そうだ!ハイキングに行こう!

2016/12/23

休日何してる? と聞くと「ハイキング」と答える人もいるくらい、香港ではハイキングは身近なレジャースポーツ。気温や湿気が下がり快適になる11月~1月は一年の中で最もハイキングに適しているといえる。今回は編集部がおすすめする3つのコースとハイキング愛好家に聞いた、ハイキングの魅力について紹介。日頃の運動不足解消のためにも、ハイキングを始めてみるのはいかがだろうか。

おすすめコース 1  ドラゴンズバック
半島まで一望できるパノラマ景色は圧巻!

●行き方:MTR「筲箕灣」駅A3出口から9番バス(石澳行)。または、16X番ミニバス(赤柱行)で「土地湾」のバス停で下車。
●帰り方:大浪湾の駐車場からミニバス(筲箕灣行)。または、大通りまで出て、9番バス(筲箕灣行)に乗り終点で下車。

ハイキング ハイキング

とある土曜日。友達の誘いでハイキングに行くことになった。筲箕灣駅に7時半集合し、バスターミナルへ。乗り場を確認して時間を調べると、バスは直前に出てしまっていた。あと20分待つのか…なんて思っていたら、おじさん登場。えっ何?白タク?と思ったら、ミニバスの運転手だった。時間を考えるとミニバスの方が早く着きそうなので、運賃HKD7を前払いしてバスに乗り込む。バスに揺られながら20分でトレッキングの入口に到着。道路脇に立っている案内板で距離と目安を確認する(簡易トイレが右手に設置されている)。いよいよ香港でのハイキングデビュー。思い返すとハイキングは小学校の授業で行った以来だろうか…。はやる気持ちを抑えつつ、水分補給とストレッチをし、出発することにした。

ハイキング ハイキング

入口からしばらくは上りの階段が続く。私のハイキングイメージはサザエさんに出てくるエンディングシーン。すぐにそんな妄想はかき消されることになった。階段を上りきると、目の前の景色が開けた。大きな岩に寄りかかり、一休憩。この日は天気があまり良くなかったが、沿岸の風景が一望でき気持ちがスッキリ。天気が良ければ、もっと遠くの山まで見渡すことができるのだろう。

ハイキング

一息入れ再開。するとすぐに緑が生い茂る山道に入り、ひたすら階段が続く。まだ上るのか~と、ふと振り返ってみると絶景が飛び込んできた。

日本のハイキングは、同じような山道をだらだらと上り山頂を目指すが、香港のハイキングは景色の変化があって面白いと気づく。そうこうしているうちに、2つ目の見晴らしの良いポイントに到着した。正面には集落、右は石澳ビーチ、左はゴルフ場が見える景色はとても開放的でテンションが最高潮に。

ハイキング

撮影と休憩を終えて先へ進むと、いよいよドラゴンズバックに突入。はるか遠くまで続く尾根はまさに龍の背中のよう。火照った身体を冷やしてくれる風が気持ちが良かった。

ハイキング中に何種類もの野草を見ることができ、季節を感じらた。これもハイキングの魅力のひとつだろう。

ハイキング

いくつかの山を越え、打爛埕頂山に到着。そこからは天気が良ければ、右は石澳ビーチと大浪湾、左は大潭湾と東龍島までの景色が一望できるらしいが、この日は曇り。それでも都会の喧騒を離れ、自然の中にいる感覚に浸れる時間は素晴らしかった。

尾根を越えると、あとはゴールの大浪湾ビーチを目指すのみ。石が埋まり少し不安定な道を進むと舗装された道路に出た。ゴールか?と思いきや、まだ続くようだ。途中、公園がありキットカットとフルーツジュースで水分と糖分補給。残り1キロの看板があり、ここからの道はひたすら下る。階段の終わりはまさかの住宅街の一角。直進し角を左に曲がると大浪湾ビーチがありゴールとなる。

