カバーストーリー 2022年9月第3週号「香港最大フルーツ市場 油麻地果欄」

2022/09/14

歴史探訪~油麻地果欄

正式名称「九龍水果批發市場(Kowloon Wholesale Fruit Market)」は別名「油麻地果欄」と呼ばれ、香港人の間では「果欄(Gwo Laan)」という名で親しまれてきた。人々が寝静まる時にマーケットは動き出し、明け方までその活気は続く。一方、昼間は一部が開放され、一般の買物客でにぎわっている。スクリーンショット (1874)

マーケットの誕生はおよそ1920年代からと言われ、今現在見受けられる建築が建てられたのもこの頃だ。当時は果物だけでなく、野菜、ニワトリ、ガチョウなど野禽類も扱う大型のマーケットだったが、1965年に野菜や野禽類が長沙湾批發市場へ移ると、油麻地は果物のみを扱う現在の業態になったという。

スクリーンショット (1872)232009年には香港二級歴史建築に登録されるも、2016年に大火にみまわれ一部を焼失する災難もあったが、現在は200以上の卸売業者が所狭しと運営している。近年では夜間にこのマーケットから出される騒音が近隣住民の間で問題になったり、油麻地界隈の観光地化を検討する話も出ており、現在のような古き良き、雑然とした雰囲気も今のうちしか味わえないかもしれない。香港の急速な変化は、時として私たちを待ってはくれないのだから。(PPW編集部)スクリーンショット (1870)スクリーンショット (1871)

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