通りの名前に まつわる物語

2017/08/08

Tsat Tsz Mui Road-1

“Tsat Tsz Mui”とは7姉妹という意味である。それはどんな7姉妹を指しているのか。純血さと集団自殺、神秘の岩…そこにまつわる悲しきストーリーをご紹介しよう。

現在のTsat Tsz Mui Roadには集合住宅やショッピングモール、レストランなどが軒を連ねている。しかしかつて静かなビーチであったこの場所には、神秘的な過去がある。

地域にまつわる言い伝えによれば、昔そこには7人の姉妹が暮らしていた。彼女達は髪を結い上げ、生涯結婚をせず永遠に姉妹でいることに誓いを立てていた。

しかし間もなく、3番目の娘は婚約することになってしまった。誓いを破りたくない彼女は自らの命を絶とうと決めたが、彼女の思いを知った残りの姉妹も運命を共にすることを決め、7姉妹は手に手を取って婚礼の前日に海に身を投げてしまった。

彼女達の遺体が見つかったかについては諸説あり、はっきりしたことは分かっていない。しかし彼女たちが命を絶った次の日、海岸線沿いには女性のような形をした岩が7つ現れたのだという。古くからその地に暮らす人によると、一帯が再開発される前までその7の岩は確かに存在し、干潮時に見ることができたと言う。こうして北角の東のこの地区は7姉妹のエリアとして知られるようになった。

Tsat Tsz Mui Road

このストーリーには続きがある。1911年に一帯には遊泳に来る人々のために桟橋や着替えのための小屋などが作られ人気のスポットとなったが、7姉妹の霊に捕らわれて男性が溺れるという話が絶えなかった。一帯には1934年頃から公共住宅や工業用の建物が建てられ、この都市伝説を連想させる建築物で残っているのは”Tsat Tsz Mui郵便局”のみだ。よって、私たちはもはや”7姉妹の岩”を確認したり、彼女たちの霊がいると言われるビーチを訪れることはできないのである。

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