殿方 育児あそばせ!第27回

2022/02/02

殿方育児あそばせ

 

最終回

家族とのビデオ通話は毎日の日課だ。娘達も時には画面に登場して来て最近の近況を話してくれる。まさにリモート家族団らんだ。Googleの提唱する「心理的安全性」というものが「家族」という1つのチームにも通用すると思っている。誰もが気兼ねなく何でも言えて、助け合い、感謝し合い、そして対話ができるチーム。そこから、明日からの良いパフォーマンスに繋がる。それが「家族」というチームでも同じことだ。日本と中国との別々の暮らしの中だが、心の距離は離れないように、これからも今のこの瞬間を大事にして行こう。そんなことを思いながら、今宵もビールを呑んで心の治安を維持している赤林であった。

さて、今までは、家族と広州にいた頃の回想が主だったが、今回は日本の家族の近況報告しようと思う。

1月長女のリモート誕生会

1月長女のリモート誕生会

1月は長女のリモート誕生会を開催した。誕生会は、娘達が生まれてから毎年催している恒例行事である。「また今年も誕生会を迎えられたこと誠に嬉しく思います」などと、私からの堅苦しい挨拶で誕生会は幕を開ける。そこからHappy Birthdayをみんなで熱唱して、寿司、ケーキを食べる。これをずっと続けて来た。画面越しに、家族が美味しそうに食べる様子を見ながら、私はどん兵衛を食べていた。これで良い。十分美味しいのだ。「16年間私を生き長らえさせてくれてありがとう」という主役(長女)の挨拶に笑った。

1月は次女の人生3回目のスキー教室があった。次女の生まれは山形だが、今までの転勤先がずっと雪が無い地域だったので、スキーの経験をさせてこなかった。しかし、山形での学校ではスキー教室があるのが一般的で、みんな小さい頃から普通に滑れる。スキーウェアやブーツやスキー板までを卒業生から借りて、広州から戻って転入した中1からゲレンデデビューした。完全なる初心者なので、他のグループには入らずに特別マンツーマン体制で指導してもらっている。リフトの速度も次女が乗る時だけ遅くしてくれたという、バックアップ体制がばっちり過ぎて笑った。

娘達と雪(田園風景_冬Ver.)

娘達と雪(田園風景_冬Ver.)

2022年1月の山形(米沢市)

2022年1月の山形(米沢市)

2022年1月の山形(米沢市)

2022年1月の山形(米沢市)

今年の冬は豪雪だ。明らかに雪の量が例年以上ということで、長女が高校に通う山形の米沢では、通学用の大型バスの窓の高さまで雪の壁ができている。なんでも、市の除雪予算の6割を既に1月初めで使い切った、というくらいだから、相当な状況だろう。
私は10年以上山形から離れているが、雪のある生活が本当に大変なのは十分経験済みだ。除雪車は一晩中稼働していてエンジン音が冬の夜に響き渡る。朝は早く起きて除雪して道を作らないと、まず家から道路に辿り着かない。車の暖気運転もするのでガソリン代も出費が多くなる。妻はそんな中、毎日、通勤や子供の送迎の為に雪道を運転している。雪道の運転はコツがいるのだが、もし滑ったりハンドルが取られたりしたら、雪の壁に突っ込んで行く方針らしい。まぁ人に突っ込むよりは良いので仕方ないのだが、雪が解けるまであと2ヶ月、運転は十分に気を付けてね。

広州から新年快乐!

広州から新年快乐!

それぞれに、みんな日常生活、学校、仕事を頑張ってくれている。既に家族と2年会ってないが、色々な活躍を聞いていると本当に有難いと思っている。そんな中、娘達も4月から高2と中3となる。
そんな背景と、家族と一緒に住んでいないなかで「育児」というテーマのこのエッセイを続けることが個人的にも難しくなってきた。楽しく書きたい、実際書いて楽しかった。その気持ちのまま終わりたい。かつて家族と住んだ広州での出来事をここに残せたことは本当に感謝している。読んでいただいた皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました!!

最後に、今年も皆様とご家族様がご多幸で素晴らしい一年になることを心より願っております。おしまい


photo ryu prof

 

赤林 龍

広州生活2年8ヶ月。
1983年1月31日生まれ。山形県出身。長女は高校1年、次女は中学2年の娘二人。元広州で今は日本在住。育児のモットーは、抱っことハグは大事、絵本の朗読は俺の出番、大人買いというものを見とけ、ゲームもLINEもたくさんやって学べ。そんな親父だから娘達は案外しっかり育っているのかなぁ(笑)

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