季節の暦 二十四節気 「啓蟄」

2023/03/01

2023年は3月6日
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年を春夏秋冬に分け、さらにそれぞれを6分割した24の季節区分のこと。
2000~3000年前の古代中国が起源とされる暦で、季節の移り変わりを示す指標として、昔から農業などで重宝されてきた。242

3月6日から次の暦である春分までの約15日間を、二十四節気では「啓蟄(けいちつ)」という。「啓」は開く、「蟄」は虫などが土中に隠れ閉じこもることの意味で、冬ごもりをしていた生きものが目覚めだすことを表す。
この時季、日本の食材ではニラやヨモギなど苦味や香りに特徴のある野菜が旬を迎えるが、香味野菜と呼ばれるこれらの野菜は、薬膳ではリラックス効果があるとされている。気温の変化に体がうまく対応できなかったり、環境の変化からストレスを感じたり、何かと体調が乱れやすい春先。イライラや不安感の解消に、旬のニラをたっぷり使った餃子などはいかがだろう。24 一方、香港の啓蟄には日本では考えられない一風変わった風習「打小人(ダーシウヤン)」がある。嫌な人や不況、疫病など、とにかく不幸をもたらすものの名前を紙に書いて渡すと、拝神婆と呼ばれる女性が、その紙を靴で何度も叩いてボロボロにすることで厄を追い払ってくれる。邪気が溜まるとされる湾仔・鵝頚橋の高架下がメッカで、普段から数人の拝神婆が常駐しているが、啓蟄は小人(不幸をもたらす人)が動きだす日と考えられているため、厄除けをするには最適なのだとか。昨年の啓蟄はコロナの影響で全面禁止となってしまったが、例年、この呪いの儀式を望む人で鵝頚橋には長蛇の列ができる。241

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