な物質のひとつがコレステロールであり、必ずしも有害な脂質というわけではありません。

卵にコレステロールが多いのは
卵の黄身をよく見ると白い斑点がありますが、胚と呼ばれるこの部分から細胞分裂がはじまり、やがて一羽のヒヨコが生まれます。外から栄養などが与えられるわけでもなく、卵の中の成分だけでヒヨコが誕生するのですが、その過程で大きな役割を果たすのがコレステロールです。もちろん骨格や筋肉、あるいは様々な臓器など体のパーツができる材料としての栄養成分が当然のことながら卵の中にすべて含まれてます。そして細胞分裂を盛んに繰り返すためには、細胞膜の材料としてコレステロールが必要であり、あらかじめ卵黄に大量に含まれているわけです。

ヒトの場合は?
妊娠している女性の血液中にはコレステロールが著しく増加してます。鶏卵に限りませんが卵は後から栄養を供給できないので、予めその中に必要な量のコレステロールが含まれています。ところがヒトの場合は、母体からコレステロールを含むすべての栄養素の供給を受けて、おなかの赤ちゃんは急成長します。受精卵が細胞分裂を繰り返し、出産までのおよそ280日間に平均3㎏ほどにまで成長するわけですから、そこには十分な栄養と大量のコレステロールを必要とします。ちなみに健康診断の血液検査で測定される中性脂肪値なども母体血液中で大幅に上昇します。

高齢者の健康とコレステロール
近年、健康意識の高まりからコレステロールへの関心も高くなっているだけに正しい情報を得なければなりません。コレステロールにはLDLコレステロール(悪玉)とHDLコレステロール(善玉)があるのは誰もが知るところです。それぞれ意味がある動きをしているものであって、生体内で良いも悪いもありません。もちろんコレステロール値が高すぎることは心血管系疾患のリスクを高めてしまうので良くありませんが、コレステロールを避けるばかりに低栄養に陥る高齢者もいます。コレステロール値が高いといわれている人は、卵や肉類を食べることを避ける傾向が強いのですが、これらは同時に豊富なたんぱく質を含み高齢者にとって重要な栄養源となるものです。特に卵は完全栄養食品でもあり、高齢者のむやみな食事制限には慎重であるべきです。
今後平均寿命が増々延びるのは確実で、健康の維持管理の重要性が今後さらに高くなります。コレステロールに限らず、高血圧を指摘されている高齢者が、暑い夏にもかかわらず塩分を極端に制限して電解質異常をきたしてしまうことさえあります。極端であったり思い込みであったりする食事制限で健康に支障が生じるのみならず、生命をも危険にさらしてしまうことさえあります。これからの時代に健康で長生きするためには、自ら情報を集めて学習することも自己責任ではないでしょうか。

 


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


スクリーンショット 2025-06-30 100930

日本人の平均寿命が延び続けています。一時的な要因で伸びがいったん止まった時期もありましたが、一貫して右肩上がりであることに違いありません。ヒトは食糧生産やその貯蔵できるようになって寿命を大きく伸ばしました。さらに近年、抗生物質の発見やワクチン開発によって最大の敵ともいえる病原菌への対処もできるようになり、感染症死のリスクが大幅に低下しました。現在の最大の懸念はがん、つまり悪性新生物です。しかし、その治療技術も日進月歩で著しく進歩しており、今後10数年でがんは死の病ではなくなると、ノーベル生理学医学賞を受けた本庶佑先生はその受賞講演で語っています。実現にはまだ難しいハードルがあるのかもしれませんが確実にその方向にあります。がんの脅威がなくなると、平均寿命は8年延びるとも推計されていますから、いよいよ長生きへの覚悟が求められる時代になります。「長寿」という言葉はおそらく死語になるでしょう。長生きは必ずしも「寿」とはいえないからです。

元気で長生きが基本
寿命が延び誰もが長生きする覚悟が必要という話をすると、一部の人から「そんなに長く生きたくない」という返事が返ってきます。80歳くらいで十分ではないかというのです。超高齢者の姿に自分を重ねるのは辛いという気持ちもわかります。しかし少し思い返してみてください。自分が子供の頃に見た当時の高齢者の姿はどうでしたか?還暦を迎えた「老人」といっても何も違和感はなかったのではないでしょうか。しかし現代では定年も延長されているように60歳はまだまだ現役であり十分に働けるのです。見た目も昔とは違います。65歳以上の「法的高齢者」に接したときの印象が昔と比べて10歳から15歳程度若くなっていませんか。つまりこれから先も見た目はもちろん肉体的年齢の若年化が進むのではないかと考えておいた方が良いのです。自分の人生は80年くらいで十分だと思っている人がその年齢に達する頃には、80歳はまだ若いと言われる時代になっている可能性もあります。それだけにいくつになっても健康であることを意識しておくことが大切ではないでしょうか。

長生きとお金の問題
ところで健康を維持して長生きするのが目標という話をすると、長く生きると生活費がその分かかってしまうという声をたびたび耳にします。自分が最期を迎える前に生活資金が枯渇してしまうのではないかという漠然とした不安があると言います。退職後、年金に限られた収入でこの先の長い人生を生きて行けるのか心細くなる気持ちもわかります。食費や娯楽費は高齢になるほど一般的に少なくなるものですが、せっかくの蓄えを医療費や介護など突発的な出費に持っていかれてしまう事態もあり得ます。置かれている状況に個人差が大きいのは確かですが、その不安は大きな会社で企業年金がある人からも聞こえてくるほどですから、社会全体では老後の生活資金に対する不安は人々の心の中に大小の渦を巻いているに違いありません。

お金も長生きさせたい
人が長生きするのであれば、現有資産(お金)も長持ちさせたいものです。健康とお金は車の両輪、どちらの空気が抜けてもその後の人生に大きな支障をきたします。日本人の場合、60~65歳くらいの退職金を受け取ったころの資産総額が最も大きくなり、その頃の資金をいかに長生きさせるかが大きなポイントとなります。ただ使っているだけでは右肩下がりに確実に減ります。子供は独立していても、孫にはお金を使ってしまうこともあるでしょう。それならまだ良いのですが、大きな病気を患ったり、身体が不自由になったりした時の突発的な予期せぬ出費も必要となる可能性もあります。住宅ローンの返済が終わったころから自宅の老朽化も進み、リフォームが必要になる時期にも重なります。若い時には思いもしなかった出費が生まれてしまう可能性も想定しなければならず、現役時代に貯めたお金を少しでも長く使える仕組みを考えておくべきです。

海外居住者のメリット
良好な健康を維持するのに、海外にいることが特別な利点になるわけではありませんが、「お金を育てるための種蒔き」ができるという大きなメリットを無駄にしてしまうのはとてももったいない話です。お金のことはねえ…と言って避けてしまう場合ではありません。これから先の長い人生を少しでも幸せに送るために、身体の健康と同様に、お金についても真剣に考えるべきです。


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


スクリーンショット 2025-06-02 111605

そろそろ梅雨を迎える日本。高温多湿のこの時季、日本では昔から食中毒予防の啓発が盛んになされたものです。しかし近年、衛生環境が改善されたことに加え、食品流通や保存技術の進歩によって食中毒に関しての環境要因はなくなりつつあります。さらに食生活の多様化もあって、冬の食中毒の発生も珍しくなくなっているのが現状です。食中毒の原因微生物は細菌やウイルスなど非常に多くの種類がありますが、人類の生存を脅かす病原微生物はそのほかにも無数に存在し、我々は目には見えない敵と常に戦いながら生き抜いてきたといっても過言ではありません。

感染症の歴史
紀元前には神の怒りなどと思われていた感染症。その原因が微生物と理解されたのは1800年代になってからのこと。微生物を直接観察できるようになったのは比較的解像度が高い顕微鏡が発明された1600年代後半ですが、それほどまでに小さな生物が病の原因であるという理解には至りませんでした。細菌類と病気の具体的な関係が解明されたのは1800年代になってからですが、香港に住む日本人にとって特筆すべきことは、北里柴三郎が1894年に現在のケネディータウンでペスト菌を発見したことです。同時期に同じ香港でフランス人のアレクサンドル・エルサンもその発見に至っており、どちらが第一発見者なのか意見が分かれるところですが、いずれにしても日本人医学者がその発見に貢献したことは誇らしいことです。
さらに1928年に発見された抗生物質は、人類の医学史に非常に大きな功績として刻まれました。最初のペニシリンは呼吸器感染症や皮膚感染症など幅広い感染症の治療に用いられ、第二次世界大戦では多くの傷病兵士を救いました。さらに1946年に発見されたストレプトマイシンは、それまで死の病として恐れられていた結核の治療に使用され劇的な効果を示しました。
このように細菌類に対して新しい抗生物質が次々に投入されたことで、病原細菌は人類の脅威ではほぼなくなりました。しかし元来、抗生物質が効かないウイルスに対する治療薬はその構造がネックとなって現代においても開発は困難を極めている状況です。またワクチン開発は比較的易しいとはいえ、ウイルスは容易に変異してしまうことも多く、インフルエンザワクチンに代表されるように毎年新しいウイルスへの対応が必要となるものもあります。またヒトに無害であったウイルスが突然ヒトに対する毒性を獲得するなどその身代わりの速さもあって、未だに我々はウイルスに振り回されている状況です。

感染症が拡大しやすい環境
ヒトは2万年ほど前に農耕を始めたころから増えはじめ、近年の医学の進歩によって地球人口は爆発的に増加しました。さらに産業革命を経て長距離の移動が可能となり、現代では多くの人々が日常的に世界中を飛び回っています。ヒトからヒトに感染する病気は、ヒト同士の距離が短くなり、さらに移動も盛んになると、瞬く間に世界中に感染拡大します。SARSや鳥インフルエンザのように、感染症によっては動物からヒトに偶然感染してヒトの感染症として定着するものもあります。人口増加で未踏の地を切り開く必要性が増して野生動物と接触する機会が増えたことも、現代の感染症における大きな問題になっています。さらに地球温暖化の影響でロシアの永久凍土が溶け始めており、そこから現れた太古の哺乳動物から未知のウイルスが見つかっていることも懸念です。感染症を伝搬する蚊などの衛生害虫の生息範囲も広がるなど、温暖化は感染症対策にも大きく影響しています。

これからを健康に生き抜くために
感染症に対する最強の守りは、実は自分自身に備わった免疫です。もちろんすべてに対応できるわけではなく最新医学と協業しなければいけないとはいえ、病原菌がヒトに感染する最初の関門となる免疫システムがとても重要な役割を果たします。医学が未発達だった時代に人類を襲った未知の病、スペイン風邪で人類が滅亡しなかったのは、免疫力に個人差があったからでしょう。免疫力を低下させないためには、基本的な健康状態を維持する努力が求められます。様々な健康法が提唱されていますが、肥満を避けることはもちろんのこと、適度な運動や適切な栄養、更には十分な睡眠が必要ではないでしょうか。現代社会ではとても難しいことですが、ストレッサーから距離を置くことも大切です。その意味で忙しすぎる現代社会生活から少し離れての生活が理想であるのかもしれません。

 


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。


スクリーンショット 2025-04-28 103921

1967年から68年にかけてテレビドラマとして放映され話題となった「意地悪ばあさん」は青島幸雄氏がその役に扮していました。彼はおそらく当時70歳代の女性を意識していたと思います。そのころの日本人のおよその平均寿命(0歳時の平均余命)は男性68歳、女性74歳でした。ちなみにそれより前の1955年における平均寿命は男性63.60歳、女性67.75歳に過ぎず、この年齢は現代の生産年齢の上限にほぼ一致するものであり、多くの人にとって人生の通過点にしかすぎません。そして2023年厚生労働省公表簡易生命表の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳でした。このように寿命は大きく伸びており、日本の100歳以上の超高齢者数は、昨年約95000人にも達しています。

実は日本の超高齢者の内訳はその約90%を女性が占めているのです。世界的にも男性よりも女性の方が長生きする傾向に変わりありません。この理由について、女性の基礎代謝が低いこと、健康意識が高いこと、喫煙・飲酒率の低さなど様々な理由が考えられていますがどれも納得するには及ばないものです。そのような中にある「男女の染色体の違い」によるとの研究報告には説得力があると思います。マウスでの検証ですが、雌のXX染色体に感染防御を助長し、長寿を保証する傾向があるというのです。これが基礎代謝の違いにも影響しているのかもしれません。

衛生環境・栄養状態の改善、医学の進歩などによって新生児・乳幼児の死亡率が著しく低下したことが寿命を延ばした根本的な要因です。さらに抗生物質の発見により感染症対策が奏功したことなど、治療技術の格段の進歩に支えられて平均寿命を例外はありますが毎年のように延ばしてきました。近い将来がんは死の病でなくなります。完治させるというのではなく寛解に導くのですが、そうなると平均寿命はなんと約8歳も伸びると予想されており、おそらく100歳以上の人口構成比がとてつもなく大きくなるに違いありません。

100歳を迎えるリスク
寿命が延びるといっても喜んでばかりはいられません。長寿、つまり長生きがすでに「寿」ではなくなりつつあります。介護を必要とする人は増え続けるにもかかわらず、若年人口の減少で高齢者の生活をサポートする側の体制が今より充実する可能性は少ないと思われるからです。将来はロボットが介護現場で活躍するのかもしれませんが、とにかく高齢者の数が多くなりすぎて、たとえロボットを使うにしてもどのようなサポートをしてくれるのか不明でその不安は尽きません。やはりいくつになっても自分のことは自分でできる能力を維持しておくべきであり、若い時から意識して準備しておきたいものです。早くから超高齢期に備えたところで、その努力が無駄になるとは思えません。そのために私たちはいったい何をするべきなのでしょうか?

健康を維持するために
とても便利な現代社会に暮らす私たちは、多少の不便さを自ら積極的に受け入れるほうが高齢期に向けて有利であると思われます。できる限り乗物に乗らないで歩くことや、エレベーターやエスカレーターを使わないといった生活行動が基本です。現代社会の便利さに溺れてしまってはいけません。便利になったから長生きするようになったのではなく、まったく別の要因で長命になったのであり、現代ではその便利さが健康寿命を思うほど延ばせない要因になっている事実に気付かなければいけません。身体を自身の足で支えている時間が極端に短くなっていませんか?栄養状態が良くなったのは健康維持に有利ではあるものの、摂取カロリーが多すぎると、反対に体を蝕みます。必ずしも粗食が良いとは言えませんが、現代人は油脂と糖分の摂取が多すぎるのは明らかです。

とことん身体を使いましょう
動物の基本行動は「歩行」です。歩き回って餌を探さなければ餓死します。ヒトは食料を探し回る必要がない上にそのカロリーが非常に高くなっており、野生の世界とは真逆です。サルとヒトの遺伝子は99%同じだそうです。もちろん生存に関する遺伝子はそのままヒトでも引き継がれています。そうであれば、とにかく身体を動かさなければいけません。ただし野生の世界で必死に走るのは天敵に追われるときや獲物を追う時などに限られています。激しい運動は生存を脅かすものと本能的に悟っているのかもしれません。とにかく歩くこと。一日中座っているのでは体は退化するばかり。高齢になった時が心配です。

 


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット 2025-03-31 141835

 

新年度がスタートしました。新入社、あるいは入学や進級などで大きく生活環境が変わった人たちの中には、今頃は不安と期待が入り混じった複雑な気持ちでいる人もいることでしょう。オリエンテーションなども含めて何かと行事が多いので、おそらくゴールデンウィーク頃までは忙しく急かされながらも緊張した毎日になるのではないでしょうか。そのような中で行われるのが新入社員・職員など新人向けの健康診断です。またそれに合わせて春の定期健康診断を実施する事業所も少なくありません。

社会に出たとたんに毎年の健康診断がルーチンとなることもあって、健康への関心が高くなるのも社会人として持つ意識のひとつかもしれません。学校の健康診断は学校保健安全法の下で行われるのに対して、社会に出ると労働安全衛生法に基づく健康診断となりその目的が異なります。いずれにしても日本には健康診断の制度が定着しており、誰もが当たり前のごとく受け入れています。健康診断は、一説によると1911年の工場法の改正に伴ってつくられた制度だといわれ、当時流行していた結核や赤痢の蔓延予防のために実施されたものでした。それ以来かたちを変えながらも現在まで継続されてきた健康診断システムは、大きなプライバシーでもある身体情報を、事業所や学校が保持するという世界的にも稀な制度です。仮に現代社会でこのようなシステムを新たに構築しようとしても、おそらく大きな反発に遭うに違いありません。

さて、せっかく受診できる健康診断ですから、この際徹底的に利用するつもりで受けてみてはいかがでしょうか。

健康診断の目的
健康診断は病気の発見が第一の目的だと思っている人が少なくありません。もちろんこれは間違いではありませんが、学校健診も職場健診も法律上の目的があります。職場健診では実施および受診の義務があります。義務であるからといって嫌々受診するのではなく、せっかくなのでこの結果を自分自身の健康の維持増進のために、ぜひ積極的に利用して欲しいのです。ちなみに健康診断は健康と思われる人が受けるものであって、何らかの体調不良がある人は病院に行くことが基本です。具合が悪いからとりあえず健診を受けてみるという人もありますが、これは目的外利用です。もちろん受診項目によってはがんの早期発見に有意義であったりもしますが、先ずは健康のベースとなる循環器系疾患のリスクについて知ることが大切。長年健康診断に携わり何万人ものデータを見てきましたが、その結果として循環器系疾患のリスクを知ることが、健診を受診するにあたっての最大の意義だと実感しています。なぜなら脳血管疾患や心疾患などは「自分の努力」で罹患を回避できる可能性が大きいからです。

健診結果の利用
健診結果を受け取っても、とりあえず問題がなければ安心してそのままにしてしまう人がほとんどではないでしょうか。例えば血液検査の結果では、基準内に収まっていれば問題なしとして、それ以上のコメントは書かれません。その結果が受診者にとって本当に問題がないのかどうか、あるいは基準値からたとえ外れていても必ずしも問題にならないケースもあり、本来であればそこに丁寧な説明があるべきなのです。残念ながら一般的な健康診断ではそこまで丁寧な対応をしてくれるのは稀です。

そこで自分自身で結果を管理して活用するのです。循環器系疾患に関連する検査項目の結果に注目しましょう。血圧、中性脂肪、コレステロール、そして血糖値だけでも十分です。さらに肝機能、特にγGTPやGPT(ALT)の数値を加えるとより良いと思います。これらの値と体重変化との関連を調べてください。基準値内で問題はないと思われても、体重に比例してこれらの数値が上昇していないかの確認が大切。つまりたとえ数値が基準内に収まっていたとしても、それが体重増加に比例して上昇しているようであれば要注意と受け止めるべきなのです。

特に男性に対して言えることですが、体重の増加は健康状態の悪化に直結します。健康診断の結果から自身の健康状態を具体的に理解する意味はとても大きいものです。人生100年。その最期のステージを寝たきりにならないよう、今からその準備が求められます。

 

 


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット 2025-03-03 160502

貴方はなぜダイエットしたいのですか?スタイル、つまり容姿をより良く見せたいという気持ちからでしょうか?あるいはポッコリと出てきたお腹を見て、何とかしなければと思ったことがそのきっかけしょうか。そもそもDiet(ダイエット)の意味の捉え方が少々違うのです。日本人は、その意味を一般に「減量」と捉えていますが、本来の英語の意味は、広義では「食事」です。さらに狭い意味として「健康や治療のための食事」となります。ところが日常使われる「ダイエットしなきゃ」という日本人的意味は「減量しなきゃ、痩せなきゃ」という意味になります。

そもそも貴方にとってなぜダイエットが必要なのでしょうか。その判断をするにあたり、まずは「生物学的な理由」を考える必要があります。それは「ヒトも動物である」ということです。

 

野生動物との共通点と決定的な違い
餌の量が常に満たされている、つまり必要となるカロリーが日常的に十分な野生動物は、まずいません。もちろん生存している限りは平均的には満たされているのでしょうが、おそらくそれは微妙なバランスの上に成り立っており、極めて不安定な状態に置かれているはずです。これがヒトとの決定的な違いです。少なくとも哺乳動物は「節約遺伝子」なるものを内在しており、その働きで餌不足で飢餓状態にあっても消費エネルギーを低下させて生き延びる能力を持っています。これはヒトも同様に持ち合わせており、野生動物との共通点でもあります。しかしヒトは常に十分なカロリーを摂取できる動物であって、働く必要がないヒトの節約遺伝子は通常は寝た状態にあります。ところが減量しようとして大幅な食事制限をするとこの節約遺伝子が活動をはじめ、カロリー消費を抑えようとします。頑張って目標体重まで落としても、元の食事に戻してしまうと節約遺伝子が働いているので急激なリバウンドを招きかねません。節約遺伝子が常に働いている野生動物と違い、ヒトは減量という野生動物にはありえない行動をとるだけにその難しさがあるのです。

進化がもたらした弊害
ヒトは著しく進化し、食料を生産したり貯蔵したりできるようになったことで、例外はありますが飢餓の心配がなくなりました。さらに産業革命以降は交通も発達したので移動が便利になり自分の足を使う頻度が激減しています。つまりヒトは進化を遂げた結果、摂取カロリーが増えたにもかかわらず消費されるカロリーは少なくなり、現代病ともいえる「肥満」をもたらしている訳です。食欲は生存のために必要な極めて強い欲求のひとつであり、食に満たされた現代においてそれを抑制するのは極めて難しいことです。しかも朝昼晩の三食を食べなければいけないという意識も加わると、瞬く間に摂取カロリーが消費カロリーを大幅に上回る危険な結果をもたらします。

ダイエット法
ダイエットを減量と捉えた場合、さて、いったい何をするべきなのか?これまでの歴史を振り返ると肥満の原因はカロリーの摂取過剰なので、とにかく「食べないこと」が必要であると考えます。もちろんダイエットの本来の意味からすると、単純に体重を落とせば良いというものではなく、その結果が「健康的」なものでなければいけません。健康診断の結果を見てください。そこに体重の増加に伴って循環器系などの検査項目(中性脂肪、血糖値、あるいは血圧など、さらには肝機能などの数値)が体重増加に比例して上昇していませんか?該当するのであれば四の五の言わず、とにかく思い切って食事量を減らすべきです。

理想的な体重になったら、本来の意味であるダイエット、つまり何をどのように食べたらより良いのかを考えながら、必要な運動量を確保するべく努力しましょう。摂取カロリーを適切に維持したうえで、自動車などを使う便利さに甘えることなく、ある程度不便を受け入れつつ理想的な体形と健康を維持したいものです。

数字の上で太っていたとしても、ヒトは必ずしも痩せなければいけないものではありません。減量の必要性がないにも関わらず必死に減量しようとして健康をないがしろにしてしまっては本末転倒。最近、過剰な運動で健康を害してしまう人も増えています。

あなたは本当にダイエットが必要ですか?

 


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット 2025-02-04 155536暦の上では春を迎えてもまだまだ厳しい寒さが続く日本。しかし植物の世界は本格的な春を迎えるにあたり決して休むことなくその準備を進めています。例えば桜。晩秋にすっかり葉を落とし、寒風にさらされている裸木はまるで枯れているかのようです。ところがその枝先では、寒さの中でも花芽がわずかずつですが成長しているのです。桜は人々がその開花を待ち望んでいますが、その反対に多くの人に嫌われ厄介者ともいえるスギの花が、今年は早くも1月中旬に咲き始めたようです。とても地味な花で、密集して咲いている小さな花を拡大すると松ぼっくりのような色かたちをしています。ところが可憐とは程遠いこの花(雄花)から飛散する花粉の量はとてつもなく多く、杉林から遠く離れた都会でも花粉症患者を苦しめます。戦後の高度成長期に建材利用目的に大規模植林されたスギはその需要が減って、成長しても放置されることが多くなっています。そのため飛散する花粉量が増えており、その結果スギ花粉症患者は、年齢にもよりますが有病率はなんと40%以上にも達しているそうです。スギと称せられる樹木は世界中に存在するものの、花粉症をもたらすスギは、ヒノキ科スギ亜種スギ属の植物で日本固有種です。当然ですがスギ花粉症は海外には存在せず、海外在住の患者は春には絶対に帰国したくないと言います。

アレルギーとは
免疫はウイルスや細菌(抗原)の侵入から生体を守る働きで、基本的には自身と異物を区別する生体機能です。現代の進んだ医学の下であっても臓器移植がとても難しいのも、また輸血も厳格にその型を合わせなければいけないのも、すべてこの免疫が関係します。免疫は正常に働いている分には我々の生存のためになくてはならないシステムですが、過剰に反応してアレルギー症状が起きると、時には命を脅かす危険をはらみます。また自然界に存在して通常はまったく反応しないものでも、例えば花粉アレルギーのように、ある時を境に激しい症状を起こすものもあります。アレルギーは、その症状や抗原の種類によってタイプが分類されますが、いずれにしても免疫が何らかの原因で正常に機能しなくなる「システムの暴走」ともいえる現象です。

食物アレルギー
近年食物アレルギーの患者数が著しく増加しています。そのため食事するたびにアレルギー関連食材が使われていないかどうかを気にしなければいけない人も少なくありません。これは食生活が変化して、以前は食べることがなかった食品を摂取する頻度が高くなったことと関連するようです。食生活が豊かになることは幸福につながるものと思いたいのですが、反対に苦痛をもたらす一面もあるとはなんとも皮肉なお話です。それにしても日本人の主食である米に対するアレルギーが増えていることに説明がつきません。60年ほど前の日本人一人当たりの米の消費量は現在の倍以上であったにもかかわらず、当時米アレルギー患者がなかったのはとても不思議です。実はこれも食生活の欧米化と無関係ではなく、共通するアレルゲンを持つ麦の摂取が増えていることと関係しているそうです。食物アレルギーには、飲食直後に比較的激しい症状が現れて時には死亡リスクもある「即時型アレルギー」と、喫食後ある程度時間経過してから現れる「遅延型アレルギー」の大きく2種類に分けられます。特に蕎麦や甲殻類アレルギーに代表される即時型アレルギーは非常に危険といえるものである反面、原因食品がわかりやすく対策しやすくもあります。それに対して遅延型アレルギーは原因食品の特定が難しく、慎重にアレルゲン(アレルギーの原因物質)を含む食品を特定する作業が必要になります。

アレルギー検査と対策
代表的なアレルギー症状は皮膚や粘膜あるいは呼吸器などに現れるわかりやすいものですが、自身のアレルギーの原因を知っておくことはその症状を抑えたり、発症を予防したりするためにとても重要です。もちろん即時型のアナフィラキシーショックなどに対してはアドレナリン自己注射液(エピペン)を携帯するなど、より一層踏み込んだ対策が必要です。
アレルギー検査はわずかな血液で幅広い項目が検査できるので、気になる人は一度検査してみると良いでしょう。ただし血液検査で疑いが分かったとしても必ずしもアレルギーとは関係ない場合もあるので、その結果をもとに闇雲に対応しても意味がないこともあります。また原因が判明した場合の対処法も様々なので、そこは医師と相談して最適な治療を選択したいところです。

ところで白血球成分のひとつである好酸球はアレルギー体質と関連しており、健康診断の結果でその割合が増えているケースを頻繁に見かけます。その多くは本人もアレルギー体質を自覚していますが、好酸球数に変化がなくてもアレルギー体質の人は一般的な認識以上に多いのは明らかです。また小児期のアレルギーは成長とともに改善していくことが多いのですが、大人になってからのアレルギーは耐性獲得しにくいと言われます。アレルギー疾患はがんと並んで現代病とも呼べるとても身近な病気です。時にはやっかいですが、うまく付き合っていくべき病気です。


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2682)駐在員として香港に赴任してきた30数年前、街中にコーヒーショップはまったくありませんでした。香港人は珈琲を好まず、基本的に飲まないものと思っていました。もちろん当時もお店で珈琲がまったく飲めなかったわけではありませんが、街中の小さな飲食店で注文できる珈琲は砂糖とミルクがたっぷり入って、およそ珈琲とは言えない飲物でした。しかし紅茶は当時も意外にもおいしく飲めたので、やはり香港は英国の植民地であるだけに人々には紅茶が好まれるようになったのだと勝手に納得したものです。珈琲好きの私としては、外出先で「珈琲」と呼べるものが飲めるのはホテルのレストラン程度でしかなく、それも値段が高いだけで御世辞にも美味しいとは言えない代物でしたから、余程のことがない限り外で珈琲を飲む機会はありませんでした。そんな香港にも90年代後半に珈琲チェーン店が現れました。その店舗数は瞬く間に増え、気が付くと香港の人々にも珈琲を飲む習慣が根付いていました。それは寿司を食べなかった香港人が、その美味しさに目覚めていったのと時系列がほぼ重なります。
私は、珈琲の生豆を自分で少量焙煎して淹れるのを趣味としており、香港で珈琲が飲めなかった時代でも満足できる美味しい珈琲を楽しんでいました。現代のように香港中どこに行ってもそれなりの珈琲を楽しめるばかりか、その道のプロも現れて世界に通用する珈琲が香港でも飲めるようになるとは、昔は想像すらできなかったものです。
さて、そんな珈琲も大昔は薬として利用されたり、宗教儀式で飲まれたりしたものです。それは珈琲に隠された様々な薬理作用を知らずに利用していたものです。

珈琲の歴史
「ある時、低木に実る赤い実を食べていた羊が興奮状態になったのを羊飼いが見て、自分もその実を食べてみた」というのが、ひとが珈琲を利用するようになったきっかけだという伝説があります。しかし、ひとが珈琲と出会ったきっかけには諸説あるものの、このようなお話には少々無理があるような気がします。私たちが飲む珈琲はその種を乾燥させて焙煎し、さらに細かく砕いてお湯で抽出したものです。つまり珈琲の主な薬理作用は種そのものにあり、羊が食べていた赤い実、つまりコーヒーチェリーを食べたところで、消化できない種にある薬理作用が羊に現れるとは考え難いからです。
私はニューギニア高地のコーヒー農園でコーヒーチェリーを食べてみましたが、甘い果肉で決して悪い味ではありませんでした。ところが過食部分があまりにも少なく、チェリーとはいえ果物としては扱えないものでした。このコーヒーチェリーの皮と果肉を乾燥させてお茶にしたものもカスカラティーなどと呼ばれて、中東やアフリカで古くから飲まれています。
ところで医師が珈琲を利用したという記録は10世紀のアラビアに残っており、当時は珈琲豆を焙煎することなく砕いてその煮出し汁を患者に飲ませていたそうです。このころには珈琲の利尿作用や強心作用が判っていたようです。
珈琲豆を炒るようになったのは13世紀ころのようです。おそらく何らかの理由で焦げた珈琲の香りに魅せられたのではないでしょうか。その後珈琲は嗜好品として定着しますが、現代でもその健康に関連した効能について語られることが少なくありません。その効能をもたらす成分の代表がカフェインとクロロゲン酸です。

カフェイン
珈琲に含まれる成分としてあまりにも有名なカフェインですが、その名前の通り珈琲豆からドイツの化学者が約200年も前に単離することに成功しました。このカフェインは精神刺激薬であり、その覚醒作用は誰もが知るところです。その他にも薬理学的に解熱鎮痛作用や利尿作用、あるいは強心作用が認められるので、カフェインの存在を知らなかった時代でも、経験的に珈琲を薬として利用していたことが理解できます。またその精神的作用を利用して宗教的利用もされました。現在は珈琲を薬のように扱うことはありませんが、眠気覚ましを期待したりして仕事や勉強の合間に飲むことも少なくありません。

注目のクロロゲン酸とは
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は抗酸化物質として働きます。糖尿病リスクを低減したり、ある種のがんのリスクを低くしたりするといった多くの論文が発表されており、その作用が公式に認められています。ただし、残念なことにクロロゲン酸は熱に弱く、珈琲を焙煎するとかなり失われてしまいます。その意味では、大昔に珈琲を焙煎することなく生豆を砕いて煮詰めて薬として飲んでいたのには経験的ではあるものの合理性があります。

珈琲は薬ではない
コーヒーの効能を語るものもいれば、反対に不眠症や神経症の原因になるなどその陰の部分を強調する人もいます。医薬品のように作用と副作用のような硬い話をするべきものではありませんが、珈琲に人々が惹かれたのは、その薬理作用にあるのは間違いありません。しかし、カフェインに限りませんがその作用に期待などせずに、純粋にその香りと味でリラックスできるのであればそれ以上のものは無用です。寒くなると珈琲の暖かさが身に沁みますね。暖かい部屋で、珈琲が栽培されている遠い国、その農園で珈琲の実を摘む人たちを思い描いて飲むのも楽しいものです。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2670)一昨年、がんで亡くなった部下が遺した言葉が「人間、致死率100%」また別の人が余命宣告をされた直後に「余命宣告した医者の方がわたしより先に死ぬかもしれない。私はたまたま大まかな死期を伝えられただけで、人生なんて明日はわからない」と自分を励ますように話していました。どちらもその背景を思うと辛いのですが、自分が病に倒れ死を覚悟したときに思い出したい言葉です。
この世に生を受けたものは、誰一人として例外なく死に向かって生きるわけです。若い時は自分の死について考える機会はほとんどありませんが、身近なところで誰かが亡くなったりあるいは大病したりしたという話が時々耳に入る中年期以降になると、徐々に自分の人生の終わりを意識するようになるものです。社会環境の変化などを背景にして平均寿命が近年伸び続けており、ヒトはいったいいくつまで生きる可能性があるのかと、ふと考えてしまうこともあります。我々の社会は少子高齢化が一段と進み、さらに孤立、孤独化が深刻になってきており、長生きしているだけで幸福であると思われる時代はとっくに去ってしまい、「長寿」という言葉も今では死語になりつつあります。今年、日本の警察庁が孤独死の実態把握のために初めて集計した数字によると、65歳以上のひとり暮らしの高齢者の死亡は、1~3月だけでも約1万7千人にのぼり、この数字をもとに独居状態での死亡者数は年間6万8千人にもなると推計されます。非婚率が高くなっていることや、たとえ結婚しても子供をつくらないカップルが増えていることを考えると、この数字が改善するとは考えられず、これからさらに大きくなるこの問題はますます深刻化していくことでしょう。若い人ほど、自身が高齢期を迎えた時を想像して、覚悟を持つ必要があるのではないでしょうか。

ヘイフリックの限界
記録に残る世界最高齢者は、1997年に亡くなったフランス人女性の122歳です。これまでに120年以上生きた人の記録は非常に稀であり、このことからも120年がヒトの最大寿命だと一般的に認識されています。つまりどんなに健康に留意したとしても120年が生きる限界だということです。その寿命を決める大きな要因が、遺伝子の末端にあって細胞分裂のたびに短くなっていく「テロメア」という部分です。これがある程度短くなると細胞が分裂しなくなり、死に向かっていく。それが「ヘイフリック」の限界と言われるものです。ただしテロメアにテロメラーゼという酵素が作用すると、テロメアが短くなる速度が遅延して細胞分裂できなくなるまでの時間が長くなります。これは個人差が大きく個々の寿命に影響すると考えられます。一般に老化といわれる現象や多くの生活習慣病にもテロメアとの関係が分かっています。何らかの方法でテロメアが短くなる速度を落とせば寿命は延びるはずです。健康に良いとされる適度な運動やダイエットなどもテロメアが短くなる時間を遅らせると考えられています。

健康を維持する意味
どうせ死ぬのであれば、なぜ健康を維持する努力をしなければいけないのか。そんな疑問を持ってもおかしくありません。特に高齢者の場合はそのような思考が働いても不合理ではありません。しかし、まだ若いのに大病を患ってその後の人生に大きな制約がかかる事態とならないよう、健康診断を受けるなどして病気の早期発見に努める意義は決して小さくありません。しかし、この理由だけでは健康増進をさらに心掛けなければいけない理由が明確ではありません。ヒトは中年期を過ぎると一気に老化が進み身体機能が衰えます。何もしなければ加速度を付けて身体の劣化が進むだけです。老化は避けられないものとして受け入れるしかありませんが、それに抗う努力をしておかないと寝たきりとなるリスクが大きくなります。つまり健康を維持増進する大きな意味は、人生の終末期をできる限り良好な状態で過ごすためです。健康寿命を可能な限り延ばし、言い古されていますが「ピンピンころり」を目指したいのです。
孤独な高齢者が増えています。これからも確実に増えます。孤独死して何日も放置された状態で発見されるのは悲しいですよね。また高齢になっても人との繋がりを大切にして、心の健康も維持していきたいものです。精神的健康維持もとても大切です。

何をするべきか
特別なことは何もないと思います。ヒトも哺乳動物に属しており、ほかの動物とは外観は違うもののその生存に関する機能はほとんど同じです。「動物」としての基本的日常を意識して、食べ過ぎない、身体を良く動かすということを心掛けてはいかがでしょうか。現代人は消費カロリーが減少する半面、摂取カロリーが多くなりがちです。また、便利な社会で身体を動かす機会が激減しています。スポーツしたりジムに行ったりするのも良いのですが、とにかく歩くことを勧めます。できる限り階段を使うこと。日常生活でのちょっとした運動の積み重ねが健康増進に繋がり、たとえ超高齢期を迎えても、死ぬまで元気でいられる可能性を高めます。下の介助は受けたくありません。今日から将来の健康をしっかりと意識しましょう。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2657)高層ビルが林立する大都会のイメージしかなかった香港。先進国など、すでに出来上がってしまった国には興味がなかった私にとって、来港前までは香港には惹かれるものはないと一方的に決めつけていた。ひょんなことから某社の駐在員となり赴任してきた。もともと海外生活を望んでいたのでもちろん快諾して赴任してきたわけだが、それでも心の隅に香港という場所に対して「しぶしぶ」という気持ちはゼロでなかった。
初めて住んだマンションの裏手は小高い山になっていた。これといった趣味もなく、週末は夫婦で買物に出かける程度だったが、あるとき多くの人が山に入って行くことに気付いた。何があるのかと地元の人たちの後ろを興味半分についていったところ、すぐに緑に囲まれて街の喧騒は消え去り、野鳥のさえずりと風の音に入れ替わった。香港に対する印象が変わり好感度が一気に増した瞬間で、それからというもの香港の自然にすっかりと魅せられるまでにさほど時間はかからなかった。大都会と自然が表裏一体となって、人々の生活にも密接にかかわっている香港は、素晴らしい居住環境であることに違いなく、これは香港人の長寿にも関連がないとは言えない気がする。

ベストシーズン
香港のベストシーズンといわれる季節は10月から12月。この時期、乾燥した穏やかな天気が続き、運動するにはもっとも適した季節だ。健康のために運動を始めるにはこれからが最適だ。ただし夏は過酷な環境だ。自然が多いといっても都市型気候である香港は夜間の気温が下がらないという特徴がある。最近では温暖化の影響なのか、場所によっては37、38度に達することもあるし、夜間でも街中では30℃近い気温が維持される。それでも9月に入ると吹く風にわずかながらも秋を感じるようになり、さらに10月を迎えると、まだ強い日差しが残るものの、湿度が下がることと相まって快適さが増す。12月に入ると寒い日もあるが、クリスマスくらいまでは過ごしやすい季節が続く。例年春節頃から雲が多くなり湿度も上がってくる。気温が上がらず底冷えするのもこの季節だが、雨が比較的少ないので助かる。そう考えるとハイキングに適した季節は10月から3月となるが、好天に恵まれるのは年内、あるいは春節までと思っていたほうが良いだろう。この時季にいろいろな場所に出かけ、香港を楽しんでもらいたいものだ。

ハイキングの勧め
運動したいが何をしようかと迷っている人には、手っ取り早くハイキングを勧めたい。これまで運動とは縁がなかった人にとって、ハイキングといってしまうとまだ敷居が高いと感じるかもしれないが、「散歩」と思えばどうだろうか。30分くらい歩いてみようという気持ちで十分。手ぶらでもかまわない。最初から靴やリュックなど特別にそろえる必要はない。私が香港の山の虜になったきっかけも、初めは街歩きの靴で、しかも手ぶらだったのだから、とにかく最初の一歩を近くの丘に向けてみることだ。香港島であれば、近くの小さな坂を登っていけば、きっとどこかのハイキングコースに出会う。様子を見に行くつもりで行って、小道が続くことを確認して戻ってくれば迷う心配もないだろう。住宅地に近いところであれば地域のお年寄りもふくめ、特に週末には多くの人が歩いているので何も心配することはない。
再度同じ道を行こうと思い立ったらもう少し先まで足を延ばそう。小高いところまで登ると、自分が住むマンションを眼下に見下ろす場所もあるかもしれないが、私はそんな何でもないことに、初めはいたく感激していたものだ。香港は大都会だというイメージを持っている人にとって、ちょっとでも自然に触れることができるハイキングは、香港に対してまた違った印象を持てる絶好の機会になるだろう。

運動としてのハイキング
運動不足を嘆く人は少なくないが、急な運動は長続きしないばかりか身体を壊す原因にもなりかねない。英国人のある研究者は歩行について深く探っている。どのような歩き方が健康に最も良いのかも研究しており、歩行時の心拍数や呼吸の変化、酸素摂取量など、状況を変えて多くのデータを取っている。その結果、健康維持増進のためには低山ハイキングが最も効果的であるという結論に達している。登りで心拍数や呼吸数が上がり、平坦な所ではクールダウンし、また下り坂では登りとは異なる筋肉を使う。ジョギングなど一定の運動負荷が継続するのではなく、様々なパターンで使用される筋肉が異なり、またその強度も常に変化する。さらに競争ではないので自分のペースを維持できることもその利点の一つといえる。基本的に歩行は全身の筋肉を使う運動だ。距離はともかくハイキングは誰にとっても最も身近な運動だ。

自然界で、歩くこと、飛ぶこと、泳ぐことは、それぞれの生きものにとって生存の基本行動だ。ヒトは当然ながら歩行が基本。その意味では、日常生活においていかに歩く時間を確保するかが大切であり、更に週に一度くらいは少し長い距離を自然に触れながらゆっくりと歩けば、運動になるだけでなく、ストレスマネージメントの観点からもとても効果的に作用すると期待できる。さあ、この週末からでも思い切って歩こう!


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2636)情報化社会である現代。過剰な情報に我々の思考は翻弄され、そして安易に流されてはいないだろうか。現代の情報過多状態はインターネットの存在によってもたらされたものに違いない。その一方でテレビから得られる情報は激減しているといっても良いだろう。ネットの世界では様々な情報に瞬時にアクセスできるのは素晴らしいが、一方であまりにも多すぎる情報の中から、知りたいと思う情報に的確にアクセスできるとは限らない。しかも誰もが容易に情報発信できる時代であるが故、その質と信憑性に瑕疵があるものも少なくない。

パソコンがやってきた
私がネットに足を踏み入れたのは、忘れもしない1996年1月27日。この日、自宅にパソコンがやってきた。それまでとは全く異なる新しいOSとしてウィンドウズ95が世に出された2か月後だった。マンションの一室にあるパソコンおたくが経営するショップで、地球観測衛星インテルサットから送られてくるリアルタイムの映像を実際に見せてもらったのが、パソコン嫌いだった私が自宅にパソコンを設置するというまさかの行動に出たきっかけとなった。電話回線でつながったその通信速度はとてつもなく遅く、現在であれば回線障害が起きているのではないかと思ってイライラしてしまうほどの速度だった。画面の上の方から帯状に、徐々に青い地球が表示されていき、1分間ほどかけてやっと地球全体が表示されたときの感激感動は今でも忘れられない。一瞬にしてインターネットの世界に飛びついてしまったのも無理はない。

インターネットの利用
初めは遊び半分でワクワクしながらいろいろな世界を覗いていたが、そこから得られる情報がいかに素晴らしいものであるかを認識するのにそれほど時間はかからなかった。1996年5月に突然発生した「腸管出血性大腸菌O・157」による集団食中毒事件で、有症者数9451名、死者12名を出した。これは日本にとって初めての感染症であり治療法についての情報がまったくなく、大学病院でさえもその現場はひどく混乱していた。医師らは必死になってインターネットに接続し、主にアメリカからの情報を得ながら手探りで治療にあたっていた。私もこの感染症について検索したが、日本国内のサイトでは辛うじて1件だけがヒットしたものの具体的な詳しい内容はなく、およそ治療につながる情報ではなかった。しかし、この感染症に関する英文サイトはすでに無数存在し、私自身もそこから情報を集めた。自分が得た情報と同じものが数日後に新聞等で報道されることもあって、心の中でにんまりしていたのを今でも思い出す。
世界規模でコンピューター同士をつなぐという本来軍事目的のシステムとして考えられた技術がインターネットであるが、一般に開放されると急速に社会に浸透し生活のあらゆる部分で広く深く利用されるようになった。現代では嫌でもネット社会から抜け出すことはできず、その技術に浸りきって生きて行かなければいけない。ここでは「情報」という部分だけを取り上げて考えてみよう。機密情報以外であればおそらくありとあらゆる情報にアクセス可能であり、求める情報をいつどこからでも得ることが可能だ。しかし、その情報の量があまりにも多く、同じことを検索しても得られる情報の質には著しい幅がある。情報へのアクセスは容易であるが、その大海原からいかに適切なものを選択して収集するかが重要だ。当然ではあるがその質は玉石混交であり、ゴミもあれば時には罠も仕掛けられていることを常に意識しておかなければいけない。

騙されるな
さて、私自身は健康医療といったフィールドで医学的情報を検索する機会が多い。また仕事柄、企業や個人が発信する健康情報にもどうしても目が行く。サプリメントを売る企業は、自社の商品を売るために法に触れないギリギリの表現を使って効果を謳っているものも多い。また個人で発信している情報の中には、ただの思い込みで明らかに間違った情報を堂々と載せているものもある。誤った情報の発信元が医師であることもあってややこしい。利害関係が絡む情報に関しては決して鵜呑みにするのではなく、少し意地悪く斜めから眺めるつもりで読むことを勧める。
最近の動きとしては新型コロナ感染症問題が挙げられる。マスクやワクチンに関してネット上で様々な立場で情報が発信され、それによって社会が分断されるという事態まで生じている。企業、行政、そして一般市民がそれぞれの立場で情報発信を繰り返しているが、何が正しいのかという結論にまでは、今もってまったく到達できていない。然るに情報は自分が正しいと思うものだけにアクセスするのではなく、相対する異なった視点の情報にも時にアクセスを試みることが正しい在り方だろう。
情報にはあらゆる角度で接するべきだ。一般的な情報であれば、複数のサイトを検索すること。社会的に意見が分かれるようなことであれば、いったん自分を中立な立場に置いてから、問題等を縦・横・斜め、あらゆる方向から眺める気持ちのゆとりを持つことも大切だ。
「疑う」という言葉に心地よい響きはないが、ネットの世界では自身のために常に良い意味で疑う気持ちを持っていても損はないはずだ。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2626)蒸し暑い日が続く。キンキンに冷えたビールを乾いた喉に一気に流し込む快感はたまらない。個人的なことになるが、実は、私は40歳になるまで飲酒の機会はほとんどなく、晩酌など一人で飲む機会はまったくなかった。そう言っても今は誰も信じてくれないが…。はるか昔、私がまだ若き駐在員の頃、毎月のようにやってくる本社の社長に、時には朝方まで付き合わされ、そして飲まされた。ビールに始まり紹興酒、そして場所を変えてウイスキー。当時はとにかく苦痛でしかなく、眠気にタバコの煙が加わって、まるで拷問でも受けているかのような気持ちにさせられることさえあった。社長の滞在はいつも3晩だけだったが、当時はこれが大きなストレスだったことを告白しておこう。
ビールのどこが美味いのか不思議でならず、昔は嫌々飲んでいたはずなのに、ある時ちょっとしたきっかけで「ビールが美味い」というスイッチが入ってしまった。それを切ることがとてつもなく難しいことなどその時には思いもしなかった。ところで私の会社の設立時に加わってくれた新潟出身の看護師は自他ともに認める呑兵衛だった。彼女が「男のくせに飲めないなんて情けないわね」とのたまう。私は「うっさいな、好きでもないものを無理に飲まんでも良いだろう」そんな会話を交わしたことを今でも鮮明に覚えている。ちなみに新潟は酒どころであるからか、酒に強いタイプの遺伝子を持つ人の割合がとても高い県のひとつらしい。私の出身である三重県は、反対に最下位近くにランクされているそうだ。ところで私の飲酒スイッチをONにしたのは、暑いなかを歩いて登ったビクトリアピーク。そこにあった小さなキオスクで、何となく買った小さな缶ビールだった。

お酒の歴史
世界最古の酒は何であるかご存じだろうか?これはミードと呼ばれる蜂蜜酒で、今から1万年以上も前に存在していたそうだ。何らかの原因でミツバチの巣に水が溜まって発酵し、まさに自然発生的にできた甘いお酒だ。当時のヒトは酒など知るすべもなく、ただ甘いというだけで飲んでしまったが、アルコールに対してまだ耐性がなかったヒトは少しだけですぐに酔ってしまったのではないだろうか。不思議な気分になれる「飲みもの」を長い年月をかけて何とか自分たちで作ろうと努力を重ねたに違いなく、技術的に確立された醸造法が引き継がれ、今もポーランドなどで広く飲まれている。
米や麦、あるいはイモや雑穀などデンプン質に富むものであればあらゆるものが原料になる。それらの栽培が始まったのは1万数千年から2万年前。つまり現在飲まれている醸造酒は、主食としてこれらの穀物が安定的に収穫できるようになってから作られるようになったと思われる。さらに手間をかけて蒸留しなければいけないウイスキーやブランデー、あるいは焼酎などの歴史は醸造酒に比べると比較的新しく、およそ2500年前からではないかと推測されている。

アルコールの作用と代謝
飲酒で気分が良くなるのは大脳前頭葉皮質の機能が抑制され、ほろ酔い状態になるからだ。「この程度の酒量」には個人差があるものの、飲酒習慣がある人の場合で純アルコール量にして20~25g程度。これはビールのロング缶(500ml)1本と思っておけば間違いない。酒量が進むと脳機能の抑制範囲が拡大し、理性が働かなくなったり、さらに運動機能にまで影響してまともに歩けなくなってしまったりする。アルコールはその大部分は小腸から吸収されるが、肝臓で徐々に分解されて、最終的には水と二酸化炭素になる。その途中に生成されるアセトアルデヒドが悪酔いの元凶であり毒性が強いのですぐに分解されなければならないが、その能力の個人差が「飲める、飲めない」に大きく関係している。したがって飲めない人が無理に飲むことは、それだけ健康を害する危険性が大きいのは明白だ。飲酒を強要するなど論外だ。もちろん飲めるからといって生体に悪影響がないわけではない。はっきり言うが、酒は飲まないに越したことはない。無理に飲んでもろくなことはない。

飲んでも飲まれるな
深酒しておとなしく寝てしまうだけならまだしも、理性が効かなくなり本能がむき出しになってしまうこともあるので、多量飲酒者の行動には特段の注意が必要だ。痴漢行為などの軽犯罪で捕まる者の一定数は飲酒の上での犯行だといわれるが、警察でも裁判所でも飲酒を理由に情状されることは一切なく、「酔っていたから覚えていない」という言い訳はまったく通用しない。緊張を解きコミュニケーションを円滑にするというアルコールの作用はその大きなメリットと言えるが、理性が失われ感情のコントロールができなくなると周囲とのトラブルにも発展しやすく、飲酒の最大のデメリットともいえる「行動上のリスク」が大きくなる。自分にとって適切な飲酒量にとどめるのは難しい。好きなお酒をいつまでも楽しみたいのであれば、飲む際に、酒は「脳に作用する薬物」であると自分に言い聞かせるべきだ。決して飲まれてはならず、自分が飲めると思う量の半分程度が適切だと心得ておくべきだろう。酒で身体を壊すのは自業自得だが、他人に迷惑をかける飲み方は最悪だ。飲酒は、誰もがそのメリットだけを最大限に引き出せる飲み方を常に心がけたい。酒で人生を狂わせてはならない。酒は飲むとも、飲まるるな!