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おすすめコース 2  タイタントレイル
海と山の豊かな自然を一度に楽しめる

●行き方:MTR沙田駅A出口より299X番バス(沙田市街中心行)で終点まで行き、緑のミニバス(7番 海下行)かタクシーで入口に行く。※「Tai Tan」もしくは「Hau Tong Kai」と伝えると良い
●帰り方:ゴールから直進し左折するとバスターミナルがあるので、待機しているタクシー、もしくは緑のミニバス(7番)で戻る。

先週の感動が忘れられず翌週もハイキングへ。新界エリアにある「タイタントレイル(全長6.7km、3時間程度のコース)」に参加するこ
とにした。沙田駅に7時半に集合し、299Xのバスで向かう。終点でタクシーに乗り換え入口へ。HOI HA ROAD沿い右側の看板とゲートが目印。

西貢西郊野公園の中を主に湾岸沿いに進むコースとなり、ゲートを通り抜けると、足元の悪い下り階段が続く。坂を下りきると竹林のトンネルが現れ、ジブリの世界に迷い込んだ気分になる。小鳥の囀りに浸りながら、穏やかな道をしばらく進むと、どこからか小川を流れる水音が聞こえてきた。

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アップダウンを繰り返し小道を抜けると、大灘海を一望できるポイントに到着。早朝らしく、空気が澄み、水面がきらきらした印象的な景色に変わる。住宅が密集するタイタンビレッジを通り抜け、先に進むと岩がゴロゴロと転がる山道が出現した。

山道をひたすら進むと再び、大灘海が見える海岸沿いにでる。日が昇ってきたからか、海面がコバルトブルーに変わったように見えた。

なだらかな下り坂を降りきると、突然砂浜が現れた。コースの途中に砂浜があるなんて面白い。これこそ、プライベートビーチ!なんて、はしゃぎたくなるがコースに戻る。

ハイキング ハイキング ハイキング ハイキング

ビーチから山道に戻ると突然険しい道となり、しばらくは海とお別れ。40分ほど上ると三度、大灘海を見渡せる絶景ポイントに到達。天気が良ければ、香港最高峰の帽子山まで見渡すことができるだろう。

ゴールのHoi Ha村まではあと少し。アップダウンの道を沿岸沿いに進んでいくと、遠くに南風湾が見えてくる。モスグリーンの海は、まるでプーケットのようだ。

ハイキング ハイキング

ハイキング ハイキング

ひたすら下っていくと、ゴール付近の海、海下湾にでる。ここまでくると、コンクリートで舗装された、歩きやすい道に変わる。海下湾の透明で透き通った海は、ゴールにふさわしく、爽やかな気分に浸ることができた。

ゴールは、Hoi Ha村の一角。ゴール付近に小さな食堂があったので入った。カキ入りオムレツと焼きそば、青島ビールで乾杯!ハイキングの後のご飯はなんでこんなに美味しいのだろう!!と、そこも含めて、ハイキングの虜になってしまった私がいた。

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おすすめコース 3  梧桐寨瀑布
香港唯一! 連なる4つの滝を巡る

●行き方:MTR「太和」駅もしくは「大埔墟」駅A出口より64Kバス(元朗西行)に乗車し「梧桐寨」で下車。
●帰り方:MTR太和駅より64Kバス(大埔墟駅行)に乗車しMTR「太和」駅もしくは「大埔墟」駅で下車。

滝を巡る 滝を巡る

先週のハイキングから一週間。やや筋肉痛になりながらも、香港で唯一4つの滝を巡ることができるコース(大帽山の一部、全長約6キロ)を知り、女性4人で行くことにした。7時半に東鉄線の「太和駅」で待ち合わせし、64Kの「元朗西」行のバスに乗り込み「梧桐寨」で下車した。

