ノキアの往年の人気機種がバージョンアップして再登場

2017/03/14

Nokia 

ノキア

そのデザインと丈夫さでNokia(ノキア)を代表するモデルとなった「3310」が市場に帰ってきた。開発を手掛けたのは、昨年ブランドのライセンスを獲得した新進のモバイル企業、HMD Global。再発売の噂が出て以来、熱い注目を集めてきた3310だが、今回17年前のオリジナルのアイデンティティをほぼ失わず再登場したことにより、多くのファンの支持を得ることは必至だ。

新モデルは昔に比べてわずかに大きいディスプレイと、新たにカメラとヘッドフォンソケットを装備。厚みは旧モデルの半分程度ながらその丈夫さは健在で、バックカバーとバッテリーは取り外しできる。マイクロUSBで充電可能なので、かつてのように充電器を持ち運ぶ必要は無く、大幅に向上したバッテリー性能により、通話は22時間、待機は1ヶ月可能だという。同機の象徴的なゲーム、「Snake」をプレイすれば、タイムトラベルのような感覚を覚えるかもしれない。一連の出来事を”単なるマーケティング・エクササイズ”と皮肉る声もある一方、通話とテキストなど単純な機能に特化した「ガラケー」には未だに一定の需要があるとして注目する専門家もいる。

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Strategy AnalyticsのNeil Mawston氏は、「Nokiaはスマホ市場の中でもがき、奮闘してきましたが、Nokia 230 dual simのように使いやすい機種を安く提供することで、今も高い評価を維持しています。」と語る。事実、HMDによる昨年のノキアブランドの出荷台数は3,530万台で世界の「ガラケー」市場で第2位、9%のシェアを占めた。「17年前のガラケーの再登場がこんなにも話題になるというのは、Appleとサムソンによって支配されたスマホ市場に対する確かな問題提起と言えるでしょう。3310はこの惑星で現在利用可能な最新技術が集うGSMA※で、主役にさえなる可能性があります。人工知能やこれまでになくパワフルなカメラ、4Kスクリーンを搭載した携帯電話がひしめく中、人々を夢中にさせるのは17年前の復刻版のガラケー、というような事態になるかもしれません。」

そのノスタルジックさと、情報社会に生きながらもよりシンプルに生きたいと願う人々の需要により、市場で高い支持を得る可能性を秘めているNokia3310。価格は旧機種発売当時の3分の1程度のUS$50で、2017年第ニ四半期発売予定となっている。

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※GSMA(モバイルワールドコングレス):
世界最大級の携帯電話関連展示会と世界中の携帯電話会社、端末製造メーカー、テクノロジープロバイダー、販売会社、コンテンツ会社の有名最高経営責任者が出席するカンファレンスを複合したイベント。

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