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2618)尿酸と聞くと、イメージするのは痛風ではないでしょうか。この病気は、足指の関節など発作部位に風があたっただけでも痛いという激しい症状に見舞われるので「痛風」と称せられます。しかし、この痛みだけなら放置していたとしても徐々に引いて、特に投薬治療を受けなくても1-2週間ほどで何事もなかったかのように症状は消え去ります。発作は必ずしも激痛とは限らないので、手元の鎮痛剤を服用するだけの人も少なくありません。足の指関節が腫れて痛むだけであれば、命に関わるような大きな問題にはならず、関節に変形が起きたり尿酸結節ができたりするくらいです。もちろんそれだけで治まったとしても大変な事態であることに違いなく、直ちに尿酸値を下げる処方を受けなければいけません。ところが、たとえ高尿酸血症であっても痛みがなければ、積極的な治療を受けない人があまりにも多いのです。尿酸値が高い状態を放置しておいて本当に怖いのは、腎不全を起こしてしまう危険性があること。現在、透析患者の約1%は高尿酸血症で腎不全を起こしてしまった患者です。ひとたび透析治療を受けてしまうと、一生、週3度ほど透析用ベッドで長時間過ごさなければいけない生活になってしまします。

尿酸って何?
さて、なじみ深い名称ですがそもそも尿酸とは何でしょうか。関連の「プリン体」という単語も有名ですね。初めて耳にすると甘いデザートではないかと想像してしまうかもしれませんが、尿酸の元はこのプリン体です。プリン体は細胞核の構成成分であり、あらゆる生物が持っているものです。したがって自分の尿酸値が高いという理由で、たとえその摂取を避けたとしても数値を下げるのは困難です。細胞が代謝されて古い細胞が壊される時には必然的に血液中に放出され、肝臓で尿酸がつくられ、最終的には腎臓から排泄されます。老廃物である尿酸ですが、実は体内ではそれなりの役割を担っている重要な物質です。そのため尿酸プールといってある程度の量を血液中にキープしているということはあまり知られていません。
尿酸は強力な抗酸化物質です。ヒトは酸素を利用して生きているわけですが、酸素を消費すると必ず一定量の活性酸素が生まれます。大きなエネルギーを持つ活性酸素は細胞を損傷するなどするため、直ちに取り除かなければいけません。そのためいくつもの抗酸化物質が体内に存在していますが、尿酸は中でも大きな役割を担っています。

痛風、痛風腎とは
痛風で足指などが激痛に見舞われるのは、尿酸の結晶が関節を刺激するからだと思っている人もあるようですね。しかし、棘のような尿酸結晶ではあるものの、それが直接突き刺さって痛いのではなく、その結晶が白血球によって処理される際に起きる炎症が激しい痛みの原因です。発作を繰り返すうちにやがて関節の変形などをきたしますが、これだけでは致命傷にはなりません。尿酸は腎臓を通して排泄されますが、高い尿酸濃度が長期間継続していると、腎臓の髄質という部分に蓄積して慢性間質性腎炎を起こします。これが痛風腎と呼ばれるもので、腎臓機能を著しく傷害し腎臓透析の原因になるのです。痛風を経験したことがなくても高い尿酸値が継続していると痛風腎の危険性が高くなるので、高尿酸血症を決して甘く見てはいけません。

尿酸と食べものの関係
尿酸の元となるプリン体を多く含む食品の代表としてレバーやビールが挙げられますが、一般的に健康的な食品と思われている魚介類にも多くのプリン体を含むものが少なくありません。お酒ではビールを避けている人も少なくないようですが、アルコール代謝の過程で尿酸産生を促すので、ビールだけが特別に悪いわけではありません。プリン体は旨味成分ともいえるので美味しい食品には多く含まれると思っていても良いでしょう。プリン体を完全に避けた食生活は不可能ですが、取り入れるプリン体の総量を意識したいものです。と言っても何にどれだけのプリン体が含まれているかはわかりませんから、要は太らない食生活を心掛けるのが基本と思っていてください。太るときはプリン体も多く取り込んでいるわけですから、普段から体重増加に気を付けながら美味しいものを食べるようにしたいものです。

運動性高尿酸血症
最近、日本では20歳代の若者の痛風患者が増えているそうです。かつて痛風は中高年男性の病気だといわれていたものです。さらに食生活が質素だった時代には贅沢病ともいわれていました。若者に多いのは「運動性高尿酸血症」による痛風です。尿酸を多く作りやすい体質(遺伝体質)であったり、排泄が十分できない体質であったりすると、負荷が大きな運動を続けているうちに高尿酸血症をきたしてしまいます。ここ数年、運動性高尿酸血症と思われるケースを多く見かけます。たとえ運動が原因の高尿酸血症であったとしても、もちろん治療を考慮しなければいけません。

尿酸値は体質的に高くなることが多いので、食生活でプリン体摂取を控えていてもその改善は難しいと思います。高尿酸血症は循環器系疾患のリスクになるという情報もありますが、これは肥満が高尿酸の大きな原因のひとつだからでしょう。尿酸値が心配な方は肥満を避けることがもっとも大切な対応です。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2605)「コレステロールは悪いもの」そんなイメージはありませんか?その数値は低ければ低いほど良いと思っている人は少なくありません。コレステロールへの誤解が人々の認識に定着して独り歩きしているかのようです。確かに高コレステロール血症は心臓や脳血管系への影響が大きく、循環器系疾患の直接的な原因になります。しかしその一方で、コレステロールがなければ生命を維持することは不可能であるのも事実。正しい知識の下でコレステロールを考えなければいけません。

コレステロールの役割り
コレステロールは細胞膜の材料です。数十兆個の細胞で構成されている人体は、骨などの一部組織は除きますが1年もあればすべて新しい細胞に置き換わります。新しい細胞が生まれる時にはコレステロールが必要であり、コレステロール抜きでは細胞の再生はありえません。お腹に赤ちゃんを持つ母親は、急激に成長する赤ちゃんにコレステロールを送り続けているため、母体の血中総コレステロール値は300㎎/dlほどにもなります。
また、骨の形成に不可欠なビタミンDの原料として欠かせないのもコレステロールです。その元となる7-デヒドロコレステロールは皮下に多く存在し、これが紫外線を受けてビタミンDを合成するので、少々極端ではありますがビタミンDはコレステロールそのものです。
胆汁に含まれる胆汁酸は、過剰なコレステロールを消化管内に排泄させるために変換されたものですが、これは脂肪分を乳化してリパーゼなどの消化酵素を効きやすくさせるのに重要な働きを担います。一方で胆汁とともに排泄されるコレステロールが、時として結晶化して胆石になることもあります。さらに忘れてはいけないのは副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどのステロイドホルモンです。これらもコレステロールが原料となるなど、コレステロールは人体にとって重要な役割を担っていることを理解しておかなければいけません。

悪玉コレステロール、善玉コレステロール
コレステロールは脂質であり、そのままでは血液に溶けることはできません。これは中性脂肪も同じこと。そこでHDL、LDL、VLDLなどのリポタンパクと結合した形となって血液中を運ばれています。このうち良く知られているのが善玉と呼ばれるHDLコレステロールと悪玉のLDLコレステロールです。これらは基本的には行き先が違うものと思ってください。LDLコレステロールは悪いものではなく、これから使われるものとして肝臓から末梢へ送られていくもの。反対にHDLコレステロールは、末梢で余ったコレステロールが回収されて肝臓に戻っていく途中です。良いも悪いもありません。確かにLDLコレステロールが必要以上に多いと動脈硬化など血管系疾患のリスクを高めますが、HDLコレステロールとして回収されるものが多ければ良く、それらのバランスが大切です。

コレステロール値はなぜ上がる
コレステロールはその必要量を維持するために肝臓で調節されています。つまり食べものから一時的に多くのコレステロールが摂取されたとしても、肝臓で血中濃度を上昇させないよう調整します。また反対にコレステロール摂取が少ないと、それを補うために肝臓はコレステロールを増産します。一般に体質によってコレステロール値は調節され、遺伝情報に刻まれた数値を目指します。高コレステロール血症の人は、親も同じ体質を持つことが多いものです。これに肥満などが加わると更に数値を上げてしまうと考えられます。

食事では調整が難しい
コレステロールを多く含む食品の摂取を控えても、コレステロール値を下げることは一般的に難しいものです。コレステロールをまったく摂取しない食生活を続けたにもかかわらず、その思いに反してコレステロール値が大幅に上昇してしまったという事例もあるほどです。卵にはコレステロールが多く含まれるという理由で食べるのを制限している人もあるようですが、卵(魚卵などでも同じ)は、これから盛んに細胞分裂してあらゆる器官を作り上げるのに必要なすべての栄養素を含む「完全栄養食」ともいえる食品です。卵が貴重でとても高価だった時代は、病気にならないと食べさせてもらえないほどの食品でした。コレステロールを多く含むという理由だけで卵を避けるのは、とてももったいないことです。コレステロールに限るわけではありませんが、ある食品を健康のために避けるということは賢明な選択とは言えません。
まず確認しておきたいことは自分の体形。やせ形でコレステロール値が高い人は、ほぼ間違いなく「家族性」です。つまり遺伝。この場合はどんなに食事制限しても、その値を下げることは困難です。肥満体でコレステロールのほかにも中性脂肪や血糖値が高めなどいくつかの問題が重複している場合は食事療法がとても有効です。とにかく減量してください。体重減少に伴って健康状態が回復し、コレステロール値も下がる可能性が期待できます。コレステロールはそれを単体で考えるのではなく、そのほかの要因も加味して健康への影響を考えるべきです。
今回のお話で、コレステロールについての誤解が少しでも解けると嬉しいですね。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2545)

最初に断っておきますが、太ることがすべて悪いわけでは決してありません。太っていることを恥じたり、それで自分を嫌ったりする人もあるようですが、すぐに理想の体形にできるわけでもなく、これでは人生が楽しいはずもありません。健康診断を受けたお客さんのお話を聞いていると、体重増加をとても気にしている気持ちが強く伝わってくることが少なくありません。もちろん体重の増加によって健康状態を明らかに悪い方に向かせてしまっているケースも多くありますが、反対に体重増加が続いているにも関わらず、血液検査などにはその影響がまったくあらわれていない人もあるのも事実です。

肥満の種類
肥満は大きく分けると内臓脂肪型と皮下脂肪型に分けられますが、健康状態への影響の度合いは内臓脂肪の量で決まるといっても良いでしょう。BMI(世界的に採用されている肥満の指数)が示す数字の上では明らかな肥満でも、血液検査などに何の問題もない健康肥満の場合はおそらく皮下脂肪型肥満です。このような人はお腹の上に柔らかい皮下脂肪がたっぷりと乗っているはずです。これとは反対にポッコリと出たお腹であるにもかかわらず硬くて、つかめる皮下脂肪が少ない人は、間違いなく内臓脂肪型肥満であり健康上とても危険なタイプです。

体重増加の悪影響
内臓脂肪型肥満は中性脂肪の値に大きく影響します。特に飲酒量が多い人の場合、アルコールの影響と相まって顕著な上昇を認めることが少なくありません。飲酒量が多いと、たとえ痩せていても中性脂肪値だけが上昇するケースもあります。中性脂肪値の上昇は脂肪肝を伴うことが多いので肝機能検査として利用されるGPT(ALT)が上昇します。飲酒の影響としてはGPTに加えてγGTPも同時に上昇していることが多いものです。内臓脂肪型肥満では、さらに血糖値や尿酸値の上昇、そしてコレステロール異常も認めることが少なくありません。血圧の上昇もかなり高い確率で肥満に伴って起きてくる現象です。たかが肥満と思われるかもしれませんが、そのタイプによっては万病の元とも言える「病気-肥満症」としての認識が必要です。

肥満の物理的影響
体重が重いということは足腰を悪くしやすいという事実も忘れてはいけません。若い時は足腰への負担など意識しませんが、膝や腰の関節は確実に影響を受けています。歩くときには片足で全身を支えなければいけない一瞬があります。特に階段を降りるときなど、片膝に全体重の2~3倍もの荷重がかかるのです。膝の関節だけで体重を支えているわけではありませんが、高齢になると筋力の低下に伴って膝関節を急激に悪くしてしまい、転倒の原因にもなります。転倒骨折をきっかけにして高齢者が寝たきりになるケースは決して少なくありません。若い時から高齢になった時のことを考え、たとえ太っていても足腰が弱らないよう意識しておくことが大切です。

健康肥満
主に皮下脂肪型肥満で、でっぷりと太っているにもかかわらず血液検査では特に問題が認められないケースがその典型です。女性に多い肥満ですが、容姿を気にして痩せようと頑張っても思うように減量できずに諦めてしまうことが多いのもこのタイプの特徴です。皮下脂肪はエネルギーとして使われ難くその利用は後回しになるので、皮下脂肪型肥満の人が減量しようとしてもその成果は出にくいのです。そもそもこのタイプには減量自体無用です。医学的に標準体重であっても女性の痩せ願望はとても強いものです。無理に痩せようとしている女性に低栄養を認めるケースもありますし、中には生理が止まってしまう人もあるほどです。痩せる目的とその意味を考えなければいけません。

見た目で判断できない肥満症
肥満症は病気です。もともと痩せ型の人は、太っているように見えなくても循環器系疾患のリスクが高くなっている場合もあるので要注意です。メタボリック症候群を診断する絶対条件である腹囲が基準に達していないので、いくら血液検査等に問題があろうとその診断を受けることはありません。診断要件を見直さない限り改善できない問題点だといえ、関係の血液検査を行った場合には、その要件から腹囲を外すべきだと考えます。

肥満症と指摘されても
繰り返しますが、単にBMIの数字に照らし合わせて「肥満」という診断を受けても、直ちに痩せなければいけない理由にはなりません。問題は肥満症。単に太っているだけではなく、肥満が原因で健康上の様々な問題を生じている場合です。脂質異常症、肝機能異常、糖代謝異常などに加えて高血圧症も。いったいどこから治療すれば良いのかわかりません。しかし、心配は無用。肥満が原因であるなら痩せれば良いのです。痩せ方に関してはここでは書きませんが、とにかく摂取カロリーを落としてください。どのような方法で痩せようと結果を出した者が勝ちです。あんなに多くあった問題点がすべて改善することに驚くことでしょう。四の五の言わずにとにかく痩せることです。栄養バランスを考えるのは、痩せてからで十分です。

肥満と言われても、健康状態に問題がなければ開き直っても良し。ただし、少しでも問題あれば絶対に痩せるべし。減量に勝る良薬なし。減量はやがて来る超高齢期を迎えるにあたっての備えにもなります。

注意 糖尿病など何らかの治療中である場合は、医師の意見を聞いてから減量してください。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2527)運動とは何かを考えたことがありますか?誰もが運動は健康のために必要不可欠のものと認識しているものの、その定義を具体的に説明できる人はほとんどいないのではないでしょうか。運動していないといって、自ら健康意識が低いように申し訳なさそうにしている人もいます。しかし、運動が何たるかを多くの人がわかっていないなかで、自分が運動してないからと言って卑屈になることはありません。一般に思われている運動、つまりジョギングしたりジムに通ったり、あるいはスポーツに励んだりといったことは、生物学的には必要ないものと個人的には考えています。この「生物学的には」というところが大切な部分です。

運動とは
身体を動かしているあらゆる状態で、安静時よりもエネルギー消費が多い動きが運動です。寝ているときはもちろん座っている状態などは基本的に除外されますが、日常生活を営む多くの場面は運動している状態です。ところが、多くの人に認識されている運動は、心拍数が上がって、少し呼吸が苦しくなるような、より積極的な身体動作を指すことがほとんどです。もちろん余暇を利用して身体を動かす楽しみも運動です。しかし、プロのスポーツ選手はもちろんのこと、何らかの記録を目指しての運動は、自分をとことん追い込んで行わなければいけない辛いものでもあり、時には体を壊してしまう特別なものであって健康のための運動とは少し異なります。

生きるための行動が運動
ヒトはたまたま著しい進化を遂げただけであって、基本的には動物であることを認識しなければいけません。そのうえでヒトがなぜ運動不足であるのかを考える必要があります。野生動物は餌を求めて歩きまわり、あるいは走ったりすることが日常であり、それだけで運動エネルギーはかなり消費されていますが、その一方で摂取エネルギーが常に十分かというとそれは少々疑問です。おそらく多くの野生動物はひもじい思いをしながら餌を求めて歩き回っているのであって、何らかの事情で身体を動かすことを止めると、彼らにはたちまち餓死の危険が迫ってくるのです。ヒトは生存のために身体を動かす必要性がそれほど求められていません。

ヒトと運動
ヒトも元はと言えば野生動物と同じく、終日食べるものを探しながら「生きるために」歩き回らなければなりませんでした。しかし、ヒトはサルと別れて高度に進化した結果、捕獲器具をつくるなどして効率的に獲物を捕れるようになりました。また、あるとき何らかの偶然で火が使えるようになり、それまで生でしか食べていなかった食物に火を通せば美味しくなることを覚え、結果的にエネルギー摂取効率が格段に向上しました。また農耕を始めて穀物栽培するようになってからは季節を問わず飢えという生きる上での最大の懸念が和らぎました。ヒトは農耕しながら狩りも行って食糧を得るようになり、エネルギーを得るための効率が著さらに向上したのです。もちろん終日身体を動かさなければいけない日常に変わりなく、その後も「運動」によって多くのカロリーが消費されるという基本的なヒトの生活が長く続いたのです。現代人のように運動不足、つまり摂取カロリーが運動エネルギーを上回る事態が生じてきたのは、おそらく産業革命以降ではないでしょうか。もちろん一部の特権階級ともいえる人々の中には、大昔からいわゆる「過食で運動不足」という状態もあったのかもしれませんが、それは例外です。

日常生活の中での運動を増やす
運動していないという人は、何となく自分は良くないのではないかと引け目を感じてしまうようです。普段忙しくて運動できないと嘆く人もあれば、時間がないと言い訳する人もいます。しかし、誰もが思い浮かべる汗が流れるような「運動」は、健康維持増進のためには必須ではないと個人的には確信します。健康のためというのであれば、とにかく歩く癖をつけることです。毎日、乗物に乗る時間を少しでも削って、20~30分くらい連続で歩く時間を確保するのです。エレベーターやエスカレーターを使わないで、街中の運動器具ともいえる階段を使うべきです。運動不足だというのは、便利になり過ぎて身体を動かす機会があまりにも少なくなってしまったからで、日常生活の中でそれを補うべく努力をすれば良いのです。もちろんスポーツをやるのであれば、それも良しです。スポーツはヒトが進化したが故に生み出した高度な娯楽です。

健康に最適な運動とは
歩行を医学的に詳しく調べている英国のある研究者は、健康維持増進を目的とした最も効率的な運動は、低山ハイキングだと言います。上り坂で心拍数が上がり、平坦なところで呼吸を整える。上り下りで使う筋肉も異なります。身体に著しい負荷をかけてしまう運動ではなく、しかも自分のペースで歩けるのが大きな利点でもあります。
香港は複雑な地形に多くのハイキングコースが整備されています。しかも日常生活の場との距離が短く、ちょっと歩いてみようと突然思い立ったとしても、ハイキングコースまでのアクセスが近く便利なので、すぐに歩けるという利点もあります。日常生活で良く歩くように心がけた上で、週末に軽くハイキングする生活は健康維持のためにとても有利です。運動なんてと思っている方も、まずは今の生活にほんの少しだけでもプラスアルファの運動を意識してみてはいかがでしょうか。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2523)老後とはいったい何を意味するのかと問われても、それをはっきりと説明できる人はほとんどいないのではないでしょうか。ネットで検索しても漠然としたことしか書かれていません。老後の生活費をどう工面するのか、老後の健康管理をどのようにするのか。やはりお金と健康といったことを心配しなければいけない年齢と言えるのは間違いなさそうです。その意味では定年退職後を意味するともいえそうですが、単純にいつからが老後であるかと区切るのは難しいですね。ちなみに若年性認知症は65歳未満で発症した認知症のことと定義されています。このように考えると個人の置かれている立場によっても大きく変わるものの、65歳くらいからが老後と考えてもよろしいのではないでしょうか。

健康状態を把握する
年をとると体力が低下し身体的な不安も大きくなるので、自分の健康がとても気になるものです。健康に関して具体的なデータを持つ意味は高齢者だけでなく、若年者にとっても大きいといえましょう。幸い日本人にとって健康診断はかなり身近な存在であり、そのおかげで日本人ほど自分の健康状態を具体的に把握しているのは、世界中ほかに例を見ないのではないでしょうか。これは労働安全衛生法のもとに実施されている職場の健康診断が日本に定着しているほか、自治体が費用をある程度負担して実施している住民健診のシステムもあるからだと思います。さらに最近は健康意識の高まりから自分の健康状態に関心を向けて、積極的に改善したり増進したりする人がかなり増えています。健康診断は病気の早期発見というよりも自分の健康状態を客観的に評価理解するための機会です。もちろん内視鏡検査で胃がんや大腸がんを早期発見する意義は大きなものですが、健康診断の最大の目的は「循環器系疾患のリスクを理解すること」ととらえるべきでしょう。なぜならそのリスクは、自分自身の努力でかなり低くできる可能性が大きく、健康診断はその努力の成果を評価できる機会になります。

健康を追求した先にあるもの
さて、誰もが健康を追求しても、その先にあるものは生物である以上間違いなく「死」です。「人間、致死率100%だからね」と言い残して私の身近な人がこの世を去っていきました。末期のがんで死を意識したときの言葉としてはとても重いものですが、死は誰にとっても避けられないものです。ヒトはすべて死に向けて生きているのです。いくら健康に良いといわれる生活習慣を続けても、たとえ毎日オーガニック食品を食べようと、死は必ず訪れます。もちろん病気の早期発見に努め、適度に運動するなり、高い意識をもって自分の健康を管理していれば、がんに罹患しない限りかなり長生きする可能性が高くなります。そのがんでさえ、十数年も経てば死の病ではなくなると、ノーベル生理学医学賞を受賞した本庶佑先生は言います。実際にどうなるかわかりませんが、仮にがんが死の病でなくなると、平均寿命が8年も延びると試算されています。寿命が延びるほどに意識しなければいけないのは、超高齢期を迎えた時の自分の在り方であり、大切なのは死期が迫ってきた時にどのような状態でいられるのかです。ただしピンピンコロリで逝ける場合は、死期が近いなど自身はもちろんのこと周囲にもわかりません。私の父は、朝食後にいつものようにテーブルでうたた寝しているうちに逝ってしまいました。100歳を目前にして体力も弱ってきていたので、家族にもそんなに長くないだろうと思わせていましたが、ピンピンコロリで逝ってくれたのは見事でした。

寝たきりにならないこと
100歳を迎える可能性が大きいのはある意味人生のリスクとも言えますが、これも避けられない事です。長生きしたくないといって奔放な生活を送っていたとしても、昔のように簡単には死なせてくれない時代です。もっとも避けたい病気の筆頭は「脳梗塞」なのかもしれません。救命されても身体機能にかなりの制約が生じる可能性があり、重い後遺障害があると寝たきり状態にもなりかねません。脳梗塞は糖尿病の合併症のひとつです。そして多くの糖尿病発症の引き金となるのが肥満です。女性に多い健康肥満は問題にならないことも多いものの、肥満を避けることは糖尿病に限らず多くの循環器系疾患の発症リスクを低い状態に維持できるのです。繰り返しますが、健康診断受診の大きな目的は循環器系疾患のリスクの把握です。そしてそのリスクをできる限り小さくする努力は、健康寿命を延ばして理想的な最期を迎えるための準備となります。

今、誰もが考えなければいけないのは寝たきりにならないこと。現在でさえも高齢者介護サービスにあたる人が足りません。少子高齢化が続くので労働力不足の改善は見込めませんし、今後単身世帯も増えます。自分が超高齢期を迎えた時に介護をしてくれる人がどこにもいないと覚悟しておくべきです。寝たきりにならないのを目指すどころか、自分のことは最期を迎える直前まで自分自身でできる体力や身体機能を維持しておかなければいけません。下の介助を受けたくないと考えるのであれば、それなりの努力が必要です。遠い将来の健康まで考えなければいけないなど、生きることが増々しんどくなる時代です。おそらく「長寿」という言葉はなくなります。頑張りましょう!


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


気候温暖化と病気の関係

地球温暖化対策は人類にとって喫緊の課題となっていますが、先進国と開発途上国の間で意見が対立するなど、議論は期待ほど進展していません。2015年のパリ協定では産業革命以来の平均気温の上昇を1.5~2.0℃に抑えることを目標としているものの、このまま本格的な対策が進まず化石燃料の使用比率を落せなければ、2100年までに2.7℃も上昇するであろうと予想されています。2.0℃とか2.7℃の気温上昇といってもあまりピンときませんが、すでに地球は沸騰化していると比喩されるほどの状態で、我々の生活の様々な分野に大きな影響が表れています。南極や北極の氷や各地の氷河が解け始めており、海水面の上昇が続き、南太平洋の島嶼国では国土が水没する危機が現実のものとなりつつあります。また、このところ大雨や干ばつ、あるいは夏の異常な高温など、我々を取り巻く気象現象が世界的に激しくなっていることも確かです。
気温のみならず海水温も上昇しており、漁業にも影響が出ています。北海道でサケの漁獲量の激減が懸念されている一方でこれまで漁獲がなかったブリが豊漁になっています。またスルメイカの漁獲が激減しているのも特徴的です。さらに千葉県を北限としていたイセエビも福島県での水揚げが目立って増えており、必ずしも悪い現象とは言えないまでも漁業者は大きな戸惑いを感じています。
農業分野ではミカンやリンゴの産地が北上しており、このまま温暖化が進むと近い将来北海道が美味しいリンゴの産地になる可能性もあるようです。西日本での生産が多かったミカンも現在は宮城県が栽培北限となっています。また熱帯亜熱帯の果物の栽培が九州で可能になるなど、果物の産地にも明らかな変化が起きています。このような現象が緩やかに起きていれば問題は大きくないのかもしれませんが、昨年は農作物に高温障害が起きたり、極端な水不足で米の発育障害が起きたりした地域もあり、農家に深刻な影響を与えました。今後、我々の食糧事情にも大きく影響しそうな状況です。

衛生害虫の生態変化
衛生害虫とは、ヒトや家畜に何らかの害を与える昆虫やダニ類のことで、刺したり吸血したりするもの、病原体を媒介するもの、そして単に不快であるものを指します。この中で最も大きな問題は「病原体の媒介」です。不快なだけで健康上なんら問題にならないものであればまだ良いのですが、衛生害虫の多くは何らかの病原体を運ぶため、我々にとって極めて重要な問題をはらんでいます。なかでもとても厄介な存在が「蚊」です。40年ほど前になりますが、南太平洋の島国で私がマラリア対策に従事していたころ、「がんで死ななくなってもマラリアの流行は抑えられていないだろう」という話をある専門家から聞きました。がん治療の著しい進歩を見るとまさにその通りの展開になっています。

人類最大の敵
ヒトを最も多く殺している生物は何か。昔からヒトはほかの動物にその生存を脅かされてきましたが、知恵を持ったヒトは動物の世界では一応その頂点に立っています。実は最も恐ろしく、ヒトを多く殺している生物は蚊なのです。ちなみに2番目に人を殺しているのはヒトです。蚊が媒介する感染症はマラリアやデング熱を筆頭に、ウエストナイル熱、チクングニア熱などいくつもありますが、中でもマラリアが人類に及ぼす影響はたいへん大きく、年間2億4000万人が感染し、60万人以上も死亡しています。マラリアは細菌よりも高等な原虫に属し、形態を変えながらヒトと蚊の間を行き来しながら生活史を形成しています。主に熱帯から亜熱帯地方に感染者が集中していますが、地球温暖化の影響でマラリアを媒介する蚊の生息域が拡大する可能性があるのです。日本でもマラリアが流行していた時期がありますから気候だけの問題ではありませんが、気温が上がることは蚊の生息にとって好都合であることに違いありません。

鳥インフルエンザ
鳥インフルエンザは渡り鳥がウイルスを運びます。夏のあいだ北国で過ごした鳥が、極寒を避けて暖かい南方へ渡る際に、糞とともに排泄されたウイルスを拡散させてしまいます。渡り鳥はこのウイルスに耐性を持っていますが一般の家禽類に対しては猛毒で、養鶏場でひとたび感染が起きると瞬く間に感染拡大してニワトリの大量死が起きます。気温が下がる秋口に毎年のように鳥インフルエンザで養鶏場が大打撃を受けるのはこのためです。鳥インフルエンザウイルスは稀に人への感染も起こします。温暖化が進むと渡り鳥の生態に変化が生じ、将来的にヒトの新型インフルエンザの発生にも影響することでしょう。

太古のウイルスが復活する
地球温暖化は我々が想像するよりもはるかに広範囲に影響します。そのひとつが健康面への影響ですが、実は気温上昇で溶けた永久凍土から出土する太古の動物の死骸から未知のウイルスが発見されています。病原性など今のところ明らかになっていませんが、人類にとって新たなリスクとなる可能性は否定できません。
人類が便利さや快適さを追求してきた結果として大気中の温暖化ガス濃度を上昇させてしまったのです。今は結果として自分の首をじわじわと絞めていることに各自が気付き、自分の問題として捉えて個人でも可能な限り対応するべきではないかと考えます。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


病気の名前が変わる

長年慣れ親しんだ誰もが知る病気の名前が変わることになりそうです。皆が何も意識せずに使っている病名であっても、実はその病気の当事者にとってはとても不快に思ったり、あるいは抵抗感があったりすることが分かってきたのがその一因です。またその患者を無意識に差別してしまいかねない場合もあるなど、たとえ社会に浸透している病気の名前であっても、時としてその変更を迫られます。また、病名が医療の現場で使われている場合であっても、その病態が名前と乖離していて本来の臨床的な意味が分かりにくくなっているケースもあって病名変更が必要になる場合もあります。その代表が誰もが知る「糖尿病」です。

糖尿病
患者やその予備軍は日本だけでもおよそ2000万人もいると推定されており、その数は今も増え続けている非常に身近な病気が糖尿病です。誰もが特に躊躇することなく「糖尿病」と呼んでいる病気ですが、糖尿病と診断された患者は、その名前に対するイメージで不快な思いをしていることが多いというのが最近の調査でわかりました。また、尿の問題ではなく血液の糖代謝の問題であってその正確な病態を反映していないという理由から、糖尿病という名前を英語のダイアベティスに変更するという意見が日本糖尿病協会より提案されました。しかし、専門の医師からは糖代謝異常、高血糖症、あるいは高血糖症候群といった候補が出されており、漢字(日本語)の方が良いという意見が多いようです。ダイアベティスではますますそのイメージが遠のいてしまうと個人的にも考えますし、患者は「なんだか厄介な病気になってしまった」とイメージしかねません。今後1~2年かけて審議され、新しい名前が決められますが、分かりやすく日本語の名前に落ち着くことを期待したいものです。
ちなみにこの病気は古く中国から伝えられた「消渇」、そして明治時代に入ってからは「糖血病」などと呼ばれていたそうです。糖尿病と一般的に呼ばれるようになったのは大正時代に入ってからだそうです。

痴呆症⇒認知症
痴呆症という呼び方は患者に侮蔑感を覚えさせてしまい、さらに正確な病態が一般の人々に理解され難いということで、日本老年精神医学会の「痴呆名称に関する検討委員会」で名称の変更が検討されました。厚生労働大臣が名称変更の要望書を受け取り2004年に「痴呆に替わる用語に関する検討会」を開催して「認知症」という呼び方を提唱するに至り、それ以降は痴呆症という名前は少なくとも医療現場では一切使われなくなりました。当時、高齢化が大きな問題であるとはまだ考えられていませんでしたが、その後の平均寿命の急速な延びとともに認知症患者が激増しており、名称変更は良いタイミングだったと思われます。ただし、認知症は多くの臨床的要素を含んでおり、病名ではなく状態を指す言葉であるという医師もいることを付け加えておきます。

成人病⇒生活習慣病
成人病は1955年ころから当時の厚生省が使い始めた名称で、加齢とともに発症しやすくなるがん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの非感染性疾患を総称したものでした。成人病という名称は、成人であれば誰もが罹患の可能性がある病気を一般的な病名として定着させていたのは事実です。しかし近年、これらの病気の発症年齢が下がるとともに、飲酒・喫煙、食生活や運動など長期にわたる生活習慣が原因となると捉えた方が良いと考えられるようになりました。さらに小学生で発症する事例が多数報告されたのは衝撃的であり、このことも名称変更を後押ししました。このように成人病という名前が実態に合致しなくなり、1997年より厚労省はこれを「生活習慣病」と改めました。

精神分裂病⇒統合失調症
これも分裂病という名称が病気の本質を正確に表現していないことや、この名前から被る患者の不利益が問題となって2002年に名称変更され、以後、精神分裂病という名前はまったく使われなくなりました。この名称変更も英語名をカタカナにしたスキゾフレニア、その名付け親であるオイゲン・ブロイラーの名前と近代精神医学の父エミール・クレペリンの名前を合わせたクレペリン・ブロイラー症候群、そして統合失調症(統合失調反応)といった名前が候補として挙げられましたが、結局、漢字の方が馴染みやすいなどいくつかの理由によって統合失調症が採用されました。候補に挙がった英語名では日本人にとって全く受け入れられないのは容易に想像できるので当然の結果です。精神科領域では躁うつ病という病気がありました。これは双極性障害と呼ばれるようになるなど、特に精神医学の問題は、病態をつかみにくく病気の研究が進むにつれて病名が変わる可能性が大きいものです。

病名はその症状などを外面的に判断して付けられることが多く、それで患者を傷つけている場合も少なくありません。またそのイメージが独り歩きしてしまうこともあるので、本来慎重に扱わなければいけないものです。個人的には、一般に分かりやすい名称で、しかも病態を正確に反映できるものが理想と考えます。病気の名称はこれまで親しまれてきたものでない限り、少なくとも日本人にとって分かりやすい日本語であるべきだと思います。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断は信頼のクリニック、メディカルメトロセンターでおこないます。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中。
日本人スタッフもいるので安心です。
お申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2488)COVID19(新型コロナウイルス)との戦いは長いものでした。行動規制にワクチン接種、そしてマスク。日常生活を激変させて、全人類、全員参加で挑んだ戦いも現在はほぼ終盤にあります。多くの犠牲者を出したこのウイルスは、インフルエンザなどと同じく季節性、あるいは散発的に感染者数が増加するような日常的な感染症になっていくとの見方が一般的です。人類の歴史においてCOVID19 を上回る最大のウイルス性感染症はおそらくスペイン風邪です。1918年から1920年にかけて全世界で流行し、当時の世界人口(約18億人)の3割くらいが感染し、約4000万人から最大1億人以上が死亡したとされます。当時は第一次世界大戦のさなかにあり、一般の人が国境を超えて移動する機会はほとんどありませんでした。情報も統制されている国が多かったことから、この流行に関した正確な被害規模は推定にしかすぎませんが、極めて甚大であったのは間違いありません。当時は、医療技術も医学情報へのアクセスもなく、現代のように積極的にウイルスと戦う状況にはありませんでした。人々は何が起きているのかもわからずになされるまま、多くの犠牲を払いながら集団免疫を得ていったものと思われます。ちなみにスペイン風邪はその後変異しながら現在のインフルエンザ(H1N1)に繋がります。また1957年に東南アジア一帯で流行したアジア風邪や1968年に中国南部で流行して香港風邪と名付けられたインフルエンザも変異を繰り返しながら現在のA型インフルエンザ(H3N2)となり定着しています。なお、B型インフルエンザは1940年にアメリカではじめて発見されたものです。

ウイルスとは何者か
そもそもウイルスとは何者なのでしょうか。電子顕微鏡が使えるようになりその構造も解明されていますが、ウイルスは一般的には生物と非生物の中間として認識されています。自分で増殖できないので、動物や植物の細胞に入り込んで、その遺伝子をちゃっかりと借用して増殖します。またその大きさも極めて微細なもので、ヒトの身長を地球の直径ほどと仮定した場合、微生物の代表ともいえる細菌の大きさは中型ヨット程度であるのに対して、ウイルスは子供がお風呂で遊ぶおもちゃの船程度です。我々が戦う相手がいかに小さなものであるのか理解できますが、そんな敵に我々は翻弄され続けているのです。哺乳類や鳥類が保有する未知なるウイルスは170万種にも及び、このおよそ半数はヒトに感染する可能性が考えられ、今後さらに新たなウイルスの流行が起きるものと覚悟する必要があります。

変身自在なウイルス
ウイルスの最大の特徴は自身の性質を連続的に変化させ、その毒性や感染力を調整する能力を持つことです。それらは感染を繰り返すうちにウイルスにとって最適なバランスに落ち着きます。SARS(重症急性呼吸器症候群)はアジアを中心に世界中で8096人が感染し、774人の命を奪いました。新たな感染者が現れても、いつ誰から感染したのかが追跡できるとても稀な感染症でした。このウイルスは感染力が弱かった半面その毒性が強すぎました。そのため自己増殖する前に感染した相手が死亡するためそれ以上の感染拡大ができないという、皮肉にもウイルスにとって致命的な弱点を持っていたのです。それに対しCOVID19は、まるでSARSで学習したかのように、毒性と感染力を調整し非常に都合の良い状態でヒトの世界に入ってきました。現在も感染を繰り返していますが、これからも変異しながらヒトの日常的な感染症として定着することでしょう。

地球温暖化と未知のウイルス
地球温暖化を訴える声が増々大きくなっています。すでに地球上の各所でこれまでに経験したことがない異常気象も日常化していますし、まだあまり知られていませんがシベリアでは大きな問題が起きています。夏を迎えても決して溶けることがなかった永久凍土が近年随所で溶けてきています。その影響でそれまで凍結されていたマンモスなどの死体もその姿を現しているのです。それら古代の動物の死体から未知のウイルスが発見されており、将来何らかの病原性を伴ってヒトに感染してくるのではないかと懸念されています。今のところどのような影響が出てくるのか全く分かりませんが、古代のウイルスがヒトに対して病原性をもって出現してきたら、これまでの感染症と同じように長い戦いを強いられるのかもしれません。やはりワクチンや抗ウイルス薬で対抗するわけですが、ウイルスの変異を考えるとそのリスクを簡単に排除するのは難しいのではないでしょうか。

永久に続く戦い
ウイルスに対しても抗生物質のような革命的な治療薬が開発され、変異株も含めてすべてのウイルスに効果的に働くのであれば人類はウイルスに勝利できるのかもしれません。しかし自在に変異するウイルスは無敵に近い存在といっても良いものです。もちろん治療薬の開発は日進月歩で著しい進化を遂げていますが、ヒトの免疫力についても考えておく必要があります。漠然としていますが、免疫力を落とさない生活、生き方というものも大切になります。過度の清潔志向や抗生物質はじめ医薬品の多用なども改めるべき課題といえます。いつの日か増えすぎた人類が淘汰される日が来るのかもしれません。そのきっかけが温暖化でマンモスを解凍させてしまったことであれば、自業自得というべきものなのかもしれませんね。ウイルスに対しては個人も含めて、我々はあらゆる方策を練る必要があります。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2476)1948年に設立された世界保健機関(WHO)は、健康とは「病気でないというだけではなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」であるとその憲章にあげています。つまり人の幸福や生活の質も健康にかかわる重要な要素であるとしています。健康の定義を調べてみると、このように抽象的でわかりにくい書き方がされていますが、現代における健康とはそれだけ複雑な概念であり多くの要素がからむものなのです。難しいことは置いておき、私なりに「健康」というものを考えてみたいと思います。

死亡原因の推移
ところで日本人の死亡原因はどのように変化してきたのか、過去を振り返ってみましょう。1950年における最も多い死亡原因は結核で、その数は人口10万人当たり146.4人。対して悪性新生物(がん)による死亡は結核のほぼ半数の77.4人で、死因としては5位に過ぎませんでした。さらに1960年になると脳血管疾患が160.7人でトップに躍り出ます。この傾向は1980年代まで続きますが、1990年統計で初めて悪性新生物(がん)による死亡が第一位となり(177.2人)、次に心疾患によるものが134.8人、脳血管疾患は3位となりました。その後は悪性新生物(がん)による死亡が増え続け、2016年統計では298.3人に達しました。日本人の死因が戦後大きく変わってきたことが読み取れますが、人々の「健康」の捉え方も変化してきていることも明らかです。

平均寿命と死因
1950年における平均寿命は男性58.0歳、女性61.5歳にしかすぎませんでした。それが2022年にはそれぞれ81.47歳、87.57歳にまで伸びています。死亡原因の第一位は、結核から脳血管疾患、そして1990年に悪性新生物(がん)がトップになりました。がんによる死亡者数はその後も毎年増え続けています。結核による死亡が減ったのは、人類史上最大なる発見のひとつである抗生物質が大きく貢献しています。もちろんそれでも結核は侮れない感染症に違いありませんが、少なくとも怖い病気ではなくなりました。それに代わって死因の第一位になった脳血管疾患は、おそらく当時の塩分摂取過剰と関連があります。健康に対する意識が高くなったことや、治療技術の進歩によってこの病気による死亡率が下がったのです。このところ悪性新生物(がん)が死因の第一位を独走していますが、これはがんの確実な治療法が確立されないままに進む高齢化が最も大きな要因ではないでしょうか。

健康に対する意識の変化
WHOの小難しい健康の定義など一般の人が考える必要はありません。その時代時代で漠然と「健康でありたい」と思う内容が変わるのは当然です。戦後しばらくは結核が最も恐ろしい病気であり、結核感染が疑われたときの動揺は、現代のがんの告知を受けた時に似ていたのではないでしょうか。その後、脳血管疾患が発症後の後遺障害を恐れて、「脳卒中にはなりたくない」と誰もが願った時期もあります。現代人はがんを最も恐れていることに誰もが疑いませんが、これはがんが今でも早期発見が強く求められているに過ぎない難しい病気だからです。現代人が、自分は健康であると考える最も大きな理由は、健康診断などで健康上の問題を指摘されていないことかもしれません。しかし、健康診断で何らかの問題を指摘されたところで、苦痛や不快感、あるいは何らかの不都合がなければ、自分は健康なグループに入るものと認識している人が少なくないようです。ほとんどの人は、自分は健康であると思っているのかもしれません。

ヒトは死に向かって生きる
2022年に出生した人が90歳を迎える可能性は男性で28.1%、女性ではなんと52.6%にも及ぶと言われます。100歳を迎える人口が著しく増加することに疑いの余地はありません。今年の敬老の日に厚労省から発表された日本の100歳以上の超高齢者人口は過去最多の9万2139人です。いったい人はいくつまで生きる可能性があるのでしょうか。ヒトは死に向かって生きるものと言えますが、どんなに長生きしても当然のことながら身体機能は衰え続けます。一言でいえば老化ですが、新陳代謝の一環で新しく生まれ変わる細胞にも変化が生じ、遺伝子のミスプリントが起きる可能性が大きくなるのも事実です。これは高齢化を原因とするがん患者増加の一因です。一方でがん治療も急速に進んでおり、一説によると、十数年後にはがんでは死ななくなると言われています。この場合日本人の平均寿命は約8歳延びると試算されており、高齢者人口は著しく増加します。自分が100歳を迎える可能性が高いものと思って、それに向けて早くから準備しておきたいものです。

支える人がいなくなる
今後も少子高齢化が著しく早いスビードで確実に進みます。家族の形態も核家族から孤独化が進んでいます。昔は家族で高齢者を支えたものですが、今は行政サービスで支えられるしかない高齢者が増えています。そのセーフティーネットからさえもこぼれ落ちてしまう高齢者も少なくないのが現状です。WHOの健康憲章にある「社会的に満たされた状態」でないと健康でないのであれば、今生きる多くの高齢者は不健康と言えましょう。十分に長生きしている超高齢者にとっての健康の定義は「自分で歩けること」だけだと思います。シモの介助を受けることなく自分でトイレに行ける状態です。ヒトの健康に対する認識は年齢によって変わりますが、若い時から意識して少しだけ努力することが将来にわたって健康を維持する上できわめて重要です。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2462)「自然に帰ろう」というと、満たされた便利な今の生活をすべて捨て去り、人里離れた場所で自給自足の生活でもするのかと揶揄する人がいます。電気、ガス、水道といったライフラインを一切絶ち、自然に任せる生活がいったいいつまで続けられるのかと訝る人もいます。誰もが知る有名大学の教授があきれ顔でそのように発言しているのには驚いてしまいました。
このような批判的な見方をする人たちが何を勘違いしているのかわかりませんが、自然に帰るという意味はまったく違うのです。もちろん極限の生活を経験しようとする人がいるのは確かですが、それはそれで本人さえ良ければひとつの挑戦として尊重されるべきであり、決して嘲笑されるような対象ではありません。事実、自給自足に近い生活をしている人が一定数いるわけですし、実は、私自身もそのような生活にあこがれた一時期がありました。最期は誰にも見つけられないであろう場所を選んで自然にかえっていこうと妄想したものです。私がまだ若かった20歳代中ごろのことですが、南太平洋にポツンと浮かぶ小島で、かなり高齢の男性がたったひとりで生活している姿を見た時の衝撃を忘れられず、気持ちだけですが現代の生活に背を向けるという極端なことを考えたことがありました。すべてに満たされた生活が本当に好ましいものなのか一度は考えてみる必要がありそうです。もちろん現代社会に身を置いて便利さに慣れきってしまった我々が、いきなり自然に帰ろうとすることに必ずしも意味があるとは思えませんが、不便な時代を振り返り想像することは有意義です。

シャワー、風呂で素洗い
最近、私は石鹸やシャンプーをほとんど使わなくなりました。石鹸は手を洗うときに使いますが、以前のようにシャワーのたびに石鹸で全身をゴシゴシすることはしません。洗髪でもシャンプーはほとんど使いません。頭髪が少ないからそれでも良いのだろうと笑われてしまいそうですが、実は芸能人にも多くの素洗い派がおり、「タモリ式入浴法」と呼ばれるものがあるそうです。最大のメリットは皮膚の免疫を健康に保てることです。石鹸などでこすり洗いをしてしまうと皮膚常在菌(マイクロバイオーム)を失ってしまうので、大腸のマイクロバイオームと並ぶほど大切な免疫機構を壊してしまいます。また皮脂をすべて洗い落とすと、肌荒れなどの皮膚障害の原因にもなるようです。
日本で石鹸を使い始めたのは安土桃山時代と伝えられており、それまでは灰汁や米のとぎ汁が使われていたそうです。さらにそれより前の時代は水を浴びるだけの沐浴でした。現在でも、身体を洗うのに水を浴びるだけの人は世界中に少なくありません。私がかつて暮らした南太平洋の島国の村人は、川で泳ぐか、天水桶に貯めた雨水を浴びるだけなのに、嫌な体臭を発する人はいませんでした。環境への負荷もほとんどなく、そのメリットは大きいのではないでしょうか。

食物をシンプルに
満たされ過ぎた食生活で健康被害まで起きている時代です。あなたも食べ過ぎてませんか?ハウス栽培や養殖で季節感が失われてしまった現代ですが、私たちの回りは美味しいものがあふれ、好きなものを好きなだけ食べることができる贅沢な時代です。世界には様々な食生活があるので一概に何とも言えませんが、もっとシンプルな食生活を追求しても良いのかもしれません。一汁一菜というと貧しい食事を代表しているかのように聞こえますが、少なくとも昭和30年代くらいまではそれが普通でした。ご飯をいかにおいしくたくさん食べるかを考えてつくられたのが、佃煮のような「ご飯のお供」です。また、味噌汁は毎日その具を替えることができる「究極のスープ」。ご飯とみそ汁だけでも素晴らしい食事になります。それも季節にあった具にこだわるというのも良いのかもしれません。

無理しなくても良いので
自分の脚を使うこと。できる限り自力での移動を基本にしましょう。もちろん現代は生活行動範囲が広すぎるので、乗物を使わないというわけにはいきません。しかし、歩いたところで10分から15分くらいで到達可能な距離であれば乗物を使わない選択も必要です。できれば30分くらい歩いてみるのも悪くありません。さらにエレベーターやエスカレーターは極力使わないで、街の運動器具ともいえる階段をぜひ使いたいものです。50年くらい前はこのようなものは珍しかったのですから。
自然に帰るということは面倒くさく、そして不便になりますが、これまでのように便利さや豊かな食生活を追い求めていくと、ヒトは自分自身の生活力(生存力)を失っていくのではないかと危惧します。基本的な身体機能を高める努力を日頃から怠らないようにして、たとえ超高齢期を迎えても自分の脚で立てる可能性を高くしておきたいものです。
少しだけ自然に帰ることを意識すれば、現代生活の問題点もあぶり出されて、何をするべきか理解しやすくなるのではないでしょうか。無理せず力まず、許容できる範囲で自分の身体を使い、そして粗食を楽しみたいものです。さらに時には自然と調和してみてはいかがでしょうか。慌ただしい生活から少し離れて、スローな空間にわずかな時間でも身を置いてみると面白い発見があるのかもしれません。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2450)

糖尿病は血液中の血糖値(グルコース)のコントロールが効かなくなり、高血糖状態が継続してしまう病気です。症状に乏しく放置しがちですが、何も対処しなければ静かに、そして確実に悪化します。血糖は身体機能維持に不可欠なエネルギー源ですが、必要以上に高い血中濃度が続くと血管や神経に対して悪影響を及ぼします。血糖値が高くなっても自覚症状がほとんどないので、おかしいと気付いたときには取り返しがつかない合併症を起こしている可能性がある、厄介で怖い病気が糖尿病です。
ところで、最近「糖尿病患者の1%が寛解に至る」との研究結果が報告されていましたが、これは糖尿病患者の希望を失わせてしまいかねないと、私は大きな違和感を覚えたものです。もちろん糖尿病発症には多くの原因があり、なかには治療が難しいタイプがあるのも確かですが、多くの患者は努力次第で著しい改善が期待できるのです。

1型糖尿病
血糖値を下げるホルモン・インスリンが分泌されなくなるタイプの糖尿病で、全糖尿病患者の5%程度を占めています。比較的若年者に多いものの年齢にかかわらず全世代にわたってリスクがあり、生活習慣などとは関係なく急に発症するのが特徴です。患者の努力で改善できるものではないので、イ ンスリン注射が治療の中心となります。詳しい発症メカニズムが完全に解明されているわけではありませんが、本来であれば自分自身を守る働きを担う免疫に異常が生じ、自分の身体の一部を攻撃してしまう自己抗体によって膵臓のβ細胞(インスリン分泌細胞)が破壊されるのが主な原因と考えられています。

2型糖尿病
「インスリンの働きが悪くなる」タイプ(インスリン抵抗型)と、「インスリンの分泌が悪くなる」タイプ(インスリン分泌低下型)がありますが、いずれにしても遺伝要因(体質)も関係するので、血縁者、特に両親に糖尿病患者がいる場合は特段の注意が必要です。発症は緩慢で、健康診断などで血糖値やヘモグロビンA1cが高めだと初めて指摘されてから数年~十数年を経て発症します。2型糖尿病は体重増加が発症に大きな影響を与えるので、体重の増加を抑えればその可能性を低くできます。高めの血糖値を指摘されたら、とにかく体重の変化に敏感になることが大切です。

合併症
急性合併症として、著しい血糖値の上昇で生じる「糖尿病ケトアシドーシス」と「高浸透圧高血糖症候群」が挙げられます。これらは1型糖尿病で起きやすいものですが、2型でも一度に大量の糖分を摂取したときに起きることがあり、これを放置すると意識障害を起こしとても危険です。

ところで糖尿病の3大合併症として神経障害(壊死による足の切断)、網膜症(失明)、そして腎症(腎臓透析)が広く知られていますが、最近はこれに脳梗塞が加えられています。糖尿病は自覚症状に乏しいので、患者の治療に対する強い意欲が起きにくいものです。病気を甘く見て長期間放置せず、糖尿病の可能性を指摘されたら、その危険性を理解して早めに対応するべきです。

糖尿病の寛解
糖尿病は治らない病気だと思われているようですが、これは「その体質は変えられない」と言い換えるべきです。特に2型糖尿病は、高い確率でまったく問題ないレベルにまで改善が期待できます。とにかく血糖値さえ下がれば良いのです。血糖値が糖尿病領域を継続的に下回った状態を寛解と呼びます。完治とは表現しませんが、この状態を維持させることが大切です。寛解の状態が維持されていれば、これは完治と同じだと思っても差し支えありませんが、体重が再び増えると必ず血糖値の大幅な上昇が起きます。減量後の体重維持は極めて重要な課題です。

とにかく痩せよう
糖尿病の原因は確かに肥満だけではありません。しかし、経済の急速な発展に伴って肥満人口が増加した中国で糖尿病患者の激増が大問題になっていることからも、肥満を原因として糖尿病発症に至るケースがとても多いのは事実です。この場合は、とにかく減量を最優先課題としてしっかりと治療に取り組まなければいけません。減量は血糖値を下げるだけでなく、中性脂肪やコレステロールの数値も改善させるとともに、軽い高血圧症程度であればこれを正常化させることも期待できます。肥満は糖尿病のほかにも多くの循環器系疾患の危険因子となっているので、減量だけで健康状態の大きな改善が期待できます。さらに肥満に伴う脂肪肝や肝機能異常なども改善でき、その効果は想像以上です。

寛解を維持することが大切
せっかく減量してもリバウンドしてしまっては意味がないばかりか状況を悪化させてしまいかねません。糖尿病やその予備軍にあたる人が一念発起して減量する場合は、減量後の体重を終生維持するという強い決意を持つ必要があります。「1%の糖尿病患者が寛解する」というのは、研究上の条件を満たしたケースです。糖尿病を克服した事例は私の周りに多くあります。ぜひ頑張ってください。

-注意-
糖尿病が進行している場合、やみくもな減量は低血糖発作の危険があります。
必ず医師の助言に従ってください。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2439)最近少し太ってきた。健康診断の結果が思わしくなく、医師から体重を落とすよう指示された。そんな人たちが一念発起して減量に挑もうとするのは珍しくありません。健康志向が強い昨今、当然の流れでもあります。その具体的な方法といえばインプットを減らすか、あるいはアウトプットを増やすかであり、基本的には食事制限と運動に限られます。それにしても「運動しないといけない」と、多くの人が身体を動かして痩せようと考えるのが不思議です。これは、現代人は運動不足であるという一般的な認識が浸透しているので理解できますが、長年にわたって体内に蓄えられてきた余分な脂肪を運動エネルギーに変えるのは至難の業です。なぜ減量が必要なのか、どうして運動しなければいけないのかという本当の理由を理解しなければいけません。今回は現代人の運動不足と食生活について、ヒトの進化に伴う様々な変化も含めて考えてみましょう。

ヒトが高度に進化した理由
ヒトが動物と分かれて進化したのは二足歩行を可能としたからです。つまり、それまでからだを支えることを主な機能としていた4本足のうち「前足」が「手」になり、手指の機能が急発達してモノを上手くつかめるようになっただけでなく、道具を作れるようになりました。さらにそれまで恐れていた火を自由に使えるようになり、煮炊きすることで食べたものの消化吸収率が非常に良くなったのです。特に糖質の吸収が効率的になったので脳容量が著しく大きくなり進化に弾みを付けました。ちなみに脳の活動には大きなエネルギーが必要で、ヒトの場合、全体重のおよそ2%を占めるだけの脳で消費される糖質(グルコース)の量は、全身で必要とされる量の20%にも及びます。ヒトの進化には効率的な栄養摂取、特に糖質摂取が絶対的に必要な条件だったのです。

肥満と飢餓
ヒトも地球上の生物としての一角を占めているわけですが、著しい進化を遂げたばかりに特別な存在となり、いつの間にかその頂点に君臨しています。自然界での動物は食物連鎖の下で生物としての存在の量的バランスがとられています。ひとたびある餌が不足すると同じ餌を必要とする動物の個体数が当然ながら減ります。ところがヒトはその知恵を使って獲物を効率的に捕獲し、さらに農業や畜産をおこなって食糧を増産して人口を増やしてきました。ついにそれが自然環境に悪影響を与えるほどになってしまったのが現代です。自らの生存のための行いが、自然環境を破壊して自分の首を絞める状態にまでしてしまいました。そして供給できる食糧は経済力、つまり金の力で裕福な所に過剰供給されているのです。肥満に悩む人々と、反対に飢餓にあえぐ人々が、同じ地球上に存在します。餌が少なくなっていくときは「等しくエサ不足に苦しむ」のが野生の世界です。自然界ではありえないことがヒトの間には普通に起きています。

進化と富が肥満を生んだ
ヒトは栄養状態が良くなって進化しましたが、そこには経済的な格差も生じてしまいました。つまり食物を自給するしかなかった状態が「購買」して得るようになったので、経済力のある人が食に関して優位な立場になったのです。もちろん食べる食べないは各自の性格や嗜好に左右されるものですが、比較的恵まれた人々は、好きなものを食欲に任せて好きなだけ食べた結果、「肥満」という贅沢な悩みが生じてしまったのです。これとは別に低所得者の肥満問題がありますが、これは少し別の視点で捉えなければいけないのでここでは除外して考えます。

運動に対する捉え方
痩せるために運動するのは間違いではありませんが、効率が悪すぎます。1㎏の減量に必要な消費エネルギーは7000kcalを上回り、これを仮に歩いて消費しようとすると30~40時間を要する計算になります。体重や歩く速度によっても違いますが、かなり長時間の運動が必要であることは容易に理解できます。やはり飽食の時代には減食が必要です。では運動の目的は何なのか。生物学的な視点から考えれば、我々が行っている一般的な運動は無用と言えましょう。動物にとって必要以上の運動は種の保存に反する行為であるとして本能的に避けているのです。ふだん意味もなく必死に走る動物はおらず、筋肉や心肺機能を極限まで使って息を切らしている動物はヒトだけです。運動は極度に進化したヒトの娯楽と考えておくとわかりやすいのかもしれません。

必要な運動レベル
健康という視点にフォーカスすると、激しい運動は逆効果でもあります。長生きするというある意味リスクを抱えている以上、100歳を迎えても寝たきりになるのを避け、自分で立てることを目標にしたいものです。車社会に慣れてしまうと大切な下半身が衰えます。腕の筋肉が衰えても指先さえ使えれば機能的にはほとんど困りません。ところが足が弱ると立てなくなり、たちまち生活に支障が生じます。とにかく四の五の言わずに歩きましょう。「街中の運動器具」ともいえる階段をなるべく利用したいものです。歩く動作はほぼ全身の筋肉を動かすことになるので、生活に必要なすべての機能を維持するためにとても有効です。歩行運動を中心に、日常生活の中での運動量をできる限り増やそうと意識することは、便利さの中に生きる我々にとって最も重要だと考えます。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2420)近年、がんの診断や治療に関しての進歩は目覚ましく、5年生存率どころか10年生存率までもが評価されるようになってきました。ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑先生によると、あと十数年もすればがんの死亡リスクはほとんどなくなるとのことです。にわかには信じられないお話ですが、仮にがんが死の病でなくなったら現在の平均寿命は8歳延びると試算されており、一気に進む超高齢化社会では100歳人口が激増します。心身ともに健康で超高齢期を迎えるのであれば問題は少ないのでしょうが、今後さらなる少子化で高齢者を支える若年者人口が減少するうえ、高齢化対策予算が不足することが懸念されます。介護の問題が著しく深刻化することに今から覚悟が必要です。運動機能の低下に関しては早くからの準備(努力)でその進行を緩やかにできますが、メンタルの問題は対応が極めて困難です。誰もがそろそろ開発されるのではないかと期待する認知症の治療法(治療薬等)は、今もまだ確立されたものがありません。幸いにも早期にその予兆をつかめたとしても、がんのように完治の可能性が高くなるというものではなく、がんの治療以上に難しいのが認知症の治療であると断言しても良いのかもしれません。高齢化が進むとともに認知症への関心は今後ますます高くなるのは当然の流れですが、一方でその対策が追い付かないことに対する不安も大きくなるでしょう。

<認知症の種類>
アルツハイマー型認知症
最も多いタイプの認知症で患者は全体のおよそ70%にもなります。認知症というと「アルツハイマー」と連想されるほど一般的な認識として浸透しており、この病気は高齢化社会に生きる我々の人生における大きな不安材料になっています。アミロイドβという特殊なタンパク質が脳組織に溜まるのがこの認知症の原因であるとされ、新しいことが覚えられなくなる記憶障害はもちろん、進行すると家族の認識さえできなくなります。新しい状況への対応が困難になったり、衝動的な行動を取ったりすることもあり、周囲の見守りが必要です。この認知症の初期の症状は、物忘れという高齢者では普通に起きる加齢現象との区別がつきにくいので、自分はアルツハイマーではないかと極端に心配になってしまう人も少なくないようです。

血管性認知症
脳出血や脳梗塞が原因になります。血液の循環が悪くなって脳の一部が壊死してしまい認知機能が低下します。認知症患者に占めるこのタイプの割合は15~20%程度でそれほど多いわけではありませんが、発症リスクを低くすることはある程度可能です。高血圧症、コレステロールや中性脂肪が多い脂質異常症、あるいは高血糖(糖尿病)といった血管に直接的に働くリスクを取り除くことは可能であり、それによって血管性認知症の発症リスクを低下させることができます。

レビー小体型認知症
脳内にレビー小体という異常タンパクが現れることで発症します。血管性認知症とほぼ同じくらいかやや多い患者がいるものと思われます。早期においての記憶障害のレベルは軽度ですが、幻覚を見ることが少なくありません。またレム睡眠行動異常症といって、睡眠時に叫んだり、身体を大きく動かすなどで患者自身がケガを負ったり、周囲の人を意識しないまま傷つけてしまうこともあります。その症状の割には自分がおかしいという自覚には乏しいタイプの認知症です。

前頭側頭型認知症
認知症の中では比較的まれなタイプです。人格の変化や異常な行動などが伴う一方で、ほかの認知症に認められる記憶障害や失語などは、初期にはあまり認められません。しかし症状が進むにしたがって周囲への関心が薄れたり、物事に異常に執着したりする行動が目立つようになり、同じことを繰り返すことも珍しくありません。だんだん行動範囲が狭くなって、最後は引きこもり状態から寝たきりになる可能性が高い認知症で、難病法に基づき医療費助成の対象となる「指定難病」に登録されています。

<認知症の予防>
残念ながらこれをやれば認知症が確実に予防できるというものはありませんが、少しでもそのリスクを低くする努力は無駄にはなりません。認知症は脳神経の問題なので、脳を普段から良く使うことや、血管の老化を遅らせるために循環器系疾患のリスクを高くしないことが大切です。ズバリ、生活習慣病の予防と治療です。軽度の運動の継続も効果的。ほかの人との交流をもって良く会話するなど、いくつになっても社会的つながりを持つことも大切です。

認知症の研究は世界中で盛んに行われ確実に成果は上がっているものの、予防や治療に明るい兆しが見えているとは言い難く、認知症対策は人類の永遠の課題になる予感さえします。がんの治療成績が確実に向上し寿命が延びるのに比例して認知症患者が増えます。認知症のリスクを少しでも低減させるために、可能な限りの努力が必須です。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2416)とかく嫌われるカビとは、いったい何者なのでしょうか。私たちが「カビ」と呼ぶものは増殖した菌類が集合体(コロニー)をつくって目に見える姿となったものです。カビはバスルームやキッチンなど水気が多いところで増殖しやすいものの、一般に場所を選ぶことなく繁殖します。ある時、室内の壁の一部が何となく黒っぽいなと思ったらカビだった、という話も珍しくありません。生活空間に関係が深いのが黒カビなら、食品には青や白、黄色など様々な色のカビが生えます。お正月の鏡餅の上下の餅を離したときに、そこに生えている色とりどりのカビに驚いたという経験もあるのではないでしょうか。カビはその種類によって、色も違えばその生態や性質も異なります。

カビの利用
まさかカビが好きな人はいないと思いますが、カビの恩恵を受けていない人もまずいません。我々の生活にカビが利用されていると言うと、ほとんどの人は、「そんなもの使うわけがない」と否定するのでしょうが、特にアジアの人々の食生活はカビなしでは成り立たないほど大切な存在となっています。日本食の味の基本とも言える醤油や味噌はカビの一種である麹菌がなければ製造できませんし、日本酒や焼酎をつくるにも麹菌が欠かせないことはご存じの通りです。また世界で最も硬い食品といわれる鰹節(枯節)も、カツオからカビの力で極限まで水分を抜き取るとともに余分な脂分を分解し、最終的に石のように硬くしなければ完成しません。さらに洋食の範疇になりますが、ブルーチーズは青カビ、カマンベールチーズは白カビを利用してつくられます。カビは水分を抜き取るだけでなく、旨味成分であるアミノ酸を産生するなどその食味にも大きな影響を与えるものです。それぞれのカビの性質を上手く利用して生み出される様々な味や食感が、我々の舌を楽しませてくれます。

抗生物質の発見
1928年、スコットランドの細菌学者アレクサンダー・フレミングによって発見されたペニシリンは、青カビから分離された抗生物質です。実験でブドウ球菌を培養していた時に不手際から生えてしまった青カビ。培地にカビを生やしてしまうなどもっての外ですが、その青カビの周囲のブドウ球菌が溶解していることに気付いたのは素晴らしい着眼点でした。研究者としては恥ずべき大失敗が転じて人類史上まれにみる大きな発見につながったのです。こんな経緯で発見された抗生物質ペニシリンは、ある意味人類を救った魔法の薬。実際に臨床への応用にはその後10年ほどの年月がかかったものの、第二次世界大戦中の負傷兵など多くの人々を感染症から守り、彼らの命を救うことができました。梅毒治療には今でもペニシリン系の治療薬が切り札になっており、著しい治療効果を発揮しています。なお、フレミングは抗生物質発見の功績によりノーベル生理学・医学賞を授与されています。

カビと健康
我々にとってその種類によっては利用価値が大きな「カビ」ですが、反対にその有害性として、アレルギーや発がん性、あるいは食中毒といった健康面に対しての影響も無視できるものではありません。気密性が高くなったマンションの部屋は、とてもカビが発生しやすい環境です。気を付けていてもカビの発生を完全に止めることは難しく、室内を無数に飛びまわる眼に見えないカビの胞子がアレルギーの原因になることもあります。しばらく使ってなかったエアコンは、その稼働の前に必ず中をチェックしてください。黒カビがびっしり生えていることもあり、パネルの中を掃除せずにスイッチを入れると、その瞬間、大量の胞子を部屋中にばらまくことになりかねません。また、豆類に発生する黄色いカビにはアフラトキシンという強力な発がん物質が含まれています。開封後しばらく食べていない豆類には特に注意が必要です。ヒトの身体に繁殖して水虫などの原因となる白癬菌は皮膚の角質などのタンパク質を栄養とするカビです。菌糸を皮膚に侵入させるので薬の成分が到達しにくく治療を難しくしています。

