［ {st.francis.st} ］ 

高層ビルが乱立し、活気があふれるワンチャイ（湾仔）は、ライフスタイルの変化が激しい香港の象徴とも言える街だ。しかし、古い町の中へ一歩足を踏み入れると、中心部の喧騒とは対照的に、平和で静かな雰囲気に包まれる。まるで「不思議の国」の「うさぎの穴」に入ってしまったような気分だ。

｛st.francis.st｝（以下｛sfs｝）は、そんなセント・フランシス通りの一角にたたずむ、カフェとライフスタイル・ギャラリーを融合したユニークな店だ。当初、｛sfs｝はカフェとしてスタートしたが、数ヵ月前の移転をきっかけに、ライフスタイル・ギャラリーを併設した。オーナーのマーク氏は「ただのカフェよりも、ギャラリーがあった方がひと工夫あっていいのではないかと思った」とその理由を説明する。彼は長い間イングランドに住んでいて、近年香港に戻ってきた。そのとき、彼はイングランドで楽しんでいたライフスタイルも一緒に持ってきた。

｛sfs｝は、訪れた者に不思議な印象を与える、「裏通りの秘密の庭」をコンセプトとする。ここでは、週末になると、近隣の店のオーナーや友人を招いて、ストリートパーティーが開催される。そのとき、地元や海外のアート作品の展示や、地元のパフォーマーによるパフォーマンスも行われる。カフェで提供するコーヒーの品質にもこだわり、コーヒー豆は英国のブランド、Nude Espresso社とClimpson & Sons社のものを使用している。 テイクアウト用のチェーン店のコーヒーは、長い時間温かさを保つために熱い温度で提供されるが、｛sfs｝のコーヒーは違う。伝統的なカフェと同様、飲むのに適した温度で淹れてくれる。また、チョコレートパウダーではなくチョコレートから作られた、ホットチョコレートもおすすめだ。そのなめらかで豊かな風味は、パウダーで入れたものとは比較にならない。              

さらに同店では、機能性とユニークさを兼ね備えたハンドバッグで知られるイングランドの有名ブランド、Ally Capellinoの商品も独占的に販売している。バッグは長く愛用できるものを選べるように、英国のモダンスタイルとクラッシックなスタイル、異なる色のアイテムを用意している。

またここでは「デザイン・オブ・ザ・イヤー2011」を獲得した、Hulger製の芸術的な省エネルギー型電球（PLUMEN電球）も販売しているので要チェックだ。
ギャラリーとしての｛sfs｝を紹介しよう。イラストレーター、版画家とアーティストなどの6～7作品を展示し、また、ラッテ・アート・ワークショップや他のアーティストとのコラボレーションイベントも開催している。気に入ったアート作品は購入することもできる（HKD500～）。「芸術の独創性で大事なことは、その価値を見出すこと。量販店で販売されている商業的に作りだされている芸術とは違う」と｛sfs｝のパートナーである、ギャラリーの創始者は語る。

異なる場所から訪れた異なる価値観を持つ人たちをつなぐ場所となっている同店。あなたもその心地よさの虜になること間違いなしだ。

{st.francis.st}
住所：G/F., 14 St Francis St., Wan Chai
電話：(852)2527-7898
時間：月～金 8：00～20：00、土日祝 10:00～19:00