浦島太郎みたいな一時帰国者の話

2022/08/03

浦島太郎みたいな一時帰国者の話

 

Vol.5 駅中の蕎麦屋が、駅前のF店を超えていると感じる理由

20年ほど前になろうか。内モンゴルで蕎麦粉を生産する日系企業が、深圳で蕎麦屋を出店したのを皮切りに、深圳には蕎麦屋が増えたが、香港は未だに数えるほどだ。
やはり香港人には「うどん」の方が良いらしい。

乾麺で我慢している我々香港在住者は、一時帰国の際には蕎麦屋の蕎麦を食べたいのが心情だ。

高級な蕎麦屋で3000円近い蕎麦を食べるのも良いが、今回は立ち食い蕎麦に触れてみたい。

筆者がリピートを繰り返すのは、主に駅の改札口中側に出店をしている「蕎麦いろり庵きらく」だ。個人的には駅前にあるF店を凌駕していると思っている。IMG_7961このお店のポイントを3つ紹介したい。

一つ目は、蕎麦の麺だ。蕎麦粉だけではなく、小麦粉も入っているのであろうか?! モチモチ感がたまらない。従来の立ち食い蕎麦屋の伸びきったヤッツケ感はないし、乾麺のようなパサパサ感もなく、良い塩梅なのだ。
厨房を覗くと、茹でてから冷水で水洗いし、提供直前にまた茹でるといった手間も掛けている。

二つ目は汁だ。立ち食い蕎麦屋の汁はエラく茶色く、とにかく濃い印象があったが、こちらは透明感がありダシも効いている。危うく飲み干してしまいそうになる。

三つ目はトッピング。このお店も推している「かき揚げ蕎麦430円」がサクッとした食感で美味しい。玉ねぎの甘みと牛蒡の硬さもよろしい。一口目はかき揚げだけを、二口目はサクサクな部分と蕎麦とを一緒に、三口目は汁に湿った部分を楽しんでほしい。提供口付近にあるすりおろし放題の胡麻や七味もお忘れなく。

店内にはボサノバが流れ、女性客も多いのが頷ける。
是非お試し頂きたい。IMG_7975

文・PPW編集部 日本特派員


 

Vol.4  86点な小籠包だったら、日本そこらで食べられる
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1、2週間の一時帰国であれば気にならないが、月単位での帰国となると我々香港在住組が恋しくなってくるのが、点心・飲茶であろう。蓋を開けた時のセイロから昇る湯気とあの香り、蝦餃をひとつ頬張ってはポーレイ茶を流し込む至福の時だ。

筆者は美味い点心にはあり付けないことを覚悟していたのだが、意外にも日本国内の点心事情は向上しており驚いた。何しろ蝦餃、小籠包、腸粉あたりは、地元のスーパーで冷凍物が買えるのだ。お味はと言うと、ずばり「合格!」である。点数的には86点と言えば、「懐疑的な予想を遥かに上回る美味さだが、実に惜しい、あと何かが足りない、でもその何かが分からない、とは言うものの十分に美味いので合格!」というニュアンスが何となく伝わるであろうか。

「足りない何か」とは一体何なのだろうか。優秀な日本の冷凍食品会社のことである。研究しつくして、「完コピ」は高いハードルではないはずだ。恐らく、セイロや酒楼のガヤガヤ感といった視覚・聴覚・雰囲気の問題、レンジで温めるのとセイロで蒸すのとではちょっと違う食感になる、日本の法律では引っかかる添加剤は使えない、八角などの香辛料は控えめにして日本人好みにしている、このあたりだと考えられる。

話題を冷凍食品に移すと、先日、洋菓子界で権威のあるパティシエにお話しを聞く機会があった。彼曰く、「数年前に比べ、冷凍技術は格段に進歩しており、作った瞬間の味をそのまま閉じ込めるので、物によっては冷凍食品の方が美味しい場合もある。冷凍食品を如何に上手く使うかが飲食業界のポイントだ」とのことであった。

