地球の未来を考えたストア「Fabrica X」荃湾

2023/03/01

324789-Fabrica_X.jpg毎秒ごみ収集車1台分廃棄されている繊維
2022年にNGOが発表した報告書によると、現在、世界の繊維生産量の65%を合成繊維が占めており、その内56%が化石燃料に由来しているという。大量の繊維が生産されるということは、同時に莫大な量の繊維製品が廃棄されているということでもあり、その量は実に毎秒ごみ収集車1台分と推定されている。また埋め立てた繊維廃棄物が分解される過程では温室効果ガスが排出されることも問題となっている。

大手メーカーも取り組む再生可能なもの作り
荃湾(チュンワン)の古い繊維工場を、新たな歴史を紡ぐイノベーションセンターとして蘇らせた商業施設The Mills。そのなかに誕生したのが、The Mills Fabricaが運営するコンセプトストア「Fabrica X」だ。2018年に正式に立ち上がり、ロンドンにも店舗を構える同ストアでは、サステナブルな商品を購入できたり、様々な企業の環境製品開発への取組みを知ることができる。
現在同店では、バイオマテリアルに着目した展示や販売を行なっている。バイオマテリアルとは、自然の力を活用した生物学的処理によって有機廃棄物を再生させた新たな材料のこと。ナイキやアディダスがバイオスチール繊維を使ったパフォーマンスシューズを開発するなど、ファッション産業においてもその可能性が注目されている。
展示コーナーでは、各業界に変革をもたらすようなバイオマテリアルの最新技術を紹介しているほか、生分解性繊維(微生物が分泌する酵素で分解可能な高分子系繊維)に関して学ぶこともできる。またバイオマテリアルで作られた被服などを製造するブランド商品の販売も行なっている。

バイオマテリアルを知ろう!ワークショップも開催
多くの人が普段ゴミとして捨てているであろう卵の殻は、肥料として優秀な資源だ。同店では現在、そんな卵の殻を使ったワークショップを開催している。このワークショップでは、The Mills内のレストランの廃棄物から集められた卵の殻を細かく砕き、セラミックのキーチェーンを作るという。また45分間のレクチャーには、バイオマテリアルに関する世界の取組みなどを教えてくれる講座も含まれる。
水に溶けて肥料にもなるため、最後は土へ返すこができるというこの卵の殻でできたセラミック。地球のことを本気で考える良いきっかけになるに違いない。

Shop 108, 1/F, The Mills, 45 Pak Tin Par St., Tsuen Wan
www.themillsfabrica.com

Biomaterials – Eggshell Ceramic Keychain ワークショップ
6月30日まで
月~金13:00~13:45、14:15~15:00、15:30~16:15
土日13:00~13:45、14:15~15:00、15:30~16:15、16:45~17:30
1セッション上限8名
HKD50(材料費込み)EggshellBanner-1

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