エッセーの瀬!Vol.125「中国語の勉強と一念発起のHSK PART1」

2022/08/03

essay (2)

~在中邦人の感賞的後日談~
音楽、文藝、料理、絵画…世の中のありとあらゆる藝術を、市井の目線から解いてゆく…
気鋭のライター4人が送る痛快リレーエッセイ

 

中国語の勉強と一念発起のHSK PART1

photo3中国語に初めて触れたのは、大学一年生の頃。

親元を離れて大学生になったマツイを待ち構えていたのは、真面目な大学生活かと思いきや、テニスに明け暮れる、いわゆるサークルライフを謳歌するイージーゴーイングな大学生活。いかに楽に単位を取るかを教えてくれる優しい先輩にも恵まれ、マツイの大学生活はスタートしました。

そんな優しい先輩が教えてくれた「比較的単位の取りやすい授業」の一つが、『チャイ語』といわれる「中国語」の授業。(非常に努力して中国語を学んできた方々には失礼にあたるかもしれませんが、これはあくまで、マツイ個人の経験談ですので、悪しからず)
photo2第二外国語は必須単位の一つで、英語以外の外国語で何を学ぶかは、新入生の関心の一つだ。専門によっては、ドイツ語を学ぶ学生もいるだろうし、フランス語が必修だったりするかもしれない。しかし、教育学部、特別支援教育を専攻するマツイにとっては、第二外国語の単位は、あまり重要な単位ではなく(その当時はそう思っていた)、英語以外はなんでもいいよ~みたいな、そんな感じだったので、特に深く考えもせず、中国語を学ぶことにした。(単位取りやすかったし)

100人近くの学生が入るような大講堂での語学の授業で学んだことは、中国語には声調というものがあって、同じ音でもイントネーションによって意味が違ってくるということ。それが一番初めに非常に大事だと教えてもらった声調重視のその授業は、ずっとその練習がメインで、マツイは「いつになったら使えるようになるんだろう」と思わずにはいられなかった。そのうち、『代返』とやらをうまいこと駆使するようになり、持ち前の要領の良さ(と言っておこう)を発揮して、無事に『優』で単位を取得することになる。

それから月日は流れ、縁あって中国で暮らして、早10年。今になって、後悔をしている。そう。あのとき、真面目にしっかりと学ばなかったことを後悔している。中国に暮らし始め、何度か中国語を学んでみようと、体験レッスンを受けたことがあった。しかし、そこでも、声調重視で、大学時の「チャイ語」の授業が見事にフラッシュバックし、「自分には合わぬ」と、勝手に線引きして音を上げていた。

しかし、今、マツイは中国語を勉強している。広州で、あんなに「中国語、習いません」宣言をしていたにも関わらず、今、マツイは中国語を勉強している。HSK○級取得に向けて勉強をしている。そして、今、実は、楽しい。
photo1 語学の取得の仕方は、人それぞれだ。実践から学ぶ努力家もいれば、基礎基本から身につける堅実家もいる。強制的に使わねばならぬ状況に身を置いて、何が何でも学んでやろうと強い意志を持つツワモノもいる。マツイはどうだ?アナタはどうだ?言語を教える身として、自分の体験だけでは、この方法が良いだとか、これは悪いだとか、そんなことは一概には言えないし、できれば言いたくない。だって、それぞれの最適な方法があると思っているのだもの。いろんな学び方があることを伝える手助けはしているけど、「こうやりなさい!」「このやり方じゃないとダメです!」なんていうことは言えない。

大事なのは、「学びたいと思う『時』がくること」。その『時』が、来たんだ、マツイにも。ようやく。

 


Maki

広州5年間の滞在を経て現蘇州在住5年目に突入。憧れの中国十年戦士に。そのうち二十年戦士に憧れる日が来そうな予感。古巣広州がいつまでも大好きな(自称)フリーランスティーチャー。寝台列車で広州に向かうのが好き。ビールがあって、大好きな友人たちがいればご機嫌。飛騨高山出身。旅好き・人好き・お酒好き。テニスも猫も音楽も好きだ。

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