ど・ローカルグルメ「腹を鳴らせば」第11回

2019/08/21

この連載記事、執筆完了後まず一番最初に見せるのは妻である。妻からは感想含め、意見やアドバイスをもらうわけだが、前回の東北餃子の裏ワザ「ハーフ&ハーフ」に対して所見を受けた。「ハーフ&ハーフなんてシャレたネーミングつけてるのはいいけど、実際何て言って注文するの?」
確かに、僕自身はある程度中国に住んで慣れているということもあるし、行きつけのお店なんかになるとお店の人がこっちの希望をくみ取ってさっと注文をとってくれる。だが、そんな特別な注文をしたことがなかったり、ましてや中国にきたばかりの方にとってみたらなかなかハードルの高い注文方法になるかもしれない。
というわけで、ローカルグルメを紹介させていただくと同時に、ローカルグルメや中国生活で使える中国語も今後少し紹介できたらと思う。

この連載記事も早いもので第11回目となる。僕自身も宣伝がてら、ツイッターやインスタグラム等のSNSにアップしているわけだが、「あっ、あの佐藤さんですか!」「いつも楽しみにしています!」というコメントが徐々に増えてきて嬉しい限りである。そんなコメントを見てるとご飯も進むものである。「ご飯が進む」、中国語で言ったら難しそうだが実は簡単。「下饭xia4fan4」、このたった二文字で「ご飯が進む」を表現できるのである。今回ご紹介するローカルグルメは、あまりにも「下饭」で、僕はいつもついつい食べ過ぎてしまうものである。その名は「黄焖鸡huang2men4ji1」。

この黄焖鸡は過去に紹介したことのある「沙県小吃」や「蘭州牛肉麺」に並び中国全土にたくさんの店舗があり、中国では非常にメジャーなローカルグルメなのである。しかも調べてみると、なんと既に日本にも上陸しており、さらにはアメリカにまで進出し始めてるとのこと!今回そのアメリカにも進出したと言われている比較的有名な「连锁店lian2suo3dian4(チェーン店の意)」の「杨铭宇」のものをご紹介。

まずこの黄焖鸡とは鶏肉と野菜などを醤油や香辛料等で炒め煮したものある。
注文の際に、辛さを選ぶことができるが、「微辣wei1la4(ちょい辛)」でもまぁまぁ辛いので最初はこのくらいから注文するのがオススメ。
注文してから待つと、小さな土鍋にグツグツと香り高い湯気を立てる黄焖鸡が運ばれてくる。まずこの香りだけでご飯が食べれてしまうんじゃないかというくらい香りがおいしい。写真に収めるならこのグツグツと湯気を立てているうちにサッと撮ってしまおう、フォロアーの胃袋を挑発すること間違いなしの1枚になるはず(笑)。

箸を鶏肉に向けるとわかるが、じっくりと煮込んであるので箸でも切れるくらいのやわらかさ。しょっぱ辛いやわらか〜い鶏肉を口に運んだら、箸は白米を運ばずにいられなくなる。鶏肉、白米、鶏肉、白米・・・きっと口から自然とこぼれ出るではないだろうか、「超级下饭(ちょー米進むぅー)」。

黄焖鸡は具を食べ切っただけでは終われない。煮込んであった汁、これをご飯に浸して食べるとこれまたメインの鶏肉に負けずあまりにも「下饭」なのである。鶏肉や野菜の具でご飯1、2杯、汁でさらに1杯。欲望の欲するまま食べてしまうと本当に食べすぎでしまって、食べた後に食べたことを逆に後悔してしまうなんとも逆説的なローカルグルメと僕は思っている。
百聞は”一食“にしかず、是非ご賞味あれ。


杨铭宇

住所:各地に多数店舗有
時間:店舗により異なる

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佐藤健太
通称さとけん、中国歴6年。中国在住当初より、住まいが中心から遠く、周りにはローカルグルメしかなかったこともあり(?)日々ローカルグルメを食す毎日。今では明らかに現地人しか行かないであろうご飯屋を攻めるスタンス。近頃は何なら言動が現地人よりも現地人と言われる始末。一番好きな食べ物は妻の手料理、本職はフクヅクリ。

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