嶺南伝統のお菓子「倫教糕(白糖糕)」

2014/06/10

嶺南伝統菓子「倫教糕」
(lun-jiao-gao)

倫教糕(白糖糕)

「倫教糕」(別名「白糖糕」)は嶺南伝統のお菓子だ。名前の由来は、広東・順徳の「倫教」という場所が発祥なのだ。しっかりした味わい、独特の風味が人々の舌に愛されており、広州では点心の1つとしてよく知られている。見た目の涼しさと、さっぱりした甘さから、広州の暑い夏には特に好んで食される。倫教糕の歴史は古く、一説によれば、1855年(清の時代)、倫教でお粥・菓子の店を構えていた梁という露天商が偶然発明して広東各地に広まったという。見た目以上に手のかかる調理工程なので、手軽なお菓子ではなかっただろうが、現在では広東・香港で広く親しまれている。

主な材料は上質の米と砂糖――至ってシンプルだ。「倫教糕」の特徴「白い輝き」の理由はこの材料にある。材料がシンプルなだけに、出来栄えは料理人倫教糕(白糖糕)の腕次第で大きく変わる。味も見た目も満足な倫教糕を作るにはセンスと熟練が求められる。おおまかなプロセスは、お米の汁に砂糖を加えて時間をかけて発酵させたものを蒸すという流れだ。発酵具合や蒸すタイミングが味、食感、表面の輝きを大きく左右する。発酵しすぎると酸味が出るし、発酵が足りないと食感や弾力に影響するのだ。発酵のタイミングを極めるのが重要なポイントということになる。こうしてできた上等の「倫教糕」の表面は、「鏡」や「美人の白い肌」に例えられるほど真っ白できれいに輝く。軽く弾ける独特の弾力と控えめな甘さが絶妙な1品に仕上がる。

広東・香港にお住まいの方であれば見たことはあるかもしれない……でもそのシンプルな見た目から積極的に食べてみたいとは思わなかったのでは?ではぜひ、一度試してみよう!食べてみると意外なおいしさに虜になってしまうかもしれない。

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