Hotels.comによる「中国人海外旅行客の動向調査」

2014/09/15

Hotels.com~最新調査より

Hotels.comによる「中国人海外旅行客の動向調査」カンボジアのシェムリアップはアンコールワットなどの遺跡があり、以前から世界各地の観光客が訪れている。数年前までは少なかった中国人観光客が現在では一番多くなったという。この現象はカンボジアだけに限ったことではない。近年、世界中の観光地で中国人旅行客が激増している。今回は中国人旅行客急増の背景に迫ってみよう。

オンラインホテル予約サイト世界最大手のHotels.comは、中国人海外旅行客の動向について調査した「Chinese International TravelMonito(r CITM)」の最新版を発表した。Hotels.comの副社長兼アジア・パシフィック経営責任者アビラム・チャウドリーは、次のように述べる。「中間所得層は年々増加…自由に使える所得が増え、以前よりも豊かになっています。また、定期的に旅行に行く中国人は増加傾向にあり、ビザの発給要件の緩和や中国国内のインフラ改善も、中国人旅行者の急増をまさしく後押ししています。しかし、Hotels.comが今回行なった調査では、別の要素の存在が数値に表れました。それは、テクノロジーが中国人の海外旅行シーンを転換させている速度です」。中国人旅行者が意思決定を行なう際にテクノロジーが非常に強力な要素となってきていることが最新の調査で明らかになったのだ。

調査に参加した中国人旅行者の半数以上がウェブサイトやモバイルアプリを利用してホテルを予約していると回答し、2013年の45%を上回った。半数弱が旅行のリサーチのためにオンラインホテル予約サイトやレビューサイトを利用しており、3人に1人がSNSをチェックしている。また、84%が旅行中や帰国後に海外旅行の写真や体験談をSNSで共有してる。さらに、ホテルで最も重要なサービスとして無料Wi-Fiサービスの提供を選択した回答者は59%にのぼった。この背景には、中国国内におけるインターネットの普及拡大がある。ネット普及率は45.8%にのぼり、2013年のインターネットユーザーは6億1,800万人で、そのうちの5億人がモバイル機器からウェブサイトにアクセスしているという。また、インターネットユーザーの90%がSNSのアカウントを持っていると報告されている。

また、調査によれば、2013年の中国人海外旅行者は9,700万人にのぼり、2012年に比べて1,400万人増加した。また、個人旅行を好むと回答した中国人旅行者は3人に2人となり2013年よりも5%上昇している。旅行スタイルにも変化があり、かつて好まれていた団体旅行から個人旅行に移行していることが明らかとなった。このような状況の中、調査に参加した世界各国のホテル従業員の36%が中国人旅行者の流入は今後1~2年間でホテル産業に最も影響を与える要素の1つになると考えていることも明らかになった。テクノロジーがけん引する旅行大国中国―今後の進展に注目!

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