風水の奥義を行く!第97回 変化する、ということ、の巻

2020/03/11

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

◆1983年から1984年へ◆
 1983年、香港の歌謡界には革命が起きていました。
 それまで香港でヒットした曲は英語や北京語の歌が主流でしたが、メロディーに広東語をのせる「填詞」の歌が時代の波と共に広がったのです。レスリー・チャン(張國榮)の『風繼續吹(風よ、吹き続けてくれ。山口百恵の「さようならの向こう側」のカバー)』も、レスリーよりも先に大スターになったダニー・チャン(陳百強)の『偏偏喜歡你(やっぱり君が好き)』も、後に香港歌謡界を牽引するアニタ・ムイ(梅艶芳)の『IQ博士(ドクター・スランプの主題歌)』もこの年にリリースされ大ヒットし、人々を魅了しました。
 実はこの年、香港では中国への返還を巡って交渉が停滞し、米ドル相場が大暴落して9月のブラックサタデーが起こって消費が落ち込み、景気は大きく変動しました。
 しかし、香港のすごいところはその後のレスポンスの速いところです。83年10月に米ドルペッグ制を採用して相場を安定へと導き、1984年年末には中英連合声明が発表され、その後の経済回復の兆しとなりました。

 

◆六十通りの干支◆
 注目したいのは、1983年が癸亥(みずのとい)年で、1984年が甲子(きのえね)年であることです。
 風水や四柱推命には全部で60通りの干支があります。それは、甲子で始まり、乙丑、丙寅、と続き、癸亥で終わります。そして、また甲子から始まります。
 この60通りの干支にはそれぞれの特徴があります。風水を学ぶ人はそれを一つ一つ理解し、それらに隠された暗号を読み解いていくのです。たとえば癸は優しい雨露に喩えられますが、癸亥は崑崙山からの長い道のりの中、過酷な場所も穏やかな場所も流れ続ける河を意味します。よって、このエネルギーを持つ人は、見かけは穏やかですが、変化の激しい局面でも粘り強く何かを成し遂げる人です。甲子は大きな木を意味する甲と潤いの水である子の組み合わせですが、六十の干支の一番初めなので、物事の始まりという意味を暗に持っています。ですから、このエネルギーを持っている人は人の上に立ち、人の下で働くのが苦手な人、と読み解きます。
 この2つの干支は60通りある干支の中でも特別な存在です。

Picture1

 

◆孟意堂風水的六十干支の奥義◆
 一見何の関わりもなさそうな亥年と子年には、実は深い繋がりがあります。喩えて言えば、亥年に大きく荒れて変わってしまった土地で、子年を迎えどのように水回りを改善し、どのように耕し、どんな種を撒いていくのかを考える必要があるのです。その方法によっては豊かな収穫に恵まれる土地に生まれ変わるウルトラCが起こるかもしれません。方法によっては以前よりも実りの少ない土地になってしまうかもしれません。どのようなアイデアを持っているのか、そのアイデアの引き出しをタイムリーに活用できるのかが試されているのでは?とすら思えます。
 83年頃、香港の人々は大きく揺れていました。失望し海外へ移民をする人たちも当然いましたが、果敢に難問に立ち向かい次のコマをどう動かすか真剣に考えた人たちもいました。元気良く歌を歌い真剣に取り組んだ彼らの力量がこの街を豊かにしていったのだと思います。決して神風が吹いたわけではないのです。
 その力量はこの街にまだ残っています。
 奇しくも2019年は己亥年であり2020年は庚子年です。亥年に起きた辛い変化に対し、失望しあたりまえに文句を言うだけで時を過ごしてしまうのでしょうか?このままで終わるものかと立ち上がり、どうしたらこの厳しい状況を変えることができるのかという難問に立ち向かう人には、やり方次第で豊かな収穫に恵まれるチャンスもあるのだ、というのが子年に隠されている暗号だと思っています。

 


彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
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