英語教室「Speakeasy」

2017/05/23

2001年に香港で子どもたちを対象とした英語教室の「Speakeasy」を創立した横井美佳さん。いつも笑顔で明るく、優しい雰囲気の横井さんは、子どもたちから好かれ、彼女の周りには常に子どもたちが集まる人気者。来港のきっかけから「Speakeasy」の立ち上げ、現在の仕事のことなどを伺った。

Speakeasy
横井 美佳さん
インタビュー

横井 美佳

横井さんは来港してから25年とお聞きしましたが、実は香港にはあまり長く住む予定ではなかったそうですね。
はい、そうなんです。香港には、カナダ・バンクーバーで知りあった夫との間に生まれた娘の顔を夫の両親に見せるために、1991年に訪れました。滞在中に夫の両親から「私が子どもの面倒を見るから仕事しなさい」の一言で、仕事を探すことになりました(笑)。仕事を始めてからは、一日一日があっという間に過ぎてしまって13年目くらいに、「もっとはやく日本に帰る予定だったのに…」と気づきました(笑)今となっては、当時の日本ではまだ日本国籍がないと就職は難しいし、子どもたちもいじめにあう可能性もあったので、香港での生活を選んでよかったと思っています。

どのような仕事に就いたのですか。
英語を勉強しにバンクーバーに留学したこともあり、英語を使った仕事がしたい
という思いで探しました。そんな中、オープン前の子どもたちに英語を教えるためのスクールを見つけました。当時を振り返ると、香港で日本人の子どもたちに英語を教えているスクールは珍しかったと思います。社長の「遊びながら日本人に英語を教える学校をしたい」という思いに共感し、オープン一ヵ月前から働きを開始しました。3年目からは経営に携わり10年働きました。

「Speakeasy」はどのように創られたのですか。Speakeasy
ある時、社長から「もう閉める」という話がありました。悩みましたが、生徒さんからの「続けてほしい」という声をいただいたため、当時一緒に働いていた先生と2001年11月1日に新しい語学スクールを立ち上げることにしたのです。スクール名には「みんなに英語をしゃべることは恥ずかしがらないで!簡単だよ」という意味が込められています。場所は、銅鑼湾(コーズウェイベイ)を散歩していた時に偶然空き物件を見つけ、すぐに内覧した際、「ここがいい」とビビビッときたので決めました。今でも運命の出会いだと感じています。正直、立ち上げ当時はどこまでできるかとても不安でした。

ユニークな英語勉強法を取り入れている印象がありますが、どのようなことをしていますか。
英語への苦手意識を持つお子様に、楽しく学んでほしいという思いがあります。英語、日本語、広東語など語学学習をはじめ、国際社会で生きる上に必要な、「コミュニケーションを大切にする」、「異文化交流によって視野を広げる」、「考える力を養う」といった3つのテーマに沿って、子どもから大人まで楽しめる様々なワークショップを開講しています。基本的にワークショップは春休みや夏休み、冬休み期間中の実施となります。ワークショップを始めたきっかけは、英語のレッスン時に、受け身の授業ではなく、自ら発信する授業を行ったところ、子どもたちの成長が見られたからです。その姿を見て「決められたことしかできない大人になって欲しくない」と感じました。「太陽が青でもいいじゃない?」というような柔軟な考えの持ち主になって欲しいという思いで、レッスンを行っています。

Lesson scenery

ワークショップはどんなカリキュラムがありますか?
現在は自己表現を養うスケッチや水彩画、広東語、日本語、ヨガ、カンフーなどがあります。大人も参加することができます。昔、お母さまがいじめにあっていたのを見て、なんとかしたいという思いから、癒しの場を目指して大人も楽しめるカリキュラムを追加しました。アートレッスンは特におススメです。色彩感覚や配置感覚、ものの見方の相違など将来に渡り役立つスキルが身に付きます。例えば、絵画の授業では、あるものを足すことにより、目立たせたり、目立たなくさせたりするなど、様々な工夫やアイデアで絵の印象が新しいものに変化するという体験は、絵画の世界だけでなくこれからの人生にも役立つでしょう。授業はイギリスの芸術大学を卒業し、アクセサリーのデザイン会社に勤務経験を持つイギリス人講師が英語で行っています。また、外部講師を招いて、プリザーブドフラワーやミニチュア粘土、日本でも人気の高いアイシングクッキーなど、香港でも資格が取れるイベントを開催していて、次回は6月に実施します。

仕事をしていて嬉しいことは何でしょうか。Workshop
教え子の成長過程が見られることが嬉しいですね。海外ならではですが、帰国してしまう生徒がほとんどで、帰国する時は悲しくてしかたがありません。一緒に勉強することができなくなることが悲しいのです。ですが、帰国した子どもたちがFacebookなどのSNSで近況報告(結婚の報告も!)をしてくれます。毎年誰か会いに来てくれるので、それもとても嬉しいです。

16年続けてこれたのは、家族がサポートしてくれていることも大きいです。そう考えると「仕事は私にとって一番の贅沢」の一言に尽きますね。娘たちは私に「人生を楽しく謳歌して欲しい」と思っているようです。娘たちが幼少のころから働いているため、寂しい思いをさせてきたかもしれませんが、私が事業をしていることで、そこから学ぶこともあり、娘たちにとってはいい勉強だったかなと考えています。

横井美佳(よこい みか)さん
香港歴25年。1991年より香港。2001年に「Speakeasy」を立ち上げ、現在では語学授業をはじめ、ヨガ、スケッチ、アクセサリー作りなどのワークショップを開講している。少人数制で、一人一人の成長過程に合わせて行う丁寧なアドバイスが定評。授業が終わってもなかなか帰らずに残っていお子様も多いとか。

Speakeasy
住所:1301, Fortune Centre, 44-48 Yun Ping Rd., CWB
電話: (852)2574-6256(横井まで)
メール:mika.speakeasy.hk@gmail.com
ウェブ:speakeasycafe.blog.fc2.com

 

 

 

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