カビ対策
カビの繁殖条件は温度、湿度、そして栄養であり、これらの条件が揃うと急速に増殖します。しかし、温度に関してはそれほど大きな条件にはならず、ヒトが生活できる環境下であれば十分なことから、現代ではカビに季節性はないものと思われます。特に現代の気密性の高い住宅は湿気がこもりやすく、冬でもカビの繁殖に好適な条件になります。カビ対策には室内の湿度を常に70%以下に維持することが理想です。時には衣類が入った引き出しやクローゼットを開けた状態でひと部屋ずつ集中的に除湿して衣類のカビ予防をおこないたいものです。また水を使うバスルームやキッチンには水を残さないように、できれば使用後に水分を拭き取っておくことをお勧めします。普段目に入らない洗濯機の内部はとてもカビが生えやすいところです。できる限り乾燥させるように心掛けてください。
長く履いていない靴、使わずにしまい込んであるバッグ、その中の小物入れなどがかびていませんか?使わないものでも時々ケアすることが大切です。使おうとしたら白いカビに覆われていたということがないように。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2401)長い冬が去り、花と緑に囲まれ希望にあふれると思われる春に、なぜか精神的に辛さを覚える人が増えるようです。日本では、新緑が色濃くなり少し暑さを感じる日が多くなるころに、引きこもりがちの人が目立ってくるのは毎年の恒例のようです。ご存じの方もあると思いますが、これは「5月病」と呼ばれるメンタルの不調です。もちろん大きな環境変化を原因とする精神的な不安定感は、今の時期に限らずたびたび起きるものです。また3年間にも及ぶ新型コロナ流行対策としてとられてきた行動規制や新しい働き方の導入が、少なからず人々の心に暗い影を落としてしまっているのも、精神不調に陥る人が多くなる原因になっていると思われます。
日本ではリーマンショック以来減少してきた自殺者数が上昇に転じています。しかも10歳台から20歳台でその数が目立って増えており、更に女性の自殺者数の増加も含めて社会問題化しています。

5月病
進学や入社あるいは異動などは、自分が置かれる場所はもちろん取り巻く周囲の人たちも含めて、環境が激変するものです。この時期、多くの人々が職場や学校、あるいは新しい人間関係に希望や期待を抱き、その環境に馴染んでいこうと一生懸命になります。気が張っていた4月が終わるとゴールデンウィークに入りますが、この連休が終わると学校や職場に戻れなくなってしまうのが5月病だと言われていました。緊張の連続だったところに長い休みが入って、気分的にゆっくりとできたあと、急に現実に戻されその環境に耐えられなくなるのです。眠れない、朝起きられない、食欲がなくなるといった症状の出現が多く、酷いとそのまま引きこもりになってしまうこともあります。しかし、実際には5月病と言われる精神疾患(精神的不調)は6月に入ったころから症状が目立ちはじめるので、時期的に大型連休が精神活動に影響するというより、新しい環境への不適合が、ある一定期間後に起きるものと考えられています。

コロナ鬱
新型コロナウイルスの流行でうつ病が世界的に増えています。国際的な機関による調査でも、コロナ前と比べると2~3倍もの患者数になりますが、その原因は一様に生活環境の変化と出口が見えない感染症に対する漠然とした不安が続いたからだと考えられます。個人的には在宅勤務の影響は想像するよりもはるかに大きなものだと思います。自宅などで仕事できることを歓迎する声が大きいのは確かですが、それを望まない人々の声なき叫びがあるようにも感じます。まず単身者の孤独です。一日中誰とも話さない日が続いて、その孤独感につぶされてしまうこともあるようです。また、家族が同居している場合でも、円満であれば家族で過ごす時間が長く取れるので在宅勤務は一般的に歓迎されますが、一方で家庭内に問題を抱えている人にとっては逃げ場がなくなり、お互いにぶつかることが多くなってしまいます。新型コロナの流行が我々の精神的領域にまで影響が及び、様々な問題を引き起こしているのは間違いなさそうです。

話を聴いてあげよう
自分の近くに精神的に困難を抱える人がいるかもしれません。現代社会ではこのような人が必ずと言っても良いほど身近にいるものです。そんな人から相談されたら、できる限り話を聴いてあげてください。「そのひと」は悩みを打ち明ける相手を慎重に選んだうえで相談してくるのです。相談されたあなたは「選ばれた特別に信頼できる人」である可能性がとても大きいのです。このような時にその人を突き放したり軽く扱ったりすると、行く場を失って、最悪、自殺まで考えてしまうことさえあります。病院に行けば良いのかもしれませんが、いくら心療内科が増えてその扉を開けやすくなったとはいえ、やはり医師に会うにはエネルギーがいるのです。助けを求めている人はすでにエネルギーを失っています。身近に信頼できる知人がいれば専門の医師など不要なケースがとても多いのです。

医師にも勝るあなたの力
医師にできて、医師以外にできないことは「診断と投薬」です。メンタルの問題に関しては、本来じっくりと話を聴かなければ診断できないはずですが、一般的に精神科領域の医師は忙しくて時間がないことも少なくありません。良医(名医ではありません)であるほど診察に時間をかけます。反対にろくに話も聴かずに薬を出す医師に良医はいないと確信します。精神科領域ではあいまいな診断が可能であるだけに、患者を薬漬けにしてしまう医師が現れる余地が大きいのです。そこで力になるのは精神科領域の専門家です。臨床心理士のような国家資格を持つ専門家だけでなく、民間の様々な資格を習得している人が多くいます。つまりメンタルの問題を抱える人々を支える資格者のすそ野は広く、さらに無資格の人であっても他人の痛みを理解できる人、話が聴ける人などは、その助けとなれる可能性がとても大きいのです。たとえ専門知識がなくとも、メンタルの問題の、特に初期段階にある人への対応は十分に可能です。じっと話を聴いてあげてください。あなたに救われる人がいます。「聞く」と「聴く」は違います。傾聴する気持ちがとても大切です。たとえ専門家ではなくても、同じ文化的バックグラウンドを持った人が、共通の言葉で対応する意味は想像する以上に大きなものです。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2398)花粉症
このところ夏を思わせるほどの日もある香港ですが、日本では桜前線が北上中で、特に北国では本格的な春の到来を心待ちにしている人も多いことでしょう。日本の春は花粉症の季節です。絶え間なく流れ落ちてくる鼻水に対処するのに、毎日ティッシュペーパーの大きな箱をひとりで使い切ってしまう人もあると聞きます。周囲に誰もいなければ、ティッシュを鼻に詰めっぱなしにする人もいるそうです。あまりの辛さに、せっかくの春の到来を待つこともなく、「春よ去れ、早く去れ」と、桜が咲く前から心の底から願っている人も多いはず。花粉症の原因として有名なスギ花粉はまだ寒い2月頃から飛び始め、その飛散は5月初旬まで続きます。これに加えてヒノキ花粉が桜の花の季節に合わせるかのように飛散します。これら花粉症の人にとって、春は特に辛い季節になります。外出すると衣類にも花粉が付着するので、家の中に花粉を持ち込まないように神経を使わなければいけません。寒い冬が去り暖かくなって気持ちが開放的になる季節であるにもかかわらず、花粉症の人には地獄の季節。幸い香港では花粉に対するアレルギーはほとんど発症しませんが、「免疫の暴走現象」といえるアレルギーの原因は花粉に限られるわけではなく、どこにいても現代人の生活とは切り離すことができません。

食物アレルギー
花粉症と並んで現代人を悩ませるアレルギーの代表が食物アレルギーです。花粉症は季節限定とはいえ避けることが困難であるのに対して、食物アレルギーは原因となる食品が特定できさえすればそれを避けることは比較的容易です。ただし、食物アレルギーは死に直結する場合もあります。ある飲み会の席で「俺を殺すにゃ刃物はいらねえ、エビの1匹食わせりゃイチコロ!」と甲殻類アレルギーの男性が酔った勢いで叫んでいました。食物アレルギーでは常に食事に神経質にならなければいけません。また当該食品が必ずしも目に見えているものとは限らず、ほんのわずかな混入であっても重篤な症状に至ってしまうこともあるなど、厄介でとても怖いアレルギーです。呼吸困難などの症状が現れた場合に備えてエピペン(アナフィラキシー補助治療薬)を常に持ち歩いている人もいます。

花粉症と果物・野菜アレルギー
花粉症と果物や野菜のアレルギーには密接な関係があることが最近わかってきました。これはアレルギーの原因となる物質・アレルゲンのタンパク質構造が似ているから起きるものであって、「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれており、花粉症の人の10~20%に認められるそうです。花粉症の方で特定の果物や野菜を食べた時に口の中や喉がイガイガしたり唇が腫れたりするなどの不快な経験をすることはありませんか。一般的にその症状は軽く、口腔や喉頭などに限局されることが多いものの、時としてアナフィラキシーショックを起こす場合もあるので注意が必要です。PFASには、例えばスギ花粉症とトマト、カバノキ科花粉とバラ科の果物(リンゴ、サクランボ、桃など)の関係が知られています。ちなみにこれらのアレルゲンは熱に弱く、ジャムなど加工食品ではアレルギー症状は起きにくいようです。

衛生仮説
幼少期に様々な微生物に暴露した経験者はアレルギー疾患になり難いという説が1900年代終わり頃から唱えられ始めました。今では多くのエビデンスもあってこの仮説を支持する専門家も少なくありませんが、一方で批判的な見方をする研究者も多く、現代においてアレルギー疾患が増えている原因が特定できたわけではありません。衛生的な生活にするのが良くないといって手洗いをやめてしまうなどはあまりにも短絡的過ぎます。しかし、「除菌」という発想、つまり微生物はすべて排除してしまうという考え方は決して好ましいとは思えません。抗菌グッズが現れたのが30数年前であることを考えると、極端な衛生志向はアレルギー疾患の増加と関係があるのではないかと個人的には考えています。

アレルギー対策
アレルギー疾患はたとえ軽いものであってもその当事者にしてみれば極めて不快なもの。さらに、ただ不快であるだけではなく、激しいアナフィラキシーショックに見舞われて命に関わるような場合もあり、この問題は深刻です。細心の注意を払っていても、知らずに原因物質(抗原)を取り込んでしまっただけで生命の危険にさらされることもあるわけです。このような体質の人が常に携帯するエピペンはアドレナリン自己注射薬で、万が一の時に自分か、あるいは周囲の人が注射して、医療機関に到着するまでの時間稼ぎをします。
本人が気付かないレベルのアレルギー体質まで含めると、ほとんどの人が該当してしまうのではないかと思えるほど、その体質は現代人に染みわたっているかのようです。自分はアレルギーとは関係ないと思っていても、決して他人ごとではありません。発症は突然です。免疫システムが変化してきた根本的な原因はまだはっきりと証明されたわけではなく、体質を改善する確実な方法はもちろん、画期的な治療法もありませんから、残念ながら現代人はこれからもアレルギーと上手く付き合っていかなければなりません。今回は、花の季節に厄介で憂鬱なお話でした。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2384)現代病として最も身近なものは、間違いなく糖尿病です。がんも代表的な病気ですが、これは高齢化を背景としてその患者数が増加したもので、糖尿病とは全く性質が違うものとして捉える必要があります。それに対して糖尿病の最大の原因は現代人の飽食であり、食生活が満たされている中では、食欲が続く限りなくならない病気です。もちろん目の前にある食べものを食べずにやり過ごせる強い意志があれば糖尿病の心配はありません。しかし美味しい食物にあふれている現代ですから、自分の食欲を抑えることは難しく、空腹時に目の前に出された食事を制限するなど苦行にしかなりません。これは、生存のために脳から出される摂食の指令があり、食べることができる時にできる限りたくさん食べて多くのエネルギーを摂取して次の飢餓に備えるという、生物学的特性があるからです。生物の生存のために備わった性質が、ヒトの場合には満たされた食生活の中で肥満をもたらす原因になっているのです。余談ですが、ペットの動物にも肥満が増えています。その原因もヒトと同じです。

糖尿病患者が急増中
世界の糖尿病人口は5億3700万人(2021年)、日本に限っても、その疑いも含めると患者数は1000万人にも達するそうです。また中国の糖尿病問題は深刻であり、予備軍を含めると人口のおよそ15%が該当するという研究報告もあります。ここ30年間ほどの急速な経済発展で、人々の食生活とライフスタイルが大きく変わり、さらに運動不足も加わって患者数が激増しています。その時間経過を考えると、現在は合併症に見舞われる患者が急増しているものと考えられ、中国ではその社会的な影響が懸念されているとの報告もあります。

深刻な合併症
糖尿病は血液中のグルコース(血糖)の値が高いというだけの病気で、初期においてはこれといった症状がありません。しかし必要以上に高濃度の血糖は「血管毒」となり、全身の血管にダメージを与えて多くの循環器系疾患の直接的な原因となります。何も対応しないと静かに、そして確実に進行する怖い病気です。基本的に合併症は4つ。どれも生活の質の著しい低下をもたらすものです。

① 糖尿病神経障害
手先や足先といった末梢の神経が障害を受け、痛みやしびれなどの感覚障害が現れます。やがてけがを負っても痛みを感じ難くなって、知らないうちに潰瘍や壊疽をきたしてしまうことにもなります。そのため足の切断手術を余儀なくされる患者も少なくありません。

② 糖尿病腎症
片方の腎臓に100万個ほどある毛細血管の集合体(糸球体)が血液のろ過器です。高血糖によってこの糸球体に障害が起きると腎臓の大切な機能を損ない血液透析が必要になります。現在、透析を必要とするに至る理由で最も多いのが糖尿病です。私の友人の臨床工学技士の話では、透析を受けに来る新規患者の中には、すでに片足を切断している人もいるそうですから、たかが糖尿病と軽く見るわけにはいきません。

③ 糖尿病網膜症
成人後に視力を失う最大の原因が糖尿病です。カメラのセンサーに例えられる網膜には微細な血管が走行していますが、高血糖で障害されると網膜症が起きます。血管新生といって、機能を失った血管領域を補うかのように生まれたとても細かな脆弱な血管は、網膜剥離や出血の原因となり、やがて重篤な視力障害をきたします。

④ 脳梗塞
脳梗塞は糖尿病の第4の合併症といわれます。高血糖状態は動脈内にプラーク(脂質の蓄積)を生じさせるほか、動脈を直接損傷するため、動脈硬化を進行させて梗塞が起きやすくなります。脳梗塞は原因によっていくつかの種類に分類されますが、糖尿病はすべての脳梗塞のリスクを高めます。なかでも無視できないのは症状に乏しい小さな梗塞(ラクナ梗塞)です。あまり知られていませんが、これは認知症との関係も無視できないものです。

血糖値を管理する重要性
血糖値が高くなる最大の原因は肥満です。家系的に糖尿病の体質を持つ人の場合はもちろんですが、それとは縁がないと思っていても肥満を原因として血糖値が上昇してしまう事例はいくらでもあります。子供に多い1型糖尿病は、血糖値を下げる働きをするホルモン、インシュリンがつくられない病気であり、その多くはインシュリン注射が必要になります。これは生活習慣とは一般に関係ないものです。肥満を主因として発症する2型糖尿病は生活習慣の改善によって自らがコントロールするべき病気です。現代病として重要なのはこの2型糖尿病であり、その多くは予防できます。

糖尿病の予防
食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどを避けることが予防に必要ですが、一言でいえば「太らないこと」が最も大切です。特に直系の親族に2型糖尿病の患者がいる場合は、体重が増えれば糖尿病を発症するリスクが著しく高まると認識するべきです。血糖値が100㎎/dlを上回ったら要注意。糖尿病はたとえその診断を受けても、肥満がその引き金になった場合であれば減量するだけで血糖値の大幅な低下が期待できます。身体的な苦痛を感じ難いのが糖尿病の特徴であるだけに、その予防と改善には強い自覚をもって臨まなければいけません。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2361)クリスマスに始まり、新正月、そして春節と、飲食の機会が多く、今頃は食べ過ぎや飲み過ぎを大いに反省している方もいることでしょう。新型コロナウイルスの感染対策として継続されていた行動制限が大幅に緩和され、ほぼ通常の状態で迎えたホリデーシーズンだったので、大人数で集まっての会食も多かったのではないでしょうか。
ところで食べ過ぎてしまうとどうなるのか。余分に摂取したカロリーは体内で脂質となって蓄えられ肥満の原因になるというのは当然のこと。しかし、太るときでも、反対に体重が減るときでも、その現象を具体的に理解し、体内でどのようなことが起きているのかを知っておくことは、健康の維持増進のために好都合ではないかと思います。

不足しつつある食糧
「食欲」はヒトの欲求の最も大きなもののひとつ。様々な偶然が重なりヒトは極めて高度に進化したため、食糧を確保する効率的な手法をみいだし、結果的にこの地球上に80億人もが生存できています。しかし、食糧供給はかなり偏在していて必ずしもすべての人に十分行き届いているわけではないという不平等があることも確かです。これは、現在のところ食に困っている訳ではない比較的裕福な人々であっても、今後、食糧確保が難しくなっていく可能性があるものとして捉えておかなければいけません。お金さえあれば好きなものを好きなだけ食べることができる現代ですが、食糧価格が上昇し続けています。ウクライナ危機が原因だとも言いますが、それは価格上昇の速度を上げて、全世界的な食糧危機を迎える時期が早まったというだけのことです。今後、贅沢はおろか必要最小限のエネルギーを得ることもできない人の割合が増え続けるのは間違いありません。

動物としてのヒト
ヒトはヒトである前に動物だということを意識した方が良いと思います。豊富な餌に恵まれた野生動物は稀であり、多くの動物はひもじい思いをしながら餌を探して歩き回っているのです。目の前にあるものを何でも食べて飢えをしのぐのですが、おそらく満腹になることなどまれでしょう。ブクブクに太った野生動物なんていませんよね。動物は「節約遺伝子」というものを働かせて飢餓に対する耐性を得ています。野生動物ではこの遺伝子のスイッチは常にONの状態にあり、エネルギー消費を抑えて生存期間を延ばそうとしているのです。ヒトも例外ではなく野生動物と同じ節約遺伝子を持っていますが、一般に摂取エネルギーが常に満たされているため、この遺伝子は寝ています。これはヒトが食糧を自分たちで生産できるようになった1~2万年前からの遺伝子変化ではないかと思われます。

太るリスク
なぜ太るのはいけないのか?別に太ることがすべて悪いわけではありません。数字の上での肥満は、それ自体が問題の指標になるわけではないのです。太ることが原因となって健康上の問題が生じることが良くないのです。問題になりやすいのは男性型肥満の典型である「内臓脂肪型肥満」であり、反対に健康上ほとんど何も問題にならないのは「皮下脂肪型肥満」が多い女性の肥満です。女性に皮下脂肪が溜まりやすいのは、大切な内臓(子宮など)を守るためのクッションや体温を保持しやすくする役割のためだと言われていてます。皮下脂肪はエネルギーとしての消費が後回しにされることから減量しようと頑張ってもこの脂肪はなかなか減りません。悪いタイプの肥満は生活習慣病といわれる心臓血管系あるいは脳血管系といった循環器系疾患のリスクを大幅に上げるなど、とても多くの病気の直接的な原因になります。なかでも避けたいのは糖尿病です。血管を直接傷めてしまう高血糖状態は、それだけでも身体に対するダメージが大きいものですが、糖尿病患者は高血圧や脂質異常症なども併せて持っていることが多く、健康に対するダメージは計り知れません。反対に痩せることは、太ることで生じた多くの身体的リスクを一気に取り除くことが期待でき、良好な健康状態を取り戻す手段として、どんな治療を受けるよりも優れているといっても過言ではありません。

食べない努力
一見豊かにも見えるこの地球上にも多くの飢餓人口を抱えており、その数は2021年の統計で8億人を上回るものと推計されています。反対に肥満に注意が必要な人も著しく多く、栄養状態の地域格差も極めて大きなものとなっています。食が満たされているのであれば、自分自身が食べない努力をすることがとても重要ではないかと考えます。一日2食にしている、週末断食している、間食をやめた、飲酒を止めた等、努力している人も増えています。健康診断で肥満に伴う健康阻害があれば、直ちに食べない努力が求められます。単に痩せればよいというものでもないので、自身にとってのベストの体重を把握したうえで、それを維持することが大切です。
ヒトが動物であるという認識をもち、その「食生活」が常に満たされている状態はあり得ないと理解しなければいけません。肥満は生物学的に異常な状態です。少しお腹がすいた状態がちょうど良いのかもしれません。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2329)昼間の時間が最も短く、冷え込みも手伝って日暮れ時にはうら寂しくなってしまう時季です。このところ夜の帳が下りるのがとても早くなったのを実感しますが、暗くなってからはクリスマスの飾りつけも手伝って街の灯りがひときわ輝きを増す楽しいシーズンでもあります。お酒を飲みたくなる時間が早くなり、好きな人にとってはついつい飲み過ぎてしまう季節ではないでしょうか。クリスマスから正月は休暇気分の人も多いことでしょう。特に来年の春節は1月なので、2度目のお正月はすぐにやってきます。12月から来年1月にかけて休みが多く、仕事をしていても気分的に開放感に浸れる人が少なくないことでしょう。新型コロナに関しての行動制限が緩和されてきているので一時帰国などの旅行を計画している人も多いようですが、それだけに食べ過ぎや過度の飲酒には気を付けておきたいものです。

日本人の飲酒傾向
仕事柄、お客さんに飲酒に関してお聞きすることが多いのですが、「まったく飲まない」との回答が明らかに増えていると実感します。飲酒習慣がある人でも、飲み潰れてしまうまで飲む人は、最近ではとても少ないのではないでしょうか。個人的な印象ですが、飲酒量が少なくなっていることはもちろん、飲酒習慣がある人の割合は全体的に減っていると思っていたのですが、実際のところはそうでもなさそうです。いくつかの調査がありますが、どの結果も若年者、特に20歳代の飲酒習慣者数は男性で減少傾向が明らかであるものの、反対に女性の飲酒者が増えており、若年飲酒者の男女の割合に大きな差がなくなっているようです。少々古い資料ですが、2016年のある調査によると、飲酒習慣者の割合は男性で50~60歳代、女性で40~50歳代でピークとなっており、バブル経済の頃に弾けていた人がこの世代には多いのではないかと想像してしまいます。最近の傾向として特にアルコールの消費量が減少しているわけではなく、例えばビールの消費が減少する一方で発泡酒やワインの消費が伸びるなど、好まれる酒の種類が変化しているのが実態のようです。

酔いのステップ
酔いの段階は、爽快期、ほろ酔い期、酩酊期、泥酔期に大きく分けられます。基本的に酔うという現象は、アルコールによる「脳の麻痺」であり、その程度によって身体的な影響が異なります。
《爽快期》
緊張がほぐれ、少し気分が良くなり陽気になりますが、判断力が少し落ちます。この段階であれば特に問題は起きません。肌が赤くなり始めるのもこの段階です。
《ほろ酔い期》
酔いが回ってきたことを自覚します。陽気になっておしゃべりになり、心拍数や体温も上昇します。このあたりで飲むのを止めるのが理想です。さらに酒量が増えると声が大きくなったり、同じことを繰り返し話したりして、周囲が迷惑に感じるようになる酩酊期に進みます。
《酩酊期》
言語が不明瞭になったり、平衡感覚が失われ千鳥足になったりします。嘔吐するのもこの時期に多いようです。酩酊期の初期であれば、自分で帰宅することができるものの、翌日になると記憶がないということが多くなります。酩酊期の後期になると泥酔状態となり、所かまわず寝込んでしまうこともあります。さらに酷くなると昏睡状態に陥り死に至ります。

健康への影響
純アルコールに換算して男性で40g以上、女性では20g以上の飲酒は健康リスクが急に大きくなると言われますが、その量に該当するのはそれぞれ飲酒する人の14.9%、9.1%です。ちなみに日本人のアルコール依存症者の割合は、男性の1.9%、女性では0.1%ですが、実は女性の方がアルコール依存に陥りやすく、十分な注意が必要だと言われます。
また飲酒はがんとの関係がはっきりしています。これは体内でアルコールが代謝されて最初に生まれるアセトアルデヒドに発がん性があるためです。特にアルコールの直接的な刺激を受けやすい口唇、口腔、咽頭、喉頭、食道といったその通り道にあたる部分のがんが増えます。さらにその処理を担う肝臓に対しても影響が大きく、当然のことですが肝臓がんの発症が増えることになります。女性では乳がんの罹患率が飲酒者に増えることが知られています。また飲酒に喫煙が加わるとそのリスクが年齢や性差に関わらず大幅に上昇することが明らかになっています。
お酒に強い弱いは、アセトアルデヒド分解酵素(ALDH)の活性差にあり、特にALDH2という血中アルコール濃度が低い時から働く酵素が欠損しているか、あるいはその働きが弱い場合に「お酒に弱い体質」となります。日本人は4割以上がこのタイプであり、その傾向はモンゴロイドに共通しており、反対に欧米人にはこの酵素が欠損している人はほとんどいないそうです。

日本ではコロナ禍の下、飲食店での飲酒が制限されて路上飲みが増えるなど、飲酒のスタイルが変わってきています。規制が緩和されて店内飲酒ができるようになったにもかかわらず路上で飲み、その場でつぶれてしまっている光景が東京の歓楽街では増えているそうです。明らかに好ましい飲み方ではありませんし、はっきり言ってみっともない光景でもあります。
飲むのであれば、カッコよくスマートに飲みたいもの。
酒は飲むもの、飲まるるべからず!酔っても楽しい気分のうちに寝てしまいたいものです。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2310)
毎冬の恒例だったインフルエンザの流行が、前期、前々期ともに2年連続でまったくありませんでした。ある年の流行レベルが低いことはあっても、2年も連続して流行を経験しなかったというのは奇跡的だったといっても決して言い過ぎではありません。この期間は新型コロナの流行に重なり、世界中で厳しく行動制限が課されてきました。ヒトとヒトが近接する機会がとても少なく、外出時にはマスクを必ず着用していました。流行をきっかけに頻繁な手洗いや手指消毒が一般的な習慣になりました。ウイルスの側にしてみると、自分達が感染拡大するにはとても劣悪な環境だったはずです。新型コロナ流行前までは、今頃の時期になるとインフルエンザ感染者数が急に増えてきたものですが、そんなニュースは今年もなく、インフルエンザのことをすっかり忘れてしまっている人もいるようです。しかし今年は状況が少々異なります。もちろん今期も流行が来ないのかもしれませんが、そろそろかつての大流行を思い出して警戒しておいた方が良さそうです。

インフルエンザの再流行懸念
これまで人々は新型コロナウイルスのことだけを考えてその予防に一丸となって戦ってきました。その結果、大きな犠牲を払いながらもその流行は世界的に抑制に向かい、多くの国で行動制限が大幅に緩和されてきています。人々は徐々に元の生活を取り戻しつつあり、社会に明るさが戻ってきました。皮肉なことにこれはインフルエンザウイルスにとって極めて好都合であり、活動しやすい環境になりつつあることを意味します。人々はマスクを外し、これまでよりも近い距離で接触するようになってきました。インフルエンザウイルスは動物の細胞を利用しないと自身を複製増殖できません。その体内で増えたウイルスは咳やくしゃみにより飛び出して近くの人に侵入し、新しい感染者(宿主)を利用してさらに増殖します。マスクがなければインフルエンザの感染急拡大が容易に起こる可能性が大きいのです。ただし、これはマスクを着用しなかったり、ヒトとヒトとの距離が縮まったりすることだけが原因ではなく、私たちのインフルエンザに対する防護力が低下していることも大きな理由となります。長期にわたってインフルエンザの感染を受けていない体内には、その抗体が残っていないか、たとえ残っていたとしても抗体価はとても低くなっている可能性が考えられます。特に生まれて2~3年の小さな子供は、これまでに一度もインフルエンザウイルスに感染したことがなく、抗体がゼロである可能性があるので特段の注意が必要です。

流行が重なる危険性
世界的に新型コロナウイルスの流行が落ち着いてきているとはいえ終息の目途がついたわけではなく、時として大きな流行の山ができるなど気を許せない状況が続いています。今後も変異株などの登場でいつ世界的な感染拡大が再燃するか正確な予想は難しい状況です。そこで懸念されるのがインフルエンザとの同時流行です。昨年も秋口になると、新型コロナとインフルエンザの流行が重なるのではないかとの憶測が示されました。どちらも基本的に発熱を伴う感染症であり医療機関における初期診断が難しいことから、その現場に大きな混乱をもたらす危険性が指摘されています。基本的に一般の病院等では発熱患者の受付はしていませんが、どちらも発症が必ずしも発熱から始まるわけではなく、より慎重な現場対応が求められます。またインフルエンザの流行が起きれば、当然のことながら新型コロナと重複感染した患者(フルロナ)が現れる可能性があり、どちらも呼吸器疾患であることから病気がより深刻なものになる懸念が生じます。

甘く見ないこと
日本への入国制限が大幅に緩和されたこと、香港に戻った際のホテル隔離がなくなったことで一時帰国する日本人や、香港人の日本への旅行者数が激増しています。新型コロナに対しての警戒感が世界的に緩んできているのは間違いありません。新型コロナはインフルエンザと同程度の感染症だと認識する人も増えていますし、日本では感染症分類において2類相当の扱いからインフルエンザと同じ5類に引き下げるという議論も起きており、新型コロナに関する見方や受け止め方が変わってきているのは確かです。しかし、甘く見てはいけません。複数回ワクチン接種を受けても感染を確実に予防できる保障はなく、個人差が大きいとはいえその後遺症も決して軽視できないからです。
早くマスクから解放されたい、いかなる行動制限もない普通の日常に戻りたいという気持ちが日ごとに高まっています。しかし、あせりは禁物です。自身の行動に関しては、流行の様子やウイルスの性質、あるいは治療技術などの情報を収集し、個人としての行動制限を緩めるべきかどうかを慎重に判断して欲しいものです。甘く見ていて感染し、思わぬ後遺症に悩まされている人が少なくありません。今後新型コロナウイルスが消滅する可能性はほぼありません。今は、このウイルスといかに共存していくかを考える時期でもあります。
このPPWが発行される頃、日本は第8波の中にあるのかもしれません。帰国に際しては十分な注意が必要です。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


スクリーンショット (2225)ベストシーズン只中の香港。今年もとても爽やかな季節を迎えました。先月は1884年の観測開始以降、9月としての最高気温の記録を書き換えた日が2度も出現するなど、とても暑い毎日でした。ところが月が変わると、日差しにこそ夏の名残があるものの肌をなでる風の心地良さで、確実に季節が進んでいることを実感した人も多いのではないでしょうか。暑さで食欲を失いがちだった夏が去り、これからの季節は、快適な気候に加えて美味しい食べものが増えるので太りやすいと思い込んでいる人が多いようです。しかし生物学的には餌に不自由する冬に向けて、今はとにかく食べて太らなければいけない時期なのです。これは四季がある温暖な地域に棲む動物のことなのかもしれませんが、現代人の生活はそんな自然界の摂理とは完全に乖離したものとなりました。住環境が格段に良くなり季節を問わずに快適に過ごせる上に、食生活はあまりにも豊かになり過ぎています。食べる心配がなくなったばかりか、好きなものをいくらでも食べることができるのは幸せではありますが、一方で健康面において大きな不安をもたらす要因になりかねません。エネルギーの摂取過剰と運動不足が災いして、健康状態の悪化を招くことが広く知られるようになり、「健康を維持管理しなければいけない」という大きな課題を我々は背負うことになってしまいました。最近は健康意識が特に高くなり、運動しなければいけないと多くの人が意識しているようです。運動することをためらっている人も少なくはありませんが、始めるなら今が最適な季節です。

香港のハイキングコース
かつて英国植民地であったのが幸いして、狭い香港であるにもかかわらず多くのハイキングコースが整備されています。そのひとつ、かつてアジアベストハイキングコースに選ばれたドラゴンズバックは、総延長50㎞の香港トレイルのハイライトともいえるおよそ5㎞の区間です。バスを降りてから30分ほどで到達する、その名の通り龍の背に例えられる嶺からは、香港島東端の石澳の街から太平洋の大海原が眼下に広がる絶景に目を奪われます。ここは初心者向けで、健康な人であれば誰でも気軽に楽しめるコースのひとつでもあります。もちろん反対に難易度が高いコースもあり、香港の山はどのようなレベルのハイカーであってもその心を惹きつけてくれることでしょう。平地が少ない香港には1000mを超える山はないもののその地形は複雑で変化に富み、動植物層も厚く多くのハイカーを楽しませてくれます。ただし直登、直降下のコースも多く、「決して甘く見てはいけない」というのは日本山岳連盟所属の方のお話です。十分な水分と軽食持参で、慣れないうちは余裕をもってのんびり歩くのがコツです。

運動としてのメリット
世はマラソンブーム。趣味で走っている人がとても多いですね。実はその陰で過剰な運動が原因で健康を害している人もあり、健康のためと思って一生懸命になっているはずが逆効果になっている場合も少なくありません。もちろん娯楽、趣味としてというのであればそれも許容なのかもしれませんが、健康を求めるのであれば少し考えた方が良さそうです。どのような運動が健康維持増進に好ましいのかその線引きは難しいものの、「タイムを競うような運動」は必ずしも良いとは言えません。最近、トレイルランといって山道を走るランナーも増えています。ひざが悪く走ることが苦手な私にとっては羨ましい人たちですが、やはりこれも身体に対する負荷が大きく万人に好ましい運動とは言えません。健康を追求するのであれば、間違いなく「歩き」が一番です。
大都会と大自然が隣り合わせの香港は、ハイキングコースへのアクセスも簡単。スポーツを始めたりジムに通ったりというのはハードルが高いという人、普段運動には縁がないという人でも、ハイキングならいつでも始められます。最初は散歩のつもりで裏山にちょっと入って行くだけでも良いのです。自宅のすぐ近くなのに驚くほど静かです。街の喧騒が小鳥の鳴き声に代わります。風に吹かれてこすれる草木の葉音に気付くことでしょう。それまで騒音に包まれた大都会の香港しか知らなかった人にとって、その印象が大きく変わるきっかけになるはずです。自然に触れる機会が多くなればストレスマネージメントにも効果的です。低山ハイクは一石二鳥以上のメリットが得られます。

週末、自宅でゴロゴロして休んでいても仕事の疲れは癒せません。ごく軽いハイキングであれば、肉体的にも精神的にも、トータルな意味で身体を休めることができます。半日だけでも十分に楽しめるのが香港のハイキングです。この週末は、思い切って自宅近くの緑に飛び込んでみませんか。きっと新しい発見がありますよ。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


 Capture 人類が著しい進化を遂げたのは、ヒトが直立二足歩行をするようになったからだと言われています。アフリカ中央部に棲む霊長類の中から二本足で歩く猿人が分化してヒトへと進化したのは、およそ500万年前だと考えられています。なぜ二足歩行を始めたのかという理由については諸説ありますが、樹上生活から地上生活へ移行したことが、結果的に二足歩行を可能としたとする説が有力です。ほかの動物から襲われ難い比較的安全な樹上から、自身の生存を脅かす危険性が高い地上へと生活の場を変えたのにはそれなりの理由があるはずです。

ちなみに二足歩行が可能な動物はヒトだけでなく、サルやカンガルーなども後ろ足で立ってなんとか歩けます。しかしいずれも直立ではなく、しかも身体を支えるために前足を常にスタンバイさせています。足から骨格が垂直に伸びて、一番高い位置で頭部を支えるスタイルで、常に手をフリーの状態にしている動物はヒト以外にいません。

 

二足歩行の利点

まだ樹上生活をしていた初期猿人でも、地上に降りて活動する機会は多かったはずです。後ろ足を多用するうちに、上体を支える機会が減った前足が自由になる時間が増えました。その結果、前足を別の用途に利用する術を徐々に習得したのです。完全直立歩行になって前足を「手」と呼べるようになったわけですが、この最大の利点はモノをたくさん運べることです。つまり食べものを一度にたくさん運べるようになってより生存に有利になっただけではなく、これが異性、特に雄(男性)から雌(女性)へのアピールにもなったのです。さらに自由になった手で道具が使えるようになりました。猟具をつくって、より効率的に食糧を手にできるようになりました。もちろん危険を回避するためにも両手は役立ちます。さらに火を使えるようになったのも直立歩行できたからこそ習得できた技です。食べ物を加熱することで食中毒の危険性と死亡リスクを大幅に低下させました。また栄養素の消化吸収が格段に良くなって、これが脳の発達に直結して知的能力の向上に貢献したのです。脳が発達するにつれ、体重に対する脳の重量がほかの動物に比べて格段に重くなったものの、直立歩行で重い頭部を十分支えることを可能としました。火が使えるようになった人類は、この時点で完全にヒトとしての進化を確実なものにしました。

二足歩行は100万年単位のとても長い時間をかけて獲得した超特殊技能で、人類の著しい進化につながった最大の理由です。現代人は誰もが普段まったく意識することなく歩いていますが、このような事実を時には認識して歩いた方が良いのかもしれません。不幸にして歩けなくなってしまう人もいますが、歩くことに特に支障がないのであれば、楽な移動手段を常に選ぶのではなく、できる限り積極的に歩いて、2本の足をしっかりと使ってやりましょう。

 

歩行は行動の基本

現代はとても便利な時代です。地球上のどこへでも、飛行機が飛んでいるところであれば2日間もあれば到達が可能です。歩くだけの時代は時速数㎞ほどで移動するしかなく、一日中歩いたとしてもその距離はせいぜい数十㎞ほどにしかすぎません。定住生活する前は、ただ食糧を求めて歩き続けていたのです。農耕が始まるとヒトは狩猟や採集に加えて定住して食糧を生産するようになり、常に移動する必要はなくなりました。このような大きな生活変化があっても、その生活圏内における比較的短距離の歩行による移動は日常における基本的な行動であったはずです。

現代人は車など様々な交通手段を利用して早く遠くに移動できることを前提として日常生活を営んでいます。またその生活は、物流システムで自分の生活圏と大きくかけ離れた場所ともつながって成り立っています。災害などで交通が遮断されるとたちまちにして生活が脅かされてしまうという、とても危ういシステムの中で我々の生活が成り立っているのです。災害時の状況を想像すれば、歩くことがいかに大切であるかが理解できます。歩くことを半ば放棄して生きる現代人は、その生存に対してとても脆弱になってしまったようです。

 

気持ちだけでも原点に

超便利な生活と引き換えに失ってしまったものがたくさんあるはずです。便利になって体を極端に使わなくなってしまいました。進化の過程で栄養状態が格段に良くなったヒトは、現代ではエネルギーの摂取過剰になっています。肥満は現代病であり、さらに様々な生活習慣病の原因にもなっています。食べ過ぎて健康を害してしまうなど、自然界であり得ないことです。便利な社会から今さら後戻りできるわけではありませんが、せめて気持ちだけでも本来のヒトの姿を思い浮かべてみたいものです。食生活を少し見直してみることはもちろん、便利さを求めるだけではなく時には不便さを強いて受け入れることも大切ではないかと考えます。

たまには長い距離を歩いてみてください。エレベータやエスカレーターではなく階段を利用するだけでも良い運動になります。これから爽やかな気候になるので、身体を動かすにはちょうど良い季節です。ちょっとだけ頑張ってみませんか。

 

 


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


841_Mediport

 

白い食品は身体に良くないという話をどこかで聞いたことはありませんか? 多くの人が何の疑問も持たずに漠然と信じ込んでいるようですが、それほどの意味があるのかと私自身強い疑いの目で見ています。どこぞの大学の先生が話していることやテレビの健康番組で伝えられていることなどは大きな影響力があります。最近はネットでもこのような情報が盛んに発信されており、私が抱える疑問がますます大きくなってきました。

白米と玄米
玄米はコメからもみ殻を取り除いただけのもので、ヌカや胚芽部分が残されたものです。この部分に含まれる栄養素が評価されているほか、玄米は血糖値の上昇が緩やかである点も、白米よりも身体に良いとされている要因です。確かに栄養分析の結果を見ると、玄米には白米にはない栄養素が含まれており、いかにも身体に良さそうではあります。しかし、一方で消化が悪い玄米は(だから血糖値が上昇しにくい)、良く噛まないとそのまま排泄されてしまう可能性が大きくなります。いくら栄養成分が豊富であっても、その吸収率が悪いというのは大きな欠点です。

白砂糖と黒糖
黒糖は主にサトウキビの搾り汁を煮詰めたもので、植物に由来する成分をそのまま残しています。したがってミネラルなどを豊富に含みますが、料理の味への影響が大きいので白砂糖との使い分けが必要です。白砂糖は身体に悪いと思い込んでいる人もいますが、黒糖を生成したものが白砂糖であり、白砂糖が身体に悪いのであれば、それを包括している黒砂糖も身体に良くないものと考えるのが妥当でしょう。そもそも現代人は甘いものを食べ過ぎているのです。白砂糖は良くないと言われますが、現代人は糖分の過剰摂取状態にあることが問題です。

精製塩と粗塩
最近は悪者扱いされることが多い塩ですが、塩分はヒトに限らず多くの動物にとって必要不可欠な物質です。自然界では塩場と呼ばれる塩分濃度の高い石や土を舐めに行く動物もいます。サルはお互いの皮膚をつまんで、その指先に付く塩を舐めて塩分補給しています。しかしヒトは味付けに塩を利用するだけでなく、食品保存に使うことを覚えて積極的に利用するようになりました。ヒトの知恵でもありますが、その摂取量が格段に多くなってしまいました。

塩の原料は海水と岩塩です。海水の水分を飛ばしてできあがるのが粗塩で、にがりやミネラルが豊富に含まれており味もマイルドです。岩塩も元はと言えば海水なのでその成分は似ています。精製塩は粗塩を生成して純粋な「塩化ナトリウム」だけにしたものであり、化学薬品としても使えるほどの純度です。そのため様々なミネラルを含む粗塩の方が身体に良いとされていますが、現代人はその摂取量が多すぎるのです。この点は砂糖と同じですね。

白パンと全粒粉パン
パンは基本的に小麦をこねて、酵母菌で発酵させたものを焼いて作ります。基本的な原料となる小麦を精麦して、外皮や胚芽などを取り除いたものを製粉する場合と、そのすべてを粉にしてしまう場合(全粒粉)に分かれます。全粒粉には皮や胚芽が含まれるので色は黒っぽくなりますが、それらの栄養成分を合わせて取り込むことができるメリットがあります。その一方で、ふわっとした日本人好みの食感は失われてしまい、ボソッとした全粒粉パンは日本人に嫌われる傾向が強いようです。パンに限っては白く柔らかなものが好まれるというのが最近の日本人の嗜好です。ただし糖質を避けるという風潮から、パンそのものを避けてしまう人も少なくありません。

 

さて、健康志向が強くなってきた現代人の食に対する意識ですが、「飽食の時代のわがまま」に過ぎない考え方が大勢を占めているように思えてなりません。健康を維持するのであれば直ちに過食を止めて、腹7分くらいに収めておく方が良いでしょう。腹いっぱい食べたいというのであれば日に3食は食べ過ぎです。白い食品は身体に良くないと信じて、玄米や黒糖そして粗塩にこだわったりしている人もいるようですが、健康維持という観点からは何の影響もないと思います。もちろんミネラル分が多いほうがマシかもしれませんが、健康に対する貢献度は微々たるものでしょうね。

健康のためというのであれば、個人的には何を食べるかというよりも、いかに食べないかを模索したほうが良いと思います。特に肥満傾向にあってそれが原因で健康診断の結果に問題がある人の場合は、減食することが最大の健康法になります。また健康状態に問題がない人であれば、食事内容に神経質になるより、日常生活の中でいかに身体を動かすかを考えた方が健康上のメリットになることでしょう。白い食品、黒い食品に健康状態を左右するような働きは無いと断言できます。そのような選択が可能なのは、飽食であり、贅沢な食生活であるからにほかなりません。

白い食品は、加工度が大きいので余計なエネルギーを使って生産しなければいけない場合が多いようです。低加工度の食品が好まれるようになってきた昨今の嗜好変化は好ましい傾向だと思います。身体に良い悪いという感覚的かつ単純な選択をするより、より自然なものを摂取するという選択の方が、「生物学的に」より好ましいと言えるのではないでしょうか。平均寿命が著しく伸びている現代であるからこそ、食生活のことを自分自身で少し考えてみる必要がありそうです。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


841_Mediport

  私が「アライグマ」と勝手にニックネームを付けた香港人男性がいます。彼は、私の会社と同じフロアーにある香港企業に勤める名も知らぬ人物。果たして彼は仕事をしているのか、と思えるほどトイレでよく会うし、そこでの滞在時間も長い。トイレで何をしているかというと、肩のあたりまで袖をまくり上げて、抗菌剤入りの石鹸でこれでもかというくらい腕全体をごしごしと洗っている。それも何度も何度も勢い良くやってるので周囲は水浸し。新型コロナの影響で、アルコール消毒を頻繁に使うようになったり、ビニル手袋を着用して外出したりするなど、香港の人々は時として少々やり過ぎではないかと思えるほど神経質にウイルスを避けようとしていますが、彼はそんな人々の中でも突出して病的にまで潔癖症になってしまったひとりではないかと思います。

  昔はトイレで手を洗うなどほとんどしなかった香港人。男性だけかと思ったら、なんと女性でも洗っている人は少ないと聞いたときには声が出ませんでした。それどころか、便座には座らず、そこに上がって用を足していたとか。便座には常に足跡が付いて、周囲は尿でびしょびしょになっているのが常だったようです。話を聞いて、男性用トイレの方がまだましなんだと思ったほどですが、もちろん男性用もその汚さや臭いは負けていなかったと思います。実はこれ、田舎のトイレの話ではなく、都心の商業施設のトイレ事情でもあったのです。またある有名な観光地に唯一あった公衆トイレは、隣の個室ともつながっている溝をまたいで用を足す形式で、時々、係りの人が上流側の一番端からホースで水を流していました。

  私が香港に駐在員として渡ってきたのは1990年代の初めのこと。当時、香港に在住していた日本人の間では、あまりにも不衛生な香港のトイレ事情が話題になることが少なくありませんでした。外出時に安心して使えるトイレがあるのはホテルくらいに限られ、行く先々の「使えるトイレ」の場所をチェックして出かけることもありました。余談ですがそんなトイレには施設を奇麗に維持してくれる管理人(トイレおじさん、トイレおばさんと呼んでいました)がいて、手を洗うと紙の手拭きや、高級なホテルなどでは布のおしぼりがサッと差し出されたものです。もちろんチップが目的であり、毎度2~5ドルを渡していたものです。大きなレストランでも事情は同じでした。ビールを飲んでいるとどうしてもトイレが近くなってしまいます。トイレに行くたびに小銭を用意しなければならなかったわずらわしさも、今となっては懐かしい思い出です。現在のトイレは管理人が常駐している場合と、頻繁に掃除している場合とがあるようですが、衛生的に管理されているトイレが多くなったのは事実で、トイレチップの慣習もなくなりました。

  2003年の新型肺炎SARS流行後、香港政府は日本からも専門家を招き入れるほど力を入れてトイレの改善に取り組んだものです。最近ではハイキングコースの入口など辺地にも公衆トイレが設置されていることが珍しくなくなったことだけでも私にとって大きな驚きですが、そんなトイレにもトイレットペーパーが常備されています。昔はホテルのトイレ以外にはトイレットペーパーは無く、女性は必ずティッシュを準備してトイレに行くのが常だったので、山の?公衆トイレでトイレットペーパーを始めて見た瞬間には驚きで声を上げてしまったほどでした。90年代初めのトイレを知る者としては、SARS後の香港トイレ事情はとても信じられないほど大きな進化を遂げています。便座シートや便座殺菌剤等が香港の多くのトイレに常備されるようになるなど、香港のトイレ事情は今も進化を続けています。最近はトイレにもデザイン性が取り入れられたり、便座や洗面にもひと工夫されたりするものもあります。

  国や地域の衛生環境はトイレ事情と比例するものです。衛生環境の改善は住民の感染症の罹患率を下げるだけでなく、健康状態の改善に直結するものです。さらに尿や便の状態を観察しやすくなるなど健康管理にも役立つこととなり、ひいては市民の健康増進にも大いに貢献することとなります。昔は外出先のトイレが嫌で、時としてそのまま我慢して「持ち帰る」ことも珍しいことではありませんでしたが、奇麗なトイレであれば我慢する必要もなくなり、特に女性にとっては膀胱炎リスクを回避できることにもなりました。

  香港のトイレ事情が良くなったと思っていたら、日本のトイレはさらに快適さを増しているようですね。私は2年以上帰国できていませんが、それまでたまに帰国するたびに日本のトイレの良さを実感したものです。日本では商業施設などのトイレにも普及してきたシャワートイレは、使用される水が海水であるという香港の事情もあってか、ほとんど普及していません。「おしり」が洗えるトイレは世界的にも日本での普及率が飛びぬけていますが、特に「痔主」の皆様にとっては、香港でも普及することを待ち望んでいるのではないでしょうか。

  都市生活の快適さをあらわす指数があるとすれば、「清潔な公衆トイレ」の存在はかなり大きなポイントとなるでしょうね。現在も香港のレベルは上昇中です。


堀様1藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point, Hong Kong


 


スクリーンショット (1232)

日焼けというと、子供の頃に袖をめくりあげてお互いの肌の黒さを競った経験がある人は少なくないと思います。夏休みが終わって2学期の始業式に久しぶりに顔を合わせた子供たちの恒例行事でもありました。休み中、子供たちはより黒くなろうとしてできる限り日にあたって遊んだものです。なかには日焼けしても黒くなり難い人もあります。最初赤くなった肌は触れないほどヒリヒリとして火照っていますが、1週間もすると皮膚が剥けてきます。幼少時に、親父の背中の皮をできるだけ大きくむくことを、まるでゲームのように楽しんでいた記憶もあります。

ところで、黒く日焼けした姿に健康美を重ねる風潮は少なくとも10数年前まで続いていたのではないでしょうか。当時、日焼けサロンなるものも流行っていましたが、日焼けに対するイメージはこのところ大きく変わり、最近は日光を悪者と捉える傾向さえあります。日焼けどころか、直射日光に当たることを極端に避けるようになり、行き過ぎた日焼け予防に弊害が生じたりする事態も起きるほどです。何事にも極端にぶれてしまう傾向が強いのは日本人の特徴なのかもしれませんが、日焼けの原因である紫外線に対して、ただ悪いものとみなすのではなく、その正体を正しく知る必要があるのではないでしょうか。

紫外線とは
日光をプリズムに通すと、光は赤から紫までいくつもの色に分かれます。プリズムを通して太陽光をいくつもの色に分離して見せたのは、万有引力の法則で有名な英国のアイザック・ニュートンでした。彼は、虹は7色と定義したものの、これはただ7つの音階を意識しただけだとの説もあります。虹のもっとも内側は紫で反対に外側は赤ですが、実際には虹色はグラデーションとなっているのでいくつの色に分かれているという言い方はできません。国や民族によって虹の色数を8色としたり、反対になんと2色と子供に教えたりすることもあるそうです。そんな虹の赤のさらに外側にあるのが赤外線、そして紫の内側にあるのが紫外線ですが、もちろんそのどちらも見ることはできません。赤外線は熱線とも呼ばれ暖かさを感じるものであるのに対して、紫外線は化学線と呼ばれ、その作用は強く生物の遺伝子にまで影響し、シミやしわの原因であるばかりか皮膚がんのリスクを高めてしまうものでもあります。ヒトの健康にまで影響する紫外線ですが、その多くは上空のオゾン層で吸収されるので地上に降り注ぐ量はそれほど多くありません。この紫外線、悪い作用ばかりではなく、その強力な殺菌作用を応用した殺菌滅菌装置が食品や医療といった分野で使われています。女性にとってはネイルアートのジェルネイルが身近かもしれません。ジェルを硬化させるのに紫外線を利用しています。またヒトの皮下では紫外線の作用を利用してビタミンDの合成を行っています。日本での話ですが、日焼けを極端に避けている若い女性に骨粗しょう症が急増したり、その子供にくる病が増えたりしており、小児科医の間では大きな話題になっています。紫外線は必ずしも有害と言えるものではなく、健康のために必要なものでもあります。

肌の色と紫外線
肌の色がより白くありたいと願う女性は少なくないようですね。「美白効果」をうたう化粧品も良く売れているようです。肌の色は何万年もかかって地域ごとに変わっていったものです。北国では極端に少ない紫外線を効率よく吸収するために肌がより白い人が生き残ってきたのです。反対に紫外線量が強い地域に住む人は、強烈な紫外線から身体を守るために肌は黒くなければいけないのです。日本人など中緯度地方の人はその中間です。オーストラリアなど紫外線がとても強い地域に住んでいる白人は、もともとそんな地域には住んでいなかった人々です。彼らの間には近年皮膚がんの罹患率が激増しており社会問題化しています。知らなかったこととはいえ大きなリスクを背負って移民してしまったのです。地域の紫外線量に適した肌の色はとても大切であり、いたずらに白くするのは決して好ましいことではありません。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

夏の紫外線との付き合い方
成層圏のオゾン層といっても、仮にそのオゾンを集めて0℃の地上に敷き詰めたとしても、その厚さはわずか3mm程度にしかなりません。たったそれだけのオゾンが大きな役割を演じており、紫外線の中でも特にエネルギーが大きく人体への影響が強い波長のものを効率よく吸収してくれています。つまり適度な紫外線が降り注いでいる環境ができたことで人類が生き延びてきたともいえます。我々は紫外線を避けながらもそれを適度に利用して生きています。それを一方的に悪いものだと決めつけ、徹底的に排除していこうとする姿勢は決して好ましいものではありません。

5月から8月ころまでは紫外線量が特に多い季節です。夏のレジャーを楽しむにはしっかりとした紫外線対策が必要ですが、いつであっても正しい知識を持つことが大切です。


堀様1
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは
日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。
Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point


スクリーンショット (935)

オーガニックとか有機などという冠が付いた野菜を見る機会が増えてきましたね。そればかりかその範囲は今や肉類や水産物にまで及んでいます。もちろんオーガニックという本来の意味からすると化粧品などにもその類があることには違和感がなくなってきたのも確かなことです。最近はスーパーなど小売店にも有機野菜のコーナーが設置され、その専門店も珍しくなくなりました。オーガニック(有機)というと何となく身体に良いもののように感じてしまいがちですが、実際のところはどうなのでしょうか。普通栽培の野菜や果物と比べるとかなり割高で売られているだけに、ただのイメージで選ぶのではなく、その意味を理解しておいても損はありません。

オーガニック(有機)とは
最近その意味が拡大しているようですが、主に農産物に関して使うのが基本ではないでしょうか。農薬はもちろんのこと化学肥料も使わず、地力を生かし、周囲の環境を整えるなどして自然の力で作物を栽培するものです。そのためとても手間がかかる上に収穫量も少なくなるなど、どちらかというと農家には好まれない農業手法です。環境負荷が小さいので、地力を衰えさせず、また環境とも共存するため持続可能な理想的な農業であり、生物の共存共生という意味では確かに素晴らしいものです。ただしオーガニックを選択できるのは、おそらく裕福で恵まれた一部の人でしかないことも認識しておきたいものです。世界には、オーガニックが良いなどと言う前に、満足に食べることができない飢餓人口が7億人もいるわけですから。限られたこの地球の資源を最大限に利用できたとしても、食糧生産は、その工夫がなければとっくの昔に限界が来ているのが現実です。オーガニックにこだわっていても、地球上の食糧問題を解決できるわけがありません。

チャラチャラとしたオーガニック信仰
生物として自然界と共存関係を維持できなくなった人間はきれいごとを言える時代ではなくなったことに気付き、その事実を原点として地球全体の環境を考えていかなければなりません。オーガニックは身体に良さそう、栄養学的にも優れているようだ、農薬を使ってないから安心だ、などという表面的なイメージで良いものであると単純に決め付けてはいませんか。それどころか「オーガニック野菜は冷蔵庫で保存していても溶けない、腐らない」といった根拠のないニセ情報を信じている人もあるようです。困ったことにこのようなニセ科学を積極的に拡散している輩もいるので気を付けなければいけません。青森の「奇跡のリンゴ」というものがあります。リンゴ栽培には通常農薬や化学肥料が多く使われるのですが、ある人が無農薬・無化学肥料でリンゴを栽培することに成功したというお話です。周囲から変人扱いされるほどの苦労を重ねて見事なリンゴを実らせたのは事実で、マスコミで紹介されたり本になったりもしたものです。しかし、このリンゴは腐らないというニセ情報が独り歩きしているのです。関連事項をいろいろと読んでみると、その話は少々宗教染みている有様で、奇跡のリンゴを育てた男性を教祖のように扱っているものまでありました。こうなってくるとオーガニックがどうとかいうものではなく、立派なニセ科学にしかすぎません。極端な話、オカルトの世界ともいえましょう。

私たちが考えなければいけないこと
地球上に食料が足りていないことを忘れてはいけません。また日本人だけを考えても経済的な格差は大きく、手をかけて育てた高価なオーガニック食品を食べることができる人はそれほど多くないのが現状です。生産コストを抑えて大量に供給しようとすると、有機ということにこだわるわけにはいきません。通常販売されている野菜類には大量に農薬や化学肥料が使用されているものと思って間違いありません。もちろんより良い農作物を栽培しようと頑張って低農薬栽培などに挑戦する農家も増えていますが、とにかく虫食いひとつない葉物野菜が安く売られているのには理由があるのです。日本に限らず世界的に食料生産効率を高めなければいけない十分な理由があり、消費者の安全を考慮したうえでの農薬や化学肥料を使う必然性は必要悪とも言えましょう。
食生活が豊かな人たちには、その余裕の中でオーガニックを選択するのは好ましいものですが、絶対的にオーガニックを信じたり、現代の通常生産農産物を排除したりする志向は決して正しいものとは言えません。その一方で、農薬の許認可基準のあり方や、生産者の使用量に対する認識も、消費者に向かったものでなければいけません。農薬や化学肥料をどれだけまでなら使ってもかまわないという考え方ではなく、効果が期待できる最小量はどれだけなのかを常に追求して欲しいものです。「規制する側の国、販売者、その使用者」と消費者の信頼関係が築かれていなければ健全な社会が形成されないと考えるのは飛躍し過ぎた考え方でしょうか?食に満たされているからこそこのようなことを考えられると思うと、幸せなことですよね。オーガニック嗜好は悪いことではありませんが、食に満たされた我々であるからこそ、食糧問題を考える機会をつくっても良いのかもしれません。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point


スクリーンショット (804)春は期待に胸を膨らませる季節。寒さに身を縮め心まで暗くなりがちだった時が過ぎ、身を包む暖かさに気持ちまでもが軽くなります。いつもの春なら確かにその通りですが、コロナ禍にある春は感染予防措置に関連した行動制限が大きく、とても華やいだ気持ちにはなれません。振り返ると2年前の今頃は流行が世界各国で急拡大していた時期で、まだその正体の全貌がつかみ切れておらず、漠然とした不安を抱えて過ごしていました。当時は、まさかこれほどまでに我々を苦しめるとは誰も思っていませんでしたが、新型コロナウイルスはしぶとく、今も世界中で猛威を振るい多くの人命をも奪い続けています。新年度を迎え、入社や入学など明るい話題に桜の花が加わり、春の陽気も手伝って例年であれば今はどことなく華やかさを感じるはずです。新しい生活に明るい期待を胸に膨らませる時です。しかし現在も見えない敵であるウイルスを前に様々な感染予防措置が講じられており、人々の生活は大きな負担を強いられ続けています。感染拡大をなんとか阻止するためであることは誰もが理解していますが、社会全体が大きな不安に包まれています。気分を変えたいと思っても、春の楽しみでもあるお花見や様々な宴会の自粛を求められたりするなど、気晴らしもままならない状況に息が詰まる思いでいる人も少なくありません。効果的なワクチンと治療薬が開発されれば、感染を恐れることなくインフルエンザ程度の認識となるものと期待できます。現在、その方向に急速に向かっていることも確かです。暗いトンネルの出口はそれほど遠い先にあるものではありません。
さて、新型コロナ禍にあろうと春の健康診断の季節に変わりありません。日本ではこの2年間、健康診断の受診率が落ちていることからがんの早期発見率が低下しているそうです。医療機関にはなるべく行きたくはないという心理も理解できますが、何がリスクかを冷静に判断して、やるべきことはやっておいた方が良いものと考えます。

