僕の香妻交際日記 第10回 香港人が友人の家を訪ねる理由

2017/08/29

問題です。
香港人が友人の家に招待されると必ずしたくなることと言えば何でしょうか?
正解は、家の中の見学です

image1香港で家を買うのは一般庶民にとって至難の技です

日本であれば、たとえ気の知れた友人の家に招待されたとしても、せいぜいリビングとキッチンとトイレくらいでしょうか、入れるのは。
決して入ってはならないという法律があるわけではありませんが、
日本ではむやみに部屋を覗かないことは常識となっています。

一方で、多くの香港人にとって、この「家の見学」習慣は当たり前のようで、
妻の友人からは「じゃあ、逆に聞くけど見学しないで何するの?
リビングで食事してソファに座って話すだけ?
それならレストランで食事した方がいいでしょ。」
と言われたものなので、私も妻もビックリしてしまいました。
(ちなみに私の妻も家の見学はしないしさせない派です)

ですが、香港の皆さん曰く、家の見学は決して家が小さいとか大きいとか、部屋が綺麗だとか汚いとかを批評するためのものではないんだとのこと。
その家の間取り、友人(その家の住人)がどこのブランドの家具をどのように
配置し、どこの会社に内装工事をお願いしたのかなどの情報を手に入れ、
今後の自分の家のコーディネートに役立てたい、ただそれだけらしいです。
なるほど、つまり家の勉強会ということですね!
…って納得はしづらいですが、とりあえず他人の家の見学をしたい理由は分かりました。

このような、日本人にはない香港人の行動や考えの根拠についてもう一歩踏み込んで考えてみると、それだけかれらの関心が「家」にあるということがうかがえます。
確かに普段の会話でも、こと家に関しては、香港人は比較的腹を割って話してくれます。
家賃のこと、間取りのこと、大家のこと、契約のこと、頭金やローンのことなど、ざっくばらんに打ち明けてくれます。

それに、香港人は全力で家を買います。
「家の頭金払ったばかりで結婚式挙げるお金がマジでない」
婚約者との初めての共同作業は家の購入です。
香港人は常に最新の家情報を知りたがります。
「俺は家を見学するのが好きなんだ」
休日返上して友人の物件探しに付き合ってくれます。
「元朗と屯門あげるから旺角ちょうだい」
香港人はモノポリーだって真剣です。

なんだか、だんだん香港人が渡辺篤史に見えてきましたね。
どんなに小さな声でも、きっといつも聞いてるから~♬

とはいえ、香港人に家のことを聞いてみると、
やたら話が盛り上がるので、
話のネタに困ったときは是非聞いてみてください。
ではでは。

ルーシー龍
ルーシー龍(りゅう)
香港人妻との結婚歴3年目の日本人。沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでチョンキンマンションに憧れて香港にやって来る。趣味は早く家に帰って妻と一緒にTVBのドラマを見ること。

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