宝石業界こぼれ話 宝石図鑑

2016/08/23

年末に、EMSが届きました。予定にない便ですので、不思議な思いで開封をしました。「価値がわかる 宝石図鑑」と言う図本が出てきました (写真) 。著者・監修は、諏訪恭一さん。宝飾業界の大先輩です。11月に上梓した本を、手紙を添えて贈って下さったのです。

価値がわかる宝石図鑑

諏訪さんとの出会いは、40年前、香港でした。ネーザン通りに在った小さな宝飾時計店で私が店長をしていた時に立ち寄って下さいました。私もまだ20代。その当時は、日本人でアメリカのGIAで勉強をして宝石鑑定士の資格を取得した人はまだ一握りでした。諏訪さんはその一人でした。

 

さて、「宝石の価値は高いのか安いのか、よく分からない」とよく聞きます。確かに沢山の宝石を見て、日々、市場の動向を見つめていないと分からないと思います。残念ながら、宝石店の販売員さんでも、値札を付けずに「これ、幾らですか?」と聞くと、往々にして答えが返ってこないと思います。

この本は、極めて簡潔に宝石を分類・評価をしています。貴重なガイドラインになりますので、宝飾業界の若い人には是非読んで頂きたいですね。勿論、宝石に興味のある方でしたらどなたにでも参考になります。簡潔にしかもポイントを的確に抑えたコメントが記されえています。写真も豊富で、また、宝石特有の微妙な色合いや透明感も厳しく監修されています。

 

しかし、これでもまだ上級者用ではありません。日々売ったり買ったりする私共では、この本の分類をはるかに超える多様な角度から宝石を見ます。それは正に、一人一人の人が違うように、自然の中で結晶した宝石は、一つとして同じものがないからです。「十人十色」ならぬ「十石十色」とでも謂うのでしょうか。また、プロにとっては、この本が出版された時は、記載されている評価の比較値は既に昨日の数値なのです。昨今は、市場の変動がはげしいだけに、数値は1年もしたら改訂をしていくことになりそうです。本当に素晴らしい図鑑ですが、そういった意味では「永遠のバイブル」とは言えません。が、宝石を理解してゆくのに「貴重な教材」です。

どの世界にも、異を唱える人はいます。実際、宝石の価値評価を別の角度から提唱される方が、春までに独自の図鑑を発表される情報が入りました。私はどちらの方も本当に真摯に価値を伝える取り組みをされている業界のリーダーであると尊敬しています。きちっと評価をする姿勢が漸く整いつつあります。

 

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