法の下に実施される健康診断
ところで労働安全衛生法第66条1項で、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、少なくとも年に一度は医師による健康診断を行わなければいけない。」と規定されており、この規則に従って全国の事業所等で健康診断が実施されます。法令に従って行われる健康診断は海外勤務者もその例外ではありません。「春の健康診断」は、これも法令で定められている「雇い入れ時健康診断」に合わせて、通常の「定期健康診断」を全社的に実施することが多いようです。健康診断は事業所が主体となって実施され、特定の者しかアクセスできない形であるにせよ、事業所がその結果を保管して活用することになります。「究極の個人情報」ともいえる健康に関する資料を、事業所が管理するなど通常では考えられないことです。世界的にもこのようなシステムが何の批判を受けることなく履行されていることは極めて稀です。プライバシーに関して厳しい今の時代に、初めてこのような制度をつくろうとしてもまず無理ですが、事業所が行う健康診断の制度は、長い歴史の中で良好に運用されてきたからこそ現在でも一般に受け入れられているのでしょう。

雇い入れ時健康診断
ところで、「雇い入れ時健康診断」は、新規に雇い入れた労働者の適正な配置に役立てられるものであり、当然のことながらその結果を採用の可否に利用することはできません。特に中途採用などでは採用試験とほぼ同時に健康診断の実施を求めることがありますが、その結果の利用によっては大きな問題となる可能性があるので慎重な扱いが求められます。本採用の前に健康診断を受けるよう指示されることもあると聞きますが、この場合は合理的でしっかりとした理由を準備しておいた方が良いでしょう。
新卒で採用される者にとって雇い入れ時健康診断の結果は、「人生における最も健康的な基本データを得ることができる」という大切なメリットがあります。特に生活習慣病のリスクは、一般的に社会に出た頃から徐々に高まっていくため、その後の健康状態の変化を知るための比較資料として大切に手元に置いておくことを勧めします。
様々な意味を持つ春の健康診断です。海外での健康診断には季節的な関係はほとんどありませんが、毎年一度は自身の身体的データを得るためにぜひ受診しておきたいものです。春はその必要性を再認識する季節です。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからもどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point


スクリーンショット (521)

春節が過ぎて気分的には春を迎えたと思ってはいても、今月は寒々とした日が少なくありませんでしたね。しかし3月に入ると確実に気温が上がり、天気さえよければ夏を思わせるような気候にもなるのが香港です。ダウンジャケットを着ていたこれまでとは違い、特に女性にとっては少しおしゃれな装いをしたくなる季節です。これから気温が上昇するにつれ肌の露出も多くなり、日焼けが気になりますね。また薄着になる夏までには理想体型を手に入れようと思ってまだ寒いころから頭の中では頑張っていたものの痩せられず、「コロナ太り」などと言い訳しつつ今頃は少し焦り始めているのではないでしょうか。美容とは「美しい容姿」のこと。行動的には「容姿を美しく保つ行為」を示します。最近盛んに提唱されるアンチエージングもその範囲に含まれます。ところが美しく保つための努力が、意図せず健康を犠牲にしている側面もあり、大きなリスクと表裏一体となっている美容法を「美」と引き換えに受け入れている場合さえあるようです。流行などに単に乗せられてやるような根拠に乏しい「美容」には注意が必要です。

白い肌へのあこがれ
白い肌を望む気持ちが女性に根強いですね。これは洋の東西を問わず紀元前の昔から綿々と続く女性の気持ちの表れのようです。肌をより白く見せようと努力を惜しまないのは現代女性に限らないこと。白粉(おしろい)とも呼ばれる白色顔料は、なんと古代メソポタミアの遺跡から発掘されています。長い歴史を顧みても「美白」はいつも女性の心を引き付けてきました。
実は白い肌を求める風潮の陰で重金属による障害を負う被害も頻発し、中には死に至る悲劇もその歴史の中で繰り返されてきました。白粉として使われてきたものは亜鉛華(酸化亜鉛)、かんこう(塩化水銀)、あるいは鉛白(塩基性炭酸鉛)と呼ばれる重金属系の白色顔料であり、長期連用すると皮膚から吸収されたこれらの重金属が使用者に重い障害をもたらします。もちろん現代の化粧品に重金属は一切使われていませんが、女性が、美しいものとしてより白い肌を求める強い気持ちは、いつの時代にも変わらないものです。

肌は白いほうが良いのか
日焼けはできれば避けたいものです。紫外線は化学線であり皮膚への影響が強くDNAを傷つけ皮膚がんのリスクを高めます。その予防に強い紫外線を避けるのは必須です。その一方、皮膚の下でビタミンDを合成するために必要な紫外線が不足すると骨形成不全の原因となります。最近日本で問題になっているのは、若い女性の「骨粗しょう症」と幼児の「くる病」の増加です。親子で極端な日焼け対策を施すあまり、紫外線不足に陥って骨の健全な形成を妨げてしまった結果です。

痩せれば良いのか
最近は男女ともに考え方が少し変わってきましたが、それでも痩せているほうが良いという固定概念に囚われている人は今も少なくありません。男性でも以前に比べると体重を気にする人が増えています。太らないようにする気持ちが強いのは、健康志向が高まってきた現れで悪いことではありませんが、女性は容姿を必要以上に気にして痩せようとする意識が強いようです。最近ではほとんどなくなりましたが、かつて痩せ願望が強く、過剰な食事制限で貧血まで起こしている例もありました。痩せたいばかりに摂食障害を起こしてしまうこともあります。「容姿」を気にするあまり健康を犠牲にしてしまっては、逆に美しさを失う危険性をはらみます。
美容と痩身は別に考えた方が良いと思います。痩せなければいけないのは、体重増加が健康阻害要因になっている場合のみ。肥満そのものが悪いわけでもないし、何がなんでも痩せれば良いというものでもありません。

怪しい情報に振り回されるな
かつて腸内洗浄(コロン クレンジング)が流行した時期があります。大腸内を定期的に洗浄すると肌もきれいになると信じて、多くの女性がその施設に通っていたものです。なかには簡便な洗浄キットを旅行にまで携行する人もあったと聞きましたが、頻繁に行っているうちに自力排便が困難になるという弊害が起きます。腸内洗浄が肌を美しくするという明確なエビデンスはなく、ブームは数年のうちに去りました。これに限らず今この瞬間にもネット上には怪しい広告が無数にあふれています。人々は少しでも美しくなりたいがために、その真偽を検証もせずに釣られてしまうようです。例えば飲んだだけで痩せられると謳うサプリメント。医学的にはあり得ないのに、なぜか売れてしまう。効果が無いだけで済めば良いのですが、健康被害にでもあっては元も子もありません。少しでもキレイになりたいという心理に付け込んで儲けようとする輩には気を付けたいものです。
美しさに基準があるわけではありません。ある意味自己満足の世界にすぎない感覚的なものに過ぎません。ヒトが美しく見える最大の武器は、ちょっとした笑顔なのかとも個人的には思います。清潔にして笑顔。感染症対策と免疫力アップの両方が期待できそうです。美は多額のお金をかけたり、必死になって追いかけたりして得るものではありません。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

2月26日より住所が変わります
新住所:Rm.1811, 18/F., Olympia Plaza, 255 Queen’s Rd., North Point


スクリーンショット (384)
新型コロナの流行は、およそ2年にもわたって続いており、いまだに収束する目途が立たない状況です。この流行は我々の仕事や日常生活に大きな影響を与えてきましたが、中でも飲食習慣に関しては劇的な変化をもたらしたのではないでしょうか。外食が当たり前だった人たちにとっては辛いものかもしれませんが、飲酒の機会が減って減量できたという声も少なくありません。一方でコロナ禍とはいえ既にかなりの飲酒量になって、頭の隅で健康への影響を心配しているにもかかわらず相変わらず飲み続けている人もいるのではないでしょうか。
さて、クリスマスから春節までは特に飲酒の機会が増える時期です。飲酒は緊張を解き気分を高揚するなどして、コミュニケーションを図るうえでも都合が良いものですが、その一方で飲み過ぎは健康を損ねる危険性があることはもちろんのこと、様々なトラブルの引き金となってしまうことさえあります。諸刃の剣ともいえるお酒は、いくら好きだといってもその特性を理解してたしなみたいものです。

お酒の歴史
ヒトは元来飲酒することはありませんでした。自ら好んで酒を飲む動物はまずいないことからもこのことは理解できますね。ヒトが発見した「アルコール」は恐らく偶然の産物でした。この新しい発見を機に、酒類を利用し文化にまで昇華させることができたのは、ヒトが著しく進化した生物であったからにほかなりません。人類が最初にアルコールを手にしたのは1万数千年前。蜂蜜がたまたま発酵したものだったそうです。その後、米や果実を原料としてアルコール飲料を醸造するようになったのは紀元前7000年ころ、中国中央部ではないかと考えられています。またエジプトでは紀元前2700年ころにはワインやビールが飲まれていたという記録が残されています。ピラミッド建設の労働者にビールが支給されていたという話は有名です。日本では、稲作が始まった弥生時代になって酒が飲まれはじめたという説がありますが、はっきりとしたことはいまだにわかっていません。それでも奈良時代から平安時代には豊作祈願の神事などに酒が盛んに用いられたことがわかっており、この頃から日本酒が神聖なものとして扱われるようになってきたのではないかと考えられています。

アルコールの作用
アルコールには精神的、肉体的な作用があります。精神的な作用として知られているリラックス効果は、その薬理作用で理性を司る大脳新皮質の働きを低下させ、普段は抑制されている本能的な言動を支配する旧皮質が有意となることで得られます。適度な飲酒であれば心地よい気分になれることから、アルコールは「人類が手にした最初の向精神薬」ともいわれています。この精神的作用は、血中のアルコール濃度に比例して大きくなります。適量であれば緊張が解けコミュニケーションを円滑にするので、人間関係にもプラスの効果が期待できますが、それを超えると理性が失われたり、感情の抑制ができなくなったりして、時にはトラブルの原因になることさえあります。大事ではなくとも、お酒の上での失敗は多くの人が経験していることでしょう。また肉体的な作用としては心拍数や呼吸数の増加に始まり、やがて千鳥足になるなど歩行にも支障が出ます。さらには平衡感覚を完全に失って立つことすらできなくなってしまいます。極度に血中濃度が増すと、最後は呼吸停止して死に至ります。

健康に及ぼす影響
アルコールの効果を期待する人もありますが、残念ながら間違いなく身体に負荷をかけるものです。飲酒に伴っておきる急性の身体的影響(心拍数増加~歩行困難、あるいは急性中毒など)とは異なるものとして、慢性的な影響(高血圧症、脂質異常症、糖尿病、痛風といった生活習慣病)のリスクを高めてしまうことも明らかです。これらは肥満との関連でも共通しています。肥満は飲酒自体が直接的な原因になるというより、長時間にわたる飲酒では、食べる量も増えて摂取カロリーが増加するのが原因でしょう。
では、がんとの関係はどうなのか。国立がん研究センターによれば、毎日飲酒していても、その量が日本酒換算で2合未満に留まっているのであればリスクが高くなるとは言えないとしています。ただし飲酒に喫煙が加わるとそのリスクが格段に高まることもはっきりとデータに現れているとのこと。喫煙時に発生するタール成分などがアルコールに溶け込み、発がん物質が余計に体内に入ってしまうのです。少なくともタバコを吸いながらの飲酒はやめておいたほうが良さそうです。

お酒が一段と美味しく感じられる季節でもあり、ついつい飲酒量が増えてしまうことは仕方がないのかもしれません。楽しくお酒を飲みたいと思っている気持ちに水を差す気はありませんが、お酒は自分が最も気持ち良く飲める量を、少しは意識して飲みたいものです。平均寿命が延びて人生は長くなっているのに、あえて自身の余命を縮めることはありません。いつまでも長く楽しく飲めるのは、飲兵衛にとっては最高の人生。「酒は飲むもの、飲まるるな」幾度となくグラスを傾けても決して忘れてはいけない格言として、心に刻んでおきたいですね。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


スクリーンショット (175)健康でありたい気持ち
より健康でいたいと念願するのは多くの人に共通します。体調を崩せばやりたいことも断念せざるを得ない場合もあるでしょうし、仕事ができなくなれば、たちまちにして収入が断たれ既存の生活の継続が困難になる可能性が生じます。将来に対する希望も萎んでしまうでしょう。そのような大きな変化でなくても、身体的に何らかの不調が生じると、例え極めて些細なことであっても気になるし、例えようがない不安にもさいなまれるかもしれません。その一方で、糖尿病や高血圧など、痛みなどの苦痛がなく日常生活にとりあえずは影響しないような病気では、ことの重要性を自覚しにくいものです。健康診断などで内在する問題を指摘されても、がんなど一部の生死にかかわる病気でなければ積極的に治療することもなく、ちょっとした生活改善さえしない人も多いようです。健康でありたいとの気持ちが強いのに、自分は大丈夫だという過剰な自信が生まれるのも人間の勝手な一面ですね。

超高齢化と身体機能
がんでは死ななくなるといわれています。私が30年以上前、南太平洋のソロモン諸島でマラリア対策に携わっていたころに「仮に将来がんが治癒可能な病気になったとしても、マラリアを撲滅させることは困難だろう」とWHOの専門家から聞かされました。確かにマラリアをはじめ多くの感染症に現在も我々は悩まされています。それらの感染症に対しても、近い将来人類の英知をもって克服できる可能性が大きくなってきましたが、食というヒトの基本的欲求が原因ともいえる糖尿病や多くの循環器系疾患については、それを確実に予防したりリスクを取り去ったりする医学的技術はまだ完全ではありません。どんな医薬品やサプリメントを使用するより、食事を制限して体重増加を避け、適度な運動を心掛けた生活を継続するほうが、その発症確率を下げるのに効果的です。これは個人の意識に依存するものであり医学が介在する余地は少ないのですが、近年、幸いにも人々の意識の高まりは著しいものがあります。結果としてますます高齢化が進むわけですが、どんなに医学が進歩しても老化に伴う心身機能の低下を遅らせるのはとても難しいのです。

目標は自分でトイレ
超高齢化が急速に進む現代は、誰もが100歳を迎える可能性が高いのです。大病しても生かされてしまう時代であり、当然ながら寝たきりの高齢者が大幅に増加するはずです。例え寝たきりになっても人生を自ら強制終了することはできず、せっかく長生きしても、天井を見て過ごすばかりの毎日は実につまらないものです。身体機能が低下していくのは仕方がありませんが、少しでも機能低下を抑止したいものです。それにはなるべく早くから準備することが大切。高齢になると単に歩くこともいとわれるようになりますが、自分に鞭打ってでも歩き続けたいものです。健康な時は考えもしないことですが、歩けなくなるとトイレの使用が極めて困難になります。どんなに年をとっても下の介助は受けたくないのは普通の感情です。もちろん自由な外出ができれば素晴らしいのですが、目標は「這ってでも自分でトイレに行ける体力の維持」です。ただこれだけで良いのです。
我々は当たり前のように健康を維持しようともがいています。それが生活習慣病への罹患率を低下させるし、医学を進化させる原動力にもなっていると思います。しかし、そういった皆の努力が超高齢化社会を生み出し、そして皮肉にも新たな問題をはらむ原因にもなっています。そう考えながら健康を追求しなければいけないのは実に辛いものでもありますが、我々は最期まで健康を希求しながら生き続けなければいけないのかもしれません。矛盾しているものの、受け入れなければいけない現実ではないでしょうか。長寿は決して「寿」ではない時代にいることを自覚しなければいけません。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 


健康コラム がんでは死ななくなる

 健康診断シーズンともいえる今の時季、日本全国でバリウム検査も盛んに行われていることでしょう。およそヒトの飲み物とは言えないドロドロの液体を飲むのはとても辛いものです。それに比べると鎮静剤を使った内視鏡検査はとても楽であり、早期がんの発見にも断然有利です。死亡者数が増えている大腸がんも、内視鏡検査を数年に一度でも受けておけばとても安心です。がんも早期発見さえできれば怖い病気ではありません。胃や大腸のほか子宮頸がんや前立腺がんなど、ごく早期に発見できて、完治の可能性が高いがんもいくつもあるので、検診は受けておくべきものと考えます。早期発見できずにステージが進んでしまうと、治癒率が極端に落ちてしまうのががん治療の難しさです。私たちが最も恐れる病気のひとつががんです。しかも2人にひとりが罹患するといわれており、その早期発見と完治を目指していかに治療するかは、人類にとって永遠の課題であるかに思えたものでした。しかし、とても嬉しいことに今後20年もすると、がんは死なない病気になるというのはほぼ確実なようです。すでにがんの治療成績は急速に高くなってきており、ある程度進んでしまったがんでも治癒できるケースが増えているのです。

 

新しい治療薬

 私たちは「分子標的薬」と「免疫チェックポイント阻害薬」というがんに対抗するためのふたつの強力な武器を手に入れています。分子標的薬は1980年ころから盛んに開発されるようになった、抗がん剤に替わると期待されるがん治療薬。がん細胞が持つ特定のタンパク質を標的にして攻撃するので、正常な細胞を傷つけてしまうことが非常に少なく、抗がん剤につきものの辛い副作用が表れにくい薬です。一方、免疫チェックポイント阻害薬は2014年に世界初の免疫治療薬として日本で承認されました。創薬にかかわった中心人物はノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生です。がんは十数年後には糖尿病や高血圧症のように、薬でコントロールできる慢性疾患と同等の扱いになると予想しているのが本庶先生。現在のがん治療は人々が思っている以上に、すさまじい勢いで進歩しており、本庶先生の予想は決して誇張ではありません。近年がんの治療成績が非常に良くなっているのは、このような新しい治療薬をはじめ革新的な治療法が次々に開発され、我々が持つ「がん治療の武器」が増えているからです。さらにがん検診の受診や自己検診を積極的に行うなど、早期発見への人々の意識の高まりがその理由に挙げられます。

 

がんで死ななくなると

 がんが死の病でなくなるのはとても喜ばしいのですが、その一方で平均寿命がおよそ8歳も延びて、高齢化社会の問題がとても大きくなるのです。仮に現時点でがん死亡がなくなると、日本人女性の平均寿命は95歳、男性でも90歳を超えてしまい、おそらく100歳以上の人口は現在の数倍にまで膨れ上がるのではないでしょうか。人生100年などと言われてきましたが、まさに現実のものとなって、誰もが自分のこととして超高齢化社会の問題と真剣に向き合わなければいけなくなります。医学が進歩して、これまで多くの人々を苦しめてきた病気に関しても次々と治療法が見いだされ、今後も疾病死亡が少なくなっていくに違いありません。もちろん誰もが死に向かって生きているので、必ず最期がやってきます。これからはどのような最期を迎えるかが大きな関心事となるわけであり、誰もが死に向かっての課題を背負わされているともいえそうです。残念ながら老化は現代医学では止められません。

 

100歳になってもトイレを使えるように

 いくら元気に長生きできても、老化は確実に進みます。老化というとしわやシミなど外見的なものを気にしますが、そんなことはどうでも良いのです。足腰の運動機能や脳の機能低下が大きな問題になります。このうち脳の問題の解決は現代の最新医学をもっても極めて難しいのですが、運動機能に関しては本人次第で大きく変えることができるのです。足腰は年齢とともに確実に衰退しますが、本人の努力でそのスピードを緩め、結果的に死ぬまで歩行できる運動能力の維持が期待できます。歩けなければトイレにも行けません。下の介助を必要とするのかどうかは、本人のみならず家族など周囲にとっても大問題です。100歳になっても自分でトイレに行ける、たったそれだけの運動機能を維持するためにも、少しでも若い時からの準備が必要です。特別な運動がいるわけではありませんが、とにかく歩きましょう。階段があれば積極的に利用するべきです。歩ける距離ならぜひ歩いてください。少々疲れるのは当たり前です。そのような日常の積み重ねは、いつまでも健康を維持して満足な最期を迎える準備になるのです。

 少しくらい動いただけでは汗が出ない快適な季節を迎えました。乾燥した爽やかな風を受けながら、今こそ身体を動かしましょう。少し大股で、早歩き。背筋を伸ばしてカッコよく歩きたいものです。歩く速度と老化は比例します。頑張ってください。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 

 


健康コラム 内視鏡検査を受けよう!

 内視鏡検査と聞いて、とても苦しい検査だと思い込んでいる人はいませんか? 日本で一度でも受けた経験がある多くの人は、「あんな苦しい検査は二度と受けたくない」と口をそろえます。しかし、香港では一般に鎮静剤を使うので、ほとんど寝ている間に検査は終了してしまい、初めて受診された方はあまりに楽なので驚きが大きいようです。もちろんリアルタイムで自分の胃や大腸内を見るわけにはいきませんから、鎮静剤なしの場合に比べて若干の不満がある方もないわけではありません。しかし、とにかく楽だからというのはもちろん、「気持ちが良い」「不思議な感覚」といった理由を挙げて、内視鏡検査が楽しみで健康診断を受けるといわれる方が少なからずおられます。ほとんど寝ている間に終了する内視鏡検査は、すでに健康診断の中心的項目として定着しています。

 

バリウム検査ではダメなの?

 中年期以降の多くの人が毎年1回バリウム検査を受ける日本では、胃の検査と言えば「バリウムを飲むものだ」と思い込んでいる人も少なくないでしょう。粘っこくて飲みにくい無機質の液体を胃に流し込むのは苦手な人も多いものです。私が初めて健康診断の仕事に就いた初日は、横浜市の郊外にある大きな工場の健診におけるバリウム検査補助でした。早い話、規定量のバリウムをセットする係です。ある受診者の中年女性から「もう一杯なんておかわりをねだったらすごいよね。でも、ご褒美にビール欲しいな」ってからかわれたものです。皆さん辛そうでした。耐えられずに吐き出してガウンを汚してしまった人もいます。ガウンにバリウムが付着すると、それが写真に写り込んでしまうのでレントゲン技師から怒られてしまいます。そして、飲んだバリウムは当然下から出てくるもの。水分が抜けて固まったバリウムは通常の便より肛門を通過しにくい。飲むにも出すにも辛くて大変です。

 そんなバリウム検査なのにメリットはそれほど大きくありません。がんの早期発見という目的達成には少々力不足。萎縮性胃炎を見つけて内視鏡検査で確認したら早期がんだったというケースは考えられますが、レントゲン技師の腕と読影医の眼力のコンビネーションが最高レベルで結びついても、100%治癒できるごく早期のがんを発見するのは至難の業のようです。

 

日本でバリウム検査が盛んな理由

 健康診断のシステムが日本ほど整っている国はなく、秋の健康診断シーズン真っ盛りの今頃は、バリウム検査のできるレントゲン車が日本中を走り回っています。これは春の定期健康診断に対して、中高年向けの生活習慣病健診ともいえる少し詳しい検査が行われるためです。低コストで行えるバリウム検査は胃がんのスクリーニング検査として広く普及しました。レントゲン車内でレントゲン技師によって実施できる簡便性もその普及を後押ししたに違いありません。内視鏡検査に比べて「楽に」受診できると思っている人がほとんどですが、実は必ずしもそうではありません。香港での内視鏡検査は、バリウムを飲むよりずっと楽なのです。

 

とにかく騙されたと思って

 日本で、一度でも内視鏡検査を受けた経験がある人は、二度と受けたくはないと口をそろえます。喉をほんの少し麻酔した程度で内視鏡検査が楽になるとは思えません。そんな麻酔は、それこそカメラの「通過」儀礼にすぎないのです。しかし、香港では鎮静剤を点滴します。マウスピースをくわえさせられて喉に麻酔薬をスプレーされ、次は手の甲に刺された小さな注射針から鎮静剤が入れられます。検査はいつ始まるんだろうと思っていても、多くの受診者は検査を受けていること自体に気付かないうちに終わってリカバリールームで寝かされています。実に不思議です。この感覚に、個人的には年に一度の内視鏡検査を楽しみにしています。まさかと思うかもしれませんが、特に私がおかしいのではなく、多くの受診者からも同じような話を聞きます。とにかく騙されたと思って受けてみてください。もしかしたら病みつきになってしまうかもしれませんよ。

 

 内視鏡検査は早期がんの発見にとても大きな威力を発揮します。今もがん死の上位を占めている胃がんと大腸がんの多くは、内視鏡検査で容易に発見できます。今後20年もするとがんは高血圧や糖尿病などと同じく、「薬でコントロールできる慢性疾患」になって、死を恐れなくても良くなるそうです。しかし、それまでは早期発見がとても重要です。ぜひ内視鏡検査を受けて欲しいものです。


堀様1 藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 

 


健康コラム 運動しよう 総合健康診断サービス メディポート

 hori prof 厳しい残暑が続いていますが、吹く風は心地よく季節は確実に秋に向かっています。香港はじめ中国華南地方は、まもなくベストシーズンに入ります。湿度が低く天候も安定した毎日が来年の春節くらいまで続きます。何をするにしても気持ち良く、実に爽快な季節です。猛暑の季節が去った今こそ運動を始めるのにふさわしい時期ですが、我々はいったいなぜ運動が必要なのでしょうか? 運動が身体に良いということは誰もが疑いませんが、それがなぜなのかと聞かれても、多くの人はきっとうまく答えられないと思います。

 どのような生き物でも生きるためには身体を動かさねばなりません。それは餌を求める行動と危険の回避が基本であって、そこには無駄な動きが一切ありません。彼らにとって過剰な動作は、最悪の場合、生存を脅かす行為にもなりかねません。

 木々を渡りあるくサルでも鉄棒はしません。馬も、自然界でやたらと走り回っているわけではありません。イルカにボールを投げても、知能が高いので若干興味を示すのかもしれませんが、水族館でさせられている演技などするわけがありません。当たり前ですよね。

 

昔の生活を想像する

 およそ600万年前にアフリカ中央部でサルから分化したヒトは、その後急速に進化しました。しかし食物を得る行動でほとんど一日を費やしてしまう野生動物と同じような生活はその後も長く続きました。自分たちの食糧をすべて自然から得られるものに頼っていたわけですから、必死になって食べものを探していたに違いありません。その時代は、摂取カロリーの制限が叫ばれる現代とは全く反対で、食べものを十分にかつ安定的に得られず、消費エネルギーが摂取カロリーを上回ることも多かったはずです。満腹感を得られるのは稀で、常に空腹状態が続いていたのではないでしょうか。

 

日常生活に運動を取り込む

 おそらく産業革命以降、「動力」が様々な分野で使われる時代となり、ヒトが自身で動かなければいけない範囲が狭くなりました。仕事はもちろん日常生活でも消費エネルギーはかなり減ってきたのではないでしょうか。肉体的に「楽」になってきたわけです。この意味は、生きて行くうえで筋力を使わなければいけない動作が減っていることをあらわし、ヒトのエネルギー消費の減少に直結するものです。現代生活は便利さを極めています。たとえば自動車に代表されるように、とても便利になった反面、移動するためのエネルギーをすっかり使わなくなってきたわけです。農耕で食糧を得ていた時代であれば、ヒトは、日中、農作業に忙しく、それで十分な運動量の確保につながったはずです。産業分化した現代人でも、今おかれている環境でいかに筋肉を使うかを常に考えた方が良いのです。無意識でいると楽な方に流れてしまうので、「運動」を常に意識しての行動が求められます。

 

スポーツとは

 野生動物は弱肉強食の世界です。獲物を追う時、食われまいと逃げるとき、餌を奪い合うのは日常です。現代人はこれらの行動がとりあえず不要になったわけですが、その生物学的性質は遺伝子に残されているのかもしれません。このような行動がヒトの世界では高度に進化して、まったく違う形でスポーツへと昇華したと考えられます。オリンピック競技を思い出してください。主要な競技にあるものは、走る、飛ぶ、投げること。これらすべて動物が生きるための行動に共通します。また球技は、獲物を追いかけたり、追い込んだり、奪い合ったりすることと同じです。格闘技は野生の世界で命を懸けて戦うのと同じです。個人的に思うことですが、生きるために強いられている動物の生存競争とは違い、ヒトが必死になって行うスポーツ(過度な運動)は、反対に自身の生存を脅かすものなのかもしれません。楽しんでやっている分には良いのですが、記録を出そうとして必死になるのは、「健康」から遠ざかる行動であるともいえます。

 

運動量と摂取カロリーのバランス

 体重が増加し始めると、多くの人は運動不足だと言い訳します。確かに運動はエネルギーを消費しますが、身体を動かすためのエネルギー量は思ったほど大きくありません。おおざっぱですが、脂肪を100グラム消費するには、およそ10キロメートルもマラソンしなければいけません。日常、最も多くのカロリーが消費されるのは体温を保持するためです。生きている限り体温を36度程度に維持しなければいけませんが、このために要するエネルギー量は莫大です。

 痩せるためには、運動するより食事制限したほうがはるかに効率的であり、そのうえで適度な運動を加えるのが理想的だと思われます。現代人は生活が便利になって消費エネルギーが減っているにも関わらず、摂取カロリーが多くなりすぎているのが現状です。

 

運動の必要性

 心肺機能の維持増進、筋肉の強化、骨粗鬆症の予防など、適度な運動によって様々な効果が期待できます。その最終的な目的は、死ぬまで元気でいること。ピンピンコロリです。誰もが100歳を迎える可能性があるのです。超高齢期を寝たきりで迎えるのではなく、どんなに年をとってもトイレぐらいは自分で行けるようにしておくのはとても大切です。

 気候が良くなる今から、しっかりと歩きましょう。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 

 


健康コラム 賞味期限 消費期限

 hori prof 市販されている食品の鮮度はとても気になるものです。食料品を購入する際に賞味期限や消費期限を確認して、少しでも期限までの残存日数が長いものを選んで購入する人が多いと思います。より新鮮なものを入手したいという消費者心理は仕方がないのかもしれませんが、食品に表示された期限の意味を正しく理解しなければいけません。最近は膨大な量の食品が無駄になり、その一方で世界中に数億人にも及ぶ飢餓人口を抱えているという現実があります。新しい食品を求めるのは間違った選択だとは言いませんが、賞味期限は食品メーカーがかなり短めに設定したものも多く、時として都合よく設定された期限でもあります。期限切れだからといって直ちに廃棄処分してしまうのはあまりにももったいないのです。食品の安全基準は各国で異なりますが、ここでは分かりやすく日本の基準でお話します。

 

消費期限

 食品衛生上、短期間のうちにその安全性に問題が出る可能性が高い食品に設定されています。「定められた方法に従って保存した場合に、腐敗、変敗などの品質劣化に伴って安全性を欠く恐れがないと認められる期限」であり、一般的に年月日で表示されます。消費期限はおおむね5日以内に消費されるべき食品に表示されます。これにはパンや生菓子といったものが該当しますが、さらに刺身や弁当など特に消費期限が短く、当日中に消費されるべき食品についてはその時刻まで表記されるのが一般的です。そのため消費期限が過ぎた食品は食べるのを避けるべきと考えます。

 

賞味期限

 これは食品製造者が「おいしく食べることができる」期限として定めたものです。袋や容器を開けずに適切な保存方法を守っていた場合に、メーカーとしておいしさを保証できる期限であって、これを過ぎたからといって直ちに食べられなくなるというものでは決してありません。缶詰、レトルト食品、スナック菓子、乾物あるいは冷凍食品など多くの食品が該当します。賞味期限が切れたからといって即座に処分してしまう人も多いと聞きますが、非常にもったいない残念な対応です。最近では、食品ロスを減らすべきとの世論の後押しもあり、賞味期限が3か月を超えるものについては、表示方法を月までにしてもかまわないとされています。

 

賞味期限は任意に決められる

 消費期限はかなり厳格に決められるのに対して賞味期限は非常にあいまいです。食品メーカーが独自に割り出した「品質に問題を生じないと考えられる期限」を賞味期限に設定しているのです。しかし実際には賞味期限は短いほうが保存料などの添加物も少なく身体にも良いと考える傾向にある消費者心理に呼応して、短めの期限を表示することが多いようです。

 

缶詰、レトルト食品

 これらの食品の保存性能は極めて優れており、賞味期限はあってないようなもの。事実製造から数十年も経過した缶詰を開けてみたところ、目立った変質はなく、味にも問題はなかったとの報告があります。缶詰の賞味期限は日本では一般に3年となっているようですが、個人的にはこの賞味期限はほぼ無視してもかまわないものと思っています。レトルト食品も1~2年とされていますが、これも缶詰と同じく未開封であればそれよりもはるかに長い期間まったく問題なく保存できるはずです。賞味期限を過ぎて数年たってもおそらく味の変化などほとんどありません。

 

卵の賞味期限

 海外で卵に記載された賞味期限を見ると、多くの日本人は驚きます。表記されている期限は長いものでは3か月近くも先になっており、抗生物質や保存料のようなものでも入っているのかと訝る人もいるようです。実は卵は保存性に優れた食品で、加熱して食べるのであれば長期保存しても何の問題もないものとして、採卵から3か月を賞味期限とすることが多いようです。日本人は生卵を食べるので、サルモネラ中毒を避けるために厳しい賞味期限が必要になるのです。賞味期限に厳しい日本の卵でも、加熱して食べるのであれば3か月程度は保存できるものと覚えておいてください。

 

 食品の保存可能期間に関しては正しい認識をもって、その無駄をできる限り少なくしたいものです。賞味期限が少しでも過ぎた食品は食べたくないというのも仕方がないのかもしれませんが、期限切れ食品を即座に捨ててしまうのはやめて欲しいのです。先進国でも深刻化している経済格差。満足な食事がとれない人達がいることにも目を向けて、ぜひフードバンク等への寄付も考えて欲しいものです。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 

 


メディポート

 hori prof 今年は異常気象なのでしょうか。香港に長く住んでいる人は気付いていたのかもしれませんが、今年は春節以降、4月までの気候がとても爽やかなものでした。私は30年以上香港に住んでいますが、こんな年は記憶にありません。例年、この時季は湿度が非常に高く、まるで湿気が身体にまとわりつくかのような不快感に見舞われるものです。それなのに今年は除湿器の出番がほとんどないという、とても信じられないほど快適な春でした。暑くなるとエアコン使用の機会が増えて室内の湿度が低下しているので、意外にカビが生え難いものですが、油断しているとカビとのバトルが開始されることになりかねません。室内に発生して目につくカビの多くは黒カビです。昔、家中の壁にカビが生えてしまった知人宅があります。カビを発見次第ふき取ってはいたものの、ある時から驚くほどの速さで家中に広がってしまったとのことでした。香港では、10月から翌年の春節くらいまでの期間を除いて、居住空間でのカビ対策を怠ってはいけません。カビは居室や浴室に留まることなく、衣類や靴、バッグなどの革製品等に及びます。油断していると手に負えなくなることもありますから。

 

カビと健康

 室内のカビによる最も大きな健康被害はアレルギーです。気道に侵入したカビの胞子を排除しようとして花粉症に似た症状が起きるなど、アレルギー性鼻炎などの主要な原因になっている可能性があります。ぜんそくやアトピーの原因にもなります。

 そのような患者がいる家庭ではカビ対策もしっかりしていると思いますが、エアコンが盲点になっていることが多いようです。エアコン内に繁殖したカビの胞子が室内にまき散らされている可能性があるので、毎年エアコン使用の前には内部の洗浄をしてください。また毒性が強いカビ毒としてはアフラトキシンにも注意が必要です。ナッツ類や穀物繁殖するカビから産生される毒素です。この毒素に高濃度汚染されたペットフードや家畜飼料が原因で動物の大量死も起きているほどです。ヒトでは肝臓がんのリスクとされるなど、アフラトキシン汚染については世界的に厳しく規制されています。身近なところでは「水虫」や「たむし」もカビの一種である白癬菌が原因となるものです。さらにハトから感染するアスペルギルス属の真菌も肺疾患の原因となるので注意が必要です。

 

カビの利用

 アオカビから抽出された抗生物質ペニシリンは、多くの感染症から人類を救ったことから、その発見は20世紀における最大の偉業ともされ、その後の抗生物質開発の基礎も築きました。また食品製造におけるカビ類の利用範囲は非常に広く、特に味噌や醤油が基本ともいえる日本食に関しては、カビの一種である麹菌の存在がなければその食文化そのものがまったく成り立たなくなるほどです。世界一硬い食品ともいわれる鰹節(今のところ事実関係の証明はありません)もカビがなければ製造できません。またアオカビや白カビはブルーチーズやカマンベールチーズの製造にも欠かせないもの。酒類醸造などに欠かせない酵母菌もカビの一種なので、ワインを片手にチーズを楽しむなんてことも、「カビ類」が存在するお陰です。パンを焼くにしてもヨーグルトを造るにしても必要なカビは我々の食生活と切り離せません。

 カビは忌み嫌われる存在ですが、我々の生活に密着したものであると思うと、少しは見方が変わりませんか?良い奴もいれば悪党もいるヒトの世界と似ているのではないでしょうか。朽ちたもの、古くなったものを分解し環境に戻す役割を担うカビは、自然界においてはなくてはならない存在です。それなのにヒトの都合で良し悪しを区別しているのです。カビを利用するのはヒトの知恵。自然界でカビを嫌うのはヒトのただの傲慢なふるまいにすぎません。カビを顕微鏡で観察したミクロの世界は、少しメルヘンチックでもあります。様々な色があって、まるでおとぎの国のようでもあります。カビ対策が欠かせない季節ですが、ただ厄介なものと思うだけでなく、カビのことをもう少し理解してやっても良いのかもしれません。


Metro Medical Centre 移転のお知らせ

健康診断、一般診療でご利用いただいているメトロメディカルセンターが7月5日に現在と同じビルの10階に移転します。
Rm 1002, 10/F., Central Building, No.1, Pedder Street, Central, Hong Kong
電話番号などに変更はありません。
なお、移転に伴い7月1日より4日まで休診いたします。


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 


mediport

 hori prof 爽やかな春が過ぎ去り、5月に入ると蒸し暑さが急に増してきました。春節から4月ころまでのおよそ3か月間、肌に湿気がまとわりつくほどの高い湿度が続くはずの香港なのに、今年はとても快適な珍しい気候でした。これからの季節は大雨と台風に注意が必要になりますが、例年とは違う今年の春の反動が来ないものかと少々心配になってしまいます。今年ほど過ごしやすく気持ちが良い春は、香港に30年以上住んでいるにもかかわらず初めてのことで少々不気味でもあります。もちろん快適な気候は嬉しいものですが、たとえうっとうしい天気が続いても、これはその季節特有のもの。それがまったくないと妙に落ち着かないものです。

 さて、今回はがんのお話。今も私たちの健康を脅かす最大の病気のひとつです。がんの診断を受けると、誰もが死を意識してしまうと言います。ある患者から、人生を強制終了させられるようだと聞いたこともあります。もちろん早期発見できれば完治する可能性がとても大きい事実も一般に知られているので、たとえがんが発見されても早期であればひとまず安心できます。内視鏡検査やPET検診、あるいは婦人科検診など、がんの発見に様々な方法が採用されており、がんの発見とその治療成績の向上につながっています。さらに自己検診が普及している乳がんは、かつて厄介ながんのひとつだったことが嘘であるかのように治癒率が向上しています。このようにがんの診断技術、治療技術、そして自己検診に見られる一般の人々の意識レベルの向上が一体となって、がん治療の成績を大きく押し上げています。

 

がん治療の基本

 これまでのがん治療は、手術、放射線治療、そして抗がん剤投与というものが基本でした。したがってがんの大きさや転移の程度は、治療方針を決めるにあたっての極めて重要な基準であり、これをステージとして表しています。がんが原発病巣に留まっているステージが低いものであれば手術で完全に取り除くことができます。もちろんこの場合でも周辺のリンパ節に転移している可能性もあるので、近接のリンパ節をすべて切除するのが一般的です。ここまでにとどまっているのであれば放射線治療なども含めて完治できる可能性が期待できますが、さらには遠隔にまで転移してしまうと、これまでは抗がん剤に頼るしか治療法はありませんでした。抗がん剤はその副作用が強く、治療に耐えられない患者も少なくありません。これではがんと闘うのではなく、抗がん剤との戦いです。

 

最先端がん治療

 正常な組織とがん組織(細胞)を正確に見分けることができれば、治療薬での副作用は劇的に減らせるはず。そこで開発されたのが「分子標的治療薬」です。がん細胞のタンパク質や遺伝子を選択的・効率的に攻撃するため、遠隔転移している場合でも正常な細胞をほとんど傷つけずに、がん細胞のみをたたけるのです。またこれとは異なる免疫療法というものにもスポットライトが当たっています。この新しいがん治療薬は「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれるもので、日本ではオプジーボが有名です。2018年ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑先生を中心とする京都大学医学部の研究チームが開発したものです。がんの治療は、ここ10年ほどの間に著しく進歩しており、生存率を劇的に向上させています。本庶先生は、「近い将来、がんは死なずにすむ病気になる」と言います。つまり普通の生活習慣病のように、薬を飲んでいれば何も心配がない病気になるのです。とても信じられませんが、今の今でも、10年前は想像もできなかったほど治療成績が向上しているので、今後を大いに期待したいものです。

 

平均寿命への影響と対策

 がんによる死亡リスクがなくなると、平均寿命がおよそ8年延びるという予想があります。これを加えるだけでも日本人女性の平均寿命は95歳に達します。男性も90歳代に突入です。おそらく100歳人口は今の何倍にも膨れるので、自分もその仲間入りする可能性が大きいと考えておかなければいけません。寝たきりの高齢者も激増し介護問題は深刻化するでしょうが、だからといって高齢者を強制的に排除するなどできません。
人口減少の中、将来的に福祉をあてにするのは楽観的すぎます。しかし、自身の健康状態を良好に維持できれば、幸福度は高まります。寝たきりになって、毎日天井を見るだけの生活だけは避けましょう。100歳での目標は、自分でトイレに行けることだけ。たったそれだけのこと。備えはできる限り若い時からの方が良いですよ。100歳になっても人の手を借りずにトイレに行けるのは、フルマラソンを3時間以内で完走するほどの厳しい目標設定になるのかもしれません。決して簡単な目標とは言えませんが、無頓着に過ごしていると、後悔する可能性がとても大きくなります。

 目指すはピンピンコロリです。100歳まで生きるかどうかは別にして、とにかく死ぬまで元気でいること。昨年95歳で逝った父は、私が理想とする最期の姿を体現してくれるかのごとく、いつものように朝食を食べた後にコロリと逝ったそうです。特別なことをしていたわけではありませんが、昔から良く歩いていたようです。そう、とにかく歩く。これが最も大切な健康法であるようです。

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


健康コラム 広告にだまされるな! 健康診断サービス メディポート

 hori prof まとわりつくような湿気に毎年恒例のごとく悩まされる香港の春。カラッとした爽やかな天気が、春節を境にしてガラリと変わってしまう気候は香港(華南地方)独特のものです。それなのに今年はワーストシーズンであるはずの春がなく、何となく爽やかさを感じるままに夏を迎えてしまいました。香港に長く住んでいてもあまりピンとこない人も少なくないと思いますが、今年の春は30年以上住んでいる私にとって、初めてともいえる快適な春でした。気候変動が叫ばれる中、異常気象をまさに体感しているかのようであり、快適な気候は嬉しいものの、どことなく不安を感じてしまいます。

 ところで新型コロナウイルスの世界的な大流行は、ワクチン接種がすでに始まった現在においても波状攻撃のごとく人類に襲い掛かってきています。SARS前までは、次なる新型インフルエンザが最大の懸念であったはずですが、恐れられていたその被害と同等の惨禍をもたらせているのが新型コロナウイルスです。これまでの爽やかな気候とは裏腹に、気持ちがどんよりとした雲に覆われている人もあることでしょう。

 さて、春だからというわけではありませんが、健康や美容といったテーマでサプリメントや美容品の類が無数に販売されており、その数たるや想像もつかないほどに膨れ上がっています。消費者側がそのうたい文句に騙されないよう、少々知識武装しなければいけません。そこで通販やテレビショッピングなどにある小さな注意書きをいくつか拾ってみました。

 

1gをわざわざ1000㎎と表示する

 有効成分がいかに多く含まれているかを強調するために、あえて大きな数字で表したものです。単位を変えてみれば大したことがないと分りますよね。

 

個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません。

 サプリメントを服用している人を取材したかのように装って、その効果を誇張して話してもらっている場面に出てくる断り書きです。そういうセリフをしゃべらせているだけであって、効果は「個人の感想」でその保証はできないと言っているわけです。

 

~効果が報告されています。

 報告するだけなら誰でもできます。優れた効果をいくら並べたところで、科学的に実証されていなければそれらは絵空事にしかすぎません。そんな報告は単純に信じてはいけません。

 

研究者個人の感想です。

 これは最近最も腹立たしく思ったもです。あたかも研究の成果が具体的に示されたかのような表現ですが、どこかの一般消費者の感想とまったく同じレベルです。大きな会社のテレビCMでこのように書かれると、なんとなくそれなりの学会などで報告されているように思ってしまいますが、研究者が「個人的に効果を感じる」なんて、よくも恥ずかしげもなく口にできるものです。

 

ブラッシング効果、スタイリング効果による

 これは薄毛などの毛髪の悩みを改善するという商品のCMで見かけたフレーズです。要するにその商品を使うと増毛効果が期待できるが、テレビで紹介している効果のほどはブラッシングやスタイリングの効果によると言って、その商品の効果ではないことをあえて暴露しているわけです。法的に問題にならないようにしているだけで、消費者が効果を勝手に期待して購入してくれるのを目論んでいるのです。

 

小難しい科学名を並べる。

 小難しい化学名で有効成分を紹介しているサプリメントがありますが、難しい名前だから効果が期待できるというわけでは決してありません。正式に薬事認可された医薬品(大衆薬)でもその有効成分を同様に強調しているものもあります。しかし、健康機能食品ではもちろん、たとえ正式に認可された大衆薬であっても、消費者心理を引き付ける目的でこのような手法を使うのは如何なものかと思います。

 

ニセ科学情報にだまされるな

 特にネット上の情報には気を付けなければいけません。素晴らしい効果を謳う文句に飛びつくと、おそらくその商品に裏切られ後悔します。美容関係に怪しいものが多いようです。「〇〇だけで痩せる」「△□だけで美しくなれる」という宣伝文句には注意したいですね。ある美容サプリの紹介に、「美しいものを食べると美しくなれる」と謳って売られているものがあります。もちろん科学的根拠はまったくありません。効果と言えば、原料が高価なものだからといって期待した人のプラセーボ効果でしかないのです。美しいものを食べたら美しくなれるなど有り得ないと冷静に考えれば理解できるはずなのに、騙されてしまう消費者心理を利用しているのは確かです。健康に害をもたらすものではないから問題は大きくはないのかもしれませんが、少しでも美しくなりたいという気持ちを利用するビジネスがあるのは残念ですね。消費者が賢くなってその知識が増えれば、騙されてしまう頻度も減って怪しいビジネスは淘汰されていくことでしょう。

 世の中に偽の情報が氾濫しています。テレビの情報だからとか、大きな会社の商品だからだといっても、ただそれだけで信用できる時代とは限りません。投資など無形の商品も同じです。

 飛びつくな 欲しいものにも 3日間!!!

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


総合診断サービス メディポート 健康コラム

 hori prof 日本では間もなく春の健康診断シーズンを迎えます。新入社員・職員の健康診断に合わせて、全員が基本的な項目で受診します。これは法定健診と呼ばれ、年に少なくとも一度は決められた項目で必ず受けなければいけないという法律の下に実施されるものです。この法律には雇用者が健康診断を行わない場合には罰則規定(50万円以下の過料)がもうけられていることもあって、4月から梅雨明けして本格的な夏を迎えるころまでに、どの事業所もバタバタと実施するようです。ちなみに「被雇用者は、雇用者が行う健康診断を受けなければならない」(労働安全衛生法第66条第5項)ともありますが、これに対する罰則規定はありません。罰則の有無は別にして、労使ともに健康診断を実施しなければいけないという法的な縛りがあるのです。ちなみにある事例ですが、雇用者が健康診断を受けるよう指示していたのを何年も無視した被雇用者に結核感染が判明したケースがあります。事業所があわてて全員の検査を行ったところ、複数の感染事例が判明したとのことで、結局この職員は懲戒解雇されました。指示に従わず健康診断を受けないでいてもお咎めな
しと高をくくっていると、思わぬ代償を払わなければいけない場合もあるのです。

 

どこで受けますか?

 新型コロナの影響で帰国できず、これまで日本で健康診断を受診していた人がやむを得ず海外で受診するケースが増えています。日本で健康診断を受診する理由として、コストの問題が第一にあげられるようです。日本の医療費は海外と比べると一般に極めて安価であり、たとえ保険でまかなえない健康診断であっても低額での受診が可能です。イメージとして安心感がとても大きいのも確かであり、日本で受診したい気持ちは良く理解できます。ところがコロナで国をまたぐ移動が非常に困難になり、すでに1年以上帰国できずにいる人が少なくありません。長期にわたる隔離を覚悟しての移動はそれなりの理由がないと行なえませんね。そうなると健康診断も海外で受診するしかありません。受診しないという選択肢もあるのかもしれませんが、もちろん好ましいとは言えません。

 

100歳でも自分でトイレ

 現在の健康状態を知るための手段が健康診断です。何らかの問題が見つかれば即座に対応するのは当然ですが、特に異常が認められなかったからといって何もしないのはもったいないものです。その結果は自分の「身体の成績表」として、年をとっても健康を維持するために活用しなければいけません。人生100年の時代です。そんなに長く生きたいと思わなくても生かされてしまう時代であり、高齢になっても希望通りには死なせてくれません。たとえ100歳を迎えなくても、寝たきりになってしまうのは悲しくて辛いことです。毎日天井を見るだけで、下の世話まで誰かにしてもらわなければいけない生活を想像してみてください。絶対に避けたいですよね。いくつで最期を迎えるにしても、とにかく死ぬまで元気でいるのが理想です。具体的な目標は、いくつになっても自力でトイレに行ける体力を維持することです。そのために何をしなければいけないのかを考える基礎資料が、「健康診断結果」なのです。

 

検査項目は生体成分

 健康診断のデータは、人体構成物質の定量(定性)検査結果です。血液検査項目のタンパク質や血糖はもちろん、コレステロールや尿酸も、あるいはγGTPなど肝機能検査の項目であっても、それらはすべて人体を構成する成分であり、それぞれに役割があります。無ければ確実に不具合が生じます。血液検査項目の多くは生命を維持するために必要な物質の量を見ているものであって、そのほとんどは少なすぎると良くないものばかりです。高いことが悪いと思われているコレステロール値でさえも、低いと脳卒中のリスクとなります。検査結果の「正常」は個人によって大きく異なります。「自分の数値」については何度か受診しているうちにわかるので、大まかにでも把握しておくと良いですね。

 

内視鏡検査が楽しみ?

 海外で受診する健康診断で最も大きな驚きは、内視鏡検査にあるのかもしれません。寝ているうちに終わってしまうので、とても楽に受診できます。麻酔と思い込んでいる人が多いようですが、これは麻酔ではありません。鎮静剤です。術中、声をかければ反応します。終わったら自分で歩いてリカバリールームに移動し、ベッドで寝ています。大腸内視鏡検査を受診した方のおはなし。「スタッフが服はもちろんパンツまで履かせてくれて、その上ベッドまで運んでくれた」と信じていたそうです。もちろんすべて自分でやってます。パンツまで履かせてくれるサービスなんてどこにもありません。検査後もしばらくは鎮静剤の影響で多くは記憶に残りませんが、ちゃんと自分で行動しているのです。不思議な時間だといって、内視鏡検査を楽しみに健康診断を受診される方も多くおられます。内視鏡検査はバリウム検査よりもずっと楽に受診できるのです。

 

 さて、いつもは日本で受診しているという人も、この機会に海外での健康診断を試してみませんか? きっと意外な発見があると思いますよ。

 

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


健康コラム 栄養と健康 糖質も必要な栄養素

 

 hori prof このところ話題といえば新型コロナのことばかり。一時帰国したくてもなかなか帰れない、旅行したくても飛行機に乗ることすらままならない。そればかりか食事するにも人数や時間の制限までされてしまいます。せっかくの休暇なのに香港にいるしかないのは受け入れるにしても、日常の行動まで制限されてしまうのは大きなストレスに直結する懸念が生じます。投資の世界では、持ち株が値下がりして売るに売れない状況を大閘蟹(上海蟹)と言います。全身をワラでくくられて身動きできない上海蟹の状態に重ねているわけですが、いま私たちが置かれている状況も、気持ちとしては同じですね。新型コロナウイルスに感染したくなければ、行動制限を受けたり自粛したりするのは仕方がありません。これは自分から他人への感染を予防するためでもあります。もう少し感染状況が落ち着いてくるまでじっと我慢するしかありません。しかし、いくら動かなくても腹は減るもの。いつ何時でも食べるのを忘れてしまうなどありえません。普段は何も意識せず食事していますが、今回は栄養と健康について少しだけ考えてみましょう。

 

身体の要素

 人体は何から構成されているのか? その組成を元素で分類すると、多いほうから酸素65%、炭素20%、水素10%、窒素3%、カルシウム1.5%などですが、思いのほか酸素が多いのに驚きます。またタンパク質の構成要素である窒素が少ないのは意外ですね。さらに人体に健康被害を与えるものとして誰もが認識している水銀、カドミウム、ヒ素といった重金属も、ほんのわずかですが人体を構成する元素なのです。重金属ではありませんが亜鉛が不足すると味覚異常を起こすように、たとえごく微量であっても何らかの働きを担っており、不足すると障害が起きます。これらはすべて口から取り込まれたもの、つまり食物から100%摂取されたものです。ちなみに哺乳動物ではこの構成要素に大きな違いはないものと思われます。

 

栄養素

 栄養素という観点で考えると、原子レベルの要素を並べたところで意味はなく、分子レベルで見なければいけません。この場合、体重の7割が水です。栄養と言えるものではありませんが、生きるために絶対的に必要な物質です。3大栄養素として糖質、脂質、たんぱく質があり、さらにビタミンやミネラルを加えて5大栄養素と呼ぶことは、昔、学校で習いましたね。

 糖質や脂質を中心とする活動エネルギー源、筋肉や血液などをつくるためのタンパク質などが重要な要素ですが、そのほかに「体調を整える」という役割があるビタミンやミネラルもあります。これは私が子供の頃の疑問ですが、「身体を整える」とはいったいどういうことを指しているのでしょうか。漠然としていてその意味を理解できなかったものです。これらは身体の構成成分になるものではない栄養素であって、様々な生体活動に必要不可欠なものなのです。必要とされるのはごく微量であり、不足しても直ちに生存を脅かすものではありませんが、長い目で見るととても大きな役割を担っています。

 

食生活と栄養

 三大栄養素から微量元素にいたるまで、食品によって成分が大きく違うので、すべての栄養素を摂るには多くの食品を万遍なく食べなければいけません。より健康的に生きるためにはそれが理想かもしれませんが、とても現実的な食生活ではありません。今でこそ物流が盛んになり、世界中どこにいても色々なものを食べることが可能ですが、昔は北国では肉を、南国ではイモばかりを食べなければいけない民族もありました。しかし基本的な栄養はそれで満たされていたのです。細かな説明は省きますが、栄養というものはそれほど厳密に考える必要はないというのが私の持論です。ヒトの身体はとても堅牢です。

 

米の栄養

 「腹が減っては、戦はできぬ」と言います。つまり「力が出ない」のです。正に食べる行為はエネルギーを取り込むのが最大の目的であり、米などの炭水化物を嫌うのは、自然の摂理に反していることになります。急激な血糖値の上昇が悪いように言われますが、脳の働きに必要なのはグルコース(血糖)だけです。その脳が血糖不足を訴えているのに、血糖値が上がらない食事を続けて脳に問題が生じた事例があるそうです。米はタンパク質を豊富に含むなど思いのほか栄養素に満たされており、まさに主食として素晴らしい食品です。

 

現代の栄養失調

 食生活がとても豊かな現代に栄養失調があるなどにわかには信じられませんが、最近、カルシウムをはじめとするミネラルやビタミン類の不足が指摘されています。摂取する食品の種類が多く、カロリー摂取が多くなっている割には必要とされる栄養素が摂れていないのが実情です。糖質制限することばかり考えずに、食生活全体を見直さなければいけません。ご飯を中心にみそ汁と干物、そして漬物少々といった、昔の日本の食事を思い描くのも悪くありません。現在の食生活は、身体に良いと思われるものを積極的に摂ろうとする傾向が強いのですが、「何を除くべきか」を少しだけでも考えてみる機会を持つことをお勧めします。

 

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:コロナ禍での健康管理

 

 hori prof 新型コロナウイルスの世界的な流行が始まってちょうど1年になります。中国発祥ということで、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行と似ているのではないかと思われ、今回も収束は早いのではないかと少々楽観視された時期もありました。しかし武漢市での感染者数が爆発的に増え、東京都人口に近い大都市が封鎖され、無人化した市街地の様子が世界に伝えられるや否や、この感染症に対する見方が大きく変わりました。これは手強い感染症であるという認識が急速に世界中に広まり、ウイルスの流入を阻止するべく必死になったものです。結果は見ての通り。瞬く間に世界中に感染拡大し、これまでに世界人口の1%を超える人が感染しています。最初の感染者が認められてから1年しかたってないにもかかわらず1億人もの感染者が認められたのは驚くべき事態です。各国で感染予防策がとられているにもかかわらず、感染拡大が止まる気配はなく、まだ当分は終息に向かうであろう確証が得られそうにありません。ワクチンの接種が一部で始まりましたが、接種が多くの人に行き渡るまでは、感染予防のための行動制限措置などが継続されることになります。外出の機会が少なくなり、仕事もリモートワークでおこなわれる比率が大きくなっています。これまでとは違う日常生活をおくる上で、いかに健康維持管理するかが感染予防とともに大きな課題になってます。

 

運動不足の解消

 リモートワークをしていると歩く機会がほとんどなくなります。オフィスで一日過ごすにしても、自宅で仕事することと比べると身体を動かす機会は格段に多いはずです。ジムなどの運動施設が閉鎖されたり、場合によっては公園も立ち入り規制されたりするなどして、運動の機会が極端に減っています。ロックダウンされて外出ができなくなれば別ですが、それでもとにかく外に出ましょう。普段通勤に要しているくらいの時間は近所を早足で散歩してください。通常の通勤時間に合わせて朝タやれば、それなりの運動量になります。外出時は早足で、街の運動器具といえる階段を積極的に使いましょう。食事をデリバリーに頼ることも良くありません。外を歩くだけで感染することなどまずありませんから、歩いて飲食店に行って、テイクアウトしてください。いかに歩く時間をつくるかが健康を維持する上で大きなカギとなります。

 

食事・飲酒

 外食が減って飲酒量もそれまでより少なくなったという人は多いようです。外食が少なくなって家で食べる機会が多くなると摂取カロリーも落ちます。余程の呑兵衛でもない限り、ひとりで家呑みしていても面白くないせいか、酒量も自然に減るようです。しかし、その一方で自宅にいて生活のメリハリがなくなり、運動量も減って、そのまま体重増加を招いてしまっている人もいるようです。いろいろな人に聞いていると、その辺の事情は様々です。主にこれまでも外食が多かった人にとっては、今は減量の機会になっているようですが、反対に自宅での食事が中心であった人にとっては、残念ながら体重増加しやすい状況にあるようです。肝心なのはどのような生活であっても摂取カロリーや飲酒量を常に意識することが大切です。決まった時間に体重計に乗って、毎日の変化を確認する作業もやっておきたいですね。

 

メンタルの調整

 リモートワークをしている人の中に、精神的に厳しい状況に立たさている人が多いと聞きます。特に独身者の場合、家にいると孤立感に襲われるとか。話し相手がいないことが、これほどつらいものかと思い知った人もあるようです。ちょっとした疑間を即座に解決できないストレスも。オフィスであれば同僚に聞けるのに、リモートだと相手の状況がつかめないので、声をかけにくいと言います。まあいいだろうって勝手に先に進んでしまって大きなミスを犯してしまうというリスクもあるでしょう。小さな問題であっても大きなストレスにつながり、うつ状態に陥る人もあります。自分自身のメンタルを調整するための手段を考えておかなければいけません。

 

持病の管理

 感染を恐れて病院に行くことをためらう人も少なくありません。また、日本での極端な例ですが、放射線治療を受けなければいけないがん患者が、治療を受けると免疫力が低下すると思い込んで治療を怠る場合もあると聞きます。もちろんそのようなことはないのですが、不正確な情報に振り回された結果です。香港の場合、感染者は全人口の0.1%程度にしかすぎません。感染を恐れて必要な治療を受けないリスクと、感染するリスクとを天秤にかけてください。冷静になって判断してください。新型コロナウイルス感染症の流行は、まだまだ続くことを覚党悟しておくべきですが、自身の健康に関しても正しい行動をとる必要があります。

 

 新型コロナ感染症流行は少なくともワクチンが多くの市民にいきわたるようにならなければ本格的な終息には向かいません。このような時だからこそ、これまで以上に自分の健康に留意したいものです

 

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


太りやすい時期ですね メディポート

 

 hori prof 今年もホリデーシーズンに突入しました。クリスマスから新正月、それが過ぎると春節がやってきます。例年であればイベント続きです。新型コロナウイルスの流行でレストランの利用や集会が制限されているので、今年は皆で集まって飲食する機会が確実に減っています。それでも気分はちょっとだけお祭りモード。これまで新正月と旧正月で、忘年会と新年会を毎年ダブルでやっていた人もありますよね。毎年この時期にはほぼ毎日飲み会があった人も少なくはないはず。ただの酒好きなだけかもしれませんが、今年に限ってはそんな機会も激減してますよね。いつもは年末に帰国して日本で新年を迎えるという人も多いのでしょうが、今年はコロナで身動きが取れずストレスを抱えている人も少なくないでしょう。ほとんどの海外在住者は滞在国でやむを得ず越年という異常事態です。こうなるとヤケ酒にヤケ食い。外では集まれないのでどこかの家に集まってパーティーということもあるのでしょう。本当はそれも止めた方が良いのでしょうけど、特に親しいもの同士で集まりたい気持ちは抑えられませんよね

 宴が終わって気が付くと、例年のことながら体重が一気に増えているという現実に肩を落とす人もいるはずです。しかし、ちょっと待ってください。なぜ肥満を気にするのでしょうか?肥満税なるものがあって、基準体重を超えると納税義務が生じるのであれば大変ですが、太ったふとったと言って気にしているのは、たいがいはその本人のみ。見栄えが悪くなるって?そんなこと誰も思っていませんよ。

 

脂肪の付き方が問題

 食べ過ぎ、つまりオーバーカロリーは肥満の原因になるから良くないと言いますが、本当に体重が増加することは「悪」なのか。多くの方の健康診断結果を見てきましたが、男性と女性とでは大きな違いがあり、体重の増加と健康状態の悪化が比例するのは主に男性です。男性は生理的に内蔵脂肪が溜まりやすく、血中脂質、血糖値、血圧の上昇を招き、さらに肝機能異常も起きやすいようです。おもに循環器系疾患のリスクを高めます。一方で皮下脂肪型肥満が多い女性にはこのような健康上の問題は起きにくいようです。男性と女性で脂肪の付き方が違うのは、生物学的な合理性によるものです

 

太ることが悪いわけじゃない

 太るというのは単に体重が増えるという現象を表しているにすぎません。その多くが過剰な脂肪によるものだと認識されていますが、筋肉量の増加が肥満の原因になっているケースもあります。最近ジムで体を鍛える人が増えており、筋肉量の増加を肥満と判定されてしまう事例もあるようです。内臓脂肪は簡単に落とせますが、皮下脂肪量は食事を減らして運動しても、なかなか期待通りには減ってくれません。皮下脂肪が多い人が体を鍛えても、マッチョな体系になりにくいのはそのためです。これは生理的に皮下脂肪量が多い女性にはもちろん、皮下脂肪も増えてしまった男性に対しても言えることです。体を鍛えているから多少太っていても大丈夫だと言い切ることは残念ながらできません。「健康肥満」と呼べるのかどうかは、血液検査を受けないとわからないことですから。

 

痩せるメリット

 肥満が健康上の問題になるという事実は広く知られています。特に男性の内臓脂肪型肥満では、その影響が顕著に表れます。反対に言えば、肥満が原因となって起きている多くの健康上の問題は、減量で一気に解決されます。また、女性の皮下脂肪型肥満は減量が難しい一方で、健康上の問題は少ないのが特徴です。しかし体重という物理的な負荷を下半身に与え続けるので、ひざや腰を痛めてしまう原因になります。いずれの場合でも体重を落とすことはそれなりのメリットがあると考えられます。

 

特別な運動は無用です

 一般的に考えられている運動は、健康のためには特に必要ないものと個人的には思っています。そればかりか過剰な運動は健康のために良くないものと確信しています。野生動物は生きるために体を動かしています。餌を探したり天敵から逃れたりするためです。ヒトも生物としては同じ性質ですが、自然界で生きる厳しさはありません。産業革命のころから急速に便利な社会になり、人は体を動かす機会が少なくなっていった一方で、摂取カロリーは増えています。もちろん体格が大きくなっているので必要なエネルギー量が増えるのは当然ですが、自分自身で動くことが少なくなった現代人はエネルギー過多の状態になりがちです。日常生活でいかに体を動かすかということを意識してください。とにかく歩きましょう。できれば早歩きを心掛けてください。そして、可能な限り階段を使うことです。

 「健康」であれば太っていても大丈夫!しかし、日常、とにかく体を動かすことが大切です。生物としての基本ですから。

 

 さて、新型コロナに始まった今年も、残すところわずかとなりました。収束のめどが立たないばかりか感染の波が何度も押し寄せ、息が詰まるような思いをしている人もあることでしょう。新年を迎えても状況はすぐには好転しませんが、感染症をめぐる医学の進歩は著しく、これまでにいくつもの大きな成果をあげています。来年はきっと良くなると信じています。

 今年も大変お世話になりました。新年におきましては、皆様がより幸せを実感できることをお祈りいたします。良いお年をお迎えください。2021年も何卒よろしくお願いいたします

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:内視鏡検査が苦しいって?ウソでしょ!

