イギリスのレトロなお菓子屋「Mr Simms Olde Sweet Shoppe」セントラルに登場!

2015/03/24

[ Mr Simms Olde Sweet Shoppe ]

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地元の菓子店がデパートに姿を変えていく光景が多く見られるようになった昨近。お菓子の選択肢も減り、国際的なブランドの菓子店も少なくなってきた。1980年代のように、学生が放課後にスナックを買いに行く風景は、過去のものになりつつあるのかもしれない。「でも、その歴史を我々の世代だけで終わらせてしまうのは残念だ」と英国発の菓子店「Mr Simms Olde Sweet Shoppe」のオーナーのレイモンドさんは語る。

英国で育った彼は、お菓子に特別な思いを持っている。古くからある英国の菓子店は、通学に利用するバス停の近くにあり、いつも彼を温かい気分にしてくれたのだった。
香港に戻った彼は、10年間金融会社で働いた。しかし、朝9時から夕方5時まで働く仕事は、自分に合わないと感じるようになった。もっと家族との時間を持ちたいと考え、2人目の子どもが生まれるときに会社を辞めた。

そこで、英国の菓子店を香港でオープンしようと考えた。彼は、英国で120店舗を展開する、手作り菓子の有名ブランドMr Simms Olde Sweet Shoppeに連絡した。熱い思いを伝えたところ、なんと香港でフランチャイズを出店できることになったのだ。

オープンした店はセントラル(中環)のビジネスエリアに位置する。近くには学校やレストランもあり、店内は学生やOL、観光客で賑い外国人も多く訪れる。ビクトリア時代のスタイルでデザインされた店を見ていると、童話の世界に迷いこんでしまったかのような錯覚に陥る。店に入ると、さらにびっくり。壁を埋め尽くす数千種類のお菓子に圧倒される。
「Mr . Sweet」ことレイモンドさんは、取り扱っているお菓子の由来を、とても嬉しそうに教えてくれた。同店のシンボル「Kendal Mint Cake」は、エナジー・バーとして、冒険家や登山家、英国軍に多く愛用されてきたという。UFOのような「Flying Saucers」は、当初ビクトリア時代の粉薬のパッケージを用いていたが、1950年代に薬にカプセルが使われるようになったのに伴い、お菓子らしい包みに変更した。これは、すっぱい顆粒を食用のライスペーパーで包んだものだ。

Mr Simms Olde Sweet Shoppe イギリスの有名なお菓子屋               Mr Simms Olde Sweet Shoppe イギリスの有名なお菓子屋が香港に

もうひとつの人気のお菓子は「Bon Bon」。これはファッジと呼ばれる柔らかいキャンディで、噛み応え満点。ラズベリー、キウイ、ゴボウなどの味がある。1980年代にフランスでたっぷりのミルクを使って作られるようになり、英国で人気に火がついたのだという。

多種多様なお菓子の中には、ユニークな味もたくさん。例えば、辛い味、苦い味、しょっぱい味に、薬や花の味、さらに、薬用植物のカンゾウや石鹸、歯磨きの味も! 自家製チョコレートは、カップケーキ、胡椒、香港らしいエッグタルトのフレーバーなど、ローカルな味も作っている。

レイモンドさんは、忙しくないときは、お客さんとのおしゃべりも楽しんでいる。「歌などと同じで記憶から呼び起こされるお菓子の好みは、世代や出身地によっても異なる」と語る。以前ここを訪れた家族は、それぞれが異なるキャンディを選んだ。アラフォーの女性は、毎週「Cola Cube」を買うためにやってくる。北京や深センからの旅行客のお目当ては、カンゾウのお菓子だ。香港人はダークチョコレートやフルーツテイストのお菓子を好む。

また、同店は香港では珍しくなった家族経営の店だ。そのアットホームな雰囲気に惹かれる人も多い。たくさんのお菓子とともに、甘い1日を過ごしてみよう。

Mr Simms Olde Sweet Shoppe イギリスの有名なお菓子屋が香港に                          Mr Simms Olde Sweet Shoppe イギリスの有名なお菓子屋が香港に。

Mr Simms Olde Sweet Shoppe
住所: 37 Lyndhurst Terrace, Central
電話: (852)8192-6138
時間: 月~日 10:00~20:00
ウェブ: http://www.mrsimms.hk

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