僕の香妻交際日記 第36回「妻とチャーチャンテンに行かない理由」

2019/04/10

香港の文化を語る上で欠かせない存在が茶餐廳(チャーチャンテン)。私も一人で食事を取るときは基本的にチャーチャンテンを利用します。でも香港人の妻や娘と一緒のときは絶対にチャーチャンテンには行きません。なぜかって?その理由が皆さんにも理解できるように、今回はある昼時のチャーチャンテンでの出来事を紹介します。

 

1. そんなものないよ

「幻の一品 オーワーティントーストセット」

「幻の一品 オーワーティントーストセット」

いつもどおり、誰からも歓迎されずに勝手にお店に入って勝手に席を見つけて「さあ何を食べようか」とメニューを見ていると、店内の壁に阿華田(オーワーティン)のトーストセットの宣伝ポスターが貼ってありました。香港に来て以来、これまで95%以上の確率でミルクティーを頼んでいた私ですが、最近健康に気を遣い始めてからは阿華田を飲むようになりました。そんなオーワーティン生活を始めた私にとって「阿華田多士餐(トーストセット)」は大変魅力的でなんだかものすごく食べてみたくなったので、早速ポスターを指差しながら「あれ、ちょうだいよ」と注文すると「うちにそんなものはないよ」と言われました。

・・・じゃあ、ポスター貼るなよ!

 

 

2. 7番チャーハン!

ランチの時間帯は常に満席状態で注文を取るおばちゃんたちも大忙し。誰がチャーハンを頼んだかなんて覚えられるはずがありません。じゃあ誰が何を頼んだかどうやって分かるのかって?お客に聞くんですね。

その日は「7番チャーハン頼んだの誰!?」とかなり大きい声でチャーハンの頼み主を探していました。ただ不思議なことに頼み主は現れず、チャーハンは厨房に戻されてしまいました。

 

 

3. ゴキブリがいますけど・・・

私がこの日頼んだ乾炒牛河(焼ききしめん)がなかなか来ないのでソワソワしていると、なんと前方左手の壁にゴキブリを発見!私の向かいに座っている男性2人組はその存在に気がつかずレモンティー片手にすごい楽しそうに話しています。

ゴキブリは、私の向かいの左側に座っている男性の後ろを壁を這いながらゆっくり進んでいます。そして、なんと、ついに私の向かいの右側の男性がそのゴキブリの存在に明らかに気がついたことに私は気がつきました。しかし驚くことに男性は一瞬話すのをやめただけで、何事もなかったかのようにまた話し始めました。さらに!驚いたことは私の乾炒牛河を持ってきたおじちゃんもゴキブリの存在に明らかに気がついたのですが、3秒ほどそのゴキブリの行方を観察しただけで何もなかったかのように厨房へと消えていきました。

 

 

4. 7番チャーハン!!

「これが7番チャーハン!」

「これが7番チャーハン!」

数分後、ゴキブリは姿を消しましたが、今度はさきほどの7番チャーハンを頼んだ男性が突如現れました。この男性は「チャーハンがまだ来ないんだけど」とちょっとイラッとした表情でしたが、この男性以上にイラッとしていた人物は「7番チャーハン誰!」と大声を出していたおばちゃんでした。

 

 

5. おつりいくら?

チャーチャンテンの会計は入口で行うので、こちらは日本の会計スタイルと似ています。ただ日本と違う点はレジのおばちゃんの集中力です。チャーチャンテンのおばちゃんの集中力はスマホに持っていかれているので、勘定の計算をよく間違えます。「これはいかん」とおばちゃんはおつりを間違えない方法を考えた末、「おつりいくら渡せばいい?」と逆に客に聞くという結論に至りました。

 

私はこういう人間臭さが漂うチャーチャンテンが好きなんですが、一方で妻や娘とはこういうお店に行かない(行けない)理由がみなさんも少しお分かりになったかと思います。

 

では、ランチの時間なので今日はこのへんで。

今日の私のランチは7番チャーハンです。

 

 


ルーシー龍(りゅう)ルーシー龍
香港人の妻と香港と日本のハーフの娘と一緒に暮らす日本人。狭くて広い香港で何とか一花咲かせようと企みながら早6年。座右の銘は「生きろ」。

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