 

 hori prof 総合健康診断サービスを提供している弊社では、1999年の創立以来、胃部内視鏡検査を目玉に据え、ぜひ受診いただくよう一貫してお勧めしてきました。日本人にはあまり馴染みがなかった内視鏡検査でしたが、その意義を理解していただけるお客様が徐々に増え、今では検査予約が入りにくい状況となっています。その一方で今でもバリウム検査を熱烈に希望される方が非常に多いことも事実です。確かに内視鏡検査は値段が高いので仕方がありませんが、「苦しいから2度と受けたくない」と言われる方がとても多いことが分かり驚いています。内視鏡検査は苦しいどころか気持ちが良かったという感想が寄せられることや、さらにこれが楽しみで健康診断を受けるという方もあるといっても、なかなか信じてもらえません。しかし、「そんなに勧めるのなら一度受けてやるよ」と言って人生初めて内視鏡検査を受けてくれた方から、「こんなに楽ならもっと早く受けとけばよかった」という感想をいただいたこともあります。内緒鏡検査が楽に受けられるというのは、決して誇張ではないのです。

 

胃部バリウム検査

 バリウム検査が始まったのは1950年ころ。当時はバリウムを大きなカップ一杯飲んで行う充満法しかありませんでしたが、1960年代に入ると現在のバリウム検査の主流である2重造影法が千葉大学の医師によって開発され、胃がんの標準的検査法として世界的に採用されることとなりました。空腹時の胃はひものような状態で、ここに少量のバリウムを流し込んでから、発泡剤で胃を風船のように膨らませるのです。胃の粘膜ひだなど細部にわたって観察できるという画期的な手法です。日本では特に秋の健康診断で多くの人がバリウムを飲みますが、無機質で粘り気の強い液体なので、飲みにくい上に大腸内で水分が抜けて排泄困難になる欠点があります。ただし、日本ではレントゲン技師が検査できるうえに、間接撮影(ロールフィルムによる連続撮影)によって、多人数の検査が短時間のうちに実施可能で、集団検診には大きなメリットがあります

 

内視鏡検査の歴史

 胃の中を直接観察しようとする試みは1868年(明治元年)にドイツ人医師によって試みられるなど、意外に古い歴史があります。この時はまっすぐな金属管をまさに突き刺していくようなもので、初めての検査は剣を飲む大道芸人を実験台にして行われたそうです。ファイバースコープを利用してリアルタイムに胃の中を観察できるようになるまでには、およそ100年の年月を必要としました。光ファイバーの出現が大きく貢献しましたが、結局、現在のような完成品としたのは日本の企業で、今では世界の内視鏡検査市場の9割以上を日本企業が握るという圧倒的なシェアを誇っています。それにもかかわらず日本では胃がん検診においてバリウム検査がその主流となっているのは皮肉な話です。日本ではその特殊な事情によりバリウム検査のメリットを最大限に活用しているといえますが、検査精度は内視鏡検査のほうが圧倒的に高いということは改めて説明するまでもありません。

 

内視鏡検査は苦しくない!

 内視鏡検査は苦しいという「常識」が日本人には多いようです。ノドだけを麻酔してファイバーを挿入する日本の一般的検査法では苦しくても当たり前です。最近は鼻からのものが開発され、幾分か楽になったようですが、それでも苦しい検査には違いないと聞きます。

 欧米では鎮静剤を使います。もちろん香港でも同じ。寝ている間に検査は終了します。鎮静剤を使わなければ、自分の胃の中を見ながら医師からリアルタイムに説明を受けることが可能なので、この点においては物足りないのかもしれませんが、まったく苦痛なく受診できるという点は何ものにも代えられません。これは大腸の検査でも同じです。大腸にはいくつかの急カーブがあるため、腸壁をカメラの先端でつついてしまい強い不快感が生じます。胃の検査より苦痛だともいわれますが、鎮静剤を使うので大腸の検査でも楽に受けることができるのです

 

麻酔じゃありません!

 「海外の内視鏡検査は麻酔をかけますよね」とよく聞かれます。意識なくいつのまにか検査が終わっているのでそう思ってしまいますが、使用するのは「鎮静剤」です。検査中、呼びかけに反応しますし、検査が終わったら自分で歩いて回復室に移動します。大腸内視鏡検査を受診された方が、「寝ているうちに看護師さんにパンツを履かせられ、隣の部屋のベッドまで運ばれていた。」と申し訳なさそうに話されて笑ってしまったことがあります。いくら何でもパンツを履かせるサービスまでしませんし、こんなに大きな体を女性が運べるわけないでしょって。深酒して、前の晩どうやって家に帰ったか覚えていない。そんな状態に近いのかなって思います。麻酔だったら、絶対に歩けませんし、呼びかけにも反応しません。

 

内視鏡検査のメリット

 胃や大腸の内壁を直接観察して、医師が気になる組織を採取します。早期のがんであれば治療も可能です。早期がんの発見が最大の目的ですが、大腸がんは進行が緩やかなので、二度目以降の検査はその予防的検査になります。定期的な内視鏡検査のメリットは計り知れません。

 内視鏡検査は苦しくありません。ぜひ定期的に受診することをお勧めします。値段は高くても、そのメリットは思っている以上に大きなものです

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P08 Health _KIREI_757

 

 hori prof 社会が複雑になるにつれ、何かしらの不安を抱える人も多くなります。その一つが健康についてのもの。今年は新型コロナウイルスのこともあり、ますます健康への関心が高くなっているようです。そんな社会にはびこりやすいのが「ニセ科学」。一見科学的に見えるものの、学術的な裏付けがまったくなく、場合によっては小学生にでもそのウソがわかってしまうようなものさえあります。

 

奇跡のリンゴは腐らない?

 「奇跡のリンゴ」を知っていますか。リンゴの栽培は農薬と化学肥料を使用しなければとても難しいとされています。そんな常識を覆して、周囲の農家に変人扱いされながらも試行錯誤を繰り返して、ついに立派なリンゴを実らせることに成功したという話です。このようにすれば無農薬、無化学肥料でリンゴ栽培ができるという手法を示してくれたもので、決して悪い話ではありません。日本の農業に疑問を持つ人が多くなってきたころでもあり、多くのマスコミが取り上げてその努力を称賛し、その関連書籍はベストセラーにもなったものです。しかし、いくら話題になったとはいえ、この手法で農業経営を成り立たせることはかなり難しく、趣味程度に農業を行う人にとってひとつの選択肢として選べるのかもしれないという程度のお話にしか過ぎません。ここまでのことであれば何の問題もなかったのですが、この話がかなり違った方向に向かってしまいました。オーガニック食品に傾倒する一部の人たちが、その存在を「非科学的に特別視」しているのです。

 「奇跡のリンゴは腐らない」という迷信があります。はっきり言ってこれは科学の世界の話ではありません。いろいろな人が「個人的に実験して」確かめているようですが、厳格な実証実験はなされていません。リンゴはなぜ年中食べることができるのかを考えたことはありますか?保存技術が優れているからでもありますが、もともとリンゴは桃やミカンなどほかの果物に比べて極めて保存性が良い果物の代表でもあるのです。

 奇跡のリンゴは放置しておくと「しなびていく」が、ほかのリンゴは「腐ってしまう」というのです。どう考えても胡散臭い話にしか聞こえません。ブドウも有機栽培が少ない果物です。農薬や化学肥料を使ったものは腐るという理屈であれば、干しブドウ作りは実に大変なものになりますね。

 果物が腐るのか、あるいは乾燥する(しなびる)のかは、その果物の外皮の状態、水分量、糖度などはもちろんですが、何といっても置かれている環境(湿度)に大きな影響を受けるわけです。はっきり言わせてもらえれば、奇跡のリンゴも条件次第で確実に「腐り」ます。

 

自然の植物は腐らないという嘘

 自然界の多くの植物の葉は一般に繊維質で腐敗しにくい性質です。それに対して繊維分が少なく、やわらかく、そして毒を含まないことはもちろん、食料として様々な条件に合ったものを人工的に栽培したものが野菜です。その性質上腐敗しやすいのは当然です。自然界の植物は枯れるだけに見えても、実は腐敗菌などの細菌類によって徐々に腐って分解されていくのです。農薬も化学肥料も与えられていないから枯れていくといった理屈を唱える人もいますが、これは科学的には通らない話であってまさにニセ科学の領域にあるものです。有機栽培したものが腐らないというのであれば、それを科学的に証明しなければまったく意味はありませんが、その「証明」はどれも自宅で実験してみたというお遊び程度のものにしかすぎません。

 

腐敗と発酵

 腐敗も発酵も基本的には同じ現象です。ヒトの食生活に有効な現象を発酵と呼ぶだけで、どちらもたんぱく質や糖質などを微生物の作用によって無機質のものに作り替えていく現象です。自然界でも同じ現象は起きているから肥沃な土壌が生まれ、そこに含まれる「天然の肥料」を吸収して植物が育つという自然のサイクルが形成されています。腐敗なのか発酵なのか、利用できるかできないかによってものの見方は大きく変わることは納豆を考えればわかりますよね。多くの西洋人からすれば腐った豆なのです。くさやの干物も同じです。嫌いな人にとっては腐った魚にしかすぎません。どちらも腐敗と言い換えても微生物学的には変わりないのです。

 

ニセ科学にだまされない

 時としてニセ科学はビジネスに利用されます。例えばただの水であったとしても「科学的に装う」ことで、何か効能があるように思いこませて、その謳い文句をあたかも真実であるかの如く巧みに信じ込ませてしまいます。「商品」は健康や美容を謳うものが多いのですが、まったく効果、効能がないものを高い値段で売り付けていることもあり注意が必要です。末期がん患者がすがるものがニセ科学の代物であることもあります。生きることに一纏の望みをかける人に、治癒効果に科学的な裏付けがまったくない高額の商品を売り付けるなど、とても罪深い悲しいビジネスです。

 ニセ科学ビジネスは、ちょっとした不安な気持ちを持つ人の心の隙間に入り込んできます。あるいはより奇麗になりたい、楽に痩せたい、もっと健康になりたいなどといった、小さな願望に付け入ってくるのです。そんな業者の宣伝文句は決して鵜呑みにすることなく、たとえ良いものだと思っても少しだけでも調ベてみる気持ちを持って欲しいものです。決して後悔しないためにも

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P12 Health _mediport_753

 

 hori prof 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いています。まだまだ終息の目途が立たないばかりか、一旦収束したかに見えた国や地域でも再び感染者数が増加するなど、このウイルスは人類が戦う相手としては極めてしたたかです。春先には、夏になれば感染が収まるとの見方が一部にありましたが、どうやらこのウイルスにはインフルエンザのような季節との関係性は高くないようです。期待されるワクチンが一般に供給されるのは早くても年が明けてからになりそうなので、それまでは感染者を発見して隔離するとともに、少しでも感染しにくい環境をつくりあげていくこと、あるいは感染者の重症化予防に対策の重点が置かれることになるのでしょう。

 

ワクチンと治療薬

 ワクチンなどの開発は各国が熾烈なまでの競争を演じており、思っていたよりも早く実用化されそうです。アメリカがワクチン開発のトップを走っているものとばかり思っていたら、中国が先頭になっていたり、次に見ると英国が先頭を走っている。ロシアも負けてはいないようです。まるで競走馬が鼻の差での勝負に熾烈な競争を繰り広げているかのようです。もちろん日本もワクチン開発を行っており、開発競争の先頭からは少々遅れをとっていますが、必死に追い上げを図っているところです。私の大学時代の同級生が開発メンバーとして頑張っています。良質のワクチンができるのを願うばかりです。

 ところで2003年に世界を震感させたSARSや2012年以降散発的に発生しているMARS(中東呼吸器疾患)は、どちらもコロナウイルスの仲間です。SARS以降の医学の進歩は凄まじいものがあります。新型コロナウイルスは、新しい感染症の存在が一般に知られるようになって間もない今年1月上旬には全遺伝子の解析が完了していました。そのおかげで特にワクチンの開発にスムーズにとりかかることができたともいえます。SARSは当初その正体がわからず、スーパースプレッダーとよばれる感染力が非常に強いウイルスを持つキャリアーの存在が恐れられたものです。一方ですべての感染経路が明らかになるなど、初期のウイルスは別にして感染力はそれほど強いものではありませんでした。それでも死亡者数がじわじわと増えていくので人々は不気味な不安感に包まれたものです。新型インフルエンザ(H5N1など)が流行し全世界的なパンデミックが心配されたころ、ワクチンの開発にはかなりの時間を要するとされていました。あの当時は一時絶望的な気分にさせられたものですが、インフルエンザの特効薬とされるタミフルが効果的であることがわかったとたんに安心感が広がったものです。ただ当時はタミフルの生産が追い付かず、供給に先行き不安を感じる人も多く、万一社員やその家族が感染してしまった時に備えて、多くの日系企業はその備蓄に走ったものです。なお、SARSに関しても世界中でワクチン開発に取り掛かったものですが、終息が早く完成に至ることはありませんでした。

 

コロナ後何が変わるか

 SARS流行の際を思い返すと、終息宣言後には明らかに衛生感覚が向上しました。具体的にはトイレで手を洗うようになったことです。トイレットペーパーやペーパータオルがどこのトイレにも当たり前のように置かれるようになったのはSARS後です。水分を吹き飛ばしてミストをつくってしまうので感染予防的見地からあまり歓迎できないものではありますが、トイレにエアータオルが置かれるようになったのもSARSのしばらく後です。新型コロナを機会に、これからも社会に何らかの変化がおきるのは間違いないでしょう。しかし人々の生活がこれまでと劇的に変わるのではないかと、ある意味期待を込めてその可能性について語られていますが、個人的には徐々に元の状態に戻っていくのではないかと思います。もちろん次に来るであろう新しい感染症に対する社会システム上の防衛力は増強するでしょうが、例えば働き方が大きく変わるなどということは、業種間で大きな差が生じるのではないでしょうか。

 これまでと何が変わるのか?欧米ではマスクに関する認識が大きく変わるはずです。SARS感染が拡大中で、フランスの高速鉄道のTGVは乗客にマスク姿のアジア人が一人いたということで即座に運休になってしまいました。当時欧米ではマスクに対してその程度の認識しかなかったのです。欧米に限らずマスクの捉え方が、がらりと変わるのかもしれません。少なくとも飲食店では調理人はもちろん、フロアのスタッフもマスク着用が普通の光景になるのではないでしょうか。またバスやタクシーのドライバーもマスク着用になりそうです。昨シーズンはインフルエンザ流行がほとんどありませんでした。これが直接的にコロナと関係しているのかはわかりませんが、マスク着用率が高くなったこと、手指の消毒を心掛けるようになったこともその大きな理由ではないでしょうか。そうなると次のインフルエンザシーズンにもその感染者数の減少が期待できます。日本国内で毎年数千人くらいのインフルエンザ感染による死亡がありますが、これが激減するかもしれません。

 数年後に今を振り返ると、表面的には意外にも目立った生活変化が生じてないことに気づくのかもしれません。一日も早く流行が終息し、大きな変化はなくても良いので、とにかく平穏な生活が戻ることを期待したいものです

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P13 AD_749

 

 hori prof 突然ですが香港の南北の地理的な位置を確認してみましょう。あまりに細かなことは意味がありませんが、香港は北緯22度あたりにあります。つまり北緯23度26分にある北回帰線より南に位置しているので、夏至の黄道(太陽の道筋)は香港より北側にあり、この頃の香港では北から日が差すことになります。普段はあまり意識しませんが、夏至の頃、香港では北側の窓から日が入ってくることになります。

 今回のテーマである紫外線の強弱は、太陽の位置と大いに関連するものです。つまり太陽が頭上を通過する位置にある香港は、紫外線に関してもより注意が必要な場所だと言えるのです。世界保健機関(WHO)のある専門家は、中緯度地方の中でも香港は特に紫外線量が多いと指摘していました。太陽の位置とは別に、香港は少々特別な場所なのかもしれません。

 

紫外線って何?

 プリズムを通った太陽光がいくつもの色に分かれることを発見したのは、万有引力の法則を唱えたニュートンです。雨粒による屈折で分けられた太陽光が織りなす芸術が「虹」です。その一番内側は可視光で最も波長が短い紫色ですが、そのさらに内側にある目に見えない光が紫外線と呼ばれるもの。眼には見えませんが大きなエネルギーを持っているので、厄介者でもあります。レントゲン検査でおなじみのX線はさらに波長が短かく、エネルギーも大きなものになります。

 ちなみに虹の色が7色だと教える国はごく少数派で、3色と教えている国が少なくありません。

 

日焼けと紫外線

 紫外線はその波長の長いものからUV-A、UV-B、そしてUV-Cの3種類に分けられ、人体に対しての影響も異なります。紫外線というと誰もがまず日焼けを連想することでしょう。人によっては日焼けすると肌がすぐに赤くなりますが、これはUV-Bの作用です。さらにUV-Aがメラニン色素を褐色にして皮膚に定着させます。なお、UV-Cは通常オゾン層で吸収されて地上に到達することはありませんが、オゾンホールができると地上に降り注ぎ、生物に大きな影響を与えるといわれています。

 紫外線量は一般に低緯度地方で強いものですが、太陽の南中高度によっても大きく影響するので、一日のうちでも時間によって日焼けのしやすさはかなり違います。

 

紫外線の利用

 紫外線は高いエネルギーを持ち、強い殺菌作用があります。今年は新型コロナウイルスに翻弄されていますが、このウイルスも紫外線には太刀打ちできません。紫外線を利用すると極めて有効な殺菌装置となるので、現在でも様々な分野で応用されており、コロナウイルス対策にも導入することが各国で試みられているようです。

 さらにUV-Bはヒトの皮下でビタミンDを合成するのに欠かせません。日焼けを怖がって、日焼け止めクリームを使用した上に、帽子、サングラス、手袋など、あらゆるグッズを駆使して紫外線を避けている女性がいます。極度に日焼けを避けることで紫外線不足となり、骨量不足や、なんと骨粗鬆症をも起してしまう若い日本人女性が少なくないそうです。ビタミンDの合成が不足するため、カルシウムの骨への十分な吸着ができなくなり、骨をスカスカにしてしまうからです。

 

肌の色

 肌の色の違いは、人類の長い歴史の中で、居住する地域の紫外線量に適応するために生じたものです。紫外線はヒトの生存に必要ではあるものの、皮膚への影響が大きすぎると反対に生存が脅かされることになります。オーストラリアのアボリジニーの肌の色は黒褐色です。つまり、強い紫外線の下で生きていくには、黒い肌でなければいけない必然性があるのです。そんなオーストラリアに白人が定住するようになったのですが、ここは本来、肌が白い人たちにとって、生物学的に住むことができない場所。オーストラリアでは皮膚がんが医療分野における最大の懸念となっています。今から数百年も経てば、オーストラリアの白人はすっかり淘汰されているのかもしれません。

 

紫外線対策

 中高年世代の人には、小学生時代に日焼けを競った記憶があるのではないでしょうか。夏休みが終わると日焼けした肌の色を比べて自慢大会をしていましたね。

 何年か前には多くの人が黒褐色の肌にあこがれ、日焼けサロンが乱立した時期もありました。日焼けは避けるべきであるとの考え方が常識である現代においてはあり得ない話です。反対に肌を白くするという「美白ブーム」も起きましたが、紫外線対策としては非常にまずいことを行っていたことになります。このブームも黒人差別反対運動の影響で消えていきそうですね。

 紫外線量は毎年徐々に増加する傾向があります。これは紫外線の影響から、今以上に逃れる術を考えなければいけないことを意味します。常に完全装備する必要性はありませんが、特に紫外線量が多い夏場の屋外での活動に際しては、日焼け止めクリームの使用は必須でしょう。また白内障や角膜炎などの原因にもなるので、サングラスの使用も有効です。普通のメガネであればUVカットできるレンズが良いですね。帽子や日傘は熱中症予防を兼ねるので利用価値は大きいといえます。

 紫外線を極度に恐れる必要はありませんが、決して甘く見てはいけないのが現代の常識です

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン ☎2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P15 AD_745 v2

 

hori prof今どきの食中毒

 蒸し暑い天気が続きますね。気温と湿度が急上昇するこの季節、食中毒の発生件数も急増するものと信じられてきました。事実、食中毒原因細菌は一般に気温が高いほど増殖しやすく、条件が揃えば短時間のうちに食中毒を起こし得る菌数に達してしまいます。もちろん多くの関連菌は加熱で感染性を失いますが、なかには増殖の過程で極めて強い毒素を生むもの(黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌)もあり、これらは食中毒予防基本とされる加熱が無効です。梅雨時から盛夏にけて細菌性食中毒が起きやすいといわれてきましたが、冬も快適な現代の住環境は食中毒の危険性が通年に及ぶことを意味します。さらに最近増えているのがウイルスや自然毒による食中毒です。

 ウイルス性食中毒が増えたように見えるのは、食中毒統計の原因物質にノロウイルスが加えられたからです。この食中毒の危険性は食品保存の条件に左右されないことです。新鮮さが安全性を担保しないので、特に魚介類を扱う業者にとっては厄介な存在です。

 また自然毒による食中毒が増えていることは、最近のアウトドアブームも後押ししているのでしょう。

 

細菌性食中毒

 代表的なものはカンピロバクターとウェルシュ菌による食中毒です。これらで全体の食中毒患者数の4分の1を占めます。鶏肉のカンピロバクター汚染率は極めて高く、不十分な加熱で簡単に感染します。暗い中でバーベキューしている光景を香港でよく見かけますが、鶏肉は火が通りにくく、しかも暗いところではその加減がわかりにくいので、おそらくバーベキューに関連した食中毒発生は非常に多いのではないかと思います。また、ウェルシュ菌は一旦冷えたカレーやシチューなどの再加熱が不完全な場合に起こりやすく、その意味で一般家庭では特に注意が必要な食中毒と言えます。

黄色ブドウ球菌や腸炎ビブリオ菌、あるいはサルモネラ菌といった昔からなじみのある食中毒の患者数は、今ではそれほど多くはありません。黄色ブドウ球菌は食品を扱った人の皮膚、特にけがをした場所から食品に混入します。海水温の上昇とともに活動が盛んになる腸炎ビブリオ菌は夏に多い感染症ですが、魚の扱い方が改善されているためなのか最近は減少気味です。

なお卵が原因食品となることが多いサルモネラ菌食中毒は、養鶏業者の衛生管理基準の厳格化で激滅しています。

 

ウイルス性食中毒

 今や最大の食中毒原因となったノロウイルス。厚労省の食中毒統計において、その食中毒原因物質に加えられたのは2003年のことですが、もちろんそれ以前から感染者数は多かったものと思われます。このウイルスはアメリカで起きた大規模な集団感染事例を調査する中で発見されたもので、その地名からノーウォークウイルスと呼ばれたり、形状から小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれたリすることもありましたが、現在はノロウイルスと呼ばれることが多いようです。

 ノロウイルスは魚介類からの感染が多いことは確かですが、空気感染様の伝播も起きるため、食中毒とは別の側面も持ちます。感染児童の嘔吐が原因で、学校内で集団感染してしまった事例もありますし、家庭内では家族全員が感染してしまうことにもなりかねず、吐しゃ物の処理に際しては厳重な感染予防措置を必要とします。

 ウイルスは原因食品の中で増殖することはありませんから、細菌性食中毒予防にあるような食品保存基準は求められません。カキなどの貝類は、生体濃縮といって、呼吸のために吸われる海水に含まれるウイルスがその体内に積されていくことが感染リスクになります。確実な感染予防には加熱が必要です。生食されることが多いカキですが、特に日本のものは無菌化処理が厳格化されており、収穫後に無菌化水槽に一定時間おかれてから出荷されるため、最近のものは安全性が格段に高くなっています。

 

寄生虫性食中毒

 寄生虫による食中毒は、アニサキスとクドアによるものです。クドアは聞き慣れないものですが、これは特にヒラメの刺身で感染することが多いようです。

 アニサキスは身近なところではイカやサバ、アジなどに寄生していることが多く、刺身で一緒に飲み込んでしまうと、胃壁に迷入して激しい腹痛を起こします。アニサキスは人体内で生き続けることができないので時間がたてば死んでしまうものですが、感染時の痛みは尋常ではありません。イカそうめんにしたり、アジをたたいたりすることは、アニサキスの虫体を切り刻むことになります。昔からの経験的な感染予防なのかもしれません。なおアニサキスは低温に弱いため、国によってはその基準に従って冷凍した魚類しか販売が許可されていません。

 

 食中毒患者が最も多く発生しているのは一般家庭です。飲食店でおきると患者数が多くなるので目立つだけなのです。家庭内での食品の保存管理、加熱処理など、食中毒予防に関する基本的な知識は誰もが持っていたいものです。冷蔵庫を過信してはいけません。コロナ感染に伴い自宅で料理することが増えているようですが、食中毒事例も増えているのではないかと思います。食中毒予防の基本は、「食中毒菌を付けない」「増やさない」そして「殺す(加熱)」ことです。

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン 2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P03 AD_673

 

hori prof食生活の変化

 日本人ほど食生活の変化が大きく、また多くの食文化を取り入れてきた民族はほかにないのかもしれません。特に第二次世界大戦後は、学校給食にパンと牛乳が米国によって導入されたことが、日本の食生活を洋食化させる大きなきっかけとなりました。当時は米国の食糧政策として日本に対して行われたもので、学校給食で子供たちが覚えたパンや牛乳の味を20年30年後に次の世代に伝えてもらい、日本の食文化を変えて米国の食糧輸出につなげようとしたものです。その目論見は大当たりどころか、当の米国にとっても驚くほどの成果を上げたに違いありません。戦後およそ70年間の日本人の食生活の変化は、ほかのどの国が経験したものより大きかったのではないでしょうか。

 

古代の食生活

 縄文時代までは狩猟採集を基本とする食生活でした。主食はドングリや栗といった木の実が主なものでしたが、タンパク質は野生の鳥獣や魚介類など、現代人が想像するよりも豊かだったようです。この頃に土器がつくられるようになり、煮炊きができるようになったことは、食生活に大きな変化をもたらしています。その後の弥生時代には大陸から稲作が伝わっています。日本人の主食が米になったのはこの頃からだと言われています。

 次の奈良時代に入ると安定的な食生活が可能になってきたこともあって人口が急増します。飛鳥時代には宗教的な理由によって肉食が制限されることが続いていましたが、野菜の栽培が始まるなどしたため食生活はさらに豊かになってきました。平安時代になっても、特に貴族社会の食生活では厳格に肉類をさけ、白米を主食とするなど一般庶民とは一線を画されていました。これに対して庶民は玄米を食べるほか、肉食禁止の決まりから外れていたウサギやシカを食べることで動物性たんぱくや脂質の摂取ができていたのです。豪華ではないにしても、当時の栄養摂取という観点からは、庶民の方が健康的であったことは間違いないようです。

 

中世から近世の食生活

 主に僧による大陸との交流で、今でいう東洋医学の考え方が食生活にも取り入れられるようになったのが鎌倉時代です。この頃になると食材も増えるとともに、味噌や醤油といった調味料も使われ、さらに室町時代には砂糖も入手しやすくなったことから、日本食の基礎が出来上がったようです。

 また南蛮貿易が盛んになった16世紀ころにはカボチャやサツマイモ、あるいはホウレン草などといったそれまで日本では見ることがなかった野菜類も続々と入ってきました。現代の我々の食生活を支える野菜類はこんな時代に海外から入ってきたものも数多くあるのです。稲作に加えて麦の栽培も行われるようになったことで、十分なエネルギーを安定的に摂取できる環境が出来上がったものです。ただし現代のような農業技術が確立されているわけではなく、気象条件に大きく左右されていたことは確かであり、食の安定供給という面では決して安心できる状態ではありませんでした。

 ところで一般的に米を精米して食べるようになったのは江戸時代からのこと。寿司やウナギのかば焼きが食べられるようになったのもこの頃です。江戸では、玄米食が基本であった時代にはなかったビタミンB1不足から、脚気の患者が増えていたようです。

 

明治時代以降

 明治時代には洋食文化が入ってきて、外食も行われるようになってきました。食糧輸入が盛んになってきたこともあり、カレーライスやオムレツ、コロッケやとんかつも広まったほか、ビールやコーヒーなど外来の嗜好品も庶民が楽しめるものとなりました。しかし、2度にわたる戦争でその供給が途切れたことや、社会の混乱から食糧事情が極度に悪化した時期もありました。第二次大戦後に日本が米国の食料政策に組み込まれ、毎日の学校給食にパンと牛乳が出されたことは、日本人のそれまでの食生活を激変させるきっかけとなりました。

 

過食の時代

 昭和30年代までは米の消費が多かったものの、その後はエネルギー源としての米の消費が減り続けました。代わりに動物性脂肪や糖分の摂取量が増え、肥満者が増加したことから、糖尿病患者の激増を招く結果となっています。西洋のものはもちろんのこと東南アジアや中南米などの料理が好まれるエスニックブームなるものもあり、日本人があらゆる食文化をも取り入れてきたことは、決して悪いことだったとは思えません。ただし摂取カロリーが多くなり過ぎたことは否定しようがない事実です。主食であったはずの米が嫌われ、炭水化物はまるで毒物でもあるかのように語る人も現れてくるなど、食品の良し悪しを単純にその一面だけで判断してしまうという思考もあるようです。

 糖尿病患者が増え始めたのが昭和40年ころからです。摂取カロリーが過剰になっていることは間違いなく、最近では減量を志す人も増えています。日本人が食糧生産にどのように携わってきたのか、そしてその食志向がどのようなものであったのか、少しだけでも想像力を働かせつつダイエットに挑んでみてはいかがでしょうか。炭水化物は敵ではありません。

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン 2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P21 HK Mind Beauty_733

 

hori prof 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いています。中国や韓国のように初期に感染爆発したものの、徐々に落ち着きを取り戻しつつある国もありますが、多くの国では感染阻止の目途が立たないままでいます(4月上旬時点)。世界を大混乱に陥れたこの新しいウイルスは、我々の前に現れてからまだ半年も経っていないのに、多くの生命を奪い、経済活動や市民生活に多大な影響を与えています。こんな状態がいつまで続くのか誰にも正確な予想はできませんが、いつか必ず終息を迎えるはずです。ただ、今回は2003年のSARSとは違い、強い感染力を持つことから完全に姿を消すことはないと思います。2009年のH1N1新型インフルエンザと同じように、何らかの形で我々の世界に残るのでしょう。ワクチンや新薬は、現在世界中でその開発にしのぎを削っているものの、実際にその恩恵を受けるのは来春になるというのが、多くの専門家の見解です。それまでは既存の医薬品で効果的なものを選んでつなぐしかないのかもしれません。

 

COVID-19

 さて、流行中の新型コロナウイルスの名称ですが、一部に「武漢肺炎」などと地名をつけて呼び続けている人たちがいます。正式な名称は「COVID-19」、通称は「新型コロナウイルス肺炎」などで地名はついていません。世界保健機関(WHO)では、新しい疾患名に地名などをつけることを認めず、分かり易く呼びやすいものとしてCOVID-19としましたが、これに対して、WHOが中国政府を擁護したというような論評を展開して、あくまでも武漢肺炎であると主張を変えない人たちがいます。ネット上でも軋轢が生じており、私が知るところでもフェイスブック上の関係を断ってしまうなど、人間関係にまで影響を及ぼしているようです。ちなみにWHOが疾患名に関して新しい指針を決定したのは2015年のこと。したがって今回の新型コロナウイルスの名称に武漢や中国を使わなかったことは当然のことであり、何もWHOが中国政府に媚びたわけではありません。

 

地名を名称としない理由

 疾患名に地名が含まれているものには、インフルエンザの関係だけでも、スペイン風邪、香港風邪、アジア風邪、ソ連風邪といったものがあげられます。コロナウイルスに限れば、中東呼吸器症候群(MARS)が該当しますが、この名称をつけてしまった反省から、WHOは疾患名には地名はもちろん動物の名前も使用しないと決めたのです。これは、疾患の名称が差別や誤解を生み、時として人々の分断をも生じさせてしまう可能性を危惧したからです。2009年のH1N1新型インフルエンザはメキシコで初感染が認められたことから、メキシコインフルエンザとも一部で呼ばれていたのです。しかし、メキシコからの不法移民や米国内での不法就労と結び付けられたりしたものです。また後に豚インフルエンザと呼ばれたものの、これによって養豚業界に大きな影響を与えてしまいました。

 

人々を苦しめる疾患名

 日本脳炎という感染症も、日本人にとって面白くない名称ですよね。そのほか寄生虫疾患では日本住血吸虫というものもあります。世界的には広東住血線虫、東洋毛様線虫、アメリカ鉤虫(こうちゅう)、マレー糸状虫など少なくはありませんが、多くは風土病のような側面もあり世界的な感染拡大はないものの、その土地の人々はある種偏見の目にさらされたことは確かです。

 また水俣病、四日市ぜんそくといった公害病にも地名がつけられていて、教科書にも掲載されていることから、子供のころから何の疑問を持つこともなく呼んでいたものです。しかし、その土地に住み、特に病気に苦しんできた人々は、いわれなき差別や偏見に長く苦しんできたことも事実です。

 

ウイルスには好ましい命名を

 新型コロナウイルス肺炎を武漢肺炎と呼ぶ人たちの気持ちも、この半年ほどの香港政府や中国政府の対応から、まったく理由理解できないわけではありませんが、武漢の人々には何の罪もありません。アメリカ、トランプ大統領は悪意を込めてChinese Virusと呼びましたが、これには現に多くの人々が苦しむ感染症を政治問題にからめるなど、その品格を疑いたくもなります。世界中で1億人が死亡したと言われるスペイン風邪はアメリカのシカゴで生まれたインフルエンザです。当時は第一次世界大戦の真っただ中、当然のことながら関係国はインフルエンザの自国での流行情報を発信することなど一切しませんでした。もしアメリカが最初に世界に向けて情報発信していたら、歴史は違った形になっていたのかもしれません。当時、中立国であったスペインが情報発信したことからスペイン風邪と呼ばれることとなったわけです。スペイン政府が不名誉なことであるとしてアメリカ政府にその名称変更を求めたら、さてトランプ大統領は何と応えるのでしょうか。これをAmerican Virusに名称変更すると言うならば話は分かりますが、今般の新型コロナウイルスの情報をいち早く公表しなかったからといっても、この名称をChinese Virusとは呼べないはずです。

 ウイルスの名前がどうとか、初期情報発信がどうとか、あるいは人造ウイルスだとか、様々なことを政治問題に絡めて為政者が取り上げていますが、そんなことをしている時間的余裕はありません。政治体制が違おうと、全世界的な危機を早く乗り切るためには、あらゆる国が協力して対策にあたらなければいけないはず。厳しい戦いはまだまだ続きそうですが、世界の協力の元、来年の今頃はきっと明るい希望に満ちた春を迎えていることを期待したいものです。

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン 2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


P21 HK Mind Beauty_733

 

ウイルスって何?

hori prof 新型コロナウイルスが世界的に拡散し、その関連のニュースを目にしない日はありません。このところ目耳にする機会が多くなった「ウイルス」ですが、これはいったい何なのでしょうか?なんとなく判っているようでもありますが、改めて聞かれると答えに窮してしまうのではないでしょうか。病原菌のこと?毒性を持つものもあれば、ヒトに対しては無毒のものもあるので、一概に「病原」とは言えませんね。今回はそんなウイルスについて少し考えてみましょう。

 

微生物の大きさ

 まずはウイルスと同じくヒトの健康に大きくかかわっている細菌類と大きさを比較してみましょう。髪の毛の断面を東京ドームに例えると、ウイルスの大きさはピンポン玉からせいぜいソフトボール程度。ちなみに細菌の大きさは、運動会で使われる特大サイズの大玉といったところでしょうか。髪の毛の断面を例えにしても大きさがピンとこないかもしれませんから、ヒトの身長が地球の直径ほどあるものと想像してみてください。ヒトに感染してくるウイルスは湯船に浮かべて子供が遊ぶおもちゃの船くらい。細菌はというと、海に浮かぶ中型のヨットくらいです。ウイルスや細菌はその種類によって大きさがかなり違いますから、これは正確な表現であるとは言えませんが、病原微生物としてなじみが深い細菌やウイルスの大きさを、感覚的に大まかに理解していただければ良いかと思います。こんなにも微小な病原体に、ヒトは時として生命を脅かされ、またその対策に翻弄されるのです。

 

細菌とウイルスの違い

 細菌は単細胞生物であり、どの生物にもある細胞内構成物をほぼ持ち合わせ、内部では様々な代謝が行われています。栄養さえあれば自分自身で増殖することができることが特徴です。その種類によって、あるいは環境によって増えるスピードは大きく異なりますが、2倍、4倍、8倍、16倍、・・・というように指数的に増加します。もちろん食中毒菌でも同じで、適温(37度程度)におかれるとその菌数は爆発的に増加することになります。また、細菌はヒトの生活に大きくかかわっており、その作用を利用して、醸造や発酵など食品加工に幅広く利用されてもいます。

 これに対してウイルスは単独で増殖できず、自身を増やすためには動植物の細胞を利用しなければいけないことが大きな特徴です。例えば新型コロナウイルスは感染すると宿主(例えばヒト)の鼻腔や咽頭粘膜の細胞に侵入してウイルスの殻を脱ぎ捨て、自身の遺伝情報であるRNAを宿主細胞の細胞核に侵入させ、そこの遺伝子を勝手に使って、自分のコピーを大量に複製します。やがて細胞内にあふれてきたRNAは宿主の細胞から抜け出すときに、再びウイルスの殻をまといます。またウイルスは生物と非生物の中間に位置する微生物で細菌よりも下等であるといえますが、その毒性や感染力を変えて、自らの生存に適するように「賢く」バランスをとろうとします。なおウイルスには、食品加工等に利用して、我々の生活に利用するという有用性はほとんど期待できません。

 

ウイルスの毒性と感染力

 ウイルスは自身の毒性が強すぎて大切な宿主を殺してしまうことになっては、自らの生存が脅かされてしまいます。ヒトに感染が広がるウイルスも、元をたどれば何らかの野生動物に潜んでいたものです。その動物にとっては毒性が非常に弱くても、たまたま感染したヒトなどに対しての毒性の強弱については、そのウイルスにとって都合が良いものかどうかわかりません。あまりに毒性が強すぎると、感染拡大は続きません。SARSは毒性が強かったものの、感染力はそれほど強くはなかったといえますが、今般の新型コロナウイルスは、現在のところ感染力は非常に強いものの毒性はそれほどでもなさそうです。高齢者や慢性疾患を持つ人にとっては注意が必要ですが、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザの毒性や感染力と似ているといえましょう。つまり、今のところこのウイルスにとって都合が良い性質を備えてヒトの間での感染を拡大しているといえます。新型コロナウイルスは多くの専門家が指摘するように、簡単には消えていかない、むしろインフルエンザと同様に定着していくウイルスではないかと思われます。

 

 ウイルスはその微細な構造を変えて、自らの性質を常に変えることができるほか、同じ種類の他のウイルスと遺伝子融合して、さらに大きく変化することがあります。新型インフルエンザがこれにあたります。仮に毒性が非常に強い鳥インフルエンザと強い感染力を持つヒトのインフルエンザウイルスが融合したものがヒトの間で感染拡大してしまうと、これまで描かれてきた恐ろしいシナリオをたどる危険性があります。ウイルスは宿主の細胞内に入り込んでしまうため、抗ウイルス薬を作用させにくいこともあって、特効薬がとても作りにくいものです。ウイルスとの戦いは、新型コロナウイルス(COVID-19)に留まることなく、今後も必ず続きます。その対策は人類にとって永遠の課題になるのかもしれません。

 


P21 HK Mind Beauty_733医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン 2577-1568
✉ info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk

健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ。
痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。


Medi_Title_fall

今季は早い!インフルエンザ流行

hori prof秋本番を迎えた香港。虫の音も一段と大きくなってきました。欧米人にとっては「雑音」にしか聞こえないという虫の鳴き声も、日本人には秋の風情と感じます。そればかりか虫の音を聞き分けて、その種類までわかってしまう日本人の感性は民族的にもかなり特別なのかもしれませんね。これから秋がますます深まります。香港に限らず、中国南部では乾燥した爽やかな天気が多くなり、まさにベストシーズンと呼ぶにふさわしい季節を迎えます。しかし、この季節が快適であるのはヒトばかりではありません。インフルエンザウイルスにとっては、乾燥した環境がその勢力拡大には好都合なのです。空気の乾燥に加え、朝晩少し冷えるようになると急に流行が始まるインフルエンザですが、さらに日中の気温が下がり、誰もが冬の訪れを感じる頃になると、まさに暴れるがごとく一気にピークに達します。今年は日本での流行がとても早く始まっているだけに注意が必要です。

 

日本の流行状況

例年だと10月終わりから11月初めころに流行が始まり、本格化するまでにおよそ1か月くらいかかっています。ところが今年は9月初めに患者数が増え始め、下旬には警報レベルに達してしまった沖縄を中心に、九州各県では注意報レベルの流行状況となっていました。例年より2か月ほど早いペースで流行が拡大しています。ちなみに流行のレベルは、全国5000の医療機関から寄せられる新規患者数の平均を指標としており、1.0人以上で流行期に入ったこととされ、10.0~29.9人で注意報、さらに30.0人以上で警報が発令されます。

 

香港の流行は?

あくまでも私見ではありますが、例年日本の流行からおよそ1か月経った頃に香港でも患者数が急増するようです。しかし、最近は日本への旅行者が増加していることから、その移動に伴ってウイルスを運ぶ機会が増しており、流行期が日本と変わらなくなっているようにも感じます。つまり今年の日本での流行開始時期が大幅に早まっていることを受け、今季は香港でのインフルエンザ対策を急がなければいけないことになります。
ところで、インフルエンザウイルスは乾燥に強いことと、冬の低温で人々の免疫力が低下することが相まって爆発的に流行すると言われてきました。しかしこの理屈では香港での流行の説明ができません。乾燥と低温が重なる12月に流行が開始することに関しては日本での流行理由と合致します。ところがその後多湿の季節を迎えて流行が収まるかと思いきや、反対に患者数は例年増え続けます。この現象について日本の感染症の権威に質問したことがありますが、明確な回答を得ることができませんでした。最近まで熱帯地方でのインフルエンザ流行を説明することもできませんでした。多湿に強い株が熱帯地方で流行しているとの説もありましたが、最近の知見では、湿度が100%に近い環境にある場合には反対にウイルスが活性化することがわかり、この説を香港にあてはめると、毎年春節を過ぎた頃からの高湿度環境下であっても患者数がピークアウトしないことの説明が成り立ちます。

 

インフルエンザ予防接種

予防接種が予防に最も効果的であることは、専門家のあいだではほぼ一致した見解です。もちろん効果に関して異論があったり、あるいはアレルギーの問題を取り上げて反対する人も一定数あることも確かです。接種に関しては当然のことながら個人の判断になります。ワクチンは現在A型、B型共に2種類、合計4種類のウイルスに対応できるように調整されています。これらのワクチンの成分に関しては、南半球での流行株を見たうえで、毎年6月くらいにWHO(世界保健機関)において決定され、各国政府機関に通達されるものです。しかしウイルスは常に変化しているため、残念ながら実際に流行するウイルス株と異なることもあります。それでも予防接種を受けておくと、ウイルス株が少しくらい違っても症状が軽減されるなど、それなりの効果が期待できるとのことです。また、流行期間中にインフルエンザに感染することで、ワクチンのブースター効果も期待できるといわれています。

 

インフルエンザ予防

予防接種以外にインフルエンザへの対処法はあるのでしょうか。基本的には免疫力を落とさないようにすることなので、しっかりと食べて(カロリーではなく栄養摂取)、そして十分に寝ること(休息)です。身体を冷やすことなく、温めることも大切です。また人から人へ感染拡大するので、できる限り人込みを避けることも必要です。さらに外出から戻ったらすぐに手洗いすることを習慣にすることは、インフルエンザに限らず様々な感染症の予防にもとても大きな効果が期待できます。うがいやマスクが有効だと思われていますが、国際的にうがいが感染予防になるという科学的なエビデンスはありません。また、マスクは感染者が感染拡大を防ぐことには有効性が高いものの、感染予防のためにその効果を過信することはできません。


医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limitedmedi
みなさまの健康管理室 メディポート

健康診断のお問い合わせは 日本語ホットライン2577-1568
info@mediport.com.hk 💻www.mediport.com.hk
健康診断のお申し込みはウェブサイトからどうぞ

痛くない 苦しくない 内視鏡検査(胃・大腸)実施中です。

 


medipo

低山ハイクとはおよそ1000m未満の山を歩くこと。香港の最高峰は大帽山の957mしかありません。つまり香港ではどの山を登っても低山ハイクということになります。日本の山とはまったく異なる香港の山々は、高度はないものの斜度が厳しく、決して甘く見てはいけないということを、かつて日本の登山専門家が警告していました。気軽に歩ける香港の山ですが、熱中症対策を含めて十分に注意して楽しんで欲しいものです。これから気候も良くなってきます。家族で楽しめる簡単なコースをいくつかご紹介しましょう。ここでは詳細までは書けませんから、コースは改めて地図等で確認してください。

 

繝斐・繧ッビクトリアピーク、西高山

誰もが訪れる香港最大の観光地、ビクトリアピーク。観光客が溢れる展望台を背にして右方向。道は3方向に向かいますが、一番右の少し細い道を選んでください。ジョギングする人も多いこの道を15分ほど歩けば右手にセントラルから九龍、その先の山々が一望できます。ここは観光客も少なくとても快適です。さらに1㎞ほど進んだところにある公園の一番奥、分かりにくいのですが香港島の西の端に位置する西高山への入口です。500段ほどの階段を登るものの、思ったほど厳しくはありません。頂上からは香港島の南北を一度に見渡すことができる絶景が広がります。夕陽を見るのも良いですね。景色を楽しんだ後は同じ道を引き返すことになります。夕陽を眺めに行く場合は帰りが暗くなります。必ず懐中電灯を用意してください。

 

繝峨Λ繧エ繝ウ繧コ繝舌ャ繧ッドラゴンズバック

かつてアジアのベストハイキングコースに選ばれたことがある人気の初心者向けコースです。山頂までの登りは標高差200mほどです。初めての場合ちょっときつく感じるかもしれませんが、眼下に広がる海や半島の景色を楽しんでいるうちにあっという間に尾根に到達。コースの終点の大浪湾ビーチから石澳の街並み、そして太平洋の海原を見渡す雄大な景色に、きっと一瞬のうちに登りの疲れが吹き飛ぶことでしょう。ここからが龍の背の部分。軽いアップダウンを繰り返しますが、爽やかな風(というよりかなり強い風の日が多いのですが)に吹かれながら歩くこのコースは、まさにベストハイキングコースにふさわしいものです。出発点は地下鉄Shau Kei Wan駅から9番のダブルデッカーバスに乗って「土地湾」で降ります。バス停がコース入口です。

 

 

1ラマ島

香港のハイキングでは島を外すことはできません。中でもラマ島(南Y島)は海鮮レストランも多く、軽いハイキングと食事の両方を楽しむことができる島として有名です。ファミリーコースとして多くの人が歩くのは、島の北西部のYung Shue Wanから中部のSok Kwu Wanまでで、最後に海鮮レストランで食事するというのが定番。小さな子供と一緒でも2時間程度の初23心者向けのコースです。ハイカーというより観光客が多く歩いているので、気軽に出かけることができます。なお、アバディーンからSok Kwu Wanに向かうフェリーはちょっとレトロな感じで、潮風を楽しめる小さな船です。上記とは反対コースになりますが、いずれにしても食事には困ることはありません。

 

 

ご紹介したコースは小学校に上がる頃の子供であれば十分歩けるコースです。香港にはこのほかにもたくさんのハイキングコースが整備されていますから、簡単なところから徐々に行動範囲を広げても良いのかと思います。しかし、いくら簡単なコースであっても、基本的なハイキングの注意を守ったうえで楽しんでください。

 


立秋が過ぎたとは言うものの、毎日まいにちとても暑い日が続いていますね。夏につきものの雷にも、もうしばらくは注意が必要です。その雷にまつわる言い伝えで、「雷が鳴ったらへそを隠せ」というものがあります。中年以上の人には、子供の頃に親から言われた記憶があるのではないでしょうか? 実は、これは健康のための格言でもあるのです。今回はそんなことをいくつか紹介します。

雷が鳴ったらへそ隠せ

雷は、夏の強烈な太陽で温められた地上付近の空気が急上昇することでできる積乱雲で発生することが多いものです。上昇気流が生まれるとその周囲では強い風が吹き、急激に気温が下がります。うだるような暑さのなかでお腹を出している子供に対して、お腹を隠して冷えないようにさせるために軽く脅したのが、「雷さんにへそを取られるぞ」という戒めだったのです。

へそのゴマをとってはいけない

へそにちなんでもう一つ。へそのゴマは気になるものです。皮膚からの垢が正体だと知れば、ますます取りたくなるものです。皮脂やほこりも加わりへその奥のシワの溝を中心にこびりついたものが、俗にいう「へそのゴマ」です。ゴマの中は多くの微生物の小宇宙のような状態になっていて微生物学的には興味深いものだそうです。世界にはこのゴマだけを研究している学者もいるそうです。そんなに汚いものであるのならさっさと取ってしまいたいところですが、それには細心の注意が必要です。へそは母親と繋がっていた臍帯の残りで、へその表皮は腹膜につながっているものなのです。乱暴に「ゴマ」を取ると、繊細な皮膚に傷がつき、腹膜まで病原菌に感染してしまうことにもなりかねません。ゴマを取るときはオリーブオイルなどを使って優しく取るようにしてください。

牛乳を飲むと背が伸びる

幼少期に牛乳を飲むと背が伸びると教わった人は少なくないはずです。戦後の食糧難の時期から学校給食に導入された牛乳は、生まれたばかりの牛が急速に成長するための栄養素が詰まったものであり、栄養面では確かに優れた食品であると言えます。骨の形成に必要なコラーゲンやカルシウム、ビタミン類なども豊富に含まれているものですが、食生活が豊かになった現代では、牛乳で背を伸ばすという発想はほとんど意味がないものになっています。牛乳を飲んで背を伸ばそうとしても、残念ながらほとんど無駄です。

緑茶で鉄剤を飲むと効果がなくなる?

