流行事情「鶏湯」

2016/07/13

鶏湯「鶏湯」(チキンスープ)はおいしくて身体にもやさしいことから長年人々に愛されてきた。最近では「鶏湯」と言う言葉が「心霊鶏湯」の短縮形として使われている。心霊と聞くと何やら怖いものを想像するが、中国語では「心」の意味。1993年、ジャック・キャンフィールドらが出版した“Chicken Soup for the Soul”(こころのチキンスープ)の中国語名が「心霊鶏湯」だった。この本では、人間の生き様が描かれ、読者の心を温める物語が綴られている。そのため、心温まる話のことを「鶏湯」と呼ぶようになった。「鶏湯文」は、短文や物語やエピソードなど様々な形がある。多くの場合、読み終わった時に明るい気持ちになる、失った自信を取り戻させてくれるなどのセラピー効果がある。ネットユーザーは、「鶏湯文」を見つけた時、「乾了這碗雞湯」(チキンスープを飲み干した)と表現する。

後に「反心霊鶏湯」というものも現れた。「心霊鶏湯」のような温かさはなく、極端な表現やショッキングな文章だったりするが、やはり癒やし効果があるという。「毒鶏湯」と呼ばれるものは、あたかも「心霊鶏湯」のように装いながら、実は宣伝であったり、詐欺まがいの勧誘であったり、何らかの裏の意図が隠されている。

「鶏湯」にセラピー効果があるとはいえ、それは一時的な気休めでしかない。たまにリフレッシュするにはいいが、「鶏湯」に依存しすぎると、現実逃避してしまう危険もある。

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