本格つけ麺の店「海老江」広州市天河区

2015/08/25

海老江の店内の様子海老江、広い店内

海老江の拉麺今年6月、高徳置地冬商場5階に「海老江」がオープンした。こちらのお店のポリシーは「この世のすべての食材に感謝を込めて」(感謝世界上所有食材)だ。食材を丹念に選び、真心を込めて、本格魚介つけ麺を提供している。
店名の「海老江」は、大阪市福島区にある地名から取られた。オーナーの王璐さんは幼いころ、よく海老江地区を流れる淀川付近に住む親戚の所へ遊びに行っていたので、淀川には特別な思い入れがあるのだという。
店に入ると、左の壁面にハンドペイントで描かれた壁画が目に入る。この壁画は、淀川の風景をモチーフにオーナーの王さん自らが描いた作品だ。淀川の一方の岸には満開の桜、もう一方の岸には商店街が、川の中ほどには大きな赤いお椀が描かれている。そして淀川を取り巻くように一筋の長い”紅棉“*がお椀から伸びている。”紅棉“は、料理長である北野さんが以前に淀川河畔の海老江地区で営んでいた中華料理店の名前だ。オーナーの王さんは以前、この「紅棉中華料理店」でよく食事をしていた。そして、そこで北野さんと知り合った。オーナーの紹介によれば、この”紅棉“には、”日中麺文化をつなぐ“という特別の意味が込められているという。事実、今こうして遥か彼方の淀川から伸びた”紅棉“がはるばる広州までたどり着いたのだ。
海老江のつけ麺「海老江」の看板メニューは「海老王沾麺」(つけ麺)と「海老魚介沾麺」(魚介つけ麺)だ。同店が特にこだわるのは”麺“だ。使われる麺はすべて自家製麺所で作られ、そのすべての工程において、北野料理長が厳しく品質をチェックしている。麺そのものはもちろん、スープのダシもしっかり吟味されており、海老、カツオ、サバ煮干などがベースとなっている。看板メニューのつけ麺以外にも、味噌ラーメン、豚骨ラーメン、大阪チキンスープラーメンなど定番のラーメンが味わえる。このほか、海老江製麺所では現在、麺類・ご飯類の新メニューを考案中なので、乞うご期待とのことだ。
「海老江」の隣にはムービーシアターがあり、週末には多くのショッピング客が映画のチケットを購入し、映画の上映時間までの待ち時間を利用して海老江に立ち寄る。どんな理由にせよここで一杯のラーメンをすすることで店とお客様との縁が結ばれるので、看板には「和你一面之縁」(一会のご縁)の一文が記されている。とはいえ、ここのラーメンを一度味わってみれば、きっとその味が忘れられなくなるはずだ。一度のご縁が、二度、三度とつながる……そうした地道な出会いが、壁画から伸びる”紅棉“のように、着実に日中麺文化の橋渡しとなっていくことだろう。

 

*紅棉(こうめん):中国では英雄の木と呼ばれる。和名はキワタ(木棉)。鮮やかな赤色をした肉質の五弁花を春に咲かせる。広州市の市花であり、広州市を拠点とする中国南方航空のシンボルマークにも採用されている。

海老江 店内

海老江
住所:広州市天河区珠江新城
高徳置地冬商場5楼528
電話:(86)135-7096-0848(英語可)
時間:11:00~21:00

 

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