世界に誇る”隠れ”アートスポット

2017/06/28

【DAFENVillage大芬油画村】

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通りを歩けば“画工”たちが写真やタブレット端末と睨めっこを しながら腕を磨いている姿を見ることができる

世の中には良質のレプリカ(複製画)が数多く流通しているが、それらはどこで作られているかご存じだろうか?深セン市龍崗区布吉街道・深セン地下鉄3号線「大芬」駅のA1出口から歩くこと3分のところにある「大芬油画村」。ここでは世界市場のおよそ6割のレプリカが作られているといわれている。街のど真ん中に形成されたこの“レプリカ村”では、至る所で筆を走らせる人たちを見ることができる。油絵を中心に書画、刺繍、彫塑、工芸品を扱う美術商が立ち並び、1,200以上のギャラリーが軒を連ねる。中国各地から芸術を志す者が集まっており、この地に住む画家・絵師は8,000人以上ともいわれる。

かつてはひなびた農村だった大芬。1989年、香港の画商が20人の職人を連れて移住したのをきっかけに芸術文化が芽生えた。その後、行政もこの村の発展に寄与し、レプリカのみを手がける画工は深セン市の公募展に3回入選すると「画家」と呼ばれ、画家専用の住居に周辺の賃料の3分の1の値段で住めるなどの恩恵を受けられるようになった。そのため大量オーダーにも対応できる技術力と人材が育まれたのだ。

ここには、世界各地からお目当ての複製画を求めて訪れる人、ホテルやレストランなどに飾る絵画を大量に買い付けるバイヤーなど実に多くの人が押し寄せる。これほどまでに人気の理由は、クオリティーの高さと驚きの価格にある。余談だが、これらは決して贋作ではない。複製画は原則作者の死後50年が経過した作品で、サインは入れず、著作権を侵害していないかどうかはスタッフがチェックしている。「大芬美術館」で、新進のオリジナル絵画の展示などが行われており、この地で作品を生み出す画家たちのコレクションを鑑賞することも可能だ。

アクセス:
【DAFEN】深圳地下鉄3号線「大芬」駅から
「ウォルマート」方向へ約500メートル
【LOFT】深圳地下鉄1号線「僑城東」駅A出口から徒歩約10分

【OCT- LOFT 華僑城創意文化園】

地下鉄1号線 「僑城東」 駅から恩平街へ曲がり並木道を歩いて約10分。建物の壁にアートが描かれた「OCT- LOFT」 という名のそのオシャレ空間は突然現れる。 元は工場地帯だったというエリアを、 昔の趣きをそのまま利用して作られている。 「緑とアートと町の融合」 というコンセプトのとおり、 緑あふれるアーティスティックな空間が広がり、 本当にここは中国?と疑いたくなる。 エリア内には、 貸アトリエやギャラリー、 雑貨を扱うおしゃれなショ ップ、 オープンテラスのカフェやバーなどが点在する。 見応え充分なのでぜひたっぷり時間を使ってゆっくり探索したいところだ。 きっとアート好きなら1日いても飽きないだろう。 お気に入りの一箇所を見つけて、ちょ っと変わった服装の若者達を眺めて過ごすのも良いかもしれない。

また毎月第1土、 日曜日には、 「文化市集」 と呼ばれる大規模なアートマーケットが開催され、 若手アーティストたちが自慢の作品を出展する。 こちらの 「文化市集」 には、 香港からもバイヤーが足を運ぶというから1度は行ってみたい。

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