貧血の治療で服用する鉄剤は、緑茶で飲んではいけないと思っている人が多いようです。緑茶に含まれるタンニン酸と鉄が結合するので鉄の吸収に影響があるとの考え方で、医師などの専門家にも信じられてきたことです。しかし今では若干の影響があるのかもしれないものの、それは無視できる程度のものであるとの考え方が常識となっています。薬に関して、例えばグレープフルーツと降圧剤の組み合わせのように、薬の作用が強く出てしまうため避けなければいけないものもあります。基本的には薬の飲み方は指示に従って厳密であるべきです。これとは別に「鰻と梅干」といった食べものの「食べ合わせ」に関しては、迷信の類が少なくはありません。

便宿

お腹の中には何キロもの宿便が溜まっているという話を聞いたことがあるのではないでしょうか? その宿便を剥ぎ取ることでダイエットができるということを宣伝文句にしている美容関係業者もあります。しかし、はっきり言って宿便なるものは医学用語にも存在しません。ましてや、宿便を排除すればそれだけで簡単に痩せることができるなどというのは、ありえない話です。滞留便と呼ばれる便が出ることで、その分だけ体重が落ちるという言い方であれば間違いとは言えませんが、それでは痩せるという意味にはなりません。大腸内には常に便が滞留していますが、これを宿便と呼ぶには無理があります。大腸の内壁は3日に一度くらいの周期で新しいものに置き換わっており、便がこびりつくという現象は起きにくいものだからです。

暦の上では秋ですが、相変わらず暑い日が続いていますね。ところが少し山に登ると秋の風を感じます。登りは暑くて仕方がなかったのに、山頂では吹く風がとても気持ち良く、季節が進んでいることを実感します。本格的なスポーツの秋は間もなくやってきます。これから少しづつ身体を動かす機会を増やして健康つくりをしてみてはいかがでしょうか。


堀様1

日本人にとって国民病の代表ともいえる糖尿病。現代では、この病気は先進国にとどまることなく、貧困にあえぐ国々でさえ大きな問題になっています。私は、機会あるごとにその怖さを伝えてきたものの、残念ながら深刻な病気であると真正面から受け止めてもらえることは少なく、最近はもどかしささえ感じるほどです。主に肥満が引き金となって発症する2型糖尿病は、たとえ発症しても自分自身の努力で改善が十分に見込める病気です。親が糖尿病であって体質的にその因子を持っていたとしても、もちろん予防することが十分に可能なのです。それにもかかわらず改善の努力を怠り、具体的な治療をきちんと受けることなく、やがて合併症を起こしてしまう。こうなってしまうともう後戻りはできません。そうならないためにも、何としても避けたい病気が糖尿病なのです。

 

ダイエットの効果

糖尿病の多くは肥満を原因としていることが多いようです。当然ながら遺伝因子を持っていると思われる人は体重の増加を避けなければいけません。また健康診断では体重変化と合わせて糖尿病関連の検査データ(血糖値、ヘモグロビンA1c)の変化をチェックしてください。もちろんこれらの数値が基準内にあるからといって安心してはいけません。時系列的な変化をみて、徐々に悪い方向に動いていないかを確認し、場合によっては早い段階で糖尿病発症の芽を摘み取らなければいけません。とにかく体重を増やさないこと。そして中性脂肪が高いことなど、早い段階で現れる肥満の影響に敏感になって、早めにダイエットを実行するべきです。

 

合併症の恐怖

一般に糖尿病は何の苦痛も伴わず、静かに進行していく病気です。したがって積極的に治療しなければいけないという動機づけが欠如してしまいがちになります。しまった!と思った時には、もう手遅れ。腎臓透析をしなければいけなかったり、四肢の切断を決断しなければいけなくなったり、あるいは視力を失っていたりするのです。生活の質が著しく損なわれてしまいますが、こうなってからの後戻りはどんなに頑張っても不可能です。最近は脳梗塞が第4の合併症として知られるようになってきました。さらに糖尿病ではない人と比べて、脳血管性認知症が約2.5倍、アルツハイマー型認知症で1.5倍も発症リスクが高いとの数字も出されているのです。これらの「合併症」はその発症に至る過程でもほとんど症状は現れません。最終的には寿命を数年から10年も短縮させてしまうともいわれており、糖尿病はサイレントキラー(静かなる殺人者)の代表的な疾患であるといえます。

 

残念な実例

血糖値が250㎎/dlほどもあった香港駐在員。肥満が原因の糖尿病患者の彼は、脂質異常症、肝機能異常、高尿酸血症、さらに高血圧症に悩んでいましたが、ある年の健康診断の結果を見て一念発起。85㎏の体重を10年前の75㎏に落とすために食事制限をはじめました。半年後に5㎏落ちたところで血液検査を受けたところ、血糖値は104になり、肝機能異常も脂質異常症もすべて完全に改善されていたことに大喜び。その後まもなく帰国。目標とした体重には達しませんでしたが、ダイエットが成功したことに安心した彼は、本社勤務になってから食事も飲酒も元に戻してしまったそうです。体重はあっという間にリバウンドして、せっかくのダイエットの成果が吹き飛んでしまったばかりか、糖尿病の合併症が現れて週に3回もの血液透析を余儀なくされてしまったそうです。海外事業部ではトップを走っていた彼も、その後は毎朝10時から午後4時までの仕事に制限されてしまっていると風の便りで聞いています。非常に残念な事例です。

思っている以上に多くの病気の発症リスクを明らかに上昇させるうえに、合併症を起こしてしまうと生活の質を著しく蝕んでしまう糖尿病。それほどの病気であるにもかかわらずその診断を受けたところで、がんを告知されたときのような衝撃はありません。しかし、放置した場合に起こり得る身体的不利益は想像をはるかに超えたものとなります。繰り返しますが、糖尿病は自分の努力で発症を予防することはもちろん、たとえ発症していたとしても改善が十分に期待できる病気です。自身が糖尿病であるという発症者は医師など専門家の助言のもと治療に専念するべきであることはもちろん、直系の家族に糖尿病患者がいる人、すでに何らかの兆候を指摘されている人は、発症を予防するべく努力が欠かせません。糖尿病の原因は単一ではありませんが、2型糖尿病の多くは肥満が引き金になったものです。がんとは違って、自分の力で改善させたり、発症を予防したりできるのです。努力は必ず報われます。まずは現状を把握して、何をするべきであるかの助言を専門家から受けることをお勧めします。さあ、今日からです。

 

 

 


堀様1

賞味期限と消費期限の違いをご存知でしょうか?少し前までは製造年月日が食品に記載されているだけでしたが、国際的な基準に合わせる意味もあって現在のような表記に変わってきました。日常の買物では多くの人がこの表示を確認し、たとえ1日でも新しいものを購入しようとするようです。その一方でその意味を正しく理解できている消費者は意外にも少ないと思われ、その結果として食品ロスが異常に多くなっていることが問題として認識されるようになってきました。

賞味期限 消費期限

「賞味期限」とは、定められた方法で適切な環境下に保存された場合において、その食品に期待される「品質の保持が十分に可能であると認める期限」を示す年月日のことです。基本的には未開封が絶対条件となります。ただし、この期限を超えた場合であっても、ただちに品質が劣化するものではないと考えて差し支えはありません。このため「賞味期限」を過ぎた食品であっても、それぞれの食品が食べられるかどうかについて消費者が個別に判断すれば良いのです。決してすぐに食べられなくなるわけではありません。

これに対して「消費期限」とは、定められた方法により保存した場合において、「腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限」を示す年月日のことで、開封前の状態で定められた方法により保存すれば食品衛生上の問題が生じないという期間です。消費期限は製造からおよそ5日以内で設定されますが、中には弁当など極めて傷みやすく、しかも見た目や臭いなどでは判断することができない食中毒リスクが生じるものについては、期限を時間まで区切っているものさえあります。消費期限を過ぎた食品は食べるのを避けたほうが良いのは当然でしょう。

食品ロスの問題

2018年度版「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書で、国連は世界の飢餓人口は2017年に8億2100万人、つまり9人に1人が飢えに苦しんでいることを伝えています。その一方で世界で生産されている食料品の3割以上に相当する、およそ13億トンが破棄されている現実があります。これらを低栄養に苦しむ人々に回すことができればどんなに素晴らしいことでしょう。しかし一口に食品ロスといっても、それが生まれてくる背景は、生産者にあったり、消費者にあったり、あるいは流通業者にあったりで、決して単純な問題ではありません。破棄されている食品を有効利用する決定的な手段は、今のところありません。

消費者の意識を変える

さて、消費期限は厳密に守るほうが良いのですが、一方で賞味期限については、もっと寛容になるべきです。いまだに賞味期限が1日でも過ぎたら捨ててしまうという人もかなりいるようですが、これはあまりにも単純な思考で馬鹿げています。そんな感覚を消費者に持たせてしまわないように、最近では賞味期限を年月までの表示にするという動きもあります。ちなみに賞味期限は、食品メーカーが「微生物学検査」「理化学検査」「官能検査」といった検査の結果から導いた期限に1より小さな数字の安全係数(0.8とか0.7、厳しいところでは0.3というものもある)を掛けて決定されます。期限が過ぎた食品は食べたくないという「感覚」は分からないわけではありませんが、この期限は製造メーカーが十分な余裕をもって設定しているものです。しかも、かなり長く品質劣化がない食品であったとしても、あまりに長いと何か特別な添加物でも加えられているのではないか勘ぐって購入を避けてしまう消費者心理を酌んで、かなり短めの賞味期限を記載することも少なくはないようです。

今できること

賞味期限を無視しろとは言いませんが、期限が切れたことで即廃棄することはやめたいものです。レトルト食品や缶詰は賞味期限がないといっても良いくらい保存性は極めて優れています。賞味期限を1年や2年、いや5年過ぎたところで品質に変化はないと断言できます。最近では賞味期限切れの食品を、それと表示して売る小売店も少しずつ増えています。賞味期限に対する認識が変わりつつあるということですが、日本人にとってはなかなか受け入れ難いことなのかもしれません。はっきりといえることは、「賞味期限は食品を破棄しなければいけない期限ではない」ということです。家の中に眠っている食品の中に賞味期限切れを見つけたとしても、早めに食べてしまうことを意識する程度でかまわないのではないでしょうか。

日本は食料自給率が40%を切っています。ほとんどすべての食品を輸入しなければいけない香港における自給率は、わずか1%にしかすぎません。それにもかかわらずどちらも30~40%もの食品が廃棄されているのが現実です。どう考えても異常です。すぐに改善することは困難でも、個人の意識を変えて少しでも食品を無駄にしないように努力しなければいけないことは、食糧難とは縁遠い我々にとっての義務とでも言えることではないでしょうか。

 


堀様1
今年も雨が多い季節になりました。香港では5月から8月までの4か月間の降水量が年間降水量の6割以上にもなるといわれ、この時季には水害もたびたび起きています。さらに大気が不安定になることも多く、雷も頻繁に発生します。海や山での落雷事故も起きやすく、これからの季節は特に注意が必要です。雷の発生が予想されている時には、できる限り屋外活動を控えるべきですが、せっかくの週末には特別悪天候ではない限り出かけてしまうことも少なくはありません。雷の怖さを理解して、少しでも危険を回避するべきです。

 

落雷の時の電圧は200万~10億ボルト、電流は1千~20万アンペアあるいはそれ以上といわれるほどのエネルギーですが、その持続時間は1/1000秒程度しかありません。また稲妻の中では局所的に2~3万度という高温に達するため、周囲の空気が急激に膨張します。この時に発生する音速を超える衝撃波によって生じる音が雷鳴です。ほんの一瞬ではあるものの凄まじいエネルギーを持っているので、落雷による影響は極めて甚大です。人に落雷する事故が時々起きていますが、もちろん直撃を受けてしまうとひとたまりもありません。雷は少しでも高いところに落ちます。金属製品を身につけていたとしても雷が金属類に誘導されることはなく、ほぼ間違いなく頭部に落ちることになります。従って雷が近づいてきたらできる限り低い姿勢をとらなければいけません。

 

自動車や電車内はもちろん、飛行中の機内も安全です。ちなみにどの飛行機も平均的に年に一度は雷が落ちているそうです。先日、ロシアの飛行機が落雷で計器類が故障したことが原因で不時着炎上するという事故が起きましたが(真の原因は調査中)、これは例外中の例外でしょう。屋内もほぼ安全です。電線を完全地中化している香港は、特に屋内の安全性は高いと思います。

 

問題は屋外活動中の天候の急変です。周囲に避難できる場所があれば逃げ込めますが、ハイキング中などはとても危険です。海や山、あるいはグラウンドでの競技やゴルフプレー中も危険度は極めて高いものです。山であれば尾根から降りて、できれば窪地のようなところで身をかがめます。安全姿勢というものがあります。しゃがんで頭を下げてください。近くに落雷した電流が流れることがあるので、靴底以外は接地してはいけません。木の下で雨宿りはとても危険な行為です。立ち木への落雷の側撃(木から人に電流が飛んでくる)を受ける危険性が高いからです。安全範囲にいることが大切です。立ち木の先端を45度の角度で見上げる内側が危険性が低い範囲です。ただしその木の幹やすべての枝葉から少なくとも2m以上は離れてください。

 

香港では天文台(HongKong Observatory)から雷発生の注意報が発令されます。このようなときには海や山でのレジャーは中止するべきです。途中であっても中止して引き返す勇気が必要です。また雷雲の動きがわかるレーダー画像も常に公開されているので、できる限りアクセスして情報収集に努めてください。遠くに雷鳴が聞こえたら危険信号です。直ちに安全を確保してください。

 

子供の頃雷が鳴ったらへそを隠せと言われたことはありませんか?雷の発生に合わせて気温が急降下することが多いので、「お腹を冷やさないようにしなさい」という戒めでもあるようです。怪しい雲が現れて、冷たい風が吹いてきたら危険が差し迫っているといえます。楽しいレジャーを一瞬にして悪夢に変えないためにも、躊躇することなく安全を確保する行動をとってください。

 

 


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

最近、糖質制限ダイエットを実行している人がとても多いようです。あまりにも多いので老いも若きも誰もが糖質制限しているような印象さえ持ってしまいます。ネットではもちろん、テレビでも盛んに取り上げられ、医師だけではなく有名人などがこぞって推奨する姿を見せられていると、いかにも素晴らしいダイエット法ではないかと思い込んでしまうのも無理はありません。このブームの広がりはすさまじく、すし屋でシャリを残している客がいたと聞いた時には、ただただあきれるばかりでしたが、このままでは日本の食文化にまで悪い影響を与えてしまいます。

 

繰り返された減量ブーム

いくらブームが大きくなろうと、私は単純な糖質制限ダイエットには猛烈に反対したい気持ちでいっぱいなのです。医師でも有名人でもない、ただのオッサンがいくら声を大にして叫んだところで、ほとんど耳に入れてもらえないもどかしさはありますが、糖質を完全に抜くことは「直ちに」止めたほうが良いと叫びたい気持ちです。

実は、糖質制限ダイエットは150年ほど前から流行り廃りを繰り返してきたものであり、その効果のエビデンスとなる結果が出された研究法にも問題があると新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は述べています。比較的最近では2000年代初めに米国で大流行したアトキンスダイエットがあります。このブームは、2003年、当のアトキンス氏が死亡したことがきっかけとなり、あっという間にしぼんでしまいました。

 

 

危険性を認識しましょう

糖質を著しく制限さえすれば、肉類や脂質はいくらでも食べても良いように理解されている糖質制限は、その危険性が多くの専門家によっても指摘されています。ある例ですが、糖質摂取を可能な限り制限したかわりに、好きな肉類を多食したことで、著しい脂質異常症を引き起こし、さらに脳梗塞で一時半身麻痺を起こしてしまったとのこと。極端な糖質制限をすることで寿命を縮めているという論文報告もあります。

 

 

コメの消費量と反比例の糖尿病推定有病率

1960年ころ、日本人ひとり当たりのコメの消費は現在の2倍以上でした。それにもかかわらず、その当時の糖尿病の推定有病率はきわめて低かったものです。なぜその後の有病率が激増してしまったのでしょうか?糖尿病患者が増えているのは摂取カロリーが増えていたのかと思いきや、実は摂取カロリーは1970年代に入る少し前頃をピークにして減少傾向にあります。それにもかかわらず最近の調査では糖尿病を強く疑われる人の割合は男性で16%以上、女性でも9%にも達しています。

 

 

主食って何?

低糖質ダイエットで徹底的に避けられているのが穀物です。米の栽培は1万8000年前ころに始まっています。人口が増えて狩猟採集だけではエネルギーを賄えなくなってきたために栽培を始めたわけです。麦栽培も古くから行われ、パンや麺類に加工されて人類の食生活を支えていることも同じです。こういった穀物を栽培できない環境下で生活しなければいけない人々は食を動物に頼るしかなく、肉が主食となったわけです。

 

 

肉食人のダイエット?

肉を主食としていた人々が移動してアメリカやオーストラリアで生活をはじめ、そこで穀物の摂取量が激増してしまったのです。つまり肉類で満たされていたエネルギー摂取に加えて、穀類、つまり過剰な糖質摂取に至ってしまったと考えると分かり易いのではないでしょうか。実際、低糖質ダイエットはアメリカが中心となって流行を繰り返しています。

 

 

民族の食文化を考えてダイエットするべき

戦後70年間で大きく変わってしまった日本人の食生活は、とても豊かなものになりました。日常生活もとても便利になりました。このこと自体は好ましいことで、特に否定することではありません。しかし、肉食あるいはその類似食文化が日本人の食生活に新たに加わったことで、現在の生活スタイルで必要となるエネルギー量を、摂取カロリーが上回る結果になっています。だからといって日本人の基本的な主食であるご飯を一切食べないことで摂取カロリーを抑え、エネルギー収支の帳尻を合わせようとする考え方は、合理的思考であるとはとても思えません。今こそ立ち止まって、好ましい食生活について誰もが考えなければいけない時期にあるのではないでしょうか。

 

 


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

人とヒトの違いって、わかりますか?どちらも同じですが、厳密には使い分けが必要です。そんなの面倒臭いって思う人もあるかもしれませんが、場合によっては「ヒト」と書かないと話ができないこともあるのです。ヒトは生物学的な分類を表すものであり、医学的な話をする場合でも「ヒト」でないと具合が悪いのです。また、「人類」と表現する場合は、様々なことを包括して言う場合が多いのかもしれません。

さて、その人類の起こりですが、最近最も多くの支持を集めているのがアフリカ単独起源説です。およそ600万年ほど前にチンパンジーの祖先と別れたヒトは、長い年月をかけて様々な方向へ移動して現在の人種を生み出していったのであろうことが遺伝子的にも証明されています。

北方へ移動したヒトのことを考えてみましょう。北上するにしたがって紫外線量は減ります。紫外線は皮下でビタミンDを合成し、このビタミンの働きで骨にカルシウムが取り込まれることになります。北方民族の肌の色がとても白いのは、弱い紫外線であっても効率的に吸収できるからであって、高緯度地方では皮膚の色が白い方が生存に有利であることは間違いありません。北欧の人の肌が透き通るほど白いのは、出来る限り紫外線を吸収しなければいけないわけで、より白い肌色の人が選択的に生き延びていった結果です。日本人の肌色は中緯度に定住することとなったが故、その紫外線量に適した茶色になったわけです。紫外線からは肌を守らなければいけない一方で生存にはその利用も必要であり、世界中に拡散したヒトはその長い進化の過程の中で居住する場所によって好ましい肌の色に落ち着いていったわけです。

ところで日本では若い女性の骨粗鬆症やその子供のくる病が目立って増えているそうです。過度な日焼け対策で紫外線の吸収が不足してビタミンDの合成が不足した結果のようです。初夏から真夏にかけて長時間の外出や屋外活動ではしっかりとした日焼け予防対策が必要ですが、日常生活で完全防備しなければいけない状況はほとんどありません。

オーストラリアに住む白人のあいだでは皮膚がんが大きな問題となっていることを知ってますか?彼らの祖先の多くは1850年ころのゴールドラッシュに英国から移り住んできた人々です。紫外線量が少ないところから、いきなり強烈な紫外線が降り注ぐ場所に移り住んだのですから、皮膚がんが増えることもごく当然です。もともとアボリジニーという肌色が極めて黒い人々が住んでいた土地ですから、白人が生活できる環境ではないのです。

さて食文化はどのように形成されてきたのでしょうか?ヒトが移動する中で、その地域にあるものをうまく利用して食文化を築き上げてきたと考えられます。寒冷な場所に適合していった人々は、気温が低く食用植物が育ちにくい気候の中で肉食にカロリーや栄養摂取の比重を高めていきました。肉や乳製品を多用する、とくに北ヨーロッパの食文化はこのような背景のもとで形成されたものでしょう。人類の生息域を北へ広げていった何十万年という長い歴史の中でその文化は熟成されていったのです。そのような中、ヨーロッパでも温暖な地中海沿岸地方では、今では健康食の代表ともいわれる地中海料理が育まれてきました。また中国や日本といった東方向に進んだヒトは四季それぞれに様々な食材を手にできるが故に中華料理や日本食など世界的にも高度な食文化を形成することができたわけです。

ところで日本の食生活は戦後70年で劇的に変化しました。終戦後の一時的な食糧難に際してアメリカからの支援でパンと牛乳が学校給食に供されることとなったのですが、これは20年30年先の日本に対するアメリカの食料政策を考えた上での戦略だったそうです。アメリカ人の食生活の原点はイギリスにあると思われますが、現在のような食生活に至るまでに数百年かかっているのです。それなのに日本の食生活は、アメリカの政策が大きな後ろ盾となってほんの数十年で洋食化が進んでしまうという驚くべき変化を成し遂げています。食生活の激変は、乳がんや大腸がんといった欧米人に多いがんが日本人にも確実に増える結果となって現れています。

さて、人類の長い歴史の中で育まれてきた食文化がこれほどまでに速いスピードで大きく変化した例は世界広しとはいえ日本くらいではないかと思います。一方で飽食の時代にある現代は食べ過ぎという極めてぜいたくな悩みを抱えることとなりました。

原点に返って食生活を再構築するべき時代なのに、摂取カロリーが多すぎるからといって「ご飯」をはじめとする炭水化物(糖質)を食うなと短絡的なことを言ったり、血糖値が急に上がるとか太りやすいからだとか理由をつけたりしていますが、1万数千年にわたって摂取してきた主食を、今になって急に悪者扱いするなどあまりにもおかしなことではありませんか?

過度の日焼け予防をすること、ご飯を毛嫌いすること、何かおかしくはありませんか?日本人に限定したところで、今の環境の下での生活は少なくとも1万年続いているわけです。健康志向が高まっている現代であるからこそ、巷の流行などに振り回されることなく自分自身の頭で考えて行動するべき時ではないでしょうか。

 

 

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

血圧というあまりにも身近な医療用語。健康上とても気になるものですが、その意味について正しく理解できている人はそれほど多くはないと思います。これはインフルエンザで熱が出ることを正しく説明できる人などほとんどいないであろうことと同じです。血圧には最高血圧と最低血圧があって、どちらにしても高いことが一般的に健康に良くないという程度の理解でしかないかもしれませんが、もちろんこれだけで日常生活においては十分です。

血圧は酸素や栄養を血流に乗せて全身に送るために必要な圧力です。そのための重要なポンプの役割を担っている心臓は、まさに全身の血管の総元締めともいえる器官です。心臓が拍動することで血液に圧力がかかり全身に血液を循環させることが可能なのですが、その一方で常時血管に作用する力は動脈硬化の原因にもなります。これは加齢現象ともいえますが、場合によっては動脈を損傷させるなどして突然の大きな疾患につながります。血圧の高低は心臓の働き具合と血管の状態に左右されますが、それらの働きは単純ではなく、血管の硬さや弾力性、ホルモン、さらには精神状態などその要因は様々です。

ところで血圧は動物の種によって大きく異なります。たとえばキリンの血圧をご存じだろうか?心臓の高さは地上3m、さらに首を伸ばした頭部までは2mもあります。高いところにある脳に十分な血流を届けるためには高い血圧が必要であり、最高血圧は260、最低血圧は160くらいあります。その一方で、水を飲むときは心臓より3mも低いところに頭部をもっていかなければいけないので、その際に脳にかかる血圧はかなりのものになります。キリンには頭部への急激な血液の流入による脳組織へのダメージを抑えるために、ワンダーネットという毛細血管の塊のような特別のシステムが備わっています。一般に大きな体の動物の方が高い血圧を必要としますが、もちろん例外もあります。七面鳥です。この鳥は多血であり血液の粘り気が大きく、全身に血液を送るために高い圧力を必要とするので、なんとその血圧は200―300にも達するそうです。どのようにしてこれら動物の血圧を測定するのか興味あるところですが、ちなみにヒトでも多血の場合には血圧が高くなりがちで、循環器系疾患のリスクを高くすることがあります。

高血圧症患者は、患者数は日本で1000万人を大きく上回ります。子供のころはしなやかで弾力性に富む血管壁であったものが、脈拍(血圧)の刺激にさらされたり、脂質などによってその組織構造が変化したりしていきます。年齢とともに血管壁の弾力性が失われるため、血圧の上昇を招くことになります。これが誰にでも起きる加齢による若干の血圧上昇ですが、実際にはこれに塩分摂取量、飲酒喫煙、ストレスなどが複雑に絡み合って血圧の上昇を招きます。また日常生活では睡眠不足は直接的に一時的な血圧上昇を招きます。

さて、血圧が高いと指摘された場合は、いったいどうすれば良いのでしょうか。多くの場合は、気にはなるものの放置してしまうのではないでしょうか。白衣高血圧と言って、病院などで医師や看護師に測定されると高めになってしまうことがあります。極端に高い場合は即座に治療を開始しなければいけませんが、まずは日常の血圧の推移を確認することがとても大切なので、ぜひ血圧計を購入してください。手首で測定できるものが使いやすく持ち運びもできるので便利です。自分で測定を始めたら、毎日できる限り回数多く測定して、自分の血圧変化の傾向を把握してください。また、起床直後に血圧が急上昇(血圧サージ)していないかも確認することが大切です。自分は高血圧とは無関係だと思っていても血圧サージが起きていることもあります。この場合の循環器系疾患のリスクは常時血圧が高めに推移している人よりも高いともいわれていますから、特に注意が必要です。

高血圧症を指摘されたからといっても必ずしも医師の下で降圧剤を服用して治療しなければいけないというわけではありませんが、医師と相談して血圧以外に問題がないかを確認し、何をするべきなのかを決めなければいけません。高血圧症の改善は投薬治療も大切ですが、自分自身で管理することがとても大切になります。体重管理するためにも食生活改善は必須ですし、軽度の運動を毎日継続することも血圧の改善には効果的です。こうしなければいけないという厳格なルールはありませんが、改善に向けての努力がなければ報われることはありません。これこそ自己責任と言えるのでしょう。

春節に向けて飲食機会が多い時季です。太ることは血圧の上昇に直結して心臓や脳血管の病気のリスクを高めます。このリスクは自分の努力でいくらでも低くできます。人生100年の時代です。寝たきりにならないためにも、今から頑張りましょう!

 

 

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

間もなく新暦の新年を迎えます。私が幼少であった50年ほど前は、毎年、年末になると母親はおせち料理作りに忙しく、いつもその手伝いをさせられていたことを思い出します。官舎住まいの我が家では餅をつくことまではできませんでしたが、新年を迎える準備として何かと簡単な手伝いはさせられていたものです。そんな時季に静岡の親せきから毎年送られてくる箱詰め20㎏ものミカンがありました。今のミカンとはまったく違って、ひとつひとつの房を包む皮がとても厚く、当時はその皮をむいて食べる人も少なくはありませんでした。甘みが少なく酸味が多い、現代のものとはまったく違うミカンでしたが、お正月にこたつに入って、テレビを見ながら食べることは当時の楽しみのひとつでもありました。

そのミカン、日本を代表する果物であり、冬になるとどこの家のテーブルにもミカンの山が積まれていたものです。バナナでさえまだまだ高価な果物で庶民の手には入りにくいものでしたから、この季節の果物と言えば他にリンゴや柿があるくらいでした。ミカンは手で皮をむけるため小さな子供でも食べやすく、あっという間に皮が山積みになることもあったほどです。ミカンの食べ過ぎです。手が黄色くなるばかりか、身体全体が黄疸のようになってしまった友人もいたものです。これは柑皮症と呼ばれる症状です。ミカンの色素(カロテン)によって皮膚が着色されるもので、ニンジンでも健康に良いからと言って大量にジュースを飲んでいると、同じことが起きるようです。

さて、果物は一般的には身体に良いものとの認識がなされている食品です。ビタミンCが多く含まれているということからの連想なのか、美容にも効果的だと思い込んでいる人も少なくはないようですね。その一方で、含まれる果糖の量が多く、食べ過ぎると太ると信じている人も多いようです。そうなると、いったい果物は身体に良いのか悪いのか?判断に困ってしまいますが、どんな食品でも食べ過ぎで太るのは当然のことです。最近の果物は糖度がとても高く、この点からは食べ過ぎ注意であることは間違いないと思いますが、果物の栄養成分はとても素晴らしいものでもあります。

酸味がビタミンC由来だと思っている人も少なくはないようですが、果物のすっぱい味はクエン酸によるものです。ビタミンCを摂取したいからと言っても、果物が良いというわけでは決してありません。ビタミンCであればピーマンやサツマイモの方が多く含まれており、効率よく摂取できます。果物はその色によって栄養成分が多少異なりますが、カロテン(ビタミンA)や葉酸、ビタミンEといったビタミン類、あるいは亜鉛や鉄といったミネラル類や最近話題になることが多い抗酸化物質ポリフェノールも豊富です。これらの成分の多くはフィトケミカル(ファイトケミカル)と呼ばれるもので、今のところ医学的に証明されているわけではありませんが、健康上の効果が大いに期待されているものです。

さて、このように栄養成分が豊富に含まれる果物ですが、最近はその糖度が上がりすぎていることが問題になることもあるようです。オーストラリア、メルボルンの動物園では、最近の果物は甘すぎて、動物たちを太らせ歯を悪くする原因になっているとして、果物絶ちしているそうです。品種改良などで糖度が上がっている果物ですが、その摂取が多い動物に健康上の問題を引き起こしていることは興味深いことです。甘いばかりが一概に良いとは言えないものの、やはり甘みは果物の最大の旨味です。ヒトにとっては心疾患やがんなどのリスクを下げる食品であるともいわれており、食べ過ぎは良くないのかもしれませんが、甘い炭酸飲料などをがぶ飲みすることと比べれば、高々しれています。

秋から初冬はいろいろな果物が豊富に出回る時期です。野生動物は果物や木の実が豊富なこの季節にせっせと食べ続け、栄養とカロリーを体内に貯め込もうとします。厳しい冬に備えてのことですが、食に満たされているヒトは健康にどうとかいう講釈は抜きにして、今の時期くらい美味しい果物を心行くまで食べても良いのではないでしょうか。

 

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

インフルエンザに備えよう

秋が深まり、カラッとして心地が良い季節になると、咳やくしゃみなど風邪症状を訴える人が増えるのは毎年のこと。日本では11月に入るとインフルエンザ患者が増えてきます。北国のみならず全国から初雪の便りが届くころになると、その患者数はうなぎのぼりに増えていくのは毎年のことです。香港など中国南部でもこれからの季節はインフルエンザに注意が必要ですが、例年日本の流行期と比べると1か月くらい遅れるように感じます。昨年は11月に雨が多く、12月も比較的暖かかったせいかインフルエンザの本格的流行は少し遅れましたが、いくら遅れても毎年確実に爆発的に流行するので、決して安心することはできません。

ところでインフルエンザというと気温が低く乾燥した季節に流行するものだというイメージがありますよね。確かに日本では木枯らしとともにやってくるような気もします。ところが香港では春節が明けてから流行のピークを迎えることになります。この季節は最も湿度が高い時期にも関わらず、日本の常識に反してインフルエンザ流行の勢いが増すのです。この理由がわからず、鳥インフルエンザが流行したときに来港した感染症専門家に質問したものの、答えは首を傾げて「わかりません」の一言。当時は専門家であってもその理由には説明がつかなかったようです。インフルエンザウイルスが湿度に弱いことは確かですが、最新の知見では、湿度が100%に近くなると、反対にその生存強度を増すことがわかりました。熱帯地方にも一定規模のインフルエンザが存在することを考えると、このウイルスが高湿度に弱いとは一概に言えないはずですよね。

さて、これからの季節、日本の爆発的な流行を追うように香港華南地方でのインフルエンザ患者が増えていきます。インフルエンザはちょっときつい風邪ではありません。場合によっては死に至る感染症なので、決して甘く見てはいけません。また、自分自身のみならず自身から周囲に感染を広めない努力も必要です。賛否ある予防接種ですが、これは受けておいた方が良いことは明らかです。予防接種を受けたにもかかわらず感染したから予防接種を受けても意味がないという意見もありますが、これは決して正しい意見ではありません。受ける受けないは自由ですが、受けることによって大きなメリットがあることは確かです。現在のワクチンは4種類のウイルスに対応できるものです。ワクチン製造は、その年の南半球での流行状況を確認したうえでWHO(世界保健機関)が決定し、各国政府に通知されます。通知を受けた国ではその内容にそれぞれの事情を加味したうえで、どのようなワクチンにするのか決定し製薬会社に製造が指示されるのです。今年日本では4価(4種類)にするのか、3価のままでいくのかの判断の遅れで製造開始が遅れたことから、一部で供給が滞っていたそうです。

ある研究論文では、ワクチンの有効性を30%としています。つまりワクチン接種してもぴったりと型が合わなければ効果が少ないため、予防できる可能性は3割にとどまるというのです。しかし疫学的には、この数字を見て効果がないとみるのは早計なのだそうです。3割もの人の感染発症を抑えることができるということは、感染の拡大を阻止するためにもとても効果的なのだそうです。つまり予防接種を受けることは自身の感染予防だけにとどまるわけではなく、社会一般への貢献にもつながるのです。

さて、現在の懸念は新型ウイルスです。今のところ鳥インフルエンザは偶然ヒトに感染することはあっても、ヒトからヒトには感染していません。これがいつヒトの間で感染するようになって大流行するのか、どんなに高名な専門家であってもわかるものではありません。ひとたび流行が始まると大きな人的被害が予想されるだけに、その被害を極力小さくするためにも早急に具体的な対策を考える必要に迫られています。

最大の武器になるであろうことが期待できるのが万能ワクチンです。インフルエンザウイルスは常にその構造を変化させていますが、その中でも変化することがない構造に対するワクチンを開発しているのです。これが開発されれば間違いなくノーベル賞でしょうが、そう簡単にはいかないもの。難しい研究ではあるものの、万能ワクチンが完成した場合の人類への貢献は絶大で、現在世界中の研究者が日夜その成果を競っています。

感染をなるべく抑えるためには、予防接種に加えて手洗いの励行はもちろん、十分な睡眠や栄養摂取など免疫力を低下させないための努力が必要です。まだ流行が拡大していない今から予防を心がけておきたいものです。

 

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

スプラウトを育ててみよう

スプラウトとは野菜の新芽のこと。最も身近なスプラウトは誰もが知る「緑豆もやし」ですね。野菜炒めやラーメン、サラダなど様々な料理に利用されているスプラウトの王様ともいえる食品です。値段も安く家計には大助かりではないでしょうか。私が初めてこのもやしを栽培したのは10年以上も前のこと。ペットボトルを利用したもので、容器内でもやしがパンパンになるまでに育ち、ペットボトルを壊して収穫したものです。

それ以降、様々なスプラウトに挑戦してきました。カイワレ大根はもちろんのこと、そば、ブロッコリー、ガーデンクレス、レッドキャベツといった定番物に加えて、ひまわり、トウモロコシ、ゴマといった代わり種までスプラウトに仕立ててみたものです。刺身の付け合わせにもなるシソも、失敗を繰り返しながらもうまくできるようになりました。

カイワレ大根

カイワレ大根

トウモロコシ

トウモロコシ

ヒマワリ

ヒマワリ

 

 

 

 

 

 

2.青シソ

ピンクカイワレ

スプラウトには成長した野菜に認められない栄養素が含まれていることが多く、ビタミンやミネラルも豊富です。最近話題になっているのがブロッコリースプラウト。抗がん作用や強力な抗酸化作用が認められるスルフォラファンという成分を含むことで人気となり、日本国内で生産が急増しています。スプラウトというともやしとカイワレ大根くらいしかなかった日本の市場ですが、今ではその種類が増えており、より身近な食品になりました。農薬や肥料がいらないことはもちろん室内で栽培できるのが魅力のスプラウトです。およそ一週間ほどで収穫できるので、ぜひ一度育ててみてください。

スプラウトは暗いところでだけ育てるもの(モヤシ型)、ある程度育てておいて、最後に光に充てて緑化するもの(カイワレ型)、あるいは発芽させるだけですぐに種ごと食べてしまうもの(玄米型)といった種類に分けられますが、自分で工夫してそれらの中間型に仕立てても面白いものです。

 

青シソ

青シソ

元となる種は花や野菜の種が売られているコーナーの隅の方にあることが多く、園芸用品を売っている店でよく見かけます。栽培にあたって、下に敷くものとしてティッシュやスポンジを使うように指示があるようですが、試行錯誤の結果、緑豆もやしを除いてやはり植物ですから土が最もいいようです。私の場合は、ココナッツ線維を細かく砕いて培養土としているものを使用しています。ひまわりの種は根が出る方を下にして、土に突き刺していきます。そのほかは表面に敷き詰めるように並べて、水は種が半身浴する程度に調整しておきます。あとは暗いところに置いておくだけです。シソだけは明るいところの方が発芽しやすいので、発芽してから暗いところに移します。最初からうまくいく場合もありますが、何度か失敗を繰り返しながら自分なりの方法をみつけてください。

興味がある方にはネットで検索してみることをお勧めします。栽培に関した情報はいくらでもあります。簡単に栽培できるスプラウトは栄養も豊富で健康に良い効果があるともいわれますが、それよりも食卓にちょっとした彩を添えてくれることで、食事がより楽しいものになることが期待できます。

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

コレステロールは悪者じゃない!

昨今の健康志向の高まりでコレステロールのことを気にする人は実に多いようです。たとえ自分自身は該当していなくても周囲に一人や二人、高コレステロールを指摘されて薬の処方を受け続けている人があるはずです。卵はもちろんのことエビやカニといえばコレステロールを連想してしまうなど、食品に対しても極端に神経質になっている人も少なくはないようです。一般にコレステロールに対するイメージは悪く、健康状態を害する諸悪の根源のように考えられているようでもあります。言い方を変えれば、コレステロールに怯えているようでもあります。そのわりにはコレステロールに関して正しい知識の持ち合わせが一般的に少ないことも確かなことのようです。コレステロールは不当に悪者扱いされている。私にはそのように思えて仕方がありません。

では、いったいコレステロールとは何なのでしょうか?

白~ごく薄い黄色の個体
化学式:C27H46O  密度:1.052g/cm3  融点:約150℃

このように書くとただの化学物質ですよね。その通り、複合体も少なくはありませんが生体内の物質であってもすべて化学式であらわすことができるのです。私自身も学生時代にコレステロールの化学式を初めて見た時、それまでのイメージとは異なることにとても新鮮な感覚を覚えたものです。油脂のイメージを持っている人も少なくはないと思いますが、純粋なコレステロールは150℃もの高温にならないと溶けない固体です。ただしアルコールなど有機溶剤には良く溶ける性質を持つ一方、生体内ではリン脂質と結びついた状態で血液に溶け込んでいます。

さて、そんなコレステロールですが、生体内では実に大切な働きをしているのです。ヒトの全身の細胞数はおよそ60兆個。古い細胞から壊され、新しいものに生まれ変わっていくのですが、それらひとつひとつの細胞膜の構成要素としてコレステロールはとても重要なのです。妊婦のコレステロールレベルはとても高くなります。これはお腹の赤ちゃんが細胞分裂を猛烈に繰り返して成長するために大量のコレステロールを必要とするからです。コレステロールは決して悪者などではなく、それどころかコレステロールなしでは生命を維持することが不可能なのです。不足が許されないコレステロールなので、基本的に肝臓で血中濃度をコントロールしているのです。食品からの食餌性コレステロールが不足すれば肝臓で合成するし、摂取過剰になればその合成をストップするのです。しかし高コレステロールの遺伝子を持つ人の場合、食物からのコレステロール摂取を気にしてどんなに気を付けていても遺伝情報に記載されているレベルに血中濃度を維持しようと肝臓で過剰に合成されてしまいます。つまりコレステロール値が高くなりやすい人の場合、肝臓で大量に合成されるコレステロールに食餌性のコレステロールが加わって、さらにコレステロール値を高くしてしまう危険性が生じるのです。コレステロール値に問題がない人にとってはコレステロール摂取を基本的に制限する必要はありませんが、高コレステロール血症の人にとっては、なるべく摂取しないように心がけたほうが賢明であることは確かです。

これまでコレステロールに関して非常に厳しい指導を受けていた人が多いのではないかと思いますが、その多くは特に治療を要しないものであったとも考えられます。もちろん心臓の問題を抱えている人で、コレステロール値の目標を特別に低くしなければいけない人もいますが、どちらかというと医者の都合でコレステロールに対する指導が行われていた可能性すらあるのではないかと、個人的には強く疑っています。なぜそのように考えるのか、その理由をここで詳しく述べることはしませんが、これまでの画一的な指導が適切ではなかったとの認識が広がっており、今後は高めのコレステロールに関しても緩やかな見方をされるようになるのではないかと思います。

最後に卵の話をしておきましょう。コレステロールを気にして卵は一切食べないという人もいます。外から栄養補給することが無いにも関わらず完全なる生命体であるヒナが生まれてくる卵。考えたらすごいことではありませんか? ヒナが殻を割って出てくるまでに卵のコレステロールを利用して著しく細胞分裂を繰り返します。そのため卵にコレステロールが多量に含まれるのは当然のことですが、コレステロールだけが卵に含まれているわけではありません。一つの生命体が生まれてくることを考えると、卵は完全栄養食ともいえる優れた食品です。コレステロールだけを理由にして食べないなど、とってももったいない話です。

ここではっきり言いましょう。具体的な理由を説明することもなく、決まり文句のごとく「卵を食べてはいけない」と指導する医者は勉強不足。できれば避けておきたい。もしかするとコレステロールに関する捉え方を確認することは、良い医師を見つけるための判断根拠のひとつになるのかもしれませんよ。

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

視力のお話

日本人全体の視力が低下しているのではないかと、最近漠然と思うようになりました。健康診断という仕事柄、多くの人の視力データを毎日見ていますが、ここ十数年の間に特に子供の視力低下が著しいように感じます。もちろん測定環境やそのルールにも関係することですが、全体的な視力の低下という現象は間違いなくあるものと確信しています。

では視力が低下してしまう原因はどこにあるのでしょうか。近年近視が増えているということになると環境要因が大きいのではないかと容易に想像できるものです。特に香港に住んでいると、部屋が暗いから視力が低下しているのではないかとの意見を耳にします。在住日本人の感覚的なもので根拠はないのですが、一概に間違いであるとは言えません。しかし、これでは間接照明で暗めの照明を好む西洋人などが、特別に視力が悪いわけではないので説明がつきません。日本では読書は明るい場所でと教えられますが、欧米では反対に明るいところで読書すると目が悪くなると言われるそうです。暗い環境で目が悪くなるのであれば、照明が乏しかった昔の人はみな視力が弱かったのかというと、これはどちらかというとまったく反対で、当時の人々は現代人と比べて格段に視力が良かったようです。明るさと視力には明確な相関性はなく、目と見ている対象物との距離が大切なポイントになるようです。例えば、本を読むときには30㎝以上目を話して読むようにと指導を受けた人も少なくはないと思いますが、これはおそらく正しいことです。

近業とは最近の業績や作品の意味ですが、特に眼科領域においては「近くのものをみる作業」のことを言うそうです。近くでテレビを見ないよう、子供のころに親から口うるさく注意されたことを覚えている方も少なくはないと思います。その頃の「離れる距離」の単位はメートルでした。それがパソコンの普及によって、モニターからの距離を注意されるようになったことで、その単位は㎝になり一気に近くになってしまいました。さらに最近はスマホや携帯を誰もが使う時代です。その距離がさらに短くなっています。このように考えると、近視人口が増えることの理由がわかったような気もしますが、もちろん遺伝要因も大きいので、近視が進む理由を単純に結論付けることはできません。

香港中文大学のShun Min Tang氏らは、血液中のビタミンD濃度が近視と関係しているとの研究結果を発表しています。近視とビタミンDの関係については多くの研究がなされていますが、中には関係を否定する結果もないわけではありません。最近、日本人の過剰な日焼け止めが、ビタミンD合成の障害になって骨の形成に影響していることが明らかにされましたが、近視に関しても関係がある可能性が指摘されているわけです。

毎朝、眼鏡をかけることに始まり、眼鏡をはずすということを「その日最後の作業」として繰り返している私の生活。慣れているので苦にはなりませんが、私のような強度近視のものにとって、視力に問題がない人はとても羨ましいものです。最近はこれに老眼が加わったのでますます不自由を感じてしまいます。最新の治療として近眼老眼ともに適用となる「多焦点眼内レンズ」を利用することもできるようですが、とにかく良好な視力はいつまでも維持したいものですし、すでに近視が進んでしまった人であっても、なんとかそれ以上の進行は止めたいものです。

紫外線に適度にあたってビタミンDの合成を促すことも良いのかもしれませんが、外出は眼を休ませることにもなります。勉強にしてもゲームにしても、近業が多いほど近視が進行するリスクが高いことは明白です。外に出て少しでも遠くのものを見る時間を長くすることはとても重要なことになります。昔の子供は良く外遊びしたので紫外線に当たることも多かったはずですが、当時は近業が極めて少なかったことが近視の子供が少なかった最大の理由であるものと思われます。

近視は徐々に進行していくので、その事実を自然と受け入れてしまいます。そのため普段は軽度のものであればほとんど気にもならないことなのかもしれません。しかし近視は確実に進行することが多く、いつのまにか生活に支障が生じることになります。近視の進行を遅らせるためには、スマホやゲームはしない。テレビも視ないことです。近業である勉強することさえ止めてしまったほうが良いはずですが、これらはまったく現実的なことではありません。現代生活には近視傾向を助長することが多くあるのは確かであり、その要因を可能な限り排除するだけで、きっと良い効果が期待できるはずです。

子供の視力低下が著しい現代です。子供の眼を休ませるためにも近業を如何に減らすかを親が具体的に考えていかなければいけません。ちなみに視力が良いことは、将来の職業選択の幅が広がることでもあります。もちろんどんなに気を付けていても視力は低下は免れないことなのかもしれません。低下していく視力はその都度適切に矯正することが大切で、見えにくいことを我慢してはいけません。

視力は常に正しく矯正しましょう。人生において、たった一度しかないかもしれない素晴らしい一瞬の出来事を見逃してしまわないためにも。

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


メディポート代表:堀 眞

メディポート代表:堀 眞

食中毒予防、宇宙食に学ぶ

「地球は青かった」。この有名なセリフは、1961年4月に人類で初めて宇宙飛行を成し遂げた旧ソ連のガガーリンが地球に帰還した際に発したあまりにも有名な一言です。その直後には米国も有人宇宙飛行に成功するなど、当時は東西の大国が宇宙開発競争にしのぎを削り膨大な国家予算をつぎ込んでいました。結局、1969年にアポロ11号が有人月面着陸を成し遂げたことで大きな一区切りをつけていますが、現在にいたってもまた違った形で宇宙の開発に向けて研究が行われていることは誰もが知るところです。

ガガーリンの宇宙滞在時間はわずか1時間48分。たったこれだけの時間であれば食料やトイレのことはほとんど問題にはならないと思いますが、滞在が長くなれば当然ながらこれらの問題を解決しなければいけません。どちらも無重力状態でのこと、特別な仕様が要求されます。食べるものにしても昔はチューブ状のものばかりでしたが、今ではずいぶんバラエティーに富んだものになってきています。宇宙空間で調理することは難しいので、長時間の宇宙空間での滞在に向けて地球で積み込まれる食料はすべて加工された食品であり、当然のことながらその衛生管理は極めて厳しいものになります。

宇宙空間に滞在している間は万一にも食中毒を発生させることは許されません。もちろんいかなる病気もあっては困るわけですが、予防することが可能な食中毒は、そのリスクを限りなくゼロにするべく、宇宙食は厳格な衛生管理の下で製造される必要があります。そこで採用されたのがHACCP(ハサップまたハセップ)という食品製造における極めて厳しい管理手法です。食品製造工程においてリスクを起こす要因を分析し、それを連続的に管理することで食品の安全性を確保するものです。現在、HACCPは食品製造における衛生管理の世界基準となっています。たとえそこまでの基準を満たしていなくても衛生管理が厳しくなっている現代では、加工食品が食中毒の原因になることはほとんどなくなりました。

ところで、食中毒の発生が最も多い場所はどこだと思いますか?飲食店だと思う人も少なくはないでしょうが、実は一般家庭での発生が最も多いのです。食中毒発生件数を減らそうとすると、家庭での食品衛生管理を徹底しなければいけません。そこでHACCEPの概念を家庭にも取り入れ、6つのポイントを押さえて食中毒件数を減らすという試みがなされるわけです。

 

食中毒予防のポイントとは何でしょうか。
1. 新鮮なものを購入すること。肉や魚が他の食品に触れることを避けること。ディップ(食品からの汁)がほかの食品を汚染させないようにすること。素早く持ち帰ること。
2. 適切に冷蔵保存をすること。
3. キッチンの衛生管理。食材の適切な処理、調理器具の消毒。確実なごみ処理。
4. 調理者の衛生管理(頻繁な手洗い)、加熱など適切な調理。
5. 食事前の手洗い。
6. 残り物の適切な処理。再加熱は十分に。

 

これらはHACCPの概念を取り入れた、家庭での連続的な管理となるもので、要約すると、食中毒予防の3大原則となります。つまり食中毒菌を「つけないこと」「増やさないこと」そして「殺すこと」。調理者が手を洗うことや、特に生で食べるものに他の食品を接触させないことが、食中毒菌を付けないことになります。万一食品に食中毒菌がついてしまったとしても、食中毒を引き起こす菌数に増えないように喫食までの時間をできる限り短くすることが大切です。そして最後は加熱です。たとえ食中毒菌が増えてしまっていたとしても十分な加熱で殺菌することができます。もちろん黄色ブドウ球菌のように熱にきわめて強い毒素を生み出す細菌もあるので、必ずしも加熱殺菌が確実な食中毒予防になるというものではありませんが、あくまでも総合的な予防に努めることが求められます。

現代の食中毒は昔のように梅雨時から盛夏にかけて発生が多くなるというような図式ではなくなりました。年間を通して食中毒の発生には注意が必要です。一般の人が宇宙食を作るわけではないので、細かな予防規則まで気にすることはありませんが、発症してしまうと食中毒はとても辛いものです。一晩中トイレから離れることができなかったとか、家族でトイレの奪い合いをしてしまったという話も聞きます。そんな悪夢を経験したい人はいません。食中毒菌は隙あらば食品から人体に侵入する機会を狙っているといえましょう。調理する人はもちろんのこと、誰もが食中毒予防を常に心がけたいものです。食品をロシアンルーレットのように扱うことは、たとえ命を落とすことは稀だとしてもリスクが大きすぎます。

Capture_2018.07宇宙飛行と食中毒予防


命を救う有効手段 AEDと心肺蘇生法

 

メディポート代表:堀 真

まったく予期することもなく、突然やってくることも決して珍しくはない人の死。がんのように長期療養に耐えた後、力尽きるように最期を迎えることもありますが、それまで健康そのものに見えていた人が突然亡くなってしまうことは、近親者に深い悲しみを与えるだけではなく、その事実を受け入れるまでの時間もとても長くかかるものです。

医学的な定義では、何らかの症状が現れてから24時間以内に死亡することを突然死としています。その死因は心筋梗塞などの虚血性心疾患や不整脈などによる心不全がおよそ6割を占めています。そのほか脳血管障害によるものなど、突然死は循環器の問題を原因とすることがほとんどです。中でも急性心筋梗塞の症状は急激です。それまで何の前触れもなく普通の生活を送っていた人が突然意識を失い、呼吸が停止したうえ血液循環もない心肺停止の状態に陥ります。このとき心臓は小刻みに震えており(心室細動)、血液を全身に送るという機能がまったく行われていません。心室細動は極めて危険な致命的不整脈であり、患者は短時間で死に至ります。その一方で1分1秒でも早い救命措置を施すことによって多くの命を救える可能性もあります。このような状態における初期の救命処置に医師がかかわれる可能性は極めて低く、現場にいる人がとっさの判断でいち早く救命処置ができるかどうかに患者の生死が関わっているといっても過言ではないのです。

意識を失った人を前にして救急車の出動を要請することは多くの人が行うことです。しかしその到着までの時間が極めて重要な時間になります。心室細動を起こしている心臓を正常化させることができるのは電気ショックによる除細動処置だけです。心肺停止後、除細動までの時間が1分遅れるごとに7~10%も救命率が下がるといわれており、何もしなければ救命率が激減してしまいます。一般には除細動にAED(自動体外除細動器)を使用することになります。AEDは駅や空港、ショッピングセンターなど多くの人が利用する場所への設置が進められています。万一の時AEDを取りに行って、そして倒れている人のもとに戻るまでの時間が短いほど救命に有利であることは当然です。自分がよく行く場所のAEDがどこにあるのかを確認しておくことは無駄にはなりません。

ちなみに心肺停止に至る場所で最も多いのは一般家庭です。したがって全世帯にテレビのようにAEDが普及すると、心不全による死亡者数をかなり減らせるのではないかと期待できます。1台20万円ほどもするAEDが一般家庭に急速に普及するとはもちろん考えられませんが、価格が下がり、さらに一般にその有用性に関して意識が高くなれば購入する人も増えることでしょう。

さて、公共の場所でAEDの設置が増えているとはいえ、まだ十分な数があるとは思えません。緊急時にAEDを取りに行く時間も1秒たりとも無駄にはできません。救急車を呼んでから即座に心肺蘇生法(CPR)を施すことが求められます。胸骨圧迫(俗にいう心臓マッサージ)と人工呼吸です。胸骨圧迫は毎分100回のスピードで絶え間なく確実に行います。さらに胸骨圧迫30回ごとに2回の人工呼吸を加えます。一連の救命処置は救急隊員に患者を引き渡すまで休むことなく続けなければいません。周囲に人がいるのであれば、自分が心肺蘇生術を施す間に、救助の要請を出す人、AEDを探しに行く人というように役割分担すると、命を救える限られた時間を有効に活用でき、蘇生できるチャンスが少し増えることが期待できます。可能であれば心肺蘇生は二人で交代してできると良いですね。自分の体重をも利用して胸部圧迫することはかなりの重労働ですから、絶え間なく行うためには交代要員がいることが理想です。

いくら平穏な毎日であっても長い人生です。目の前で人が心肺停止状態に陥る場面に出くわしてしまう可能性がないとは言えません。私自身も人がおぼれた現場に居合わせたことがあります。その時にはライフセーバーが手早く処置していたので安心して見ていられたものの、もし誰もいなかったらと思うとドキリとしてしまいます。家族など身近な人が倒れてしまうこともあるかもしれません。そんな時に適切に処置ができれば消えかけた命を救えるかもしれないのです。日頃からCPRの知識やAEDの使用法を得ておくことはもちろん、できれば講習会に出て、一通りの訓練をしておく意義は極めて大きいはずです。

CPR法やAEDの使い方などを伝授する救命講習会はいろいろなところで実施されているので、できればそのような機会を利用して技術習得しておけば、いざという時の自信につながります。ネットでも動画を交えて解説されているサイトがたくさんあります。たとえ講習会に行く機会がなくても、せめてこのようなサイトをのぞいてみるくらいのことはやっておいて無駄にはなりません。あなたがいたから救われた命があったとしたら、とても素晴らしいことですよね。難しいことではありません。ちょっとしたコツさえつかめば誰もができる人命救助です。一人でも多くの人に関心を持ってほしいものです。

メディポート代表:堀 真

Mediport


賞味期限と食品ロス

2009年5月に賞味期限が切れているレトルト食品を発見してしまった!乾物などを保管しているケース隅に忘れられた存在となっていたもので、賞味期限が切れて9年も経過している。昼間の室温は毎日30度を超えている香港の夏を、賞味期限を過ぎてからさらに9回も繰り返している。当然のことながら廃棄処分にしてしまうところを、興味半分に思いとどまってしまったのです。こんなに古くなった食品が存在すること自体が普通ではありえないことなのかもしれませんが、これを食べてしまったと聞いたら卒倒しそうになる人もいるのではないでしょうか。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

問題の食品は日本製の「麻婆茄子の素」。レトルトを箱から取り出し傷みなどの異状がないことを確認し開封。指先でごく軽く押さえると中から飛び出してきた黒い液体。製造された当時の色はわからないけれど、とにかく小指の先にわずかばかり付けて恐る恐る舐めてみた。旨い!特に問題はなさそう。勝手に問題がないと判断して、早速これで適当に麻婆茄子をつくってみました。最初に味見していたので結果はわかっていたのですが、ごく普通に美味しく頂くことができました。元の味を知らないので、これほどの年月の経過によって味がどのように変化したのかはわかりませんが、これだけ古くなっても味を含めて、私の感覚の中では問題がないことを確認できました。もちろん私の味覚や嗅覚に頼ったものではありますが、特に問題がなかったことは現代の食品製造技術が実に素晴らしいものであることを証明したとも言えましょう。そうはいっても、これほどまでの期限切れ食品を食べてしまっても本当に大丈夫なのでしょうか? ここまで読んで、大きな疑問を覚えてしまう人も少なくはないと思います。

 そもそもレトルト食品とは、気密性、遮光性に優れた容器に密封して、高温高圧の下で殺菌処理した食品のことであり、缶詰同様食品の長期保存のために開発された技術です。若い人にはわからないと思いますが〇〇カレーが商品化された最初で、まだ50年の歴史しかありません。なお、同様の製造技術が採用されている缶詰が製造されたのは今から200年以上も前に遡ります。ナポレオンが長期遠征における食料補給の問題を解決するために長期保存に耐えうる食品保存技術を懸賞金付きで募った結果、1804年に瓶詰が開発され、さらに重量を軽くするために1810年にイギリスで缶詰が開発されたのです。その後も試行錯誤を繰り返しより良いものがつくられるようになりました。

 ところで、調べてみると、製造から100年以上も経過した缶詰を食べても、味や風味に問題はなかったというニュースも英国にあります。日本でも製造から71年が経過した、旧日本海軍に納品された赤飯の缶詰を開けてみたとの記事を見つけました。食べてはいないようですが、保存状態は非常に良好だったようです。缶詰が初めて製造されて200年以上。レトルト食品も実用化から50年が経過しており、今でも超長期保存に十分に耐えうる食品として、私たちの食生活に深く浸透しているだけではなく、災害時の非常食としても重要さは増しています。

 レトルト食品や缶詰の話が長くなってしまいましたが、私たちは賞味期限なるものに振り回されてはいないでしょうか。そもそも製造者の責任で「美味しく」食べることができる期間を定めただけのものです。法的には「表示」の義務があるものの、その期間を決定する厳格な基準が定められているわけではありません。消費者受けするという理由で、賞味期限を短く設定する傾向もあると聞きます。

 賞味期限がたった1日過ぎただけで捨ててしまう消費者も少なくはないようですが、あまりにももったいないしバカげたことです。世界では年間13億トンもの食料が廃棄されていると言われていて、これは食料生産量のなんと3分の1に相当します。その一方でこの地球上には8人に1人が栄養不足にあると試算されているのです。膨大な食品廃棄はもったいないというだけではなく悲しい現実です。

 賞味期限ではなく消費期限というものがあります。こちらは品質劣化が早く、弁当や総菜あるいは乳製品など製造後5日以内での消費を強く勧められている食品に記されるものです。賞味期限が記された食品とは違い、こちらは期限内に消費しなければいけないものです。

 賞味期限や消費期限の意味をしっかりと理解したうえで、食品ロスをできる限り少なくしていくことを常に考えなければいけません。その食品の向こうには生産者がいます。製造している労働者は、決して裕福ではないかもしれません。経済的に豊かだということだけで食品を無駄にしてしまうことは決して好ましいことではありません。

 世界人口が増える中、食料資源を自在に増やせるわけではありません。経済的に恵まれたものだけが好きなだけ食べ、そして大量の食品ロスを生んでも良い時代をなんとか終わらせなければいけません。恵まれた食生活にある私たちが、少しでも考えなければいけないことです。

Mediport


SARSのころ

本格的な夏を迎える頃になると、2003年に世界を震撼させた感染症SARS(重症急性呼吸器症候群)を思い出します。それは、今の会社を興して4年目に入ったころ、顧客数が順調に増えてきたことから「今年はいけるぞ」という、漠然としたものではあったものの明るい希望が膨らんできた頃でした。WHO(世界保健機関)によって香港が感染流行地指定されたことをきっかけに、希望が大きな不安に一転してしまいました。気がかりはその前年の11月から流行りはじめた奇妙な肺炎(非定型肺炎)でした。11月16日、広東省で最初の患者が発生していますが、後にSARSの流行期はこの日からとされました。中国では人々の間に不安が広がり、家の中で酢を焚くと感染予防に効果的だという根拠が無いうわさを信じて大量の酢が買い占められ、一時は香港でも酢が消えてしまったほどでした。

メディポート代表:堀 真

 香港ではホテルの宿泊客がスーパースプレッダーとなって16人の宿泊客に感染を広げています。それまで中国内での出来事のように眺めていた香港市民を震え上がらせたものです。ここでの感染者は自らの感染に気付くことなくカナダやシンガポール、台湾、ベトナムへと向かい、各地で感染の拡大を招くこととなりました。原因不明だったこの病気は、ついにこの年3月15日に重症急性呼吸器症候群・SARSと名付けられ、「世界規模の健康上の脅威」と位置付けられたのです。2月から3月は正体がわからない新しい感染症に人々の恐怖心が大きく膨らんでいった時期にあたります。

 4月2日にWHO(世界保健機関)が感染の拡大を阻止するべく広東省と香港への渡航延期勧告を出したことに従い、翌日には日本政府も同様の勧告を出して渡航の自粛を促しました。香港在住の邦人社会では、まずは家族を帰国させる措置をとるとともに、すべての出張を取りやめる企業が続出。経済活動に甚大な影響を与えることとなりました。弊社でも7月5日にWHOによる流行の終息宣言がなされるまでの間は、健康診断を受ける顧客数は限りなくゼロに近く、とても大きな不安の中で毎日を過ごしていたものです。

 マスク姿にあふれた香港の街は少々不気味でもありました。それまで香港の人々はマスクなどすることはまずなかったのに、巷のマスクは買い占められ、どこかからか調達してきたマスクをワゴンに載せて高値で売る姿をあちこちで見かけたものです。多くの会社ではマスクなしでの入室が禁止され、オフィスビルの入口にはアルコール消毒のスポットが用意されました。人々は正体がわからない感染症にいつか自分も感染してしまうのではないかと恐怖に怯えていたのです。ただ、誰から誰に感染したというとても具体的な感染ルートが判明し、さらには正確な患者数が把握されるなどから、感染力はそれほど強くはないと思い、個人的には事態を楽観的にとらえていたことを覚えています。感染者数の増え方が緩やかであったことも小さな安心材料だったのかもしれません。流行当初のスーパースプレッダーの存在や集合住宅での集団感染といったことが再び起きないことを願うだけでした。

