メディポート健康コラム:元気な年寄りを目指そう

2025/04/30

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1967年から68年にかけてテレビドラマとして放映され話題となった「意地悪ばあさん」は青島幸雄氏がその役に扮していました。彼はおそらく当時70歳代の女性を意識していたと思います。そのころの日本人のおよその平均寿命(0歳時の平均余命)は男性68歳、女性74歳でした。ちなみにそれより前の1955年における平均寿命は男性63.60歳、女性67.75歳に過ぎず、この年齢は現代の生産年齢の上限にほぼ一致するものであり、多くの人にとって人生の通過点にしかすぎません。そして2023年厚生労働省公表簡易生命表の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳でした。このように寿命は大きく伸びており、日本の100歳以上の超高齢者数は、昨年約95000人にも達しています。

実は日本の超高齢者の内訳はその約90%を女性が占めているのです。世界的にも男性よりも女性の方が長生きする傾向に変わりありません。この理由について、女性の基礎代謝が低いこと、健康意識が高いこと、喫煙・飲酒率の低さなど様々な理由が考えられていますがどれも納得するには及ばないものです。そのような中にある「男女の染色体の違い」によるとの研究報告には説得力があると思います。マウスでの検証ですが、雌のXX染色体に感染防御を助長し、長寿を保証する傾向があるというのです。これが基礎代謝の違いにも影響しているのかもしれません。

衛生環境・栄養状態の改善、医学の進歩などによって新生児・乳幼児の死亡率が著しく低下したことが寿命を延ばした根本的な要因です。さらに抗生物質の発見により感染症対策が奏功したことなど、治療技術の格段の進歩に支えられて平均寿命を例外はありますが毎年のように延ばしてきました。近い将来がんは死の病でなくなります。完治させるというのではなく寛解に導くのですが、そうなると平均寿命はなんと約8歳も伸びると予想されており、おそらく100歳以上の人口構成比がとてつもなく大きくなるに違いありません。

100歳を迎えるリスク
寿命が延びるといっても喜んでばかりはいられません。長寿、つまり長生きがすでに「寿」ではなくなりつつあります。介護を必要とする人は増え続けるにもかかわらず、若年人口の減少で高齢者の生活をサポートする側の体制が今より充実する可能性は少ないと思われるからです。将来はロボットが介護現場で活躍するのかもしれませんが、とにかく高齢者の数が多くなりすぎて、たとえロボットを使うにしてもどのようなサポートをしてくれるのか不明でその不安は尽きません。やはりいくつになっても自分のことは自分でできる能力を維持しておくべきであり、若い時から意識して準備しておきたいものです。早くから超高齢期に備えたところで、その努力が無駄になるとは思えません。そのために私たちはいったい何をするべきなのでしょうか?

健康を維持するために
とても便利な現代社会に暮らす私たちは、多少の不便さを自ら積極的に受け入れるほうが高齢期に向けて有利であると思われます。できる限り乗物に乗らないで歩くことや、エレベーターやエスカレーターを使わないといった生活行動が基本です。現代社会の便利さに溺れてしまってはいけません。便利になったから長生きするようになったのではなく、まったく別の要因で長命になったのであり、現代ではその便利さが健康寿命を思うほど延ばせない要因になっている事実に気付かなければいけません。身体を自身の足で支えている時間が極端に短くなっていませんか?栄養状態が良くなったのは健康維持に有利ではあるものの、摂取カロリーが多すぎると、反対に体を蝕みます。必ずしも粗食が良いとは言えませんが、現代人は油脂と糖分の摂取が多すぎるのは明らかです。

とことん身体を使いましょう
動物の基本行動は「歩行」です。歩き回って餌を探さなければ餓死します。ヒトは食料を探し回る必要がない上にそのカロリーが非常に高くなっており、野生の世界とは真逆です。サルとヒトの遺伝子は99%同じだそうです。もちろん生存に関する遺伝子はそのままヒトでも引き継がれています。そうであれば、とにかく身体を動かさなければいけません。ただし野生の世界で必死に走るのは天敵に追われるときや獲物を追う時などに限られています。激しい運動は生存を脅かすものと本能的に悟っているのかもしれません。とにかく歩くこと。一日中座っているのでは体は退化するばかり。高齢になった時が心配です。

 


Hori メディポート:堀 眞
藤田医科大学卒業。臨床検査技師。
日本医科大学付属病院勤務の後、青年海外協力隊に参加し、南太平洋ソロモン諸島ガダルカナル島に2年間派遣される。世界保健機関WHOのプログラムの下でマラリア対策プロジェクトに従事。帰国後に就職した巡回健診事業を行う会社にて香港に赴任。健康に対する自身の理念を実現するため、1999年3月メディポートを設立し現在に至る。


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