広東の風習「洗杯(サイペイ)」をやってみよう !

2014/12/09

広東省の食器

中国広東省に来たら、中華料理レストランで上司や同僚、地元の友人達と卓を囲んで食事をする機会が多いはずだ。その中で、特に地元の友人達や周りの中国人利用客を見てみると、日本では滅多に見ることのできない風習に出くわす。それは、食事前にお茶で食器を洗うという行為だ。この異様な光景を初めて目の当たりした時、思わず目を見開いてしまった人は多いのではないだろか?

お茶で食器を洗う行為を現地の言葉では「洗杯」(サイペイ)という。ではなぜこの洗杯を行うかというと、昔、衛生状態があまり良くなかった時代に、自分のお茶で自分の使う箸、レンゲ、湯飲みなどを洗ってから食事をしていた事から根付いた風習らしい。とはいえ、衛生管理が比較的浸透してきた現代でも未だ洗杯が行われているのはなぜか?どうやら、地元の人達にはこの習慣がしみ付いていて、もはや洗杯をしないと落ち着いて物を食べることができない、洗杯しないと気がすまない!と無意識的に思っているからだそうだ。なので特に大きな歴史的背景があったり、特別ないわれのある伝統慣習というわけではないようだ。我々日本人に例えると年が明けると無性に初詣に行きたくなる、行かなきゃいけない気がする……!と思うのと同じ感じではないだろうか。(※編者個人の見解です!)

この洗杯は広東省を含む南方地域だけで行われているものであり、北京などの北方地域では行われていない。またこの行為は円卓のあるレストランのみ行われているものであり、全ての食卓でやる行為ではない。

広東省「洗杯」

洗杯のやり方は❶まずコップにお茶を注ぐ。❷コップを少しゆする。もしくは箸を使って汚れを落とすかのようにかき混ぜる。❸箸とレンゲ、そして小皿にその茶を流し熱湯消毒。❹洗い終わった後、専用のボールに流して捨てる。❺一番下にある受け皿は骨や食べかすを捨てるための物であるため基本的には洗わなくてよい。やり方は様々であるため現地人に直接教えてもらうか、見よう見まねでやって覚える方が効率的だろう。

この洗杯は任意なので、必ず行わなければいけないというわけではない。だがこれは広東特有の儀礼でもありそれを誇りに思う人がいることも事実。なので外国人である我々が洗杯を行えば相手に良い印象を与える事ができるかもしれない。覚えておいて損はないだろう。洗杯をして広東文化を直接肌で体感しよう!

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