流行事情 「回南天」

2016/04/12

結露例年2月~3月、広東と広西に住む“両広人”が頭を悩ませるのが、「回南天」と呼ばれる超高湿気候だ。日本の梅雨とは違い、暑さによる不快感はないが、全てのものを水で濡らしたような水浸し感が半端ではない。屋外より屋内の方が寒くなるため、窓ガラスの外側に大量の結露が生じる。うかつに窓を開けようものなら、床や壁に結露が生じ、あらゆるものが水分を吸ってしまう。もちろん洗濯物は干しても乾かない。脱水した洗濯物を干せば逆に湿気を吸っているのではと感じさせるほどだ。なぜこのような気候になるかというと、冷えたグラスに水滴がつくのと同じ原理で、冬の天気で冷えた物体の表面に温かく湿った空気がぶつかるためだ。また、結露しやすい気候にもかかわらず、華南地方の建物はほとんど断熱対策が施されておらず、タイル床が主流であることも、この現象に拍車をかけている。雨の当たらない場所、普段濡れない場所がびしょ濡れになるため、思わぬ場所で滑って転倒しやすくなる。また、除湿を怠るいろいろなものにカビが生えてしまう。

回南天対策で、まずおぼえておきたいのは、極力窓を開けないようにすること。必要な換気以外、家中の窓をしっかりと閉めておく。特に南向きと南東向きの窓はきっちり閉める。さらに、除湿剤・乾燥剤、除湿機で対策する。エアコンにも除湿機能がついているが、部屋が冷えてしまう。暖房にしても除湿効果はない。そのため、除湿機は広州生活の必需品となりつつある。

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