オーストリアの芸術家グループ「Gelitin 」回顧展

2016/07/25

作品独特のセンスで90年代頃から注目を集める4人組芸術家「Gelitin」。オーストリア出身の彼らが、今回香港で四半世紀の回顧展を開く。その名も「Gelatin Gelitin Gelintin」。この20年間の間で作り上げてきた、奇抜な作品の数々が展示される予定だ。
始まりはオーストリアのウィーン。アリ・ジャンカ、フロリアン・レイザー、トビアス・アーバン、ウォルフガング・ガントナーの4人によって結成された。全く異なる性格を持ち合わせた彼らは、ギリギリのユーモアを交えておおらかに、子供のような無邪気さを以て、時にはわざとらしいセクシーさを取り入れながら作品を作る。その世界観は独特で、2025年までアルプスの山の中に横たえられている内臓の飛び出た巨大ウサギ「天国からの落とし物」や、かつてザルツブルク市から苦情が寄せられたこともある巨大な男性裸体彫刻「凱旋門」は彼らがどのようなアーティストであるかを見事に伝えている。今回の回顧展でも、一部の展示は18歳以下の閲覧不可のため注意が必要だ。
展示内容はパフォーマンスやドキュメンテーションから、彼らのユーモアに溢れたセンスと美術的センスが駆使された代表作品「モナリザシリーズ」まで多岐に渡る。世界で最も有名な絵画を、ほとんど原型をとどめることなく、オマージュとして描き上げられたこの作品は、2008年パリにおいて初めて公開されたものだ。また、塑像用粘土で作った鮮やかな花の絵画や過去の作品やこれから描く作品の下書きまで見ることができる。そのほか注目すべき展示としては「Falling Sculptures」が挙げられる。この作品はその名の通り、底に取り付けられたレバーを押すと床に落ちる仕組みになっている。しかし単純にこの作品を壊しても良いというものではない。ドタバタ喜劇のようなおかしさと壊したら買い取らされるかもしれないという恐怖こそが、作品の価値を問うという点でこの作品の醍醐味となっているのだ。それから真っ暗な部屋には、オイル漬けのぬいぐるみが瓶詰にされたグロテスクな展示。トラウマにもなり得るこの展示は子供たちが複雑な心境を感じたり、こういったものを見る勇気を培ったりすることを目的にしている。そして最後に「Whatever Happened to Gelitin」と題されたショートムービーシリーズ。そこでは彼らが成し遂げてきた多くの巨大で独創性に溢れたパフォーマンスがドキュメンタリー形式で映し出されている。
一度怖いモノ見たさに行ってみるのもいいかも? ユニークかつ恐ろしい作品たちがあなたを歓迎してくれるはず。
作品 作品

GELTIN “GELATIN GELTIN GELINTIN”
住所:Galerie Perrotin, 17/F., 50 Connaught Rd., Central
期間:~8月20日
時間:18:00~20:00

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