カバーストーリー 2022年9月第2週号「広東特有 中秋節の習わし」

2022/09/07

中秋節のこの時期、街はランタンで溢れ、月餅を贈り合う習慣にも読者の皆様は親しんできたと思う。今回は広東各地特有の中秋節に行われる風習を紹介しよう。

広州――樹中秋
広州には「樹中秋」という伝統的な風習があり、樹と竖の発音が同じということから、「竖中秋」とも呼ぶことができる。これは提灯が高く立つという意味で、中秋節になると、各家庭は竹や果物など多様な形態で提灯を作る。そして夜になると、提灯の中でろうそくを灯し、下にはたくさんの小さな提灯をつなぎ、屋根や高い木などの高い場所から吊るすのだ。16

佛山——舞火龍
仏山市南庄鎮には、一年中元気に健康であることを祈願する「舞火龍」という風習があり、これまでに百年以上伝わってきた。「火龍」は草で編んだもので、村人の願いを託した香火が差し込まれた後、爆竹と銅鑼が鳴り響く中、火龍が踊る様子を村人たちは鑑賞し祭る。

潮汕——拜月娘、祈福折花籠
潮汕には中秋の月娘(月のこと)を祭る風習がある。日本のお月見と違うのは、庭やベランダに机を置き、その上にろうそくを灯す。そうして冥紙(神様に捧げる紙のお金)、果物、餅などを供物として置き月を愛でるのが一般的。そのほか8月に収穫された里芋を、農民たちは祖先、神様に祭る風習も存在する。17

恵州―舞火狗
恵州龍門藍田瑶族郷では、瑶族人を育ててくれた伝説上の犬に感謝する「舞火狗」イベントが行われる。その昔、瑶族の偉い人は幼い頃に母を亡くし、その父は母犬の乳で赤子を育てたと伝えられている。地元の老人によると、舞火狗は少なくとも300年の歴史があるという。

陽江―糖鶏を食す
糖鶏は陽江城特有の伝統的なお月見食の一つ。この糖鶏は当時の餅職人が生み出し、その造形が美しいことで陽江城を風靡した。日本でいう水飴のようなもので、白、赤、禄など色素を加え色鮮やかなのが特徴だ。きれいで形状は面白く、子どもたちのお気に入りともなっている。この古い手作りの糖鶏は、全国で陽江にしかないそうだ。18

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