教育相談室 第4回

2018/08/22

第4回「勉強のセンスがないってどういうこと? 」

 

ある中学生のお母さんがこんなことを言っていました。

 

「うちの子は勉強のセンスがないんですが、どうしたらいいですか?」

 

【勉強にセンスは必要か?】

勉強にもセンスは必要です。センスがなければテストや受験で自分が望んだような結果を残すことはできません。ただし、勉強におけるセンスはスポーツや芸術のそれとは異なり、誰でも身につけることができると私は思います。

 

【勉強で必要なセンスとは?】

勉強に関して言えば、誰でも必ずある一定のレベル、つまりある程度の偏差値には届くことができます。最近では、本屋に行くと「偏差値30から合格しました体験記」的な煽りの入ったタイトルの本をよく見かけるようになったように、できるひとにはできるのです。
では、彼らにどのようなセンスがあったのか?
それは「努力するためのセンス」があったのです。

 

【努力のセンスとは?】

私は努力は誰にでもできることではないと思います。努力できる人には努力のセンスがあるんです。このセンスがある人は、いつどこでどのような肉体的、精神的状況でも、あきらめずに努力することができます。私の経験からすると努力のセンスがあれば早稲田慶応レベルまで偏差値を上げることは誰でも可能です。(浪人はするかもしれませんが)

 

【努力のセンスを身につけるには?】

努力とは、言い換えれば「諦めないこと」です。諦めないためにはまず第一に目標を達成するんだという強い意志が必要です。努力できるセンスを身につけるにはまずこの「絶対に達成したい目標」を見つけることが不可欠です。目標のない人に努力はできません。

 

【親の態度も重要

我が子に勉強のセンスがないと豪語する親御さんによくありがちなのは、

「うちの子は親の言うことを聞かない」
「本人の人生なので好きにすればいい」

というような、親が諦めちゃっているパターンです。
先にも述べたように努力とは諦めないことです。にもかかわらず、親が先に諦めていては子どもたちはどうやって努力することができるというのでしょうか。
東大に受かった子どもの親はみんな東大出身なのかと言ったらそうではありません。大学に行っていない親御さんの子どもたちが名の知れた大学に合格することは多々あります。
つまり子どもたちが目標を達成するのに親の知識や経歴は関係なく、親が子にどう接することができたかが重要になってくるのです。

 

【親は子にどうやって接するべき?】

大人が子どもに勝っているものは経験です。子どもたちがこれから直面するであろう困難を大人たちはすでに経験しています。ですから、子どもたちがこのまま進んだらうまくいかないだろうとか、この方法ならうまくいくだろうとか、自らの経験をもとに子どもたちの少し先の未来を見て教えてあげましょう。勉強で失敗した経験のある親御さんならどうして失敗したか覚えていますよね。そうしたら、子どもが自分と同じ失敗を繰り返さないようにアドバイスをしてあげればいいのです。

「お母さんはこれをしなかったことを後悔している」
「お父さんはこれをして良かったと思っている」

そういう話をしてあげると子どもも興味を持ちやすいですし、親御さん自身も話がしやすいでしょう。

 

【私からの回答】

勉強のセンスは生まれ持ったものではありません。勉強の成果とは努力の結果生まれるものです。努力ができるかどうか、そこにセンスは必要です。そのセンスは周りの人間のサポートによっても鍛えられます。自分の子どもがどうやったらあきらめずに頑張れるか?答えは簡単には見つかりませんが、親御さん自身があきらめない姿を見せることは一つの大きな励みになるはすです。

 

 


さかもと りゅういち

筆者プロフィール
さかもと りゅういち
筑波大学体育専門学群卒業後、訪問営業、塾講師、日本語講師を経験しながら韓国、中国を渡り歩いたあと、香港にて学習塾開業プロジェクトに携わる。現在はドイツの粉ミルクを中国人に売る日本人として新しい業種での仕事に奮闘中。休日は香港人の子どもたちに柔道を指導しながら香港文化を学ぶ。

 

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