広州ビール部「The CRAFT BEER」

2020/04/22

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広州はこれからがビールの美味しい季節。
普段よく飲む生ビールの他にも、ビールにはさまざまな種類があるのをご存知ですか?
「クラフトビールってなんだか難しそう……」という方もご安心。
広州ビール部・尾崎部長によるクラフトビールのABCです!

 

 みなさん、クラフトビールは好きですか?日本人には地ビールという名前の方が馴染みあるかもしれませんね。

 クラフトビールとは、小規模の醸造所で生産されるこだわりのビールのことで、大手メーカーのような大量生産のビールではなく、醸造所が丹精を込めて味にこだわって作ることから、職人が作る工芸品=Craftを引用してクラフトビールと呼ばれています。一般的なビールとクラフトビールの大きな違いは、なんといっても味と香りです。一般的なビールは多少の味の違いはありますが、どれも似たような味で、香りも少ないです。しかし、クラフトビールは多種多様、一品一様。苦味、雑味、アルコール度数、そして芳醇なホップの香りがビールごとに異なり、すべてのビールに生産者のこだわり=個性があります。最近では、グレープフルーツやマンゴーなどのフルーツフレーバーのあるもの、酸味のあるものや山椒や唐辛子を原料に使ったものまであります。居酒屋ではとりビー(とりあえずビール)が一般的ですが、クラフトビアバーの場合、とりビーはあり得ません!メニューにある数多くのビールから自分好みのビールを選んで飲むのが醍醐味なんです。でも、多種多様なクラフトビール。ビアバーでメニューを見ても、実際にどれを飲んだらいいか分からない人がほとんどだと思います。これがクラフトビールの最初の関門であり、最大の関門なんです!

 そこで、ちょっとだけクラフトビールのお話でも。ビールは色々な種類がありますが、大きく分けるとラガーとエールという2種類に分かれ、その違いは醸造における発酵方法です。

 

ラガー:
ラガー酵母による低温(10度前後)での下面発酵

エール:
エール酵母による高温(20度前後)での上面発酵

 

 はい、さっぱりわかりませんね(汗) ビール酵母には発酵に適した温度があり、冷蔵技術がなかった昔は、20度前後で発酵しやすいエール酵母を使ったエールが主流でした。一方、ラガーは、冬や気温が低い地域でのみで醸造されていたマイナーなビールでした(ちなみに、上面/下面発酵とは、酵母が浮上して発酵するか沈殿して発酵するかの違い)。主流のエールは高温で発酵させる時、腐り易い問題があり、殺菌作用のあるホップを使用したため、エールは濃厚なホップの香りが特徴です。また、ホップには、アルコール度数を高める効果もあり、エールはラガーよりもあアルコール度数が高いのも特徴です。マイナーだったラガーですが、冷蔵技術の発達とビール酵母培養の技術向上により(この技術を開発したのがカールスバーグ)、大量生産、長期保存が可能となり、飛躍的に生産量が拡大。その結果、ラガーが一気に世界のビールの主流となりました。

 今じゃ、生産されているビールのほとんどがラガーだって知っていますか?日本人にとって、ラガー=KIRINラガーですが、実はアサヒもサントリーも全部ラガー。カールスバーグもハイネケンもタイガービールも青島ビールも全部ラガー。世界で消費されているビールの約97%が、ラガーの中でもピルスナーと言われる種類のビールなんです。世界には100種類以上のビールがありますが、その中のピルスナーだけを飲み続けるのは勿体ないのです!是非、クラフトデビューして、色々なビールを楽しんでみて下さい!

 さて、クラフトビール大好きな私ですが、初めてクラフトビールに出会ったのは、2014年シンガポール駐在時、たまたま見つけたFacebookグループ「シンガポールでビール好き」の飲み会に参加した時でした。当時の私は、たまにドイツビールを飲むぐらいで、ビール=タイガービール(シンガポールで一番呑まれている一般的なビール)であり、楽しく普通のビールを飲む会と思って参加したところ、飲むビールはクラフトビール、参加している人の間では、「IPAは……」だの「Brewdogが……」だの、宇宙語が飛び交う不思議な世界。正直、第一印象は、ヤバぃ人達の集まり!?という印象でした。しかし、そこで呑んだクラフトビールは、とても美味しく、種類も味も何も分からないまま、オススメされたビールを飲み続けたのを覚えています。こうやってクラフトビールに出会った私は、2017年4月から広州に駐在していますが、今や広州でもクラフトビールが大流行!広州市内には約50軒のビアバーがあるのを知ってますか?

 そんなある日、知人と飲んでいる時、シンガポールでクラフトビールに出会った話になり、なんとその知人から「だったら広州でもそんなグループ作ったらいいんじゃない?」と軽いノリで言われ、私も酒の席の勢いで快諾。こうやって広州ビール部は酒の勢いに任せて、2019年7月に誕生しました。

 広州ビール部では、ビールを楽しむことをモットーに、部会と称して毎月1回、広州市内のビアバーに集まっては、クラフトビールをひたすら飲んでいます。グループ登録数は、50人弱。男女比は約7:3。活動開始直後はクラフトビールの知識が余りなかった参加者も、今ではみんながビアマスター!今日もどこかのビアバーで、ビールのうんちくを語りながら、美味しいビールを飲んでいると思います。

 最後に、広州市内30以上のビアバーに行った私から、広州ベスト5のビアバーをご紹介します。どの店もビールのセレクションが素晴らしい名店です。ぜひお試しあれ!

 

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P22 GZ_beer_737その1🍺【Carpe Diem】(天河エリア)

住所:広州市天河区天河東路華康街26-34首層34号自編16号
電話:(86)134-1618-8047
時間:18:00~2:00

 

 

 

 

 


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🍺【The Strand Beer Café】(五羊邨エリア)

住所:広州市越秀区五羊新城寺右南三街三巷6号1楼03舗
電話:(86)20-8735-7179
時間:18:00~2:00

 

 

 

 

 


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🍺【The Beach by suiken】(珠江新城エリア)

住所:広州市天河区華成路2号名悦大厦A座110号舗(広州大道近く)
電話:(86)20-3839-1814
時間:17:30~1:00(LO24:30)

 

 

 

 

 

P22 GZ_beer_737その4🍺【月酿精酿酒屋】(茘湾エリア)

住所:広州市茘湾区茘湾路小梅大街2号191-192茘湾錦街1楼
電話:(86)132-4272-7856
時間:18:00~3:00

 

 

 

 

 

P22 GZ_beer_737その5🍺【麦芽巷 Malt Alley】(海珠エリア)

住所:広州市海珠区怡安路200号(地下鉄2号線市二宮A出口より)
時間:18:00~23:30(月~木)、16:00~1:30(金~日)

 

 

 

 

 

 

 


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 ビールという文化に興味を持ち、ビール好きという一本筋を通した部員たちが、部活動を通じて友達になるという集まり。ビール情報、ビールの選び方、ビアバーリスト、ブルワリー情報などのコンテンツなども作成している。月に一度の部会は、利き酒ならぬ「利きビール」対決や、最近のお気に入りビール、お得な市販品購入先、その他クラフトビールに関する情報など、グラスを傾けながらの楽しい交換の場となっている。

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