滝を巡る

下車後、100mほど来た道を戻るとハイキングへ向かう入口がある(「梧桐寨」の看板が目印)。

滝を巡る 滝を巡る

しばらく道なりに進むと分岐があり、道案内のマークに沿って右に進むと、左手に梧桐寨村の民家が見える。だんだんと道が細くなり、萬徳苑の山門に到着。

門をくぐって5分程度で萬徳苑に到着。長く続く階段の上にはお堂があるが、寄り道せず進む。

コンクリートでできた橋を渡るとすぐに分岐になり、ハイキング入口になる。緩やかな上り階段が続き、分岐が現れたら、右の階段ではなく直進しよう。沢の水流の音が大きくなり、先へ進むと道が上下に分かれる。下ると1つ目の滝(井底瀑Bottom Fall)。4つの滝の中で一番小さいものだが、木々の合間に光が差し込み二層になった滝は神秘的なものを感じた。

滝を巡る 滝を巡る

下った道を戻りひたすら階段を上ると10分弱で分岐になる。再び左に下ると2つ目の滝(中瀑Middle Fall)。滝までの下り道は不安定で危険だ。20mはあろうかと思われる滝は、滝の形からポニーテールともいわれている。垂直な滝に近づくと、天然のマイナスイオンを浴びることができ、友人たちと盛り上がった。

滝を巡る 滝を巡る 滝を巡る

再びルートに戻り、3つ目の滝を目指す。先へ進むと、急に道が狭まり険しい道となる。所々手をつかないと上ることのできない道に、もはやこのコースはハイキングではなく、登山ではないのか…と頭をよぎる。落ちたら一巻の終わりと思うような道を経て、40分程歩いてようやく3つ目の滝(主瀑Main Fall)にたどり着いた。

30mはあろうかと思われる主瀑は香港で最も長い滝だ。少し休憩を取り、最後の滝へ。

滝を巡る 滝を巡る 滝を巡る

滝の左側を進むと、崖崩れがあったのではないかと思うような道が現れる。初めての体験に恐怖を抱きつつ、冒険家になった気分で上っていくと、15分程度で4つ目の滝(散髪瀑Scatter Fall)にたどり着いた。

名前の由来は女の子の散らかった髪型のように見えるから。4つの滝を制覇し、あとは下山するだけ…だと思ったら甘かった。滑ったら一巻の終わりというような道や急な山道をひたすら上る。

標高450mの風は冷たく、火照った身体を冷やしてくれた。40分くらい歩くとようやく下りが見えてきた。ひたすら下り階段を進むと、やがて笹の葉のトンネルが現れる。ここまで来たら、もう残りは1キロ。分岐になり、左に進むと大帽山の頂上を目指すルートになり、右に進むと下山することができる。後は道なりに行くと、始めの分岐に出る。来た道を戻り道路を渡るとバス停に行くことができる。

滝を巡る 滝を巡る

 

ハイキングの魅力を愛好家に聞きました!
ハイキング愛好家3名にハイキングについて質問。 ぜひ参考にしてみよう。

 

堀 眞(ほり まこと)さん

堀 眞さん

(ハイキング暦 25年)
総合健康診断サービス/医療・健康相談/医療情報の発信等を業務とするメディポート代表。臨床検査技師、衛生管理者、精神対話士、健康管理士一般指導員等の資格をもつ。

Q:ハイキングを始めたきっかけを教えてください。
A:香港に来た当初に住んでいたマンションの裏山でみつけた小径に興味半分で入って行ったのがきっかけです。頭の中にあった喧騒に包まれた大都会のイメージの香港とは全く違って、自然にあふれた静かな香港を発見。当時は香港島をくまなく歩き回ったものです。

Q:ハイキングの魅力を教えてください。
A:騒音や排気ガスに包まれた都会の日常から簡単に逃れることができること。香港でのハイキングはそのギャップが大きな魅力です。四季折々の花が咲き、時には思いがけない動物に出会うこともあります。険しいコースは少なく、誰もが気軽に歩けることも香港ならではです。