 そんなある日、日本のテレビ局からの電話インタビューを受けました。番組が始まる前から受話器を持たされ、生番組が始まるとその向こうからスタジオの様子が聞こえてきました。数分後に「香港で医療関係の仕事をしている日本人の方と電話がつながっています」と言って司会進行役が私に突然質問を投げてきました。それまでにスタジオから聞こえてきていた「悲惨な香港の状況」に違和感を覚えた私は、誰もがマスクをしていることやレストランは閑古鳥が鳴いていることを話したものの、そんな状況であっても「香港の人々は普通の生活をしている」というようなことを話したのです。とても大変な状況をリポートしてもらえるものだと期待していたのか、スタジオでは明らかに慌てている様子が電話越しに伝わってきたものです。打ち合わせがなかったので仕方がありませんが、当時、日本では香港の「悲惨な状況」「おどろおどろしい様子」を描写するにふさわしい断面だけを切り取って繰り返し報道していましたから、香港で生活している者の実感とのギャップに私自身辟易としていたものです。確かに香港は大変な状況にあったけれども、そこには普通の市民生活があることも理解して欲しかったわけです。

 さて、今後もSARSや鳥インフルエンザといった新興感染症と呼ばれる新しい感染症によっていつ我々の生活を脅かされる事態が起きるのかわかりません。特に鳥インフルエンザは、人から人に感染するタイプに変異して、世界中で大流行する危険性について長い間議論されてきています。スペイン風邪の再来を心配する声がある一方で、現代医学の力で大きな流行被害は起きないという意見もあります。いずれにしてもいざ流行が始まると、根拠不明の怪しい情報や興味半分の報道などに振り回されてしまうことを繰り返してしまうのかもしれません。現在のような平穏なときに、いざという時にどう行動するか考えておいたほうが賢明です。情報のとらえ方やその利用に関しては普段から身近な問題でトレーニングしておいた方が良いかもしれません。

Mediport


人生100年に備える 

平均寿命が毎年少しづつですが確実に伸びています。なかでも日本と香港が世界最長寿を競っていることは多くの人に知られている事実です。高齢化傾向は医療環境や衛生環境などが整った先進国において特に著しいものとなっています。いったいこの先我々の寿命はどこまで伸びるのでしょうか。ちなみに平均寿命とは0歳児の平均余命をあらわした指数です。もちろん平均余命も、いかなる年齢であろうと高齢化に伴い毎年伸びるものです。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

 平均寿命の年毎の延びは、1歳にも遠く及ばないわずかなものに過ぎませんが、厚生労働省の高齢者調査によると、日本人の高齢化がすさまじい勢いで進んでいることがわかります。これは平均寿命の延び方ではなく、100歳以上の超高齢者の数に顕著にあらわれているものです。最初の調査年となったのは1963年。日本における100歳以上の人口はわずか153人にしかすぎませんでした。ところが調査ごとに増え続け、1998年にはついに1万人を突破しています。その後はさらに増加の勢いを増し、最も新しい2017年の調査ではその数はなんと6万7824人となっています。国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によると、現在70歳の人が100歳を迎える30年後には、100歳以上で「生きている人」は50万人を上回る数に膨れ上がるとされています。

 100歳を超える高齢者は「おめでたいこと」として昔は例外なく受け止められていたものです。覚えている方も多いと思いますが名古屋の高齢姉妹「金さん銀さん」が存命のころまでは確かにその通りだったと思います。もちろん今でも長寿を喜ばしいこととして受け止める気持ちは残ってはいますが、100歳を超えたからといってもかつてほどの驚きはありません。さらにはめでたいという気持ちもそれほどではなくなってきたようです。超高齢者がもはや珍しい存在ではなくなったことと、やはり高齢化が大きな社会問題と認識されるに至って、その受け止め方も大きく変わってきたことがその理由ではないでしょうか。

 ところで高齢化といってもどこか他人事のように感じている人も、特に若い人には多いことでしょう。自分自身が100歳を迎えるのは何年後になりますか。30年後、100歳以上の人口が50万人を超える社会を迎えた時、現在40歳の人は70歳になっています。その人が100歳になるのはさらに30年後。いったいどのような社会になっているのでしょうか。おそらく少子化もかなり進んでいると思われるので想像するに恐ろしいことです。60年も先のことに思いを至らせることは難しいのかもしれませんが、自分自身が100歳を迎えている可能性がかなり高いと思っておいたほうが良いでしょう。若い人には理解しがたいことかもしれませんが、現実問題として絶対に受け止めておかなければいけないことです。

 そんなに長生きしたくない。太く短く生き、超高齢者の仲間入りすることなく早くにポックリと逝きたいと望んでいる人もあるようですが、高度に医療技術が進歩した現代では、死にたくてもそんなに簡単には死なせてはくれません。たとえば脳梗塞を起こして生死をさまよったとしても、できる限りの治療を施されて生かされてしまうのです。身体の自由が奪われてしまったとしても、一通りの治療が終われば病院の役割はそこまでです。たとえ寝たきりのような状態であっても、退院させられてしまいます。その後は基本的に自宅や施設で過ごすことになりますが、たとえ病院に残ることができたとしても様々な制約の元たらい回しにされることさえあります。いずれにしても本人の意思とは正反対の、細くとてつもなく長い人生になってしまう可能性があるのです。家族にもきわめて重い負担をかけることになります。だからこそ、どうせ長生きしてしまうのであれば、とことん健康で長生きすることを誰もが目指しておくべきなのです。

 高齢になっても元気でいるためには、若い時からの準備が必要です。自分自身の健康状態を健康診断などで客観的に把握し、何をするべきか考えなければいけません。もし健康状態に問題を抱えているのであれば、できる限り早期に改善するべきです。循環器系疾患のリスクを少しでも低くするために、太っている人は痩せることが最優先事項となります。これは特に男性にあてはまることです。摂取カロリーの制限と運動が必要です。運動は骨を丈夫にして将来の骨折リスクに備えることにもなります。がんを避けることは困難ですが、寝たきりのリスクを低くすることは自分自身の努力で可能です。

 今は若いと思っていても、必ず身体は老化します。そのスピードをいかに緩やかなものにするかは誰にとっても大きな課題です。やらなければいけないことは人それぞれかもしれませんが、無頓着に過ごしていては将来必ずつけが回ってくることになります。目標は、100歳を迎えても自分でトイレに行けること。なんとかこれだけの体力を残すことができれば、自分も家族もハッピーです。さあ、今日からその準備にかかりましょう。

Mediport


健康三計

健康三計なるものをご存じだろうか。一般的な言い方ではありませんが、これは日本のある医師が提唱しているもので、健康を維持管理するために一般家庭に備えておくべき体重計、体温計、そして血圧計の三種類の健康機器ことを指しています。この中で血圧計の所有率はほかのものに比べるとかなり低いのかもしれませんね。 

メディポート代表:堀 真

メディポート代表:堀 真

さて、これらの機器の利用法についてお話ししましょう。そんなことわかりきっていると言われてしまいそうですが、使用法と利用法とでは意味が違います。それぞれの機器をうまく利用して、自身の健康の管理・増進に生かして欲しいものです。

体重計
体重は急に増えても、反対に減っても良くはありません。健康状態に問題がなくても時々体重計に乗って、大きな変化がないか確かめるべきでしょう。肥満傾向がある人の場合は、毎日同じ条件で体重測定し、その記録をグラフに記録しておくと良いそうです。壁に大きなグラフを張っておくことで、自然に体重増加に歯止めがかかり、減量にも有効であるとか。健康診断で、脂質はもちろんのこと、肝機能や尿酸値、さらには高血圧傾向を指摘された人で肥満が原因であるとほぼわかっている場合には、体重を1㎏でも落とすことができれば確実に健康状態を向上させることができます。俗にいう中年太りの場合は、体重の増減が健康状態を確認するためのバロメーターになることを理解しておきたいものです。基本的に血液検査を受けることができるのは年に一度の健康診断の時だけですから、普段の健康状態の良しあしを体重の変化で推測できるのです。もちろん急激な体重減少も良くはありません。日々の体重測定は、肥満予防という目的だけではなく、自身の健康状態を知るためにとても大切なデータです。

体温計
どこの家にもあるのではないでしょうか。女性であれば基礎体温計なども普及していることでしょう。今はインフルエンザ流行シーズン。その種類にもよりますが感染発症すると急激な体温上昇を招きます。インフルエンザに限らずウイルスは外因性発熱物質であり、感染を受けた体内ではサイトカインなどの内因性発熱物質が産生されて発熱します。実際には発熱するときにはもっと複雑なメカニズムがありますが、発熱は一概に悪いものではなく、患者の免疫力を増すものであるという考え方が主流になってきており、やみくもに解熱剤を飲んでしまうのは好ましいことではありません。症状がひどくなければ、体外から冷やして熱を奪うようにすることをお勧めします。ただし、子供の場合など、脱水を起こしやすくなるので、とにかく水分摂取に心がけてください。

血圧計
血圧には問題がないと思っている人でも、血圧は一日の中でも大きく変化していることがあるので、自分自身の血圧がどのように推移しているのかを知っておきたいものです。特に朝起床時に急激に血圧上昇(血圧サージ)していることがありますが、それ以外の時間には正常血圧で問題がなくても循環器系疾患のリスクがかなり高まることがわかっています。血圧計は高血圧を指摘されている人だけが使うものではありません。体調が悪い時などに血圧が上昇していることもあるので、自分自身の血圧がどのように変化するのかも知っておいて損はありません。もちろん高血圧治療を受けている人にとっては、降圧剤の効果を知るためにも服用後の血圧変化を記録して主治医に報告することをお勧めします。 

人生百年といわれるこれからの時代は、寝たきりにならないためにも健康の維持増進を個人が積極的に行っていくことが望まれます。食事や運動に気を遣うことはもちろんのこと、このような一般家庭向けの健康医療機器をぜひ活用して欲しいものです。

Mediport

 


酒は飲むべし、飲まるるべからず

クリスマス、新正月、そして今年は少し遅くなりますが春節と続く今の季節、外食続きですでに胃の具合を悪くしている人もいるのではないでしょうか。もちろん体重が増加することが心配な人も多いのでしょうが、お酒好きの方にとってはこの季節の飲酒量を今一度振り返ってみることも必要なのではないでしょうか。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

ところで、私は仕事にからんでお客様に飲酒量を確認する機会が多いのですが、最近日本人の飲酒量が減っているのではないかと思うことが度々あります。特に若い人に聞くと、全く飲まないと言い切る人も少なくはありません。最近は飲む人が少なくなってきたのかと漠然と思っていましたが、手元にある日本酒造組合中央会の報道関係向けの発表資料「日本人の飲酒動向調査」に目を通すと、どうもそれは私の誤解のような数字が並んでいるのです。これは1988年以来およそ30年ぶりの調査報告であり非常に興味深いものです。この資料によると確かに男性の飲酒率は低下しているものの日本人の特段の飲酒離れは認められず、女性の飲酒率が20%も増えていることが特徴的となっています。また、ライフスタイルが大きく変わってきたことから、飲酒機会が増えたり好まれるお酒の種類が変わってきていることもそのデータにはっきりと示されています。

ところでお酒はいつ頃生まれたものでしょうか。人類が飲酒を始めたのは、なんと紀元前7000年にまでさかのぼるそうです。その頃中国では米などの穀物を原料として酒を生産しており、その歴史は稲作など農耕文化の発祥と重なるものでもあります。古代エジプトではピラミッド建設の労働者に対してビールが支給されていたというから驚きです。酒はその精神的作用から人類が初めて手にした向精神薬ともいえるものであり、そのためか神事や祭事に広く使われることとなりました。日本ではお神酒がその代表ともいわれるものですが、次第に人々の間で広く飲まれるものとなり、特別な目的に限られることなくその文化が一般人の生活の一部に定着しました。

さて、我々にとって今では飲酒はある意味生活と一体となって一般的なものとなりましたが、動物の世界ではアルコールとは無縁のままです。ヒトがアルコールなるものに最初に出会ったのが自然現象の産物からであることを考えると、動物でもそのようなアルコールを舐めていたとしても不思議ではありません。しかしヒトが高度に進化するとともにアルコール発酵を利用できるようになったのに対して、動物にとってはそれを利用することはおろか、本能的にただの毒物として避ける対象のままであるのかもしれません。たとえ何らかの偶然で酒の味を覚えたとしても、自然環境中での発酵現象でできたアルコールを舐める程度のことしかできなかったはずです。

ヒトは高度に進化してきた過程で、本能的に毒物を避ける能力をどこかに置き去りにしてきたのかもしれませんが、その代わりアルコールなどの毒物であってもうまく付き合う術を身につけたといえるでしょう。そんなお酒の飲み方も人それぞれ。「酒は飲むべし、飲まるるべからず」と昔から言われてきましたが、飲むからにはアルコールのプラスの効果を最大限に出せる楽しいお酒にしたいものです。アルコールには理性をつかさどる大脳新皮質の働きを抑え、代わって旧皮質の働きを活発にする作用があることから、緊張が解かれリラックスした気分になります。周囲との会話も弾み楽しい時間を作ることができるのは飲酒の最大のメリットといえましょう。適度な飲酒であれば「効果」が大きく表れるものですが、その量を上回ってしまうと様々な弊害が表れてしまうものです。酒の上での失敗談は、お酒好きであればだれもが一つや二つあるのではないでしょうか。昨日、どうやって帰宅したんだろうと思って飲みすぎを反省するくらいならまだかわいいものですが、様々なトラブルを起こしてしまうこともあります。実際に飲酒が絡んだ事件は決して少なくはありません。

アルコールが発がん物質であることは今や明白であるなど、健康面においてもお酒は残念ながらマイナス面を持ち合わせています。幸いなことに人体は優れた解毒機能も持ち合わせているので、多少毒物が入ってきたところで無毒化することができます。もちろん蓄積される毒物もあるので一概には言えませんが、少なくともアルコールに関しては「程度問題」ではないかと思います。当然のことながら飲みすぎには注意しなければいけません。適切な飲酒量について様々な議論がありますが、自分がここまでは飲めると思っている量の半分程度を限界であると心がけておくとちょうど良いのではないかと個人的には感じています。

春節を前にして飲酒量が多くなりがちな季節です。ぜひ楽しく美味しいお酒を飲んで欲しいものです。

Mediport


なぜ痩せたいの?その減量、本当に必要ですか?

クリスマスから新年にかけての時期、多くの人にとって太りやすい条件がそろっているのかもしれません。今の季節に太りやすいのは、忘年会や新年会、あるいはクリスマス会など何かと飲食の機会が多いことが原因。具体的に調べたわけではありませんが、いろいろな方の話を聞いていると他の季節より摂取カロリーが増えることは間違いなさそうです。加えて寒い季節は衣類を着こんでしまうため肌の露出がないばかりか体形の変化が表面に現れにくいということもあり、安心してついつい食べ過ぎてしまうことも太る原因になるのかもしれません。寒い時期に太った分を春から夏にかけてのダイエットでなんとか引き締めようと頑張る女性は少なくはないようです。話が飛びますがサンタクロースがサーフィンでやってくるといわれる南半球ではどうなのでしょうか。真夏のクリスマスです。肌の露出が最も多くなる季節ですが、やはりクリスマスシーズンは食べる量が増えるので体重増加を招きやすいことは同じでしょうが、太ることに関しては日本人ほど気にはしていないのかもしれませんね。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

さて、飽食の時代に生きる私たちは、多くの人々が肥満に関する悩みを抱えています。この地球上には、日々の食事にありつけない飢えた人々が今でも少なくはないというのに、なんとも贅沢なことです。食料供給のバランスを国際機関で一括管理して、全世界に向けて均一の供給体制を構築することができれば、肥満と飢餓という相反する問題を一気に解決できるのかもしれませんが、これはまったく現実的ではない夢物語ですね。

余談はさておき、必死に減量しようとしている人々の中で、本当に体重を落とすことが求められる人はいったいどのくらいいるのでしょうか? あなたの減量の目的は何ですか?男性の場合は健康のために減量しなければいけないと自覚して頑張っている人が多くいると思いますし、実際に痩せることで本来の健康を取り戻した人が少なくはありません。女性の場合はどうでしょうか?実は女性の肥満は医学的には問題がないことが多く、痩せることで健康を取り戻さなければいけないケースは多くありません。そればかりか標準体重にあるにもかかわらず多くの女性は痩せたいという願望を強く抱いているようです。やはり体形を気にして減量したいと考える人が多いのでしょうね。

女性に多い肥満は皮下脂肪型です。男性に多い内臓脂肪型肥満に比べて、健康に対する影響は軽微である反面、残念ですが痩せにくいという特徴があります。もうお分かりですね。女性の多くは、医学的には痩せなくても良いにもかかわらず痩せようと一生懸命になっている傾向が強いのです。でも痩せにくい。それでも必死になって食事制限などしているうちに貧血を起こしてしまっているケースもあります。痩せたい気持ちは理解できますが、健康を害してまで減量する意味は何もありません。
 最近は糖質を徹底的に避ける人が性別に関係なくとても増えています。ごはんなどまるで毒物かのように思い込んでいるような人も珍しくはありません。アメリカ人は寿司を健康食とみなして近年盛んに食べるようになりました。日頃高カロリー食に浸かっているので、寿司がとてもヘルシーに見えるのでしょう。ところが日本ではシャリを外して食べるという驚くべき客の姿を寿司屋で見かけるようです。いくら糖質制限しているとはいえそこまでやられてしまうと私でも悲しい気分になってしまいますが、その寿司を握った寿司職人の気持ちを思うととてもやり切れません。そもそも極端な糖質制限までして痩せる理由がどこにあるのでしょうか。健康状態に明らかな問題を抱え減量することで本来の健康を取り戻せるのであれば、少々極端な減量法も必要なのかもしれませんが、結局リバウンドを繰り返して徐々に痩せにくい体質になってしまう危険性も生じます。

理由はともかくとして減量するときには、なぜ減量するのかその理由を整理確認し、さらに目標まで減量した後どのようにしてそれを維持するのかということをしっかりと計画して、それらを自分の気持ちの中に落とし込んでおかないと失敗することが多いと思います。厳しい減量を課するのであれば余程の覚悟をもって実行しなければいけません。自分自身にとって減量が必要であるのか否か、しっかりと考え理解したうえで減量を実行に移してください。

メディポート


糖尿病 怖い合併症

現代病と呼ばれる慢性疾患のなかでもがんと並んでその筆頭に挙げられるものが糖尿病です。世界の総患者数は、なんと4億人を超えていると推計されています。日本人に限ってもその疑いがある人は1000万人に達しており、自分自身が糖尿病であることを知らずに生活している人も少なくはありません。また、1億人超の患者を抱える中国は、世界一の患者増加率を記録しています。最近では合併症の問題が大きくなりつつあり、その経済成長にも影響しかねない事態となっているようです。

メディポート代表:堀 真
メディポート代表:堀 真

糖尿病は大きく2種類に分けられます。膵臓のβ細胞が壊れてインシュリンが分泌されなくなって血糖値の上昇を招くのが1型糖尿病。患者の多くは幼少期に発症し、インシュリンを自己注射することによって人工的に血糖値を調整しなければ生きていけません。これに対して、おもに過食による肥満が引き金となって発症してしまうのが2型糖尿病です。多くの糖尿病患者は2型であり、これは生活習慣病の延長にあるものです。糖尿病は特別な症状もなく進行し、気が付いた時には取り返しがつかないほど悪化して合併症を発症してしまうこともある「深刻な病気」であることは、一般にはあまり認識されていないようです。

厚生労働省の統計資料「2016年人口動態統計」では、人口10万人当たりの糖尿病による死亡率は10.8人となっています。都道府県別で最も死亡率が高い青森県であっても17.0人に過ぎませんから、糖尿病を直接的な原因とする死亡は決して多いわけではありません。ところが高血糖状態は血管にダメージを与えて循環器系疾患のリスクを高めることになります。その結果として心臓や脳血管系の病気での死亡者数を引き上げる大きな要因になるわけです。

さて、怖い合併症の話をしましょう。糖尿病性神経障害(末端壊死―四肢の切断など)、糖尿病性網膜症(高齢者の失明)、そして糖尿病腎症(腎臓透析)は三大合併症といわれているものです。どの合併症が発症しても生活の質を著しく低下させるため、患者の苦痛は計り知れないものになります。このところ透析患者が増え続けている背景には糖尿病患者が増加している現実があります。臨床工学技士として透析業務に長年携わっている私の友人の話ですが、新規で透析を受けに来る患者の多くは糖尿病患者で、しかもその患者のなかにはすでに末端壊死で片足を失っている人もあるそうです。糖尿病患者は痛みを感じにくくなるため、けがをしても気付くことなく組織を壊死させてしまうことがあるのです。さらに成人後の失明はとても深刻です。高齢になって突然視力を失うと白杖をついて歩くこともままならず、自宅に引きこもった状態になってしまうことも稀ではありません。最近はこれらに加えて脳梗塞が4番目の合併症として注目されるようになってきました。多くの合併症は血管の損傷を引き金として発症します。脳の血管が詰まってしまう脳梗塞に関しても同じことが言えますが、これはさらに認知症(脳血管性認知症)とも大いに関連しています。もちろん糖尿病だけがその原因ではありませんが、高血糖状態は認知症のリスクを高めることが疫学的にも証明されていることです。実はアルツハイマー型認知症とも関連しているとの報告もあり、患者にとっては気になることではないでしょうか。

ずいぶん昔の弊社のお客様の例ですが、糖尿病に加えて高血圧症、肝機能障害、脂質異常症を認めるなど、その方の健康状態は極めて悪いものでした。ところがこの方が一念発起して減量したところ、すべての検査項目でまったく問題がないレベルにまで改善したのです。ご本人も大喜びでしたが、それも束の間、油断したところで一気に体重がリバウンドして血糖値も急上昇してしまいました。会社では海外部門で将来が約束されたような優秀な方でしたが、帰国後に週3回の透析を余儀なくされる生活が始まり、仕事ができる時間も5時間程度に制限されてしまったとのことです。もちろん再び海外で仕事できるチャンスも失ってしまいました。

糖尿病の原因は様々ですが、少なくとも肥満が引き金となって発症したものであれば減量で改善することが大いに期待できます。改善できた事例はいくらでもありますが、一方で諦めてしまうケースも少なくはないようです。もともと糖尿病は痛みなどの苦痛を伴うことなく静かに悪化していく病気であるため、サイレントキラーとも呼ばれているものです。苦痛を取り除きたいという動機が生まれることはなく、食欲という最大なる欲望が優先されてしまうため、よほど強い意識を持たなければこの病気の克服は難しいことは確かです。減量で改善できる可能性がある多くの患者は、とにかく痩せるべきです。減量は最も効果的な治療といえましょう。ただし重症化してしまった患者の場合は、やみくもな減量は危険な場合もあるので、必ず医師の指導の下で改善を図ってください。

糖尿病はコントロールできる病気です。医師や専門家の助けを借りつつ、自分の努力で血糖値を適正なレベルにおくことさえできれば、合併症を恐れることはありません。もちろんその予防が最も大切であることは言うに及びませんが、飽食の時代、誰にでもそのリスクがあるものと理解しておきたいものです。

メディポートINFO


ダイエットが難しい?食欲の秋!

長かった夏が去った今、日差しがやっと柔らかくなり、爽やかな夜風に響く虫の音にも力強さを感じるようになりました。やっと秋を実感できるようになりましたが、秋は「食欲とダイエット」という相反する難しい課題に挑まなければいけない季節です。肌の露出が多くなる夏に向けてはダイエットに励む女性もいるようですが、夏が過ぎてしまうと安心してなのか再び太ってしまう。そんな悩みを抱える女性も少なくはないようです。女性に限らず男性であっても秋には食欲が増して太りやすくなると多くの人が信じているようですが、これはただの思い込みではなく生物学的にも医学的にもその理由が裏付けられるものなのです。厳しい冬に備えるために、動物は餌が豊富な秋にエネルギーを蓄えるという本来の習性があります。その究極ともいえる動物がクマなのかもしれません。一切の餌を口にすることができない長い冬眠生活に備えて、できる限りエネルギーを蓄える必要があります。あれだけの巨体で雪に覆われた山野を歩き廻ってエサを探しまわったところで、体力を奪われるばかりで生きていくことは相当困難なはずです。冬眠は、餌に乏しい季節に、生命を維持するために必要な有効な手段であり、利に適ったものといえましょう。

メディポート代表:堀 真
メディポート代表:堀 真

さて、ヒトの場合はどうでしょうか。実はヒトも哺乳動物の一角を占める生き物であることに違いはありませんから、当然ながら似たようなところがあります。秋は主食としての米や芋、そして果物など、年間を通して最も豊かな食物に恵まれる季節です。ヒトもこの時季にたくさん食べて冬に備えるわけですが、一方で収穫された作物を様々な方法で保存して冬に備えます。リスなどが木の実を集めて冬に備えるという行動をしますが、ヒトは昔から食物を干したり、塩漬けにするなど加工する知恵を持ち合わせていました。冬を迎えるにあたっての大切な季節に、米はもちろんのこと農作物の不作が起きてしまうと、冬の生活を極端に脅かすことになります。五穀豊穣に感謝して日本全国で執り行われている秋祭りがいかに大切な行事であるかが理解できますが、宮中祭祀のひとつである新嘗祭はその頂点にあるものといえましょう。

ところで実りの秋にエネルギーをできる限り体の中に貯めておこうとする行動は、現代では無用なものになりましたが、ヒトが食生活をまだ採集に頼っていた太古の時代には普通に行われていたのではないでしょうか。もちろんヒトが冬眠するわけはありませんが、栄養状態を最良のものとして免疫力なども高めた状態で冬を迎えようとする本能が働いていたものと考えられます。その遺伝子はその子孫である現代人にも確実に引き継がれているはずです。

秋の日に、西に傾いた太陽はつるべ落としのごとく早く落ちるものです。実は日照時間が短くなると食欲を抑制することに働くホルモン、セロトニンの分泌が減少することが知られています。秋になると食欲が増すという一因はここにあります。そこで現代の食生活を考えてみなければいけません。

採集に頼ることがなくなった現代の食生活は、例外を除けば食糧生産体制が整い季節に関係なくいつでも十分に供給される体制にあります。そのうえ我々の味覚を満足させる食品が巷にあふれる状態になっているのが現状です。生理的に食欲が増進する季節になると、ついつい食べ過ぎてしまうことにもうなづけます。今の時代は秋だから太りやすいというわけではありません。現代人は季節に関係なく、注意しておかないと常に太りやすい環境にあるということを理解しておかなければいけません。冬の生活も快適な環境である現代では、厳しい寒さの中、体温を保持するために多くのエネルギーを消費してしまうということもないのです。しかも寒い季節には運動量も少なくなりがちです。過食傾向である上に運動量が少ない現代人は、冬でも歩き回って乏しい食糧をかき集めていた太古の人々とは全く逆の環境にあります。摂取カロリーが多いにもかかわらず運動量が絶対的に少ないのが現代人の特徴です。

さて、とても快適な季節が巡ってきました。スポーツの秋です。適度な運動は年間を通して行うことが良いに違いありませんが、今の季節に始めるのが最も長続きしそうです。やみくもに運動しても意味がありません。とにかく歩きましょう。いつもは乗物に乗ってしまうところでも、爽やかな風を受けて歩くのは気持ちが良いものです。先日はこのPPWでもハイキングとキャンプについて良くまとめられた特集を組んでいました。大自然と大都会が隣り合わせの香港は、歩く環境がとても良く整備されています。街歩きでは、背筋を伸ばして、少し大股で、ちょっとだけ早歩きが基本です。さあ、今日から歩いてみませんか?

メディポートINFO


走ることより歩くこと!

朝晩、少し涼しさを感じる季節になりました。うだるような暑さから解放され、カラっと晴れた青空の下、そろそろ運動でも始めようかと思っている人も多いのではないでしょうか。

ところで昨今のマラソンブームの盛り上がりには本当に驚いてしまいます。毎年マラソン人口は増え続け、街を走っている人の姿もいつの間にか日常の風景になっています。世界中のマラソン大会はその数も、そして大会規模もこのところ拡大を続け、多くの国や都市で開催される主要なスポーツイベントに加えられるようになりました。マラソン人口が増えれば、その人々が支えるイベントも大きくなることは当然のことです。そんな中、走ることを本当に楽しんでいる人もあれば、健康のため、ダイエットのためと理由をつけて自身に鞭打つかのように必死になっている人も少なくはないようです。「走ること」をどのように自分の生活に組み込むのかは人それぞれでしょうが、どうせ走るのであれば楽しく走りたいものです。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

さて、走ることが健康にとってプラスになると信じて頑張っている人達に水を差すつもりはありませんが、私は、走ることが必ずしも健康のために役立つ運動ではないと思っています。健康のためであれば、会話できるくらいのゆっくりとしたペースで走って無理のない距離にとどめるべきであり、決して苦痛を重ねて我慢して走るべきではありません。もちろん少しでも長い距離を、より短い時間で走ることが楽しくて仕方がない人たちもいますから、そのような人に「やめなさい」とは言いません。走ることの身体への影響は個人差が大きいものであり、どの程度であれば好ましい運動量であるかという線引きも困難だからです。人間は快楽を求める動物であり、その快楽が健康とかけ離れたものであってもやめることができないことも確かです。

野生動物の世界を見てみましょう。全力で走るということはすべての動物に共通した危険回避の行動であり、また肉食動物にとっては捕食行動でもあります。いつも軽快に走り回っているというイメージがある馬でさえめったに走ることはなくゆったりと草を食んでいるのが日常です。彼らにとって走るという行為は、ある意味「生存を脅かしてしまう行為」として無意識のうちに回避しているのかもしれません。野生動物は生きるために一日中餌を探し回る必要があり、「身体機能を維持するための運動量」はこれで満たされているのです。「強いて身体を動かす」という運動を行う意味はありません。彼らの世界に、仮に「言葉」があっても、そこには「運動」という単語は存在しないことでしょう。

一方、ヒトの場合はどうでしょうか。著しく進化した人類はより便利な社会を作り上げ、食料事情も良すぎるほどにまで改善されてきています。その結果、現代では摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうことから、先進国はもちろんのこと途上国でさえも「肥満」が大きな社会問題となっています。そこで減量のために運動をしようと考えるわけですが、少しくらい走ったところで、痩せるほどのエネルギー消費には遠く及びません。痩せるためにはまず摂取カロリーの制限をするべきであり、そのうえで「歩く」ことが健康上とても好ましいことになります。

歩くことは動物にとっての基本動作です。歩くことができなくなることは、野生の世界では死を意味することでもあります。ヒトはたとえ歩けなくなったとしても、不自由ではありますがなんとか生きていくことは可能です。我々は生存のために積極的に歩く必要はありませんが、現代人にとって歩くことのメリットは決して小さなものではありません。「生活上の運動量」が少なくなってしまった現代人は、意識的に歩かないと足腰が確実に衰えます。若い時は問題にはなりませんが、将来歩けなくなって寝たきりになるリスクが大きくなることは避けられません。歩いて足腰に負荷をかけることで、骨粗鬆症の予防にもなります。いくらカルシウムを摂取したところで、骨に刺激を加えないことには骨は丈夫になりません。100歳人口が急増している現代社会で、最期まで元気に過ごすことを目指すのが健康維持の最大の目標であり、その基本が毎日歩くことにほかなりません。「二本の足」で歩くことができる動物はヒトしかいません。ほとんどの動物にとって二足歩行は“超”特殊技能であり、その意味からも歩かないことはとてももったいないことであると考えるべきでしょう。

間もなく10月に入ります。日差しはまだ少し強いものの、吹く風、空の雲はすっかり秋を迎えています。これからの季節、日ごろの運動不足を補うために身体を動かし始めるのにはとても良いタイミングです。とにかく歩きましょう!日常の行動と思えば靴も服も変える必要はありません。通勤時を利用するのであればビジネスシューズでもかまわないのです。今すぐ始められる最も手軽な運動が「歩くこと」。できれば少し早歩きしてみるのも良いですね。背筋を伸ばし、少し大股に、そしてできれば腕振りも加えると、立派な「ウォーキング」になります。さあ、今からです。

メディポート


メディポート代表:堀 真静かなる殺人者サイレントキラー

昔のサスペンスドラマを連想させるようなタイトルですが、これはサイレントキラーと呼ばれる人体内に静かに潜む危険因子のこと。一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、普段意識できるものではありません。もしかするとこの「殺人者」が今、あなたの背後に迫ってきているのかもしれません。サイレントキ ラーが動物や人などであれば走って逃げれば何とかなるのかもしれませんが、これはどんなに逃げようとも、たとえどこかに隠れたとしても、振り切ることは不可能です。あなたの内なる殺人者であるサイレント キラーは、まるで自分の影から離れることができない かの如く付きまといます。いかにも健康そうに見えている人であっても、あるいは病院には縁がないといって自慢している人であっても、身体の奥深くで静かに 進行している変化に気付かないことはいくらでもあります。何の前触れもなく、ある日突然異変は起きま す。苦しみの中、薄れていく意識の中で、本人は何が 起きたのかを知る由もなく死を迎えてしまうこともあります。そんな危険性につながる要因をサイレントキ ラーと呼ぶのです。高血圧症、中性脂肪やコレステロールが高い脂質異常症、高血糖(糖尿病)がその代表です。単独でもその危険性は大きなものですが、これらの因子が複合してより大きな危険因子として内在していることもあり得ます。最大の原因はズバリ肥 満。例えば太ることで血圧が高くなり、脂質異常がおき、さらに糖尿病発症の引き金を引いてしまうということになります。もちろんこれらが同時に起きるという極めて危険な状態に陥ってしまうことも決して珍しことではありません。これらの要因が重複したからといって危険性が単純に2倍になるというわけではなく、三つ重なったからといって3倍になるわけでもな いのです。それぞれの因子の危険度、つまり死亡リスクの大きさが仮に同じであったとしても、1+1=3、1 +1+1=10という計算式が成り立ってしまうほどその 危険性は著しく大きくなります。メタボリック症候群 の概念のもととなった「死の三重奏」と呼ばれていた ものはまさにこのことです。

太ることがサイレントキラーを招く大きな原因では ありますが、もちろん肥満が必ずしもこのようなリスクの原因となるわけではなりません。メタボリック症候群の絶対要件となる内臓脂肪型肥満である人がこれらの因子を持っている場合は特に注意が必要となります。太らないようにすること、あるいはすでに太っている人にとっては直ちに減量することが、良好な健康状態を維持するために思いのほか大切な心掛けとなります。両親あるいは祖父母くらいまでの健康状態を調べると、自分自身のリスクをある程度把握することができます。特に糖尿病の患者が直系の家族にいる場合は、その発症理由にもよりますが、とにかく太ることは避けなければいけないと思って間違いはありません。

サイレントキラーはそのどれもが生活習慣に起因しているものであって、飲食や運動などの長年の習慣がその出現に関与することになります。やはり体重の増加に比例してほぼ例外なく悪化するものであり、それらすべてに共通するのは血管に対する影響です。動脈硬化の原因になることはもちろん、弾力を失った血管をもろくしてしまう作用や、そこに脂質が溜まってアテローム性の変化をきたすこともあります。さらにその血管に常に加わる血圧という物理的作用が致命的な一撃となることさえあるのです。

そのような意味で糖尿病は最も怖いサイレントキラーといえます。糖尿病は突然人命を奪うような病気ではありませんが、本人が意識しないうちに病状は静 かに、確実に悪化します。そして、ある日偶然に合併症に気付くことになります。足先が壊死してその足を切断することを余儀なくされたり、視力が落ちたと思ったら視神経障害で失明しかけていたりとか、あるいは腎臓の働きが極端に悪くなって透析を受けることになったりもします。これらは3大合併症と呼ばれるものですが、最近はこれに脳梗塞が加わり、4大合併症と呼ばれるようになってきました。痛くも痒くもない糖尿病ですが、合併症に気付いたころにはもう手遅れです。どの合併症も深刻な健康問題ですし、合併症が重複して起きてしまうという悲劇も現実の問題として起きています。

このようにとても怖い糖尿病を予防することはもちろん、様々な生活習慣病を避け、健康な身体をいつまでも維持するためにも、ぜひとも体重のコントロールを行って欲しいものです。どの程度の体重が好ましいのかは個人差が大きいので専門家の意見を聞くことも必要ですが、とにかく現在の体重を増やさないことが最低限必要な対策となります。

すでに何らかの問題を指摘されているのであれば今すぐにでも改善に向けたプログラムを実行してください。体重の管理と適切な運動習慣。将来寝たきりにならないためにもこれらは大切なポイントになります。

Mediport

 


医療機関・医師の選び方

海外に長期滞在するにあたって、医療のことは誰にとっても大きな心配事のひとつです。言葉が通じない異国で体調を崩してしまったらどうしよう、現在治療中の病気を海外でも引き続きみてほしいが、どこの病院に行けば良いのかわからないなど、海外赴任に伴って多くの人が漠然とした不安を抱くのではないでしょうか。小さな子供を連れての海外赴任ではなおさらのことです。自分の期待に適う医療機関や医師をどのように探せばよいのかという質問をしばしば受けるので、簡単にまとめておきたいと思います。

メディポート代表:堀 真

メディポート代表:堀 眞

まずはすでに在住している日本人の評判を聞いてみましょう。何人かに聞いてみて、比較的高い評価を得ている病院やクリニックをリストアップすることがその第一歩です。その上で利便性などを考えて医療機関を選び、受診してください。もちろんこれで良いというわけではありません。受益者としての患者は、初めて会った医師に対してこれからも頼れるのかどうかを判断しなければいけません。その基準は自分にあった良い医師を探す上でとても重要なものですから、そのことを念頭に診察を受けることが大切です。これは海外生活をする人だけに限るものではなく、若干異なる部分はありますが基本的には日本で良医を探す場合にも役立つことです。

それではその基準を紹介しましょう。

(第1印象)
初対面の医師。実際に会ったときの第一印象はとても大切です。良医を前にすると、たとえ不安でいっぱいの患者であったとしても、ホッとすることが少なくはありません。反対に嫌な医師に当たってしまったなと思ったら、たとえ親しい人に紹介された医師であったとしても自分の医師リストからそっと外しましょう。最初の印象はその医師との信頼関係を築けるかどうかを判断できるくらい大きな部分を占めます。

(診察態度)
もちろん診察全般を通しての印象も大切です。患者の顔、目を見ないで診察・問診する医師は信頼できません。医師と患者は対等です。上から目線で決めつけたような診察をする医師は避けたいもの。一般的に医師はある程度診断名を想定しながら患者に問診するものですが、YesかNoでしか答えられない質問しかしない医師も好ましくはありません。もちろん診察中の患者の質問にも具体的にかつわかりやすく答えてくれる医師が望まれます。

(患者への説明)
通り一遍の診察で断定的な診断を下してその説明をしない、あるいは説明を求めても面倒臭そうな態度を示す医師は次回から避けたいものです。たとえ難しいことでも患者にわかりやすく解説してくれる医師の能力は高いといえます。どのような専門家でも難しいことをそのまま説明することは簡単なこと。しかし、門外漢の素人にもわかりやすく説明するには、それなりの高い能力が必要になるものです。

(セカンドオピニオン)
大きな病気の診断を受けた時は、セカンドオピニオンが欲しいものです。セカンドオピニオンの話を切り出した途端に態度が変わる医師は、自分の診断に自信がない証拠です。セカンドオピニオンを求めることは患者の権利です。信頼できる医師は、すぐに診療の記録を出してくれて気持ちよくセカンドオピニオンに送り出してくれるものです。

(医師の紹介)
具合が悪い時、先ず受診する医師は一般医-ジェネラルドクターです。専門医の診断が必要であるのかどうかを的確に判断し、必要であればすぐに紹介状を出してくれる医師は良医です。自分で確たる治療法が見つからないにもかかわらず、根拠なくいろいろと検査をしてみたり、薬を試してみたりして患者を離そうとしない医師は良くありません。

 (薬の説明)  
最近、解熱剤と抗生物質の処方が多すぎるのではないかとの議論があります。風邪と診断して何の説明もなく抗生物質を処方したり、熱があるからといって闇雲に解熱剤を処方する医師は、あまり感心しません。日本人は患者からこのような薬を求めることが多いようですが、これらの薬に限らず、医師またはスタッフがきちんと説明してくれる医療機関は信用できるところです。

最後に歯科医師の選び方です。歯の治療は患者の免疫力が及ばず、100%歯科医師に治療を委ねることになります。もちろん削ったり抜いたりした歯は決して元には戻りません。また口腔内の状態は百人百様、誰ひとりとして同じものはないので、たとえ誰かが絶賛している歯科医師であったとしても、自分に合うという保証は全くありません。最初は評判が頼りでも、実際に歯科医師に会ってみて、その時のフィーリングで判断しても良いと思います。もちろん治療方針、治療費、リスクなど治療に先立って丁寧に説明してくれる歯科医師を選びたいものです。治療に入る前の段階で納得できなければ、治療を断る勇気を持つべきです。保険治療の対象とはならないこともあって、歯科治療で最も多い不満は治療費に関すること。次に治療内容に対するもの。最初の説明にすべて納得したうえで治療を受けてください。

医師や歯科医師あるいは医療機関を選ぶ場合に、自分の希望を完全に満たしてくれるということはほとんど期待できません。ある程度の妥協が必要ですが、自分から医師・歯科医師に近づいていくことも必要であり、その方が患者メリットは大きいと思われます。繰り返しますが医療者と患者は対等です。若干の違和感があったとしても、診療や治療に対する自分自身の希望はもちろんのこと、自身の情報も医師等にできる限りオープンにすることも大切な診察作法といえますし、医師らとの信頼関係を構築することに役立ちます。海外で病気治療することがないのが理想ではありますが、何が起こるかわかりません。病気には縁がないと自信を持っている方でも、普段から万一のことを考えておきたいものです。

Mediport


甘くみるな!熱中症

暑くなりましたね。香港や華南地方は少々遅れた感はあ りますが、6月に入って本格的な夏を迎えました。これからの 季節は特に熱中症に注意が必要です。日本でも毎年梅雨の ころから話題にのぼることが多くなりますが、特に梅雨明け 直後はその危険性が高くなると言われています。久々の晴天 に誘われて多くの行楽客が海や山に繰り出しますが、身体が 暑さに慣れていないこともあって熱中症患者が急増します。 病院に搬送されるほどの重症者は一部ですが、体調を崩して しまう人は身近にいつあらわれても不思議ではありません。 患者は自分自身、熱中症だとは自覚していないことが多いの で、軽い症状であっても熱中症を疑い早い段階で対処するこ とが大きな事故を防ぐ上にもとても大切です。

メディポート代表:堀 真

メディポート代表:堀 眞

ところで熱中症とはどのような病気なのでしょうか。ギラギ ラと照りつける真夏の太陽の下で起きるものだとばかり思っ ていると大間違いです。炎天下での屋外活動はもちろんです が、実は家にいて熱中症になってしまう例が非常に多いそう です。また統計によると、気温が25度を超えると発症率が高 くなる傾向が強いそうです。25度の気温は実際にはそれほど 暑いとは感じませんが、問題になるのは湿度です。湿度が高 くなればなるほど熱中症の危険性が高くなります。一般に高 温下で起きる熱中症ですが、同じ病態とはいうものの、その 症状は少しずつ異なります。熱失神、熱痙攣、熱疲労、そして 熱射病に分類される熱中症について、症状の違いや重症度 を少しでも知っておくと、いざという時に必ず役に立ちます。

〈熱失神〉
炎天下での作業や高温の屋内で起きるもので、大量の発 汗を伴って意識が混濁します。汗をかいて少し気分が悪く なってきたときは要注意です。早めに休憩してスポーツド リンクなどを飲んで、できる限り身体を冷やしてください。 屋外では風がない時も少なくはありません 。私の経験か ら、ハイキングなどでは扇子を持っていると重宝します。

〈熱けいれん〉
俗に「水中毒」とも言います。大量に発汗した際に水だけ を大量に飲んでいると電解質異常を起こし、筋肉が痛みを 伴ってけいれん、硬直します。発汗すると電解質(塩分)も 失われます。大量に発汗するときは、必ず塩分も積極的に 補給しなければいけないものと心得てください。

〈熱疲労〉
大量の発汗にもかかわらず水分や塩分の摂取が間に合わ ず、脱水を起こしてしまった状態です。皮膚表面は意外に も冷たいことが多いようです。日頃、血液が濃いと言われ ている人や循環器系にリスクを抱える人にとって心筋梗塞 や脳梗塞をより起こしやすい状態になります。熱失神や熱 疲労よりも重症度は重く注意が必要です。

〈熱射病〉
体温を調節する中枢まで障害された状態で、体温は4 0 度 以上にも達します。体表面は熱いものの発汗が伴いません。 意識が混濁し、急速に容体悪化 するため緊急事態ととらえなけ ればいけません。躊躇せず一刻 も早く救急搬送を依頼すること が必要です。

熱中症は6 5 歳以上、あるいは 5 歳以下の幼児にとっては特に 注意が必要です。これからの季 節は、その危険性を常に意識し て予防に努めて欲しいものです。 十分な水分と適切な塩分摂取が予防のための重要な ポイントになります。決して無理をしないこと。また特に 屋外活動前日の深酒や睡眠不足は慎みたいものです。

未命名

 


香港人が長寿である本当の理由

香港人の平均寿命は世界一。その年によって、あるいは統計 の算出方法によって違いはあるものの、日本と並んで平均寿命 がとても長いことは今では多くの人に知られるようになりまし た。しかしほんの数年前までは、香港人の平均寿命が日本人と並 ぶほど長いと話したところで、怪訝な顔をされるばかりでした。 それがいつの間にか、香港人の長寿はもはや常識のように受け 止められるようになったものですが、その理由について正しく理 解できている人は今もほとんどいないようです。

大気汚染は年々ひどくなる一方で、騒音問題もとても深刻であ ることが分からなくなってしまうほど日常のものとなっています。 気候環境にしても、極端に湿度が高くカビを心配しなければい けない季節がある一方で、乾燥しすぎて肌荒れが気になる時期 もあるなど、細かなことも含めて決して良くはありません。加えて 人口密度が高いことから、人間関係でのストレスを抱える人も多 いことでしょう。住宅環境も一般に劣悪であり、狭い住居に多く の家族が暮らしていることも場合によってはストレスが大きくな る原因となっているはずです。さらに生鮮食品をはじめとした多 くの食品は中国から輸入されており、農薬や食品衛生の問題な ど、香港に暮らす場合のマイナス要因がここにもあります。こん な環境に暮らす香港人の平均寿命が常に世界のトップを争うな ど、普通ではとても考えられないことですが、統計上はまったく 疑うことがない事実なのです。実は我々が平均寿命を下げると 思っているこれらのマイナス要因は、統計上の平均寿命の数字 にはほとんど影響していないといっても良いことなのです。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 眞

その一方で平均寿命が長くなると思われている要因もいくつ か挙げられます。まずは食生活のこと。根底にあるのは医食同源 としての考え方です。食品によって体を温めるとか冷やすとかい う古くからの考え方を持つ人は少なくはないようです。また場合 によっては食べる時期や時間までをも気にすることさえあるよう です。最近は随分変わってきましたが、ほんの20~30年前まで は香港人は冷えたものを口にすることはほとんどありませんでし た。さらに太極拳など、古来から伝わる独特の運動習慣も健康を 維持することに貢献しているといわれています。個人的には、香 港の老人の外出率が高いこと、たとえ亀のような歩みであったと しても頑張って歩いている姿を見て、香港が長寿社会であること の理由ではないかと感じたものです。年長者が元気であること は、食事や運動などが大きく関係していることを疑う余地はあり ませんが香港人の「平均寿命が長い本当の理由」はまったく別の ところにあるのです。

香港の医療レベルの高さは多くの人が知るところですね。さら にその医療費は正規に居住している人であれば低額に抑えら れ、たとえ入院しても治療費を含めて原則として患者負担は1日 100ドルにしかすぎません。臓器移植手術などの最先端医療 サービスを受けたとしても基本的には同じです。世界トップのレ ベルを誇る香港の生体肝移植手術を受けた日本人夫婦がいま す。10数年前の話ではありますが患者負担は日本円にしてなん と3万円程度でした。身近なところでは出産があります。この場合 は300ドルで済んでしまうのです。たとえ未熟児で生まれても、極 めて低額の医療費負担で保育器に入れてくれます。「必要とあれ ば誰でも最高レベルの医療サービスを受けることができる」とい う医療制度が香港に構築されているからです。香港の新生児・乳 幼児の死亡率が低いのは、このようなバックグラウンドがあるからで、この事実が平均寿命を大きく 延ばす最大の要因となっているの です。日本人の平均寿命が長いこ とも同じです。医療レベルが高い 上に国民皆保険制度があるおか げで、誰もが病院で出産するため 事故率が低く抑えられ、出産後に 幼い命が失われてしまうことも少 ないのです。日本のように一般市 民への行き届いた医療サービス があることと同じく、香港では制度 の中身は違うものの平均寿命を押し上げる要因としての共通項 があるのです。「医療レベルが極めて高く、それでいて患者の医療費負担が低く抑えられ、誰もがそのサービスを受けることがで きる」という国や地域は世界的にも稀です。

香港と日本がともに平均寿命が長い理由、お分かりいただけ ましたか?

Mediport


メディポート代表:堀 真

メディポート代表:堀 眞

活用したい健康診断 将来のために

春は健康診断の季節。ちょうど今頃から、新規採用者向けに 実施される雇い入れ時の健康診断に合わせて、多くの事業所 は定期健康診断を全職員を対象に実施します。日本は労働安 全衛生法という法律のもとに健康診断の実施を規定している 極めて珍しい国です。個人の健康に関する詳細なデータであ る健診結果は究極のプライバシーであるはずです。このような ものを勤めている事業所が管理することは通常では考えられ ないことですが、これを「悪用されることはない」という性善説 的な感覚で特に問題視することなくほとんどの受診者にも受 け入れられているようです。世界的にも例を見ないこのような 特殊な日本のシステムではありますが、むしろ好ましい形で受 け入れられ運用されているといえるでしょう。この法律には事 業者が健康診断を実施しない場合には罰則規定( 50万円以下 の罰金)までもうけられていることもあって、4月から梅雨明け して本格的な夏を迎えるころまで、どの事業所も健康診断をバ タバタと実施することになります。ちなみに「労働者は、事業主の行う健康診断を受けなければならない」(労働安全衛生法 第6 6 条第5 項)とありますが、これに対する罰則規定はありま せん。

ところで皆さんは健康診断の結果をうまく活用できています か?その結果を受け取っても、とりあえずの健康上の問題があ るかないかを確認するだけで、そのまましまいこんでしまうこ とはありませんか?義務とはいえせっかく受診する健康診断で すから、そこから得られた身体データを自分自身で積極的に活 用したいものです。健康診断には「病気を早期発見する」ことを 第一の目的にするよりも、「将来的な健康度を予測してそれに 対処する( 健康の維持増進を図る) ための基礎資料を得る」とい う目的の方が大きいのです。これを「病気の一次予防」と言いま す。これこそ健康診断を受診する最大の目的であるといえま しょう。もちろん何らかの病気を早期発見して、症状がないうち に治療してしまうという「病気の二次予防」ということも大きな 目的であることに違いありません。普段、何ら症状が無いにも かかわらず病気を疑って医療機関を訪ねることはまずありませ んが、健診の結果によってはこれが大きな動機付けとなって慌 てて医師に相談することにもなります。健康診断を受けたこと によって早期がんが発見できることも決して珍しいことではな く、場合によっては命拾いすることだってあるのです。

さて、急速な高齢化が問題となっている日本では、如何にし て健康寿命と寿命との差を縮めるかが大きな課題となってい ます。日本は長寿社会ではありますが、平均的な寝たきり期間 が先進国の中で飛びぬけて長いのです。いくつになっても日 常の生活は自分自身で何とかやっていける健康長寿を目指す には、循環器系疾患のリスクを極力下げることが大切です。こ れこそ健康診断の主なる目的としてあげられる一次予防なの です。

病気の一次予防を目的とするためにはコレステロール、中性 脂肪、血糖値、そして血圧といったものの検査結果に注目しな ければいけません。発症すると後遺障害が生じる危険性が高 い脳梗塞に罹患するリスクに関 連するこれらの数値を確認しつ つ、その状態を改善したり良好に 保つために、減量あるいは運動し たりするのです。これらの数値は 体重との相関性が高いので、普 段の健康状態( 循環器系疾患のリ スク)の良し悪しのバロメーター として、その変化を追う意味は思 いのほか大きなものと言えます。

たとえ健康診断が強制的なものであったとしても、せっかく 受診して得られた資料はぜひ有効に活用したいものです。当 然のことながら健診を委託する施設も、そのような意味をしっ かりと理解しているところを選びたいものです。

Mediport


輸入感染症観光旅行でもご注意を!

