ホテル日航広州 藤鶴 割烹和食の伝道師･伊藤料理長 - 広東グルメ投稿

ホテル日航広州弁慶日本料理鉄板焼･元料理長の伊藤満氏が、満を持してオープンした『藤鶴 割烹』。自身の店をオープンするにあたり、伊藤料理長が本当にやりたかったこと。そこには、美味しい日本料理を提供するだけではなく、日本人として中国に残していきたい「日本料理の伝統と文化」があった。

日本料理を伝承するため「日本から中国へ、中国から世界へ」挑む寿司割烹店
伊藤料理長（以下：料理長）来中して12年、この国からは様々な形で恩恵を受けてきました。その恩返しとして、何か役に立てることはないかという積年の想いがあり、自分の店が構えられた今こそ、それを実現する時が来たように思います。外国人が日本料理の技術･技能を覚えたくても、渡日して学ぶには、ビザや資金やコミュニケーション（言語）などの観点からもなかなか難しい。それらがクリアできても、日本側の受け入れ態勢が整わず、話が流れたこともありました。ならばここで私が日本料理を伝承していこう、と。

米の選び方から洗米･炊飯まで「美味しい炊き方を知っていますか？」
料理長： ご飯の炊き方を一から学べる場があってもいいと思うのです。皆さん、正しい炊き方をご存知ですか？まず精米は洗わずに半日〜2日間は静かに浸水させて置き、その後、洗米します。ザルに通し、汚れをとり除き、十分に水気を切ったのち、炊飯。一般的な手順はその逆であったりしませんか？ポイントを押さえればお米は本当に美味しく炊けますよ。料理人を目指す方以外にも、趣味で何品か日本料理を作ってみたい等々、基礎から和食をから学びたいという姿勢は一般のお客様にも見られます。そうしたご意見をいただく中に教室のニーズと、料理から拡がる無限の可能性を感じました。

藤鶴オリジナル包丁のプロデュース
料理長：教室と並行して、調理道具の紹介やオリジナル包丁の販売を考えています。日本料理普及のため日々奔走する中で、広州日本人美容師会との出会いがありました。彼らはハサミになりますが、同じ刃物を扱い、日中間の文化交流を担うという点で共通項があり、ひょんなことから意気投合したメンバー同士で、日本製オリジナル刃物（ハサミや刺身包丁）を製作し販売しようという動きが生まれました。日本ならば接点のないこうした異業種間の交流も、当地ならでは興味深い親交のうちの一つだと思います。正統の包丁を手に入れたいという人は多いですが、どの包丁を選んだら良いのか分からないといった意見の中、価格や輸送面からも個人的な取り寄せとなると難しくなります。私はいずれ日本の刃物の産地まで出向き、藤鶴プロデュースの包丁を作り、手ごろな価格で販売する予定でいます。

やりたいことをやると、人生も社会も豊かになっていく
　伊藤料理長への取材を通し、彼の元で修行をする職人は辞める人がいないという逸話が納得できた。「君にはこの仕事は向いていないようなので辞めた方がいい」と言っても、誰一人として辞する人はいなかったという。こうした彼の心意気と職人気質に惚れ、伊藤料理道場の門を叩く人は後を絶たない。彼の料理指南動画を見たことがきっかけとなって、本質を学び、世界に通用する寿司職人が中国人の中から生まれたのなら、それが彼の本望なのだろう。

同店には、日本から定期的に空輸されてくる新鮮魚介が美しく店頭に並ぶ。昼夜を通し、国籍を問わず満席になる店内を見れば、その味は言うまでもない。

※まずは料理指南動画を作成し、料理教室の周知に努めるという。実技に興味のある人は、同店での講義も受講可能だ。詳細は、店舗に直接お問い合わせを。

藤鶴 割烹 Japanese Restaurant　FUJITSURU KAPPO
住所：広州市天河区珠江新城清風街48号広粤天地82号舗（海明路）
電話：（86）20-8928-7784、138-2614-0072（Vicky Luo 日本語可・English OK）
時間：11:30～14:30（L.O.14:00）、17:30～23:00（L.O.22:00）
※Alipay（支付宝）・WeChat Pay（微信支付）・銀聯（Union Pay）カード決済可