一元劵硬幣化工程(1元券の硬貨化プロジェクト)

2016/06/02

1元
1元紙幣から1元硬貨への移行が進む?

硬貨は財布が膨らむし重たいので、1元紙幣を好む人が多い。実際によく使用されているのも紙幣のほうだろう。しかし、好むと好まざるとにかかわらず、1元紙幣を目にすることは次第に減ってくると予想される。これは「1元券硬幣化工程」(1元券の硬貨化プロジェクト)と呼ばれる切り替え措置が実施されているためだ。現時点で、この切り替え措置はすでに山東省内の特定都市で実施されており、これらの都市では銀行への1元紙幣の供給を停止し、1元硬貨へ切り替えが進んでいる。中国人民銀行副総裁が両会(全人代と政治協商会議)期間中の取材で、明らかにしたところによると、これは山東省単独の措置ではなく、全国規模の措置で、各地でこれから徐々に進められていくという。
切り替えの具体的な実施予定は明らかにされていないが、すでに現在進められている特定都市における進捗状況からすると、広東省でもそれほど遠くない将来実施される見通しだという。1元紙幣がなくなれば、財布に入れる硬貨が増える。これに慣れなければならない。ただし、この措置はそれ相当の長い時間がかけられる見込みなので、当面の間は1元紙幣の流通に大きな影響はないという。銀行の窓口で受け取る1元が明日からすべて硬貨になるというわけではない。かつて流通していた2元紙幣も市場から姿を消すのに10年の歳月を費やしており、切り替えには相当の時間がかかると予想される。

1元1元
なぜ硬貨に切り替えるのか?

硬貨は持ち歩くのが不便だと感じる人が多いのに、なぜ切り替え措置が進められているのか疑問に思う人も多いはず。それは、硬貨の方が紙幣よりもコストや資源面でのメリットが多いためだ。以下の四点がメリットとして挙げられている。
①寿命:硬貨の流通寿命は紙幣の流通寿命をはるかに上回る。普通、紙幣は300回、硬貨は3000回の流通が可能だという。
②自販機の普及:自動販売機、駐車場の自動精算機、地下鉄や公共交通機関の自動券売機の普及に有利。
③衛生:紙幣は汚れやすく、ウィルスや細菌が伝染しやすい。硬貨の方が伝染を軽減できる。
④資源の節約:紙幣製造に必要とされる木材、綿花、水などの資源を保護できる。金属は長期間使用でき、数十年後に回収して再利用できるため、コスト面でも有利。

日本の場合
かつて日本でも、100円や500円など、紙幣から硬貨へ移り変わったものがある。1966年、100円紙幣の廃止が閣議決定されたが、その主な理由は1元の場合と多少異なるようだ。それは、インフレが主な原因だったとのこと。500円の場合はやはり、耐久年数がはるかに長いことが主な原因として挙げられている。

Pocket
LINEで送る