2014年夏、東京の代々木公園で突如として起きたデング熱の国内 感染事例。感染拡大を阻止するため長らく公園が閉鎖されるという 異例の事態となりました。国内で感染したと思われるデング熱患者が 約70年ぶりに発生したわけですから、当時はちょっとした衝撃として 社会に受け止められたようですが、これは海外で感染した人が代々 木公園で蚊に刺され、この蚊が次の人を刺して二次感染が起きてい たというものです。実は第二次世界大戦中に南方から持ち込まれた デング熱ウイルスによって、西日本を中心におよそ20万人以上もの 患者が発生したという記録があります。代々木公園での事例はそれ 以来のものですが、いずれにしても日本国内にはなかった感染症が 海外から持ち込まれたことが原因としておきたことです。

メディポート代表:堀 真

メディポート代表:堀 真

熱帯地方などを旅行あるいは滞在した人が何らかの病原体に感 染したことに気付くことなく帰国し、その後に発症したりあるいは潜 在化したりした感染症を輸入感染症と呼びます。輸入された感染症 でも発症しないことも少なくはないので、海外からの感染者は公表 されているものよりもかなり多いと考えられます。ちなみにデング熱 の場合、発症は感染者のおよそ2割程度。日本国内での発症者が毎 年200人くらいいるという陰にはその4倍ほどの未発症感染者がいる ものと考えられます。デング熱と同様に海外で蚊に刺されて感染する 代表的な病気にマラリアがあります。日本国内では毎年100~200人 程度の発症が確認されていますが、国内での感染事 例は少なくとも戦後においてはありません。戦争中 に南方に従軍したものの、復員後40年間海外旅行の 経験がないという人がマラリアを発症したという記 録があります。従軍中に感染していたことが確かで あり、この人はなんと40年間も感染に気付くことなく 健康に過ごしていたことになるのです。このように輸 入感染症はその感染に本人が気付くことなく潜在化してしまうことも 珍しいことではありません。

国際的な交流がますます盛んになる現代社会において、輸入感染 症の問題はさらに大きなものになっています。少し前までは、海外旅 行した日本人が熱帯病などを持ち帰るケースが目立っていましたが、 今では感染症が多い熱帯・亜熱帯地方の人々が日本旅行をする機会 が著しく増えており、日本人のみならず海外からの訪日客が持ち込む 感染症への警戒も怠ることはできない時代になっています。最近、日 本で梅毒患者が増えていますが、これも海外から持ち込まれていると する説があります。香港など国際交流が極めて盛んな都市では、輸入 感染症の問題は一段と大きなものであることは間違いありません。

さて、これからの季節、イースターなどの休暇が多く海外旅行を計 画している人も少なくはないと思いますが、自分自身が何らかの感 染症を持ち帰ってしまう危険性があることを認識しおかなければい けません。特に注意したいのはマラリア。その種類によっては命にか かわるマラリアは流行地が世界中の熱帯・亜熱帯の広い範囲に及び ます。リゾートホテルなどの敷地内は媒介蚊対策が施されていること が多く蚊に刺されることはほとんどありませんが、そこから一歩外に 出るとその危険性は一気に高くなります。香港から仕事で南アフリカ に渡航し、その際に休み利用してナイトサファリ観光をした日本人が マラリアに感染。香港に戻ってから発熱したものの 確定診断に時間がかかり、結局死亡してしまったと いう事例がありますが、日本国内でも毎年複数の 死亡例が確認されています。マラリアの診断経験 がない医師の場合、高熱を訴える患者を診察して も、マラリアなどその地域には無い病気を念頭に おいて診察することはまずありません。インフルエ ンザなど可能性が大きな病気を疑う ことから徐々に確定診断に迫るわけ ですが、診断に至るまでに時間がか かって治療が間に合わないというこ とにもなります。

熱帯・亜熱帯地方を旅行した直後 に発熱など体調不良を覚えた場合、 その直前の渡航先情報を医師に必 ず伝えることが自分を守るうえで非 常に重要です。マラリアは診断さえつ けば死に至る病気ではなく、投薬治療 で急速に回復します。デング熱も同様に感染しやすいものですが、こ ちらは死にいたることはまれです。残念ながら決定的な治療薬はな く、対症療法を受けつつ自然な回復を待つだけで、マラリアに比べる と緊急性が高いとは言えません。それでも早く確定診断できればデ ング出血熱へと進行しないかを監視するなど治療の方向性が決ま り、予後がより良いものになることが期待できます。

ところで日本は10年ほど前まで麻疹の輸出国であるとアメリカな ど先進各国から非難されていました。信じがたいことですが残念な がらこれは事実です。ワクチン接種が不完全であったことが原因で あったためで、その後予防接種の受診率を上げたことで、ここ数年 やっと日本固有の麻疹ウイルスが検出されなくなりました。

今後国際交流がさらに盛んになるものと思われ、国境を越えた感 染症の拡大がますます大きな問題になります。海や国境をまたいで 感染症が行き来する時代です。感染症に国境はありません。自分自 身を守るためにも、現状を少しだけでも理解しておくことが大切で しょう。

Mediport


メディポート代表:堀 真 メディポート代表:堀 真

鳥インフルエンザはなぜ怖い

毎年、秋が深まり少し肌寒さを感じる季節になると、決まって鳥インフルエンザのニュースを耳にするようになります。最近の日本の事例では青森や新潟で養鶏場のニワトリが32万羽以上も殺処分されています。さらに今月に入り佐賀県や岐阜県でそれぞれ数万羽のニワトリが殺処分されました。韓国でもニワトリの大規模な殺処分が行われており、その感染動向にはどこもとても神経質になっています。たった1羽の感染が認められただけで、何十万羽のニワトリを、ごく短時間のうちに処分するという膨大な作業を行わなければならず、人的負担も甚だしく大きいものです。昨年12月初旬には、名古屋の東山動物園で飼育されていたコクチョウ3羽から鳥インフルエンザウイルスが確認されたことで、同園はほぼ1か月間閉園するという異例な対応を余儀なくされています。

鳥のインフルエンザであるにもかかわらず、なぜこのような厳密で神経質な扱いになるのでしょうか?養鶏場での殺処分は周辺への感染拡大を阻止するための唯一の方法としてとられる対策なのです。もちろん近隣への感染拡大がないものと仮定して部分対応でその都度処分したとしても、結局すべてのニワトリに感染して全滅してしまう可能性が大きいものです。たとえ殺処分せずとも養鶏場にとっては極めて深刻な問題ですが、実は、これは決して養鶏業にとどまるものではなく、公衆衛生上の大きな問題にも関連することなのです。鳥インフルエンザは新型インフルエンザの原型でもあり、ヒトの世界でも決して軽く扱うことはできないものなのであることを忘れてはいけません。1900年代初めに大流行して世界中で3000万人が死亡したとされるスペイン風邪は、記録に残る最も古い新型インフルエンザです。このスペイン風邪は鳥インフルエンザがヒトのインフルエンザウイルスと組み換えを起こして生まれてきたものと考えられます。現在流行中のH3N2型インフルエンザ(A香港型インフルエンザ)も同じく鳥インフルエンザを起源としています。

A型インフルエンザウイルスにはその表面にスパイクのように突出したHAとNAとよばれる構造があり、現在HAに16種類、NAに9種類の変異があることが分かっています。これらの組み合わせ(H3N2、H5N1、H1N1・・・・・)は144通りになりますが、水鳥からはこれらすべてのウイルスが発見されています。これらのうちヒトのインフルエンザとして流行を繰り返しているものはH3N2型などごくわずかであり、他は偶発的にヒトに感染することが確認されているものがある程度です。これまでに確認されているヒトへの感染事例で目立つものはH5N1、H7N9といった高病原性鳥インフルエンザウイルスです。ニワトリなど家禽類に強い毒性を示すもので、こ
のようなウイルスが近い将来ヒトのインフルエンザウイルスに変異し流行するのではないかと懸念されているのです。

このような変異は、鳥インフルエンザウイルスにもヒトインフルエンザウイルスにも感染可能なブタの役割を無視することはできません。ブタに両者のウイルスが感染して同じ細胞内に同時に二つのウイルスが存在すると、両者の遺伝子が組み換えを起こして新しいウイルスが生まれてくる可能性が生じます。たとえば高病原性の鳥由来ウイルスとヒトの間で強い感染力を示すウイルス(A香港型ウイルス)が遺伝子組み換えされると、強い毒性を持ち、なおかつヒト‐ヒト間で強い感染力を有する新型ウイルスが出現するわけです。最近、鳥インフルエンザにヒトが偶発的に感染する事例が世界中で散発していますが、こうなるとヒトの体内でも同様のウイルス変異が起きることが可能性として考えられます。

秋から寒さのピークを迎えるころまでは特に鳥インフルエンザが話題になりますが、これは寒さを避けて南に移動する渡り鳥がウイルスを運んでくるためです。ちなみに渡り鳥は高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染しても発症することは少なく、ウイルスの運び屋としての役割を担うことになります。つまりこの時期は、ヒトやブタに高病原性鳥インフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスが同時に感染する機会が増すことになり、新たなウイルスが生まれてくる危険性につながるわけです。その意味から鳥インフルエンザの扱いは厳密にならざるを得ないのは当然です。

現在のところ鳥インフルエンザに対して一般の人が神経質になる必要はありませんが、死んだり弱ったりした野鳥に近づかないことは、感染予防策として基本中の基本事項となります。

Mediport


インフルエンザ 流行拡大中

春節を前にしていよいよインフルエンザのピークシーズン を迎えました。今季は12月に入ってからというもの、冬らしさ を感じないとても暖かな天候に恵まれたことから、インフルエ ンザのことなどすっかり忘れてしまっていた人も多いのではな いでしょうか。香港の昨年12月の平均気温は1884年に天文台 が観測を始めて以来3番目という異例の暖かさだったというこ となので、それも無理はありません。しかも例年インフルエン ザ患者が増え始める11月に雨が多く降って湿度が高めに推移
したことも流行を遅らせた要因になっているようです。しかし ウイルスにとっては悪い条件ではあっても、インフルエンザの 患者数はこれまで徐々に増え続けてきており、今後、気温の急 降下などをきっかけに爆発的な流行になる可能性もあり油断 は禁物です。香港では春節後に湿度が急激に上昇し、気温も アップダウンはあるものの徐々に上昇していくので、本来であ ればインフルエンザ流行に歯止めがかからなければいけな いはずですが、この時期も患者数の増加が続きます。日本では 低温で乾燥した状態で流行するというのがインフルエンザの 常識。この不思議な現象を日本の専門家に直接質してみたの ですが、日本とはあまりに違う流行で、その理由がまったくわ からないという返事しかなく、今も私の大きな疑問のひと つとして残ったままです。インフルエンザは感染力が 強いため、いったん流行に火がつくと患者数が急激 に増加します。これから3月下旬まで感染には十分 な注意が必要です。

メディポート代表:堀 真メディポート代表:堀 真

さて、毎年流行を繰り返すA型インフルエンザウ イルスは俗に香港風邪とも呼ばれているウイルスで す。毎年少しずつ構造を変えてはいるものの、基本的 には同じタイプのウイルスが流行を繰り返しているわけです。 このウイルスの起源は、実は鳥インフルエンザであることはあ まり知られてはいないようです。年輩の方であれば記憶にある かと思いますが、これまでにアジア風邪やソ連風邪と呼ばれた インフルエンザがありました。それぞれ新型インフルエンザと して世界的に流行したものですが、さらに起源を追うと世界中 で3000万人もの死者を出し、第一次世界大戦の終結が早まっ た大きな理由になったともいわれている1900年代当初のスペ イン風邪に遡ることができます。その当時のインフルエンザウ イルスがその構造を徐々に変化させ、性質も少しずつ変えな がらヒトの健康を今も脅かし続けているわけです。インフルエ ンザウイルスは10~40年の周期で大きな変化をおこして新型 ウイルスに生まれ変わると言われていますが、この際に重要な 仲介役となる生きものが、実は鳥と豚なのです。

この冬も日本各地で鳥インフルエンザが確認され、養鶏場 では何十万羽ものニワトリが殺処分されています。これは少々 残酷ではありますが感染の拡大を防ぐための唯一の手段とし て取られている措置です。鳥インフルエンザが鳥の世界だけに とどまってくれていれば、ヒトには何の問題もありませんが、厄 介なことにH7N9型鳥インフルエンザなどいくつかの 鳥インフルエンザウイルスがすでにヒトに感染し 始めているのです。感染した鳥と濃厚に接触し た場合などに偶発的に感染していることがほ とんどだと思われますが、世界中で死亡例も散 発しており、決して侮るわけにはいきません。ウ イルスは常にその性質を変えており、ヒトからヒト へ感染することが可能であるウイルスがいつ出現し てくるのか、その点が専門家の間 では目下最大の関心事となってい ます。

酉年であるにもかかわらず鳥が 厄介な存在になりかねない鳥イン フルエンザですが、ヒトの世界では 研究がかなり進んでいることも確 かであり、まったく新しいウイルス が現れても再びスペイン風邪の時 のような惨禍を繰り返すことはな いと信じます。

超過死亡という考え方があります。インフルエンザであれ ば、基礎疾患などがある人が感染したがために死亡してし まった場合です。現在、流行中の季節性インフルエンザであっ ても世界中で毎年数十万人が死亡していると推計されている 怖い病気です。目覚ましい医学の進歩のおかげで、昔のように 恐れなければいけない病気ではありませんが、感染はできる 限り予防しておきたいものです。人混みを避けることはもちろ んのこと不要な外出は避けたいものです。さらに外出後は丁 寧に手洗いすることは基本の基本。また免疫力を低下させな いために十分な睡眠をとり疲れをためないこと、バランスがと れた食事を心がけることが大切です。可能であれば軽い運動を 継続することが広い意味での「体力」を維持することに効果的 なので、免疫力強化という観点からも是非お勧めしたいことで す。なお鳥インフルエンザに対しては、当然のことながら死んだ り弱ったりした野鳥には決して近づかないことが感染予防策と して大切なポイントになります。

mediport


メディポート

メディポート代表:堀 真

スポーツの秋に考える

厳しい残暑は過ぎ去り、これから一気に秋の気配が 色濃くなる時季です。まだ日差しは強くても吹く風に 心地よさが増してくるこの季節は、暑さを理由に運動を拒んでいた人であってもつい身体を動かしてみたく なるのではないでしょうか。今年はオリンピックが開催されたこともあり、運動が苦手な人でもスポーツに 対しての関心が高くなったのではないかと思います。日ごろの運動不足を反省しつつ、オリンピックを横目で見ながら、涼しくなったら今年こそは何かスポーツを始めようと計画していた人もあることでしょう。しかし、これまでにまるで運動をしていなかった人が、秋だからといって急にスポーツをしようと力む必要はありません。とにかく歩くだけでも立派な運動です。これを毎日の習慣にできさえすれば、健康上かなりの成果が期待できるはずです。

ところで、運動を自らの意思で行う動物は、当然のことながらヒトだけです。ヒトに最も近いとされるチンパンジーでさえ自分の身体を鍛えるために腹筋運動や腕立て伏せをしたり、ジョギングしたりするなどはありえないことです。そんなことは当たり前だと誰もが反応すると思いますが、ヒトも同じ哺乳動物です。単に同じ哺乳動物というだけでお互いに近い動物というのは少々乱暴な言い方かもしれませんが、生物学的な身体構造から見ても、基本的には同じ仲間であることは明らかです。それではヒトはなぜ健康を維持しようとするとき、運動をしなければいけないのか、その理由をだれもが少し考えてみても良いのかもしれません。

ヒトは進化にともなって、道具を使って狩りをして、より効率的に食料を得ることができるようになりました。そればかりか現代では栽培や養殖までして食料を大量生産する術を得ています。食料を生産するだけではなく、さらに加工してより美味しいものを作るようになったことで、食べることは単なる「欲望」としての食欲を満たすだけのことから、日常生活の中での大きな楽しみにその意味合いが昇華しています。ある程度の経済力が必要であるにしても、好きなものをいくらでも食べることができるようになりました。残念ながらこれが過食を生む原因になっているのです。もちろん例外はありますが、現代において少なくとも運動しなければいけないという人々は、カロリーも栄養も満たされている場合がほとんどです。

さらにヒトは移動するための様々な手段を利用してきました。古くは馬などの動物を移動手段に使っていましたが、現代ではどんな距離であろうと自身の体力を一切使うことなく、超高速で移動できるようになりました。日常生活でも機械化が進み、日常のエネルギー消費量は低下する一方です。つまり食べ過ぎて摂取カロリーが多くなっているにもかかわらず、身体を動かさなければいけない機会が極端に少なくなって肥満傾向を生み、やがて生活習慣病を発症するにいたってしまう。これが典型的な現代人です。

ヒトは進化の過程で、生きていくうえで必要とされる身体運動機能を逆に退化させてしまった動物であり、その部分を少しでも取り戻して機能強化するために強いて運動することが必要になりました。その運動にゲーム性、娯楽性を付加して「スポーツ」を生み出し、生活のためではなく「娯楽としての運動」を楽しむようになったことも、高度に進化したヒトならではのことです。マラソンのように、走る速さや距離を伸ばすことに喜びや楽しさを感じるということも同じです。

話を戻しましょう。気候も良くなったからといって急に運動を始めても、おそらく長続きすることは期待できません。たとえば普段運動していない人が、急にジムに通いだしたところで会費の無駄遣いになることは目に見えています。スポーツウェアや高価なスポーツシューズを買ったところで、おそらく無駄な投資になる可能性が大きいことでしょう。何も形から入ることはなく、はじめからお金をかけることはありません。これまでにスポーツの経験がある人であれば別ですが、中年太りを気にして急に運動しようとしても継続することは至難の業ですから。

とにかく気軽にできることから始めましょう。繰り返しますが基本は歩くことだけです。通勤時間を利用して一駅分歩くだけでも良いのです。革靴でもかまいません。営業の人であれば、普段から革靴で散々歩き回っているのではないでしょうか。短時間でもかまわないので、どのような時であっても少しでも長く歩くことを心がけてください。小さな運動の積み重ねがとても大切です。週末はできればハイキングしましょう。そういうと躊躇してしまう方もあるのかもしれませんが、もちろん街歩きでかまいません。散歩するつもりでショッピングを楽しめば良いのです。早歩きができれば尚良しです。

今の季節は運動を始めるのに最も適している季節であることは間違いありませんが、とにかく無理をしないこと、張り切りすぎないことが大切です。少しでも身体を動かすことを意識することがポイントです。さあ今日からあなたも歩いてみませんか?

メディポート


メディポート

メディポート代表:堀 真

ご飯はダイエットの敵ではない!

日本では近年、米の消費が著しく減少していることは誰もが知るところです。食生活の欧米化や食事の形態が変わってきたことが大きな原因であると思われますが、約50年間に、消費が半減していると改めて聞くととても驚いてしまいます。ちなみに農水省統計によると米の消費のピークは1962年度で、一人当たりの消費量は118.3kgもありました。これが毎年ほぼ確実に減り続け2013年度には56.9kgになっています。この数字は食料向けの米の出荷量を単純に総人口で割ったものであり、人口増加もあるので単純に一人当たりの消費量が半減したとは言えないのではないかと思いますが、米の消費が激減していることには疑問を挟む余地はありません。

最近、ダイエットのためにご飯を食べないという声を聞く機会が非常に多くなってきました。低炭水化物ダイエットとやらを信奉している人があまりにも多いことに唖然としてしまうほどです。何がきっかけになってこのダイエット法がこれほどまでに浸透してしまっているのかわかりませんが、おそらくテレビや雑誌、さらに圧倒的に影響力が大きくなったネット情報が原因なのでしょう。低炭水化物ダイエットですから、ご飯だけではなく、麺類はもちろんのことイモ類などでんぷん質を多く含む食品を徹底的に避けているようです。

私自身はこの低炭水化物ダイエットは好ましくはないと考えますし、栄養学的にも問題があるものと思います。そもそも低炭水化物ダイエットの元となったアトキンスダイエットは、1980年代にアメリカで一時ブームになったものです。ところが、このダイエット法を提唱し自ら実践していたアトキンス博士が急逝したことで、急速にその支持を失い忘れられたものとなっていたのです。それが今なぜ復活してきたのか、とても不思議です。

さて、話をお米(ご飯)に戻しましょう。改めて言うまでもなく、米は日本人にとっての主食です。主食は、それぞれの地域で、糖質に富み、大量に生産でき、さらに保存性が良いものが選ばれて栽培されています。アジアでは主に米ですが、南米やアフリカではとうもろこしや豆類、少し北のほうでは麦になり、さらに北方で気候条件が厳しくなるとジャガイモの生産が増えます。日本では伝統的に米が栽培されており、食文化の根源ともいえる作物になっているのです。とても大切な作物であるが故、米に「お」をつけて呼ぶのです。ちなみに農耕の歴史は思いのほか古く、イスラエルでは2万3000年前の農耕の痕跡が発見されていますし、1万年ほど前には中国長江流域で稲作が始まっていたようです。パプアニューギニアではイモ類の栽培が9000年前には行われていたことが農業灌漑施設の痕から確認されています。このようにかなり昔から農耕が始められていたのは、人口が増加し食糧の増産を迫られたからです。これほどまでに長い時間をかけて現代の農業の根幹となる主食作物の生産が行われているわけであり、この主食をただ「太るから」という理由だけで避けてしまうのはいかがなものでしょうか? 主食作物は植物の種であり、また根が太った根茎であったりしますが、いずれもこれから植物が芽を出すためにしっかりと栄養が蓄えられた部分です。糖質ばかりが強調されますが、栄養素もしっかりと含まれているのです。栄養学的に優れた穀物は、いろいろな形に加工されて世界中の食文化を形成しています。中国では麺類や餃子・饅頭など、欧米ではパンはもちろんパスタやピザ生地といったものに加工されていることはすぐに思いつきますよね。

ご飯を食べなないで痩せることは計算上簡単なことです。毎日の摂取カロリーを500Kcalくらいは落とせるわけですから、2週間もすれば1kg減量できる計算になります。しかし、1万年以上もの時間をかけて日本の食文化の中心におかれた主食作物である米に対して、そのような扱いをしても良いはずがありません。洋食文化が日本に定着してからおよそ50年しか経っておらず、極めて短期間のうちに食文化が大きく変遷してしまったのが現状なのです。太る原因がどこにあるのか良く考えてみてください。中国の高所得者層の食生活では、日本のそれよりもさらに早いスピードで洋食化が進んでおり、世界最悪のペースで糖尿病患者が増え続けていることに、国の中枢でも国家存亡の危機感までをもつに至っているそうです。

低炭水化物ダイエットの流行を現代の食生活への問題提起ととらえて、自身の食生活を振り返り、太る原因を考えてみてはどうでしょうか。日本人の食文化を基本に立ち返って見つめ直す好機にして欲しいものです。太ってしまうのは決してご飯が原因ではないはずです。このことは、米の消費量が最も多かった1960年代よりも現代の方が肥満が多いことを見ても明らかです。

最後に、ヒトはなぜ空腹を感じるのでしょうか。これは血液中の血糖値が低下していることに対して、脳が唯一の栄養素が少なくなってきたことに危機感を覚え、早く血糖値を上昇させて欲しいと要求しているからです。このような状態であるにもかかわらず、血糖値がなかなか上がらない食事をしたらどうなるのでしょう。一部の学者は、脳の機能に支障をきたす危険性があると低炭水化物ダイエットに警鐘を鳴らしているほどです。

さて、あなたはどうしますか?

メディポート


メディポート人類を救うのか 昆虫食

昆虫食と聞いても具体的な意味を理解しにくいのかもしれませんが、これは言葉そのまま、昆虫を食べることです。セミやコオロギなど身近な昆虫を食べるというと、嫌悪感を示す人も少なくはないでしょうし、まして昆虫を食べることで人類が救われるといわれても、耳を傾ける気にはならないかもしれません。しかし、現実の問題として、人類に必要な食糧が不足しつつあり、今後、効率の良い食糧生産に真剣に取り組まなければいけない現代において、昆虫食を考えることは決して常識から逸脱したことではないのです。今や世界人口は73億人に達しており、そのうちなんと7億人もが低栄養状態に置かれているといわれています。その一方で過食からたとえば糖尿病を発症し、さらには合併症で血液透析や失明に至ってしまう患者も少なくはありません。中国ではこの合併症が大きな問題となり、国の中枢部では国家的な危機感を抱かなければいけない事態に陥っているそうです。このように世界の食糧事情は両極端にあり、裕福であれば好きなものをいくらでも食べることができる反面、貧困層には栄養素あるいはカロリーが絶対的に不足しているというのが現状です。このまま人口が増え続けると、食糧問題は地球全体の問題として、誰もが避けて通ることができないものとなってしまうのではないでしょうか。このような背景もあり、昨今、昆虫食ということが盛んに議論され、実際に具体的な食品が研究開発されているのです。

さて、少々硬いお話になりますが、生物が餌として取り込んだもののうち、人の食料としてどの程度が利用できるのかを計算したものを、「食糧生産における2次生産性」といいます。この数字を見ると現在おこなわれている畜産や養殖といった食糧生産の生産性がいかに低いかということが理解できます。恒温動物である家畜等はたったの1~3%、魚類でも10%しかありません。それに対して昆虫は驚くことになんと40%にも達するのです。また短時間のうちに急速に成長するということもその特徴であり、ある昆虫の場合、1gの卵が400時間でおよそ2kgもの幼虫になるそうです。さらにそのたんぱく質は乾燥重量の50%にもなり、ビタミン類も豊富に含まれているのです。もちろん、いくら生産性が高く、栄養価の面でも優れているといったところで、多くの一般の人々は昆虫を食べることなど思いもよらないことです。

ところで、日本では昆虫食ブームが一部で起きていることが時として話題になります。こちらは食糧問題として重い課題を背負ったものではなく、ビールの美味しいつまみという感覚で楽しまれているものです。ちなみに日本で伝統的に食べられている昆虫でもっとも有名なものは蜂の子。巣の中で育った幼虫がさなぎになる前に捕獲し、おもに佃煮に加工されます。昔から一般に食べられてきたもので今でも長野県を中心に生産されていますが、庶民が気軽に食べるには高価になりすぎています。そのほか絹糸生産で大量に出てくるカイコのさなぎは、昔は子供達のおやつにもなっていました。食糧難の時代には子供達にとって、とても大切な栄養源として重宝されていました。

東京をはじめ日本各地にセミを食べる会(セミ会)というものがあるそうです。大人たちが昆虫網を手にして公園に集まり、うるさく鳴いているセミを大量に捕獲することから会は始まります。セミ捕りに興じる大人たちの目は真剣。事情を知らない人からはさぞ異様な光景に見えることでしょう。そうやって捕獲したセミは唐揚げにして、ビールのつまみとしてあっという間にメンバーのお腹に収まってしまいます。セミ会には若い女性の参加も多く、さすがに初めは恐々としているようです。ただ、いったん口にするやセミの姿を忘れてしまったかのごとくその味に魅せられてしまうそうです。ちなみにこのセミの味はナッツの香りがするとかエビのから揚げのようだとか、人によって表現は様々ですが、誰もが美味しいと感じることは確かなようです。

昆虫食はセミに限ることなく、コオロギやイナゴあるいは蛾の幼虫など種類は様々。世界中の多くの国で、細かく分類すると1400種類もの昆虫が食べられています。もちろんどんなに美味しいといわれても食べる気にはならないであろうことは理解できますが、もしかすると食べず嫌いなだけなのかもしれません。我々が普段食べているエビやカニは、高級食材としても扱われるものです。しかし、初めてこれらを目にしたら、グロテスクな姿に怖気てしまって、美味しそうだと思うことなどありえないのではないでしょうか。昆虫も同じです。一度その味を知ってしまったら、その魅力に取りつかれてしまうのかもしれません。近い将来、セミの鳴き声が聞こえないなと思ったら、実は皆に食べられてしまっていたということが起きるかもしれません。

世界人口の膨張はこれからもしばらくは続き、食糧増産はますます大きな課題となります。現在水産資源をめぐっては国際問題にまで発展するほどです。食糧問題を考えるときに、昆虫食という選択肢について思考を膨らませることも大切です。食わず嫌いになっていてはいけないのかもしれません。
メディポートINFO


メディポート香港の医療サービスって、凄いぞ!

海外に住むことが決まったとき、誰もが大なり小なり不安を抱くのが医療のこと。見知らぬ土地で病気になったらどうしよう、医療サービスの質に問題はないのか、言葉の問題もあるしなあ・・・。漠然とした不安が膨らんでしまって、海外赴任が憂鬱になってしまったということはありませんでしたか?特に小さな子供を連れての赴任であれば尚更です。欧米であれば医療水準が高そうなイメージがあるので、香港に比べると心配の度合いは低いのかもしれません。ところが実際には香港の医療にはまったく問題がないどころか、日本人が在住する場合、世界中のどこよりも安心できると私は確信しています。

ところで香港人の平均寿命が日本と同じレベルにあるのはご存知かと思います。これには新生児、乳幼児の死亡率が非常に低いことが大きく貢献しているのです。その背景には、非常に高い医療レベルに加えて、医療費の多くが公的にまかなわれているからです。したがって出産費用を気にすることなく誰もが病院で出産できるわけです。香港の医療サービスの特徴は、基本的には「必要とあれば、誰にでも、最高レベルの医療サービスを施す」ということにあります。十数年前になりますが、来港間もない日本人が夫婦間で生体肝移植手術を受けました。命にかかわる緊急事態の中で、香港での治療を受け入れるしか選択肢がなかったわけですが、この移植手術のレベルはなんと世界トップ!しかも、この夫婦に対する患者負担額はなんと約3万円のみだったのです。当時は日本では肝臓移植手術は健康保険の適応にすらなっていなかった治療で、2000万円ほどのたいへん高額な患者負担があったそうです。これは極端な例ではありますが、現在、どのような病気でも入院治療は1日100ドルとなっています。ちなみに通常分娩の出産は300ドルでOKです。心臓の冠状動脈のステント留置術を受けた日本人もいますが、3日間でやはり300ドルでした。さらに、公立病院に足掛け2年通院して、前立腺がんを完治させてしまった方もいます。患者負担は総計1000ドル程度ではなかったかと思います。

これらのお話は公立病院を利用した場合のこと。日本人の場合、ほとんど公立病院は利用しません。もちろん移植手術のような高度医療の多くは公立病院でしか行えないものも少なくはありませんが、医療保険を利用できる多くの駐在員やその家族にとって、待ち時間が長く、言葉も通じにくい公立病院を積極的に利用することはまずありません。風邪や発熱、あるいはちょっとしたケガなどでは、私立の医療施設を利用したほうが予約できる上に医師も選べるなど、とても効率的で患者にとっては好都合です。もちろん医療レベルにおいてもまったく心配はなく、通訳サービスも充実しているので安心して受診することが可能です。

ところが急病で救急車を呼ぶと、日ごろ利用しているといっても希望する私立病院には搬送されることはなく、最寄りの総合病院に搬送されるのがルールです。そのような事態には遭遇することは極めてまれではあるものの、いつ何が起きるかわかりません。また高度な医療サービス(治療)を受けると、私立病院では医療費がかさんでしまって医療保険では対応できないこともあります。集中治療室にでも入ってしまったら医療費は莫大な金額になってしまいます。それでも会社などが面倒を見てくれるのであれば良いのですが、誰もがそのようなことをあてにできるわけではありません。普段から公立病院の利用法をチェックしておいても決して損にはなりません。最近では、やや特別な持病があり、日本で定期的に受けている治療(経過観察)を香港で継続的に受けたいという駐在員もいますが、このような場合でも公立病院の利用が考えられます。香港の医療サービスは想像しているよりもはるかに優れたものであり、私立と公立の医療施設を使い分けすることさえできれば、長期滞在するにあたって医療面で不安に思う必要はなく安心です。
メディポートINFO


メディポート紫外線対策 やりすぎNG!

5月は紫外線量が急に増える時期です。今年は天気が悪かったこともあり、これまで紫外線に関して意識していなかった人も多いと思いますが、これから少なくとも11月までは十分に注意しなければいけません。香港に限って言えば、今年は4月に入っても天気が不安定で日照時間が非常に少なかったので、総紫外線量もそれほど多くはなかったと思います。しかし、たとえ曇っていても紫外線量はたいへん多く、思いのほかひどく日焼けしてしまうこともあるので、特にこれからの季節はたとえ日差しがなくても決して油断することはできません。

以前、香港は中緯度地方としては特に紫外線量が多いという事実をWHO(世界保健機関)が公表して注意を促したことがニュースになりました。理由ははっきりと覚えていませんが実際に観測されている紫外線量がかなり多めであることは間違いのない事実です。香港の衛生署からは、肌の紫外線対策だけではなく、サングラスを使用するなど眼の保護も怠ることがないよう注意喚起がなされています。特に海や山でのアウトドアスポーツに際しては、特段の注意が必要であることは言うまでもありません。

ところで紫外線の影響は単に日焼けすることが問題になるというわけではなく、皮膚がんのリスクを高くすることがきわめて大きな問題であることが今や常識となっています。特に色白の人は気をつけなければいけません。かつて美白化粧品が大流行しましたが、日本人は中緯度に居住することに適した肌色を人類の長い歴史の中で獲得しているのであり、その色を白くしておいて、そこに日焼け止めを使うなど本末転倒の行為といえましょう。

人類の発祥は500~600万年前の中央アフリカであるとの説が有力です。そこからヒトは時間をかけて移動していったわけですが、肌の色がより白いヒトが選択的に北上することができたのです。低緯度では強すぎる紫外線から人体を守るために黒っぽい肌色でないと不都合であることに対して、北に行くほど紫外線量が少なくなり、皮下でのビタミンDの合成という大切な機能が維持できなくなるため、色が白いヒトほど高緯度地方に適するというわけです。

ちなみにオーストラリアはかつて英国の流刑地とされていましたが、19世紀半ばに有望な金鉱脈が発見されるやいなや状況が一変しました。英国から一般人が一攫千金を夢見て移り住んで今の白人社会の基礎を築きました。非常に強烈な紫外線に耐えうるようにとても黒い肌の色を獲得した民族・アボリジニーしか居住していたオーストラリアに、何百万年もかけて高緯度の低紫外線地域に適するよう皮膚のメラニン色素を極めて少なくしてきた民族が移り住んだわけです。本来は住むことができない土地に多くの白人が住むオーストラリアでは、現在、皮膚がん対策に政府を挙げて注力せざるを得ない状況となっています。

ところで、最近、日本の小児科医の間でくる病が明らかに増加していることが話題になっているそうです。今の時代にくる病とはとても意外なことですが、そればかりか女性の骨粗鬆症も増加しているそうです。その理由が極度の日焼け予防であることが明らかになっているのです。日焼けを嫌って、日本では外出時に日焼け止めを多用する上に顔まで隠すなどして極力肌を露出しないように完全防備する人が少なくはないようです。さらに同様に子供にも紫外線避けをしてしまうようです。紫外線をシャットアウトしてしまうとビタミンDの合成が阻害され、子供のくる病や女性の骨粗鬆症が増加する原因となります。オーストラリアの白人が紫外線から極力逃れなければいけないことは当然ですが、中緯度に住む日本人が紫外線の有害作用に対して過剰に反応する必要はありません。紫外線を避けすぎた結果がくる病や骨粗鬆症といった病気であり、一体何のために紫外線を避けているのか意味がわからなくなってしまいます。余談ですが、北欧などに移住した黒人にも紫外線不足による影響が現れているという報告もあるそうです。

ちょっとした外出にも完全防備することはかえって有害です。ただし長時間の屋外活動ではしっかりと日焼け予防をしておきたいものです。昔、ハワイ旅行に行った日本人の若者が、日焼けしすぎて背中じゅうに水ぶくれができ、成田空港から救急車で搬送されたという笑えない話もあります。状況を正しく把握して、どこにいても適切に行動したいものです。
メディポートINFO


メディポート睡眠時無呼吸検査を受けてみた

家族の大きないびきに悩まされている人は決して少なくはないようです。巷ではいびきが原因で別々の部屋で寝ている夫婦もあると聞きますが、大きないびきが時として命を削っていることもあるので、ただうるさいと言って本人を遠ざけるだけではなく、是非いびきのリズムに異常がないかを確認して欲しいと思います。

大きないびきがうるさくて眠れない、と思っていたら突然いびきが止まり、30秒から1分くらい静かになることはありませんか?静かになったなとホッとするのも束の間、ひときわ大きないびきを合図に再開されるということを毎晩繰り返してはいませんか?実は静かな時は呼吸をしていない可能性、つまり睡眠時無呼吸が起きている可能性が大きいので、呼吸の有無を是非一度確認してみてください。

10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上、あるいは1時間に5回以上あることが睡眠時無呼吸症候群の診断基準です。無呼吸で睡眠が妨げられ熟睡できないので、いくら寝ても寝起きが悪く昼間も頭がぼうっとした状態になってしまいます。睡眠が浅い、良く眠れないということは自覚できていても、その原因は本人にもわかっていないことが多く、潜在的な問題を抱えたままでいる人も少なくはないものと思われます。会議中に寝てしまうという大失態を演じて社内での立場が悪くなる程度であればまだ良い方です。人命に関わる自動車事故等の原因にもなるため、睡眠時無呼吸症候群は社会的にとても大きな問題をはらんでいるのです。もちろん循環器系への負担から高血圧症の原因にもなります。さらには突然死の危険性をも高くしてしまうこともあるので、睡眠時無呼吸が疑われる場合は必ず検査を受けることを勧めます。肥満が大きな原因ではありますが、患者は必ずしも肥満体型だけに限られるわけではありませんから、いびきがうるさい場合はとにかく家族から受診を促すようにしてください。

従来、睡眠時無呼吸症候群の検査は病院に1泊して行われるものでしたが、最近は自宅でできる簡易検査が広く行われるようになってきました。医療機関で検査器具の装着方法のデモンストレーションを受け、自宅にて実施します。就寝前に言われたとおりに機器を装着し、スイッチオン。後は寝るだけです。検査機器が装着されているので、なかなか寝付けないかもしれませんが、自宅でリラックスして検査することができる点は大きなメリットです。翌日は検査機器を返却し、解析結果を待つことになります。

検査睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、睡眠時に装着する呼吸の補助装置(CPAP等)を使用することが勧められます。睡眠中に呼吸が止まることがなくなり睡眠の質が向上するので、日中の眠気から開放されることになります。さらに心臓への負担も少なくなるので、長年の高血圧症が改善されることも期待できます。もちろん肥満が原因で発症したのであれば、減量することで補助装置を必要とはしなくなる可能性も小さくはありません。毎晩補助装置を装着して寝るのは面倒なことかもしれませんが、得られるメリットはとっても大きなものがあります。

なおCPAPですが、日本では病院でレンタルすることになり、定期的に診察を受けなければいけませんが、香港では購入することになります。最近の機械はコンパクトになっており、出張などに持っていけるようなサイズもありとても使いやすくなっています。また程度によっては就寝時にマウスピースを装着するという治療もあります。医師と相談して自分にあった治療法を選択してもらってください。

睡眠時無呼吸は身体的な負担が思いのほか大きな病気です。いびきがうるさいと家人から煙たがられているような人は、是非検査を受けることをお勧めします。
メディポートINFO


メディポート花粉症のお話

暖冬が一変、今年に入って記録的な寒波に見舞われた日本。いや、日本だけではなく東アジア一帯は例年の冬よりも大幅に気温が下がるとても寒い冬となりました。香港でも霰が観測されるなど、異常気象ともいえるほどの寒さに見舞われました。3月に入り、やっとそんな寒さから開放されたと思った途端、日本では花粉症が猛威を振るうこととなりましたが、例年のこととはいえ花粉症の方にとってはうんざりする季節ではないでしょうか? 杉の花はまだ寒い時期から咲き始め、一気に開花が増える3月に入ってから本格的に花粉を飛散させます。この季節は地域によって大きく変わりますが今年も4月いっぱいまでは、多くの人にとって辛い毎日が続きそうです。

さて、この花粉症ですが、海外に出るとウソのように症状が止まってしまうという話は珍しくはありません。海外旅行に向かう飛行機に乗った途端に症状が収まり、帰国して機外に出た直後にもう鼻がムズムズし始めたという話もあるほどです。実際に香港に住んでいる日本人の花粉症患者でも、自分のアレルギーを忘れてしまって快適に過ごしている人がほとんどのようであり、たとえ一時帰国であったとしても春には絶対に日本へは帰らないと宣言している人も少なくはないようです。日本人の4人にひとりが花粉症だとされ、もはや国民病ともいえるアレルギー疾患ですが、その多くはスギ花粉症です。これほどまでにスギ花粉症が多い国は日本以外にはありませんが、もちろん海外に花粉症が存在しないというわけではありません。

なぜ日本人にスギ花粉症が増えてしまったのでしょうか。アレルギーはアレルゲンという原因物質に対して産生された抗体が原因となって発症するので、この場合はスギ花粉がアレルゲンとして作用しているわけです。しかし、いくらアレルギーのもとになるからといっても、一度でも花粉を吸い込んでしまったら発症してしまうということはなく、個人差は大きいものの長い期間暴露され続けることによって抗体価が高くなって発症してしまうわけです。もちろん同じ環境で生活していても、発症する人もいれば、アレルギーには無縁の人も少なくないわけであり、やはりここには基本となる体質が大きく関わっているものと思われます。戦後の日本はその復興のために山を切り開きスギを大々的に植林し、それまで多様な植生に恵まれていた山をスギの単独樹林に変えてしまいました。昔もスギ花粉は飛んでいたわけですが、現在に比べると格段に少なかったことは確かです。しかも高度成長期が過ぎると林業が衰退し、森林の管理が疎かになってしまったことが、スギ花粉が多くなってしまったことの原因になっているのです。日本人にスギ花粉症が多いのはこのような背景があるためで、毎年春を迎えると大量に飛び交うスギ花粉にさらされているうちに、ある時、突然発症してしまうことになります。花粉症とは無縁だと思っていた人でも、安心していても良いという保証はどこにもありません。成人期以降に突然発症することも決して少なくはないからです。

このところ様々なアレルギーを訴える人が増えているのではないかと感じます。花粉症はもちろんのこと、居住環境が原因になっているアレルギーも少なくはありません。建材や家具から発生する化学薬品、あるいはカビやダニなどもアレルギーの原因になります。食品アレルギー患者も目立つようになってきたのは、現代社会の特徴なのかもしれません。原因がわからず何らかの異変を感じたら、アレルギーの可能性を疑っても良いのかもしれません。誰もが一度はアレルギーの検査しておくと良いのではないでしょうか。

ある職場に全身の右半分だけにアレルギー症状が出てしまう女性がいたそうです。さんざん原因を調べてわかったことは、いつも右隣に座っているとっても嫌な上司が原因だったとか。精神的な要因が大きかったのでしょうね。これは一般的なアレルギーの定義とは違いますが、「アレルギー」と一言でいっても何とも複雑、不思議なものがあるものですね。

メディポートINFO


感染症と地名の関係

インフルエンザが大流行しています。今季は流行開始が非常に遅かったため、そのピークも2月下旬くらいまでずれ込むのではないかと専門科は予想しています。インフルエンザは毎年冬場を中心に流行を繰り返しているA型ウイルスと、際立った季節性はないB型が流行の主流ですが、今年は、例年春先に患者数が増える傾向にあるB型に、流行が遅れたA型の流行ピークが重なる可能性が大きくなっています。悪いことに日本では花粉症の季節にもあたります。人によってはかなり苦しい思いをしなければいけないので、十分な注意が必要になります。メディポート

ところで、感染症の名称に地名が付けられていることが珍しくはないのをご存知でしょうか?インフルエンザであれば香港型が毎年流行を繰り返していることは広く知られていますが、このウイルスを細かく分類するとニューカレドニアとかフロリダといった地名もその分類に使われているのです。また昨年から中南米を中心に感染者数が増えだしたジカ熱ですが、ジカというのもアフリカ・ウガンダにある森の名前です。現在散発的な感染者を出しているMERSも中東呼吸器症候群という名称であり、地名とはいえませんが同様の名称ですね。地名がついた感染症は他にも多くの種類があります。日本脳炎は日本人にとってはありがたくない命名ですが、英語名もJapanese Encephalitisとなっており、しっかりと「日本」が入っています。そのほか今ではなくなりましたが日本住血吸虫や宮崎吸虫という寄生虫疾患もかつて日本で流行していたことがあるものです。ライム熱という病気の名前を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは米国コネチカット州ライムで最初に流行したことで名付けられました。ウイルス性食中毒の代表であるノロウイルスも、最初にウイルスが発見されたアメリカ、オハイオ州のノーウォークがその名前に付けられていたのです。

このように病名や病原微生物を命名する場合に、その感染症が初めて流行した地域(都市名や国)の名が付けられることが少なくはありませんでしたが、最近ではそのようなことは殆どなくなったように感じます。新しい病原ウイルスが発見されたといって、その地名が付けられてしまっては、そこに住む人々にとってはとても迷惑なことです。ジカ熱にしても、一般的に知られるようになったのが最近であるだけで、ウイルス自体は1947年にジカの森のアカゲザルから分離されて命名されているのです。最近発見されたウイルスであれば、このような名前はつかなかったのではないかと思います。

ところで、インフルエンザウイルスに関しては、現在でもいろいろな地名が付けられています。これは世界的に流行しているウイルスであり、ウイルス名に地名が付けられたとしても大きな影響がないからかもしれません。同じA香港型インフルエンザでも、少しずつ構造や性質が変化していきますが(亜型)、新な亜型ウイルスが初めて分離(発見)されると、その場所の名前がつけられます。ニューカレドニアやシドニー、あるいはカリフォルニアといったものもありますし、もちろん中国や日本の都市名がついているものもあります。ニューカレドニアなどおよそインフルエンザとは結びつかないような場所ですが、最近までは世界的にこのウイルスが多かったようです。リゾートを連想してしまいますが、ウイルスの毒性が弱いというわけでは決してありませんのでイメージで誤解することは禁物です。

そういえば現在流行を繰り返しているA香港型ウイルスの起源は、1918年から19年に世界的に流行したスペイン風邪に行き着くようですが、実際にはスペインから流行が始まったわけではないようです。世界的に大流行して3000万人以上が犠牲になったと言われていますが、これは当時、主要な国のうち病気に関して報道規制をしていなかったのがスペインであったため、あたかもスペインだけの状況が酷いように思われてしまったからだそうです。その後も現在に至るまでスペインが、最も被害が大きかったインフルエンザウイルスの名前として歴史に残ってしまっているのです。

感染症にはその名前に様々ないわれがあるようです。気になる感染症があったらネットで検索してみると、意外な発見があるのかもしれませんね。

メディポートINFO

 


ダイエットとは?

春節を前にして、赤や黄そして金色など街は暖かく賑やかな装いに包まれてくる今の時季、二度目の忘年会と称して外食の機会が多くなっている人もいることでしょうね。つい先日まで新正月の新年会に連日参加していたばかりなのに、今度は旧正月を迎える前に忘年会だと言っているわけです。クリスマスから新春、旧正月明けまで、一番太りやすい季節であることは間違いなさそうです。この時期に帰国する人も少なくはないと思いますが、たまの帰国で、やはり食べ過ぎてしまうという話もよく聞きます。暖かくなる頃には減量が避けられなくなって、膨れたお腹を見て反省しているという人の姿が目に浮かびます。メディポート

ところで「ダイエット」というとイコール「減量」だと思い込んでいる人も少なくはないと思います。もちろんこれは間違いではありませんが、この単語にはもっと深い意味があるのです。第一に食事そのもののこと。「適切な食事」ということで「Adequate diet」

という表現をします。さらに糖尿病の患者向けの低カロリー食、高血圧症や腎疾患の患者向けの低塩食といった病気の治療やその悪化を防ぐための食事もダイエットです。そして、現在もっとも一般的に認識されているダイエットの意味としては美容や肥満改善のための低カロリー食があげられます。少なくとも日本では、摂取カロリーを制限する一方で運動量を増やして体重を落とすということが、一般的な「ダイエット」の意味として認識されているようです。

ダイエットに関して極端なものにアメリカで提唱されたアトキンスダイエットというものがあります。糖質、つまり炭水化物の摂取を極端に落として、その反対に肉類の摂取を大幅に増やすというもので、2003~4年頃には優れたダイエット法としてアメリカで流行したものの、同時に医学的な問題が多数指摘されたことから、このダイエット法は理論的に破綻したともいえます。ところがなぜか最近、特に日本でその信奉者が増え続けており、ご飯などの炭水化物を絶対悪とみなすような風潮があり、とても気になります。
さて前置きが長くなりましたが、なぜダイエットが必要であるのか? 漫然とダイエットするといっても長続きしないばかりか、リバウンドを繰り返しているうちにさらに肥満傾向が著しくなって失敗する場合も多いようです。ダイエットは当然のことながら健康維持増進のために行われるものであり、無理なダイエットで健康を害してしまってはそれこそ本末転倒です。太っていることが悪いのではないので、やみくもなダイエットは決してお勧めすることはできません。肥満、特にお腹がポッコリと出る中年男性の内臓脂肪型肥満こそ、一日も早くダイエットしなければいけないタイプとなります。健康診断などで脂質異常症、高血糖、高血圧症などといった循環器系疾患のリスクを指摘された場合、さらにメタボリック症候群であると診断を受けた場合にはただちにダイエットを開始するべきです。メタボリック症候群の診断を受けるということは、平均寿命より早く死亡するであろうということを断定されたものと捉えても間違いではありません。ただし医学が格段に進歩した現代は、昔のように簡単には死なせてくれません。たとえ脳梗塞で倒れてもポックリと逝かせてくれることは少なく、病院で何とか生かされてしまう可能性が少なくはないのです。この場合、最悪、寝たきりで長く生き続けなければいけないこともあり得ることです。たとえ寝たきりにはならずに済んだとしても、生涯介護を受けることに耐えながら生きていかなければいけなくなることもあります。中には長生きなんかしたくはない、好きに生きて、太く短く、最期はポックリと死ぬことができれば良いといって、健康のことなど一切考えずに生きていたいという人もあるようですが、残念ながらそのような人は本人の意に反して、細く長い辛い人生を送らなければいけないリスクが大きくなることに気が付かないかのようです。

この先さらに寿命が伸び続けると思われ、100歳人口がますます増えることは確実です。自分がその仲間入りする可能性も決して少なくはないのです。どうせ長生きしてしまうのであれば、とことん元気でいたほうが得です。統計上死因の大きな部分を占めるのは、がんと循環器系疾患です。このうち循環器系疾患のリスクは自身の努力によって確実に小さくすることができるのです。

ダイエットの最大の目的は、健康を増進して元気で長生きすること。もちろん美容を目的とすることが間違っているわけではありませんが、たとえそうであっても結局のところ健康増進に直結するわけです。もちろん状況によっては減量してはいけない場合もあります。ダイエットの意味を正しく理解したうえで、自身の状態にあった方法で適切に行ってほしいところです。無理なダイエットは健康増進どころか、命を削ることになりかねません。自身がどのような健康状態であるのか客観的にしっかりととらえた上で、必要であればしっかりとダイエットに挑んで欲しいと思います。

メディポートINFO


とにかく歩こう!

世は空前の健康ブーム。誰もが健康に気を使うようになってきました。食事であれば、食材の産地を気にすることはもちろん、食べる順番にまでこだわる人もいるようです。食用油の種類にさえも優劣を付ける人が少なくはありません。一生懸命運動に励む人がとても多くなりました。ジムに通う人がいれば競技スポーツに打ち込む人もいますが、圧倒的な人気は何と言ってもジョッギングでしょうね。コストもかからず、誰でもすぐに始めることができることも人気の理由です。日本全国各地でマラソン大会が開催されるようになり、観光を兼ねて参加している人も少なくはないようです。今やマラソンは世界的なブームであると言っても良いほどにまで愛好者があふれています。メディポート

そんな健康ブームに水をさすわけではありませんが、必ずしも運動が健康増進に役立つとはいえないのです。最近、日本の若者に痛風患者が増えているとのこと。中高年の代表的な病気であり昔は贅沢病とも呼ばれた痛風が、現代の若者に増えていると言われてもにわかには信じられません。しかし、これは過剰な運動による「運動性高尿酸血症」というものであり、遺伝的に尿酸排泄能力の弱い人、つまり将来の「痛風予備軍」である若者が、運動をしすぎて血液中の尿酸値が高くなってしまった結果です。また激しい運動は活性酸素の発生を促すことでも問題となります。体内でのその処理が追いつかず、細胞を損傷してしまうのです。

野生動物は普段走り回るようなことはしません。獲物を追うときや天敵に追われるときにしか全力で走るようなことはせず、通常はゆったりと過ごしている時間のほうが多いものです。余計なエネルギー使ってしまうことは、生存に関わることを本能的に理解しているのでしょうね。

ところで、現代社会はとにかく便利になりすぎてしまって、自分の体をあまり使わなくても生活できるようになってしまいました。我々はたとえ寝ていたとしても長距離を簡単に移動できるなど、本来の「運動能力」を著しく上回ることでも、自動車などの乗物を使っていとも簡単にできることが当たり前の世の中になっています。便利になって人生の楽しみが増えたと言っても決して過言ではありませんが、その一方でヒトが動物としての能力を著しく失いつつあることも事実でしょう。

動物の世界に、もし言葉があったとしても「運動」という単語はなかったのではないでしょうか。野生動物は日々動きまわって餌を探し続けなければいけないわけであり、強いて運動することがなくても、日々かなりの運動量をこなしていることになります。餌を探すときには決して走り回るということはしません。もちろん肉食獣がこれぞと思った獲物に襲いかかるときには全力疾走します。獲物を捕えることは生存にとって必要なことですが、そんな肉食獣でも普段はのんびりして過ごしているわけです。

ヒトは社会性をもって生活する高度に進化した動物で、餌(食物)を探しまわることをせずとも飢えることはありません。実はここ数十年間、日本人の平均摂取カロリーは大きな変化はないにもかかわらず、性別や年齢に関わることなく肥満人口が増加しています。最近は小児肥満という問題もクローズアップされてきました。基本的な運動量が激減している証拠ではないかと思われます。

とにかく歩きましょう。一駅くらいは歩くようにする、エスカレーターをなるべく使わないようにして階段を使うなど、日常生活を利用してできる限り歩くことがとても重要となります。便利すぎる社会では、常に意識して身体を動かさないと、太りやすくなるばかりか、身体能力も衰えるばかりです。何も激しい運動をすることはないのです。歩くときには背筋を伸ばして少しだけ早歩きしてみましょう。年齢とともに歩く速さが遅くなるそうです。いつまでも若さを保つためにも歩きましょう。

人が多くて歩けないなどと歩かない理由を並べていても始まりません。四の五の言わずにとにかく歩くことが健康に直結します。長寿社会ではいつまでも元気で長生きしようと意識することが、健康寿命を伸ばし寝たきりになることを防ぐことはもちろん、介護をなるべく受けないようにする上でもとても大切です。たとえ長生きはしたくはないと思っていても、簡単に死なせてくれる時代ではありません。自身が超高齢を迎える数十年先、100歳人口は確実に増えており、自分もその仲間入りする可能性が高いのです。であれば、ぜひ「ピンピンコロリ」を目指したいものです。

メディポートINFO

 


インフルエンザシーズン到来

秋が深まり、日本では赤や黄の色合いの風景が一気にモノトーンに置き換わる季節です。一方でクリスマスに向けて夜の灯が華やかになり、街も賑やかさを増す時期にもあたりますが、インフルエンザの流行が一気に拡大する時期にも重なります。気温が下がり空気が乾燥する上に、まだ寒さに慣れていない肌が寒気に晒され免疫力が落ちる時期にもあたるのでしょう。さらに閉めきられ暖房が効いた室内は極度に乾燥し、ウイルスが拡散するのに格好の条件が備わることになります。メディポート

インフルエンザのことを、少しきつい風邪だと思っている人が今でも少なくはないようですが、実際はまったく違う感染症です。風邪はウイルスを中心に100種類以上もの病原菌がその原因になります。その感染によって上気道(鼻腔や咽頭など)に炎症をもたらし、喉の痛み、鼻水、鼻づまり、咳、頭痛、軽度の発熱など複合的な症状を呈します。「風邪症候群」です。インフルエンザに比べてずっと症状が軽いものの、原因病原菌が多いために「風邪の治療薬」なるものは存在しません。一方、インフルエンザは悪寒に続いて急激に高熱を発し、関節痛、全身倦怠感などを主症状として発症します。時には脳症や心疾患なども発症するなど高齢者や乳幼児、あるいは糖尿病など基礎疾患を抱える人にとっては命にも関わる重い病気がインフルエンザです。比較的重い感染症ではありますが、タミフルをはじめとする幾つもの抗インフルエンザ薬が開発されており、世界中で使用されて大きな効果をあらわしています。

インフルエンザの患者数は今から急激に増え、年明けころに流行のピークを迎えます。冬休みが終わって子どもたちが集まると校内で一気に患者が増えます。受験生には特に注意が必要な時期ですね。やがて寒さが緩む3月になると徐々に患者数が減り終息に向かうというパターンを毎年繰り返しています。香港などでは日本の流行から半月から1ヶ月ほど遅れるものの、やはり3月までは高い患者発生率が維持されます。感染は急速に拡大するため、学校や職場で一旦流行が始まると終息させるのが非常に困難です。学校であれば休校がもっとも有効な対応手段になります。

インフルエンザは風邪に比べて重篤ですが、早期であれば抗インフルエンザ薬が効果的に作用します。とにかく罹ったかなと思ったら病院直行です。無理して出社していると周囲に簡単に感染を拡大させてしまい、大きな迷惑をかけてしまいます。学校でも同じです。また予防接種に関しても賛否両論あるものの、予防効果があるものとの判断のほうが優勢です。費用対効果、安全性などを総合的に判断すると、予防接種を受けておいたほうが良いと思います。

また季節性インフルエンザとは別に新型インフルエンザについても考えておく必要があります。1900年代初めのスペイン風邪以降、10~40年の周期で新しいインフルエンザウイルスが生まれています。すでに記憶から消えかけているかもしれませんが、2009年の豚由来の新型インフルエンザがその中でも最も新しいものです。今後も周期的に新しいインフルエンザが現れてくることは間違いありません。新型のウイルスは未知であるだけに我々に免疫力はなく、ひとたび流行になれば甚大な被害をもたらす可能性があります。

新型インフルエンザを含めてその予防法は、感染症一般のものと重なる部分が大きいといわれています。第一は手洗い。外からウイルスを家や職場にもちこまないこと。睡眠と適切な栄養摂取が大切だと言われるのは、免疫力の低下を予防するためです。同様に身体を冷やさないようにすること。日本人が好むマスクやうがいは、海外では感染予防効果としての評価はあまり高くはありません。人混みもできる限り避けたいものです。

クリスマスパーティーや忘年会の季節ですね。2次会、3次会と場を重ねてしまうことは、インフルエンザ感染に対して極めて無防備な状態となってしまいます。どうしても必要でなければ一次会で帰宅するほうが無難です。

この冬、インフルエンザウイルスからぜひ逃げ切ってください。もしインフルエンザウイルスに感染してしまったと思ったら、素早く治療を受けること。無理は絶対に禁物です!!!

メディポートINFO


健康診断結果の見方と利用

秋もたけなわ、日本では全国津々浦々にいたるまで、今頃は多くの人々が健康診断を受けていることでしょうね。春もそのシーズンですが、例年秋の健診では胃部バリウム検査の受診率が急増します。飲みにくいドロドロの液体を無理やり飲まされる辛さが、中にはトラウマになっているという方もあるようです。こぼしてガウンを汚すと怒られます。バリウムがガウンについてしまうと、それが検査写真に写り込んでしまい、診断に支障が出るので仕方がありませんが、必死に飲んでいるのに、少しこぼしただけも怒られることに不満を感じた人もきっといるはずです。ゲップを抑えこむのも大変ですよね。メディポート

さて、こんな健康診断のシステムが社会的に構築されている国は、おそらく日本だけの特有のものではないでしょうか。健康診断は会社など事業所に対してその実施を法律で義務付けているほか、結果を保管したり、労働基準監督署へ報告したりすることも法的に求めており、罰則規定まで設けられているのです。究極の個人情報でもある健康診断結果がこのように扱われることは、人権意識が高い欧米人から見ると異常なのかもしれません。しかし、日本ではこの制度がしっかりと根付き、さして問題がおきることもなく運用され、活用されています。

ところでせっかく受診できる健康診断を嫌々受けていたり、あるいはその結果を異常あり・なしといった単純な視点で見ていたりするということはないでしょうか? 自身の健康状態を客観的に捉えることができる唯一の機会でもある健康診断を、多くの場合会社の費用で受けさせてもらえるということは、とっても素晴らしいことです。もっともっと自分のために活用して欲しいものです。

その見方をこの紙面で細かく解説することはできませんが、少しだけポイントをチェックしておきたいと思います。第一にあげたいのは基準値についてです。必ずしも基準値イコール正常・適切なレベルとはいえないということを憶えておいてください。これはとっても重要な事です。コレステロール値はもっともわかりやすいものですが、長い間、高コレステロールは心疾患などの原因になるから良くないと「脅されてきた」経緯があって、多くの人がとても気にしているようです。しかし、このコレステロール、日本のある大きな医学会の大規模調査では、基準値の中頃から、その上限よりもやや高めに至る範囲のほうが健康に良いという結果が出ているのです。もちろん喫煙者などほかにリスクが重なる場合は必ずしも当てはまらないのですが、一般に思われているよりも高くても構わないという結果が出ていることは間違いありません。反対に低くても良くないというデータもあり、コレステロールに対する見方をかなり変えなければいけないことになります。

健康診断の結果を見るにあたって考慮しなければいけないことは、基準値だけではなく、平常時の自分自身の「位置」、つまり健康時の自分の数値が基準値に対してどの程度の位置にあるかを把握しておくことが大切です。一度検査を受けるだけではわかりません。何度か受診しているうちにその傾向が把握できますが、できれば検査して得られた数値のことを評価してくれる医師などの専門家から説明を受けられると良いでしょうね。特に循環器系疾患のリスク評価は健康診断の結果を見るにあたっての重要なポイントになります。自分自身でそのリスクを極力低くすることができるので、そのベースとなる健康診断結果はきわめて重要な資料であるといえます。

健康診断は血液検査のみではなく、レントゲンや超音波検査など画像診断が適宜加えられます。これらに関しては自分自身で写真などを見て比較判断できないので、まずは結果に対する医師の指示に必ず従うことが大切。画像診断では確定診断が下せないことが多いので、再検査や精密検査が必要とされた場合には躊躇することなく受診するべきなのです。また写真類は次の年の健康診断の結果が出るまでは、前年度の結果と比較できるよう必ず保管しておいてください。

そろそろ健康診断を受けようと考えている方も多いことと思いますが、せっかく時間とコストをかけて受診するわけですから、その利用価値を最大限に高めて、ぜひ自身の健康維持増進のために活用して欲しいものです。

メディポートINFO


天高く馬肥ゆる秋

秋になると空が青く爽やかでどこまでも高く、そして実りの季節に馬も丸々と太ってくる・・・。そんな意味に解釈される諺ですが、もともとは「秋になり、収穫の時期を迎える頃には、北方の民族の略奪に備えて警戒をしなさい」という警告の意味が込められていたのです。
メディポート

昔、中国北方の騎馬民族(匈奴)は、気候の良い春から夏にかけてしっかりと太らせた馬にまたがり、秋になって収穫の季節を迎えた肥沃な地方に毎年のように略奪に出ていました。北方の冬は厳しく食料不足になるため、収穫期を迎えて食料が豊富になる地方を襲って強奪を繰り返していたわけです。農耕をしている人々は秋を迎えると、「秋高馬肥」といって匈奴を恐れ、警戒していたわけです。やがて匈奴は滅び、収穫期に作物を略奪される心配がなくなると、この諺が、我々が現在イメージするような、本来の意味とはまったく違ったものとして使われるようになってきました。

実りの秋になると、動物達は厳しい冬にむけて一生懸命食べ、太ろうとします。この時期に食べることができなければ、エサが不足する冬を乗り切ることができず、餓死しかねません。熊など冬眠する哺乳類は、冬の間一切食べない代わりに体温をかなり低くして、秋に溜め込んだエネルギーの消費を抑えて春まで生きながらえます。動物の世界では、実りの秋にできる限り食べて太ることが絶対に必要なのです。

さて、ヒトの場合はどうでしょう。「天高く、我が腹肥える秋」なんて言いながら食べている方もあるのではないでしょうか。秋は太るものだと開き直っている人もいますが、「現代人」の場合は完全に言い訳にしか過ぎません。しかし、ヒトも食物が不足する冬に備えて秋には栄養をとっておかなければいけないという、狩猟や採集の生活が長く続いていました。特に冬の気候が厳しい北部ヨーロッパの人々は、冬の寒さから身を守るためには、もともと高カロリーを必要としたわけです。

ところで秋になり日照時間が短くなってくると、精神の安定化に関わっている脳内の神経伝達物質・セロトニンの分泌が減少してきます。セロトニンは食欲の調整にも関与しており、その減少によって食欲が増して、ついつい食べ過ぎてしまうことになります。これは動物が、餌が少なくなる冬に向けての準備を行うための生理学的な反応なのです。このような摂食行動は何も野生動物の世界だけではなく基本的にはヒトも同じです。食生活が豊かになり、しかも日常生活での運動量が絶対的に不足している現代では、油断していると太りやすいのは、このカラクリからして当然です。

秋に食欲が増すのは生物学的に仕方が当然のことですが、その一方で涼しく乾燥した爽やかな季節なので、運動を始めるにはとても良いタイミングとなります。涼しくなってきたのでそろそろ運動不足解消だと張り切ってジョッギングなど始める人もいることでしょう。そんな気持ちに水を差すわけではありませんが、初めて運動を始める方にとってジョッギングはとても大変ですし、すぐに挫折してしまう可能性が高いものです。とにかく朝晩歩くだけで十分です。それもダメなら、日常生活の中で体を動かす頻度を出来る限り多くすることを考えてください。通勤の往復で、とにかく歩くこと。歩くときは背筋を伸ばしてなるべく早足にしましょう。エレベーターやエスカレーターを避け、階段を利用することなど、小さな運動の積み重ねがとても大切です。

この季節に運動する習慣を身につけておくと、年間を通してその習慣を維持できる可能性が大きくなります。目先の健康維持増進はもちろんのこと、遠い将来、自分が高齢者になった時にも運動機能障害(ロコモティブ障害)で介護を受けなければならなくなる可能性を小さくすることさえ可能です。

さあ、今日から膨らむ食欲に負けないで、適度な運動を始めましょう。

メディポートINFO

 

 

Pocket
LINEで送る