中国スマホブランド 「小米」の躍進

2014/09/29

中国(都市部)のスマートフォン販売シェア

1位 サムスン(三星)
2位 小米科技(Xiaomi)
3位 アップル

(2014年1月から5月の調査結果)

中国スマフォ

市場調査会社である株式会社カンター・ジャパンが、2014年1月から5月にかけて中国(都市部)で実施した調査によると、過去1ヵ月の間にスマートフォンを新規契約または機種変更した人のスマートフォンブランドの割合は上記の結果となった(1位がサムスンで23%、2位が小米科技で21%、3位がアップルで16%)。

注目は2位の「小米科技(シャオミ)」。サムスン、ノキアなどのユーザーからの乗り換えがうかがえる。小米ブランドの購入者に対し、購入前にスマホを使用していたかどうか、また、使用していた場合はどのブランドだったのかについて聞いたところ、購入前もスマホを使用していた人の割合は70%、また、以前のスマホのブランドも小米だった人の割合は20%だった。

さて、小米科技というブランド、中国以外ではほとんど耳にしないが今、中国で最も勢いのあるスマートフォンブランドの一つと言われている。2013年の出荷台数は1870万台となり、前年の2.6倍。2014年も倍増の目標を掲げている。急成長のカギは小米独特のマーケティング手法にあるようだ。中国の他のスマホメーカーとは違い、SNSを利用したマーケティングに力を入れている。

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小米は100人規模の専門組織「社交媒体部」を設け、社員がSNSでユーザーと交流することを奨励している。1月に開かれた小米の会社忘年会では、アップルのパソコン1号機「アップル1」を設計したスティーブ・ウォズニアック氏を招待。さらに、忘年会の様子をSNS「微博」で生中継した。小米を身近に感じ、新製品や経営の情報を共有できる環境を築くのが小米流だ。さらに、独自開発した「MIUI」というスマホ用ファームウエアを展開しており、最新版を毎週開発・無料配布している。しかも、公式ホームページでユーザーが最新版にコメントを書き込めるようにもなっている。

中国勢の中でも明らかに異質な手法を取るIT企業。ただ、予想を超える速度で成長している一方、予想を超える速度で衰退するという可能性もある。今後の小米を見守っていきたい。

MIUI

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