良い歯科治療とは「櫻華メディカルセンター」広州

2019/09/11

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主任歯科医師

DFGG

 ある日、歯が一本もなく、どう見ても残っている幾つかの根は抜歯が必要で、入れ歯になるはずの患者様が来院されました。しかし、担当医はこう言いました。「今日一日、ここにいれますか?噛めるようにしますから。」そして、その場で全ての仮歯を作り、噛めるようにしたのです。患者は、これまで顎の粘膜で血を流しながら食事をしていたと話し、泣きながら鏡を覗き込んでいました。その姿を私は今も鮮明に覚えています。

 さて、皆さんは、海外生活でも積極的な歯科治療をしていますか?歯科は予防も含め、日本では非常に身近な存在ですが、海外では費用や技術面の不安から敬遠している方も多いのではないでしょうか。そしてまた、日本では歯科の数はコンビニより多く、歯科選びに困っているという話をよく耳にするように、ここ広州でも、近年多くの歯科クリニックが設立され、どこを選べば良いか分からないという方もおられるでしょう。そこで、私は良い歯科治療について質問を受けた時には、こう答えています。

一、ルーペ(拡大鏡)を使用している
 口の中に並んだ小さな歯。そこにある虫歯や根幹、歯周病等を正確に確認する為には、ルーペの使用が不可欠です。ルーペの使用は、貴方の歯を大事に扱っている証拠といえるでしょう。

二、対処療法ではなく原因を考えてくれる
 歯周病で抜歯が必要と言われた歯が、実は噛み合わせの問題で、抜歯しなくて済んだというケースが多々あります。対処療法の提案だけでなく、歯を残すために、その原因を考えてくれる歯科医と一緒に治療に臨みましょう。

三、短時間の診療時間には限界がある
 日本で、15分程度の診療時間で長期間、何度も通院したという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?それは日本の保険制度が背景にあるかもしれませんが、短時間で出来る治療には限界があります。丁寧な治療をする歯科医なら、きっと貴方に十分な時間を取ってくださいと提案するはずです。貴方も大切な歯の為に時間を取ることを惜しまないでください。

四、出来るだけ抜歯しない
 抜歯が必要と診断された方でも、他のアプローチで抜歯せず維持出来ることがあります。やむを得ず抜歯しても、移植という方法もあります。インプラントが世に出た今、抜歯自体が軽く考えられがちのようですが、抜歯は最終手段であることを知っておいてください。自分の歯の温存のために努力してくれる歯科医を探しましょう。
 以上が、私が考える大切なポイントです。歯や口腔内の問題はある日突突然起こりますが、急場しのぎの治療で満足を得られないケースは多々あります。そうならないよう日頃からケアを行うことが最も重要ですが、すぐに相談出来るかかりつけ医を早い段階から探しておく事が大切です。

 

 最後に、私は歯科医師として、どんな治療が一番良いのだろうかと正直迷うこともあります。しかしながら、その度に「自分の親だったら、どんな治療をするだろうか?」と考えます。また、冒頭の患者様を思い出し、「今出来る、最高の治療とは?」と考えます。そうすると自ずと答えが決まってきます。患者様と一緒に考え、一緒に決めた治療を努力して達成していきたいですね。


 

【高橋先生による歯科セミナーのお知らせ】

EERGF「海外における歯の健康と子どもの矯正」
場所:櫻華メディカルセンター
広州市天河区珠江新城珠江西路8号高徳置地夏広場D座5階501室

日時:9月20日(金) 11時~12時
お問合せ:020-3808-2960(月~日 9時~18時)

 

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