殿方 育児あそばせ!第16回

2021/11/03

殿方育児あそばせ

 

娘よ。本音を聞かせておくれ!②

1「家族と会いたい」

 家族と離れ1年8ヶ月が過ぎた今、切実に感じる率直な感情である。でもこの状況を不幸と感じるのか、今だから出来ることをやるのかで、家族の絆やあり方は変わって来ると思う。コロナの影響で離れ離れになり、日本の家族たちは言うなれば母子家庭の状態だ。娘の部活送迎、保護者会、弁当作りなど、一人で家庭を支えている妻の日々の苦労を直接労うことも出来ず、娘達の卒業式も入学式も見ることは叶わなかった。でもそれを嘆いたところで誰も幸せになれない。遠く離れた広州から出来ることは心よりおめでとう、いつもありがとうと伝えることだ。それは出来るのだから。

 さて、今回のテーマは前回に引き続き娘達への質問コーナーである。

質問2
転校を4回経験して良かったこと、辛かったことを聞いてみた。

長女:

 良かったことは様々な経験が出来て視野が広がったこと。特に中国では今までの日本国内とは違い、異文化や価値観の違いに触れることが出来て、もっと世界を自分の目で見てみたいと思うきっかけになった。あとは、各地に友達が出来たこと。頼れる友達がいることは今の距離が近かれ遠かれ良いことだ。

 辛かったことは、友達やその土地との別れ。仲良くしてくれたお友達、馴染みのある街と離れるのは悲しかった。ようやく慣れて来た日常から、また新しい環境の中へ。新しく出会った人たちとの学校生活と人間関係。それは辛い時もあったけど貴重な経験したなと思う。

次女:

 良かったことはいっぱい友達が出来た! あと、色んな所の美味しい食べ物を食べることができたり、色んな方言になまったりとか(笑)1番は転校4回もするなんて凄いってよく言われること。

 辛かったことは勉強。学校によって授業の進み具合が違うので、授業によっては付いて行くのに必死だったし、まだ習ってない内容がテストに出た時は大変だった。そして、特に広州では英語の授業のレベルが高いと思った。小学6年の時に中学1年の内容だったのでびっくり。英語の授業はいつも先生が付きっきりだったし、英語なんて大嫌いっていつも思っていた。でも、その経験もあってか今では1番得意な教科になっていること。

親父コメ:

2 「もう学校行きたくない」その言葉はいつでも覚悟していた。そう言ってくるようなら受け入れようと決めていた。彼女たちの人生を振り回しているのは私だ。という責任。しかし、一度たりとも娘達の口からその言葉は聞いたことがない。色々あって当然だろう。本当によくやってきたね、と感謝の気持ちしかない。

 長女は幼稚園から転園していて現在の高校までで所属した学校数でいえば延べ8校となる。中学校も3校転校している。多感な時期に申し訳ないと思いながらも、「かわいい子には旅をさせよ」って言うし、これで良かったのだと。そう信じている。

 次女も同じような経験をしながら、親に心配かけたくない気持ちも感じる。「学校はどう?」と聞けば「楽しいよー」しか聞いたことない。だから困った時には姉に相談していることもあったと思う。今は部活でバレーボールを頑張っているようだ。試合の様子は動画でしか見たことないがよく声出ててるし、いいね!

 理想の出会いを求めよ。世界には76億人もいる。Twitterに書かれていた本田圭佑氏の言葉だ。この言葉にぐっと来た。そして、考えるべきは友達や知り合いの数じゃない。大事なのは関係の距離と深さということ。それを忘れずにMaking theroad(自分の道を切り開け)。と、自分にも言い聞かせている秋の夜長であった。

 最後まで読んでいただいた最後まで読んでくれた皆様、谢谢!


photo ryu prof

 

赤林 龍

広州生活2年8ヶ月。
1983年1月31日生まれ。山形県出身。長女は高校1年、次女は中学2年の娘二人。元広州で今は日本在住。育児のモットーは、抱っことハグは大事、絵本の朗読は俺の出番、大人買いというものを見とけ、ゲームもLINEもたくさんやって学べ。そんな親父だから娘達は案外しっかり育っているのかなぁ(笑)

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