富士山への来訪外国人数や意識調査(フジヤマNAVI調べ)

2013/11/11

2013年上半期の訪日外国人数は、円安の影響で前年同期比23%増の495万5千人と過去最高を記録。今年6月に富士山が世界遺産に登録されたことで、今後も海外からの旅行者増加が期待できる。その中で気になるのは、外国人から見た富士山の存在価値だ。

日本の象徴でもある富士山は、外国人からどう見られているのだろうか。

今回、富士山エリアを完全ガイドするウェブサイト「フジヤマNAVI」は、株式会社ダイヤモンド・ビック社の協力のもと、訪日外客数TOP3である韓国・台湾・中国の旅行者各200名、および日本人200名を対象に世界遺産登録された富士山について調査した。
富士山の世界遺産登録についての認知度を調べたところ、日本では97.5%に達した。また、中国も86.0%という高い認知度を示している。一方、韓国の認知度は66.0%、台湾は59.5%と、日本や中国と比較して低い数値となり、韓国と台湾においては、富士山が世界遺産登録されたことについての認知が、まだ十分には広がってないことがわかった。

富士山また、富士山のイメージについても調査をし、全体的に多かったのは「美しい」という回答で、日本17.8%、韓国28.3%、台湾22.2%、中国19.4%となった。台湾を除く3ヶ国でトップになっており、日本だけでなく海外でも富士山は「美しい」イメージがあるようだ。また、台湾では「美形」が28.2%とトップになっており、形の良さが印象として強いようだ。4ヶ国平均で2番目に多かったのが「荘厳」という回答。中国では「美しい」とともに1位になったほか、各国で3位以内に入っており、共通したイメージであることが分かった。

次に、「富士山に登る」と聞いてイメージする項目を選択してもらったところ、日本・韓国・台湾では「険しい登山に挑戦する」が最も多かった。一方、中国は7.5%と極端に低い数値となった。これは、中国がエベレスト山(8.848m)などの富士山より険しい山を有していることが影響しているのかもしれない。また、韓国では国土の70%が山岳地域に該当するほど山が多く、トレッキングを楽しむ人が多いため、「トレッキング」をイメージした人が30.5%を占め、他の国に比べて高い数値を示している。

では、実際に登山の意向はどうだろう。今後、富士山に登りたいかを尋ねると、訪日外国人全てが「思う」もしくは「どちらかというと思う」と回答。特に中国は「思う」より積極的な意向を示した人が88.0%と他と比べて非常に高い数値となっている。富士山に登ることについて「険しい登山に挑戦する」というイメージが少ないことが、登山への意向にも繋がっているようだ。一方、日本は「思う」「どちらかというと思う」を合わせて58.0%と訪日外国人に比べて低い数値を示す結果となった。
富士山では今年、7月から8月にかけて、登山者への1,000円の入山料を試験導入をしたが、この入山料の使途として何が適切か聞いてみたところ、日本では「ごみ問題の解決」が最も多く、次いで「登山道のトイレの整備」となった。

中国も、「ごみ問題の解決」が1位となったが、「登山道の安全対策」「レスキュー体制の拡充」がほぼ横並びとなっている。一方、韓国と台湾では「登山道の安全対策」が1位となっている。また、「レスキュー体制の拡充」との答えも多く、安全対策へのニーズが高い結果となった。

富士山に対する調査概要最後に、日本人だけを対象に、富士山が世界遺産になったことを外国の方にも知ってほしいと思うかを尋ねた。その結果、「思う」「どちらかというと思う」を合わせて82.0%となり、多くの日本人が外国人にも世界遺産登録を知ってほしいと考えていることが明らかになった。さらに、日本へ旅行に来た外国人の方に富士山を訪れてほしいと思う人も、68.5%となった。理由は、「日本が誇る富士山を見てほしい」「日本の良さを知ってもらいたいから」など、日本を代表するものとして、見て感じてもらいたいとの声が多くを占めた。

 

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