メディポート健康コラム:長生きとお金の関係

2025/07/02

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日本人の平均寿命が延び続けています。一時的な要因で伸びがいったん止まった時期もありましたが、一貫して右肩上がりであることに違いありません。ヒトは食糧生産やその貯蔵できるようになって寿命を大きく伸ばしました。さらに近年、抗生物質の発見やワクチン開発によって最大の敵ともいえる病原菌への対処もできるようになり、感染症死のリスクが大幅に低下しました。現在の最大の懸念はがん、つまり悪性新生物です。しかし、その治療技術も日進月歩で著しく進歩しており、今後10数年でがんは死の病ではなくなると、ノーベル生理学医学賞を受けた本庶佑先生はその受賞講演で語っています。実現にはまだ難しいハードルがあるのかもしれませんが確実にその方向にあります。がんの脅威がなくなると、平均寿命は8年延びるとも推計されていますから、いよいよ長生きへの覚悟が求められる時代になります。「長寿」という言葉はおそらく死語になるでしょう。長生きは必ずしも「寿」とはいえないからです。

元気で長生きが基本
寿命が延び誰もが長生きする覚悟が必要という話をすると、一部の人から「そんなに長く生きたくない」という返事が返ってきます。80歳くらいで十分ではないかというのです。超高齢者の姿に自分を重ねるのは辛いという気持ちもわかります。しかし少し思い返してみてください。自分が子供の頃に見た当時の高齢者の姿はどうでしたか?還暦を迎えた「老人」といっても何も違和感はなかったのではないでしょうか。しかし現代では定年も延長されているように60歳はまだまだ現役であり十分に働けるのです。見た目も昔とは違います。65歳以上の「法的高齢者」に接したときの印象が昔と比べて10歳から15歳程度若くなっていませんか。つまりこれから先も見た目はもちろん肉体的年齢の若年化が進むのではないかと考えておいた方が良いのです。自分の人生は80年くらいで十分だと思っている人がその年齢に達する頃には、80歳はまだ若いと言われる時代になっている可能性もあります。それだけにいくつになっても健康であることを意識しておくことが大切ではないでしょうか。

長生きとお金の問題
ところで健康を維持して長生きするのが目標という話をすると、長く生きると生活費がその分かかってしまうという声をたびたび耳にします。自分が最期を迎える前に生活資金が枯渇してしまうのではないかという漠然とした不安があると言います。退職後、年金に限られた収入でこの先の長い人生を生きて行けるのか心細くなる気持ちもわかります。食費や娯楽費は高齢になるほど一般的に少なくなるものですが、せっかくの蓄えを医療費や介護など突発的な出費に持っていかれてしまう事態もあり得ます。置かれている状況に個人差が大きいのは確かですが、その不安は大きな会社で企業年金がある人からも聞こえてくるほどですから、社会全体では老後の生活資金に対する不安は人々の心の中に大小の渦を巻いているに違いありません。

お金も長生きさせたい
人が長生きするのであれば、現有資産(お金)も長持ちさせたいものです。健康とお金は車の両輪、どちらの空気が抜けてもその後の人生に大きな支障をきたします。日本人の場合、60~65歳くらいの退職金を受け取ったころの資産総額が最も大きくなり、その頃の資金をいかに長生きさせるかが大きなポイントとなります。ただ使っているだけでは右肩下がりに確実に減ります。子供は独立していても、孫にはお金を使ってしまうこともあるでしょう。それならまだ良いのですが、大きな病気を患ったり、身体が不自由になったりした時の突発的な予期せぬ出費も必要となる可能性もあります。住宅ローンの返済が終わったころから自宅の老朽化も進み、リフォームが必要になる時期にも重なります。若い時には思いもしなかった出費が生まれてしまう可能性も想定しなければならず、現役時代に貯めたお金を少しでも長く使える仕組みを考えておくべきです。

海外居住者のメリット
良好な健康を維持するのに、海外にいることが特別な利点になるわけではありませんが、「お金を育てるための種蒔き」ができるという大きなメリットを無駄にしてしまうのはとてももったいない話です。お金のことはねえ…と言って避けてしまう場合ではありません。これから先の長い人生を少しでも幸せに送るために、身体の健康と同様に、お金についても真剣に考えるべきです。


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立。


Metro Medical Centre医療・健康の総合コンサルタント Mediport International Limited NNIグループ
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