香港・孟意堂の風水シリーズ!陽の世界と陰の世界

2014/12/08

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは便利な風水の道具(ツール)をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

◆影のある人も輝いている人も◆

テレビや映画の世界では、勧善懲悪で割り切れない役どころを演じる方がいらっしゃいます。

去る11月10日に悪性リンパ腫で亡くなった高倉健さんもその一人。銀幕の世界で長年にわたり任侠ものを演じてきた彼の姿はヒーローそのもので、今でもまばゆく輝いて見えます。しかしながら、彼の役どころの多くは、過去にいろんなことがあり、それを背負って生きている、影のあるヒーローでした。そうした内面の部分が見え隠れし、それがこの人の役者としての幅となり魅力となり、スケールの大きさにつながっています。この場をお借りして、日本映画界の大切な星である健さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

さて、この世の中は光だけの世界もなければ闇だけの世界もありません。光があるから闇があり、闇の世界には天高く一筋の光が見えます。ものごとの本質はただ一つですが、それは樹皮のように表面的に見える部分と、表面からは想像できない優美な木目のように内面の部分とがあります。こうした表に見えるものとその内にあるもの、輝いて見えるものとその影にあるもの、すなわち陽と陰の世界を読み解いていくのも四柱推命の醍醐味の一つです。

陽と陰の世界

◆四柱推命で読む表と裏◆

四柱推命は、生まれた年、月、日、時間という4つの柱を用いて分析するので四柱推命と言うのですが、それぞれの柱が上段と下段に分かれ、合計8つの文字に分かれているのが特徴です。上段は天からのエネルギーを受けて「天干(てんかん)」、下段は地面からのエネルギーを受けて「地支(ちし)」と呼んでいます。天干にあるものは明らかに分かる枝や葉や幹のようなもの、地支にあるものは表面からは見えにくい根っこのようなものと一般的にはみています。

例えば、以下の例(1)の方のように、働いて得るお金や資産を意味する「正財」が天干にある方は、身に着けている洋服やアクセサリーからお金を持っている人のように見えますが、地支に正財がない、つまり根を持たない正財ですので、稼いでいるわりには使ってしまっていることが多く、現状はそんなにお金を持っていない、と想定できます。

四柱推命で読む表と裏

その一方で、例(2)の方のように天干には正財が存在しませんが、地支にしっかりと正財を持っているような方は、外見はお金持ちに見えないものの、実際は頭脳を駆使して実業家としてバリバリ稼ぎ大金をしっかりと持っている方です。

四柱推命で読む表と裏2

◆久美子的四柱推命学で「明」と「暗」を読み解く奥義◆

四柱推命学はたった8つの文字だけで様々なことがらを読み解く学問ですが、上記の例題のように「はっきりと表面に出て読み解くことができる部分」と「文字だけでは読み解くことができない部分」があります。実は、四柱推命の本当の奥義は、表に出てくる部分を読み取って分析するだけではなく、表に出てくる文字をヒントにその内面に潜んでいる様々な意味を推測し、読み解き、分析していく面白さにあります。

それがいくらその人にとって良い星であったとしても、素晴らしいエネルギーであったとしても、表に出てくるものは他者から見て分かりやすく、それだけに攻撃の的にもなりやすく、弱点になる可能性も十分持っています。その一方で、表にはまったく現れてこないものは他者からも理解されにくく、見破られないすごい強みがあります。

この世に表だけの世界も裏だけの世界もないように、四柱推命学も表の部分だけではないのです。このことは、四柱推命をはじめとした中国の学問・玄学の根底を流れる陰陽論に通じるものがあります。陰と陽がお互いに依存し単独では存在しえないと説く陰陽論は、その面白さと奥の深さを今もなお私たちに教えてくれているのです。

彦坂久美子

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