ハイキング

Q:一番好きなハイキングコースを教えてください。
A:ラマ島の索罟湾(ソッグーワン)から東方向に一回りする初心者向けコース。
索罟湾-模達湾(モウダッワン)-榕樹下(ヨンシュウハー)さらに海辺を歩いてから菱角山(リンコッサン)の山頂を目指します。山肌には奇岩が多く、眼下にはラマ島から香港島までの絶景が広がります。

 

Wang Sisi さん

Wang Sisi さん

(ハイキング暦 3年)
中国出身。日本の大学に留学後、日系企業で10年働く。2014年より香港生活スタート。現在は、日系会社でMTR関係の仕事に従事する。

Q:ハイキングを始めたきっかけを教えてください。
A:どこでもできる水泳やヨガではなく、香港らしい運動をしたいと思ったのがきっかけです。自然に触れて、気軽くできる運動はハイキングだと思い、始めることにしました。

Q:ハイキングの魅力を教えてください。
A:The diversity (多様性)。起伏に富んだ美しい海と山の織り成すビーチ、宝石のような島々、野生の猿や牛、長閑な田園風景等々、その知られざる自然の美しさには、しばし驚かされます。きらきらと輝く超高層ビルや夜景、美食、ショッピングモールは実は香港の一面に過ぎないということに気づかされました。

ハイキング

Q:一番好きなハイキングコースを教えてください。
A:今まで行った中で景色が一番綺麗で気に入ったのは、MacLehose Trail Stage2(麦理浩径第2段)。海沿いのハイキングコースとなり、浪茄湾、大浪西湾など有名なビーチや迫力の打ち寄せる波、無数の島々、珍しい地層があちらこちらに見られるのが魅力的なコースです。

 

町田幸美(まちだ ゆきみ)さん

町田幸美さん

(ハイキング暦 10年)
香港在住歴16年。趣味はトレイルウォーク、スキューバダイビング(HK Japan Diving Club会長)、食べ歩き。

Q:ハイキングを始めたきっかけを教えてください。
A:友人の100kmトレイルレース(Oxfam Trailwalk)のサポートをした時、捻挫をしても完走していた彼女の姿を見て素直に感動。自分は絶対やらないと思っていたけど、翌年100kmトレイルに出場しようと決意して始めたのがきっかけです。

Q:ハイキングの魅力を教えてください。
A:一人では行かないので、仲間といろんな話をしながら、または、すれ違う人たちと挨拶しながら山を歩くのは気持ちがいいです。山からの景色を眺め、達成感からストレス解消できます。また、下山後のビールの味は、格別です。

ハイキング

Q:一番好きなハイキングコースを教えてください。
A:伯公坳~ランタオピーク~レスキュートレイルコースが好きです。秋だとススキがきれいで、晴れた時のランタオピークからの景色は絶景。降りるとき、座仏や空港を山から見下ろせるのも醍醐味です。

 

 

「Nikko」で叶える、ファッショナブルなハイキングスタイル

日本では、ファッショナブルなアウトドア用衣料を身に着けて山を登る「山ガール」が流行ったが、香港でも…という人に、香港のハイキングブランド「Nikko」を紹介しよう。

Nikko

Nikkoは1979年に香港で設立し、現在アジアにおけるキャンプ用品のパイオニアの1つとなっている。38年の歴史を通じて、製品開発に力を入れ、実用的で多機能、そして品質重視のブランドして地位を確立してきた。Nikkoのブランドネームは、日本の栃木県にある日光が由来となっており、山々に囲まれた美しい街に魅せられ付けられた。また、ロゴは日の出をイメージしている。

Nikko

さまざまな天候に対応可能
「2 in 1オールコンディションジャケットシリーズ」
・防水、通気性を備えた二層構造
・柔らかくて快適な素材の防水・防風ジャケット
・調整可能な袖口・裾・フード(ドローコード付き)
・光の反射効果があるリフレクティブプリント

ショップ情報等はHPで
ウェブ:http://nikkosports.com

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