柔道を始める前に知っておきたい18のこと 第11回

2019/10/23

zyudo

第11回  柔道とありがとう

武道は荒々しい技や攻撃が繰り広げられることから、本来の礼や和の精神がなおざりにされて勝利至上主義のただの争いごとにならないように、「武道の稽古は礼に始まり礼に終わる」と礼の精神が強調されてきました。
今日の柔道においても同じで、強ければ強いほど礼の精神を保ち、周りの人がいるからこそ自分がいることを身をもって理解する必要があります。
そこで、今回は柔道における「ありがとう」の意味を私が子どもたちへの指導で心掛けていることと合わせて紹介します。

相手になってくれてありがとう1

柔道の練習の特徴は、1回の練習でたくさんの相手と練習をするという点です。そしてそれぞれの相手との練習を始める前と練習を終えた後に必ず「お互いに礼」をします。つまり、10人と練習したなら20回礼をすることになります。このように練習の中で礼を繰り返すことで、子どもたちは自然とおじぎをする動作を身につけていくことができます。
柔道の練習は基本的には相手がいなければ成立しません。ですから、子どもたちには相手がいるからこそ練習ができるんだ、強くなれるんだということ、また普段の生活においても家族や友達がいるからこそ楽しく生活ができるんだということを礼をする意味を考えさせながら教えるようにしています。

部道場にありがとう

礼をするのは人に対してだけではありません。柔道家は道場に足を踏み入れるとき、道場から出るときにも礼をします。一緒に練習をしてくれる仲間と同様に、練習をする場所があることにも感謝をしなければなりません。道場は自宅と違って他人のモノと考えてしまうとどうしても使い方が雑になりますし、これは学校やオフィスなどの場所でも同じことが言えます。自分のモノか他人のモノかで判断するのではなく、自分が使っている(使わせてもらっている)ものに対しては責任を持つということを子どもたちにはいつも言い聞かせています。

勝たせてくれてありがとう

柔道は個人競技になるので、強くなって試合で勝ち始めるようになると「俺はすごい」と勝利に驕(おご)るようになる選手が必ず出てきます。しかし、柔道日本代表の大野将平選手のように本当に強い選手は試合で勝っても畳の上でははしゃいだり喜びを露わにしたりしません。それはやはり、試合をしてくれた相手への敬意と感謝があるからです。
子どもクラスの練習ではかけっこや基本運動を競争形式でやらせることも多く、ここでも勝った負けたでさわぐ子どもが必ずいますが、勝ったことで喜ぶよりも、次も勝てるように、次は勝てるようにと気持ちを次へ切り替えることが大事だと教えています。そもそも、勝敗がつくのは競争相手がいるからこそであって、相手がいることへの感謝はやはり忘れてはなりません。

今日も来てくれてありがとう

 この言葉は私の中高時代の柔道部の監督から学びました。指導する側も子どもたちに感謝を持って接することで心から厳しく、優しく接することができます。いろいろな選択肢のある中で柔道を選んでくれたこと、子どもたちも(むしろ子どもたちのほうが)忙しい今の時代にちゃんと練習に来てくれることへの感謝を持つことは、かれらへの理解を深める上で欠かせません。練習中は叱ることも多々ありますが、練習の最後には必ず握手と「ありがとう」という言葉を子どもたち一人ひとりにかけることでお互いの信頼関係を築くための一助になればと願っています。

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judo_prof筆者プロフィール

宮坂 龍一(みやさか りゅういち)
柔道参段。講道館で柔道を始め、暁星中高、筑波大学と柔道部に所属。元柔道香港代表U-17・U-12コーチ、2017年柔道日本マスターズ73kg級3位。

 

KLNBJJ_LOGOサタデーキッズ柔道クラス

場所:九龍柔術
住所:11/F., Park Hovan Commercial Bldg., 18 Hillwood Rd., Jordan
時間:毎週土曜日 3~6歳クラス 9:10~10:10、7~12歳クラス 10:15~11:30
指導言語:英語(メイン)、日本語、広東語
月謝:HKD600
最寄駅:佐敦(ジョーダン)駅D出口より徒歩5分
問い合わせ:[email protected]または(852)6647-7164(宮坂まで)

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