流行事情「清明節」

2016/04/06

中国には「清明節」別名「踏青節」という伝統的な祭日がある。毎年4月5日前後で、墓参りをして先祖を祀る。土地により風習も異なるが、ここでは広州の清明節について紹介しよう。清明節で欠かせないのは「掃墓」――先祖の墓を参り、草むしりをして墓を掃除すること。親や先祖を敬うことを重視する中国では、古くから「清明掃墓」の風習があった。雨季が到来する前に、先祖が住まう墓を掃除し、土を盛り、供養する。墓参りの際、お酒やご馳走や果物、紙銭とよばれる冥土の紙幣などが供物として用意される。ご馳走などのお供え物を墓前に整え、紙銭を焼き、新しい土を盛る。そして、柳の枝を挿して、ぬかずいて礼拝する。最後にみんなでお供えのご馳走やお酒をいただく。

広州人が清明節で用意するご馳走には包子やサトウキビ、発糕(蒸しケーキ)などがある。包子と発糕は、蒸す過程で小さな生地の塊が大きく膨らむので、一族が大きくなるようにという願いが込められている。サトウキビは、真っ直ぐに育つことから、一族がすくすくと繁栄することを願う縁起物だ。もう一つ欠かせないご馳走は「烤焼猪」(仔豚の丸焼)だ。広州では古くから清明節の際に烤焼猪を供える風習があり、広州清明節の名物にもなっている。たいていどこの家でもこの仔豚をまずご先祖様にお供えしてから、親族が集まって宴となる。毎年、清明節前には、広州の有名ホテル、老舗料理店で烤乳猪の一大商戦が繰り広げられる。
仔豚の丸焼

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