かつての金融街「淘金路」 昔と今

2022/05/18

かつて金融街として栄えた淘金路
スクリーンショット (1207)スクリーンショット (1208)5月初旬の労働節には、淘金路周辺は人手が増え、久々ににぎやかなエリアとなった。花園ホテル、高級ブランドが入る麗柏広場、ハイクラスの西洋レストランなどが建ち並び、インスタ映えが望めるチェックインポイントとなっている。
さてこの淘金路、かつて広州の富の象徴だったことをご存知だろうか?その昔、金融街として栄えていた淘金路では、コンビニより銀行の数の方が多かった。急ぎ足の海外ビジネスマン、英語の看板、香り高いカフェ、広州で1店目となったマクドナルドなど、多くの人がこの街並みに心を奪われた。

人々の夢が集まったストリート
5号線「珠江新城駅」から滘口方面にたった5駅乗ると、淘金駅に到着する。淘金は中国語で「砂金を集める」の意。中国語の知識のある方ならば、この地名を聞くと、金にまつわる地名だということに気づく方もいるかもしれない。
淘金は広州市の環状道路の一部に位置。昔、周辺で金鉱が発掘され、富を求めた人々がこの地に集まったことから名づけられた。カレンダーを30年前にめくり返してみると、今日の珠江新城の姿と昔の淘金路が重なり合う。

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30年前の広州、淘金路は前述の通り、ショッピングモールやホテルが集まるにぎやかなエリアだった。さらに中国農業銀行、中国建設銀行など大銀行が軒を連ねていた通りだ。
1976年、高級ホテル「白雲賓館」が中国で初、海外ゲスト用の星つきホテルとしてオープン、85年には「花園ホテル」が開業。中国で初めての五つ星ホテル開業のニュースに現地の人々は沸いた。さらに、広州タワーが落成する以前は63階建ての「広州国際大厦」が広州で一番高い建物として人々に親しまれてきた。
この「広州国際大厦」、1991年に建設され、今までの広州のスカイラインを一段と引き上げる画期的な存在となった。ホットなスポットに人気ブランドショップやホテル、ショッピングモールなどがさらに一斉に出店し、世界各国のブランドやメーカーの一号店が数多く見られるようになっていく。

淘金路のマクドナルドが夢の場所だった
92年になると、マクドナルドの一号店が広州国際大厦にオープン。当時子どもであった80後世代の人々からすると、両親がお休みの日に「さぁ、出かけよう」と言えば、目的地は必ず広州国際大厦にあるマクドナルドだったと皆口を揃える。また当時学校で、マクドナルドに行ったことを自慢すると、クラスメートたちに羨望のまなざしで見られることもあった、なつかしいエピソードもある。残念ながら同店は2010年に閉業してしまうが、広州の人々に残したマクドナルドでの思い出はいつまでも心の中に色濃く残るだろう。スクリーンショット (1209)
続く2003年、いよいよ都市の象徴「スターバックス」の開店だ。新しい物好きな若者が足を運び、一大スポットとなる。04年に高級ブランドが入る「麗柏広場」が完成、街の雰囲気も少しづつ洗練されたイメージに変わっていく。
シンプルでさわやかな雰囲気を好む時代の流行も加わり、淘金路の以前のような豪華な面影は少しづつ消えていく。今では天河と越秀の中間、ゴージャスでもなければ、静かでもない、心地よい小さな都市として、多くの人に愛されている。
人で賑わう街角の一角では、木陰でおしゃべりに夢中になっているおばあさんたちの姿、眠そうにしている猫や、将棋を打つおじいさんたちの背中も視界に入ってくる。
昔の繁栄と、色濃く残る風情が交差する淘金路、ぜひ一度散策しに出かけてみては。
(PPW編集部)

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