全国重要文物保護「南海神廟」広州市黄埔区

2014/03/31

 

南海神廟広州市黄埔区にある南海神廟は、別名「波羅廟」として市民に親しまれている、由緒あるお寺だ。海の神様を祭っており、中国の古代四大海神寺の中でも特に良好な保存状態で往時の姿が残されているため、2013年3月に全国重要文物保護に指定された。
建立は隋の時代、594年。その後、唐朝から清朝まで幾度も修復・拡張され、現在は姿となっている。貿易港としての好条件が揃っていた広州は、かつて外国との貿易において、大変重要な役割を担っており、南海神廟付近は「海上シルクロード」の起点ともいわれている。「波羅廟」の名前の由来は、647年に達奚司空というインドからやって来た使者が、パラミツ(中国語名前:波羅密)をそこに植えたからだという。花が咲かなくても実が結ぶパラミツは周辺の住民を驚かせた。さらに、このインド人使者は故郷に帰る船に乗り遅れてしまい、海辺で仲間を待ち続けるうち49日目に石になってしまったと伝えられている。これを哀れんだ住民が、彼と彼が植えたパラミツを記念するため、南海神廟にもう1つの愛称・「波羅廟」をつけたのだ。
30,000平方メートル広さの敷地に、大殿、記念碑、波羅木など見どころが点在している。旧暦2月11~13日に行なわれるお祭り「波羅誕」は、広州っ子なら誰もが一度は行ったことがあるという有名な祭事。参道には露天が連なり、パイナップルのお守りや春節の花市でも売っている「福を呼び寄せ、災は遠ざける」という風車などを売っている。そして、地元の人々の楽しみの1つが「波羅鶏」を買い求めること。波羅鶏は祭事でたくさん売られている紙や羽などで作られた鶏のデコレーション。その中のたった1つの波羅鶏が「鳴く」という伝説があり、その1つを得た人は、南海の神様に祝福されるというのだ。

南海神廟
真偽のほどは定かでないが、この伝説のおかげで縁起物として飛ぶように売れていく。また、様々な催し物などもあり、広州エリアの規模の大きい伝統的なお祭りのひとつとして賑わう。今年の波羅誕は終わってしまったが、来年はぜひお見逃しなく。

 

 

 

 

 

南海神廟 礼亭

南海神廟
住所:広州市黄埔区庙村旭日街22号
入館料:RMB10
アクセス:地鉄5号線文冲站A出口から
徒歩約5分のバス停文冲市場から
波羅誕の風景 バスB30、B31などで南海神廟下車

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