宝石業界こぼれ話 エメラルドとオイル

2016/08/23

日本では夏休みですが、私はエメラルドの検品をしていました。

エメラルド・グリーンと言えば、美しいグリーンを想像されると思います。しかし、どの宝石にも品質の高い物から低い物まであります。エメラルドもしかりです。また、産地も様々です。コロンビア産を代表に、ブラジル、ザンビア、ジンバブエ、パキスタン、マダガスカル、ロシアのウラルでも産出されます。

数々のエメラルの中から、通常、私はコロンビア産を選びます。深いグリーンや、それにブルーやイエローが少し混ざった彩度の高いエメラルドは、これぞ「宝石」と思います。

しかし、コロンビア産のエメラルドには、内包物が含まれます。内包物とは、固体や気体を含んだ液体結晶を言います(これを三相インクルージョンと言います)。この結晶体はコロンビア産の特徴です。産地を見分ける大切な要素ですが、業界では安易に「キズ」と表現する為、誤解されることが有ります。勿論、内包物が少ないエメラルド結晶は希少ですので高価に成ります。

 

先回は、ルビーの加熱処理の事を書きました。それと同様に、エメラルドにも、極めて一般的に行われている処理が有ります。それは、オイル処理です。所謂「キズ」が含まれる原石  を宝石に成るように磨きます。その時に表面に「キズ」が出てしまう事が良く有ります。拡大鏡で検査をすると筋の様に表面に出ているのが見えます。こうしたエメラルドをオイルに漬けて、その筋から浸み込ませます。すると、その「キズ」が肉眼では見えなくなり、

「美しい結晶の宝石」に見える様に改善されるのです。

こうしたオイル処理が普通ですので、お客様からエメラルド・ジュエリーの修理やサイズ直しの依頼が有ると細心の注意を払います。汚れていても安易に超音波洗浄機に入れられません。洗浄してオイルが飛んでしまったら、表面に「キズ」が浮き出て見える様になるからです。

写真のペンダントは、「no oil」、つまりオイル処理をしていない数少ないペンダントです。 この様なジュエリーが、業者間の入札会に出ると、私は、直ぐにでも買取り交渉をします。

Emerald Colombia 写真1  JL04-1787-6-3 写真2

処理の状態は、価値の評価基準として重要ですが、裸眼で見た時の美しさが、最も重要なポイントである事には、どの宝石であっても、変わりはありません。

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