殿方 育児あそばせ!第33回

2022/03/16

殿方育児あそばせ

 

本人の好きな(興味のある)ものと父の思うところ

以前にも少し触れたがチビはウルトラマンが好きだ。私の誘導もあったが、相変わらず何かといえばウルトラマンを欲しがったり、真似をする日々を過ごしている。
ある時チビの、携帯画面を見つめながら何かブツブツというか、ごにゃごにゃというか、呪文のような独り言が聞こえてきた。ikuji1
「……だいなぁ~、ねくさすぅ……」
何を言ってるんだ?と聞き耳を立てながら携帯を覗いてみたら、TikTokで何かの動画を見ながら、歌真似をしていた。
もちろん中国語のTikTok(抖音)だが、動画のBGMで流れている歌が日本語で、ウルトラマンの名前をうまく並べて歌っている。チビはその動画が好きらしく、何度も繰り返し観ながら歌を口ずさんでいる。
そして、そんな事があったのを忘れていたある日。
「だいなぁ~、ねくさすぅ~~♪」
とチビが歌っていた。
「え!それ覚えたの!?」
日本語を解さないチビが、日本名のウルトラマンの歌を高らかに歌っていた。
普段はひらがなや物の名前、動物、挨拶などを日本語で教えるが、興味がないためか中々覚えないチビが、ウルトラマンに関係のある歌だと特に意味は知らずに歌えるようになっているのを見て、自分の小さい時を思い出していた。
そんなウルトラマン好きなチビだが、未だにウルトラマンの中国語名を正確に発音できない(笑)。今(4歳)よりも小さいときから「奥特(te)曼(ウルトラマン中国語名)」を「奥 ku 曼!」と言う。「AoTeMan」と教えても「AoKuMan!」と返してくる。最初に覚えた時の言葉が脳内に焼き付き、その後の改編を拒んでいるようだ。こいつは性格だけじゃなく脳までもパパに似て頑固だな、と嬉しいような複雑な気持ちになった。
ほか、興味がある(好きな)ものと言えば、携帯ゲーム、Wechat、抖音、イチゴ、赤色、が思いつく。
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イチゴは、食べ物や飲み物で、何が良いか聞くと必ず、「草莓味~!」と力強く返事する。こっそり買って帰った、きのこの山とたけのこの里のイチゴ味バージョンを見つけた時も、黙々と手に取り、何も言わずに私の目の前に小袋を突きつけ「早く開けろ」と目力で迫ってくるほど。「これはパパのだから、あげないよ」と意地悪すると、途端に顔色が変わり、「婆婆~~!(涙)」とおばあちゃんに泣きつく。
赤色に関して言えば、何かにつけて赤色を欲しがる。あ!なるほど、だからウルトラマンも好きなのかも、と今更ながらに気付いた。

携帯電話は以前からいじるのが好きだった。しかし、ローカルニュースでも目にする問題や事故を考えると、制限をつけないとダメだなと考えてはいるが、中々いいアイディアが思いつかない。そんな時は自分の小さい時を思い出す。ikuji4
「昔は携帯なんぞ無く、家電で友達に連絡したり、直接会って遊んでたのになぁ」
などと言っても、自分ですらスマホに変えてから依存度は増すばかり。
自分の親父は、連休になれば友達や知り合いと一緒に海や山にうちら兄弟を連れて行ってたアウトドア派で、家にファミコンはあったが、親父の前ではやった記憶が無い。単純に親父が野球のテレビ中継を見るため、テレビを独占していたことが原因だが、昔はそういった環境が普通だった。
さて今後はどうしたものか、下手の考え休むに似たり、だ。よし!もう少し大きくなったら今度は運動に興味を示すように誘導しよう(笑)。但し、目標は欲張りにスポーツ“だけ”じゃなく、“何事も”万能だ!

小小、こいがらパパは星一徹けんたさぁなるはんで覚悟しでおげよ(笑)。したども勉強も大事だ、けんどパパさは聞がねーでけろ。わぁはそっちっきゃ無理だ(汗)。


photo prof平太郎
日本の東北出身で中国語がまったくできないまま中国に来ちゃった無計画男。寒い所と雪かきが嫌で南国広州で定住をほぼ決めている。最近はコピーロボット的な振る舞いの息子に同族嫌悪を覚えながら似たもの親子で一緒に妻に怒られつつも子育てに奮闘中。趣味というかライフワークになりつつあるクラフトビールを片手に夜な夜なビアバーを探し、せこせこリスト作りに励んでいる変人に果たしてまともな人間に育てられるのかと禅問答を繰り返す日々。

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