現に香港の酒楼だって点心師を置かずに冷凍物を蒸して提供しているだけのところもあるので、頷けた。
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点心が食べられるお店としては、東京日比谷や新宿にあるミシュラン香港1っ星の「添好運」をはじめ、台湾系の「鼎泰豊」や、上海系の「南翔饅頭店」などが関東圏の2級都市にも出店している。

割高感はあるが、ここらでは86点以上の小籠包が食べられる。点心だけをパクパク食べているとエラい値段になってしまうという落とし穴もありつつ、「チャーハン&小籠包4個セット」や「中華そば&小籠包4個セット」というように、食事とのセットもあるところが、日本らしい。

ちなみに店内を見渡すと食器や箸をテーブル上で洗っているのは私だけであった・・・。あと、平日の昼間に日比谷で「ニワトリの手」を食べているのも恐らく私だけ・・・。

これから一時帰国を予定されている方、ご安心されたし。あなたの街でも美味い点心にはありつけるはずだ。

文・PPW編集部 日本特派員

 

添好運
日比谷店に2度ほど行った。開店と同時に行列ができるので要注意。点心の品数も多く、香港らしい点心が食べられるので満足度も高い。排骨飯や馬拉糕(蒸しパン)など香港組は心が弾む。入店待ちの列に並ぶのが嫌ならば、テイクアウトして皇居や日比谷公園でピクニックをしてみては。添好運2 添好運1

 

鼎泰豊
私が行った店舗では点心師の気配は感じなかったが、蘿蔔糕(大根餅)もあったので、気分が上がった。本店や香港店同様に、鮑やトリュフを入れた小籠包など種類が豊富。店舗で出しているお茶も美味しく、レジで購入が可能だ。「お家で鼎泰豊」点心セットも販売しており、家族へのお土産にも。鼎泰豊 鼎泰豊2

 

南翔饅頭店
上海豫園にある有名店。私が行った店舗では、厨房から北京語が聞こえた。上海の郊外・南翔が小籠包発祥の地とされており、上海体育館からバスで行ったのが懐かしい。香港や台湾とは違い、皮には凹凸があり若干厚め。いかにも豚肉なパンチが効いていた。好きな人は好きだと思う。南翔饅頭店1 南翔饅頭店2

 

香港贊記茶餐廳
点心ではないが、香港人老板の店。香港奶茶や香港の茶餐庁で供されるサンドイッチやらフレンチトーストやら、ぶっかけご飯が食べられる。外国で茶餐庁を営み切磋琢磨している香港人を応援したくなってしまうのは我々香港組の性。同行した香港人スタッフも納得の味であった
香港贊記茶餐廳1 香港贊記茶餐廳2


Vol.3: 条例で雨傘の片手運転は違反&自転車保険義務化
 雨の日に自転車で通学中の学生たちに意識がいった。ビニール製の合羽を着て自転車に乗る学生が増えたように感じ、そして自転車に乗る学生自体が減った気がしたからだ。そんな話を家族にすると、「条例で傘を差して自転車を運転することが禁止になったから」との答えが返ってきた。
小学生5年生の大晦日に同級生と千葉県から自転車で東京タワーに向かい、現地で初日の出を拝んだ自称「チャリ族」の私である。ダンプカーが通る湾岸道路もへっちゃらだった。傘ごときで堅苦しい社会になったものだ、と思いながら会話は弾まずにそのまま終わった。

それから、数日後である。妻と娘が顔を真っ青にして帰宅した。理由を聞くと近所の30台ほど駐車できる駐車場で、自転車の補助輪を外して練習をしていたところ、止めてあった車にぶつかりドアに傷をつけてしまったと言うのだ・・・・。すぐさま駐車場の管理会社に電話すると、傷をつけてしまった車はたまたま管理会社の社長さんの車であることが分かった。100%こちらに非があるので、全額支払う旨を伝え謝罪をすると、「自転車保険に加入してますか?それで修理代を捻出してもらえれば、大丈夫ですよ」と言われた。自転車保険、恥ずかしながら聞き慣れない言葉だった。

その社長さんは親切にも修理前に2社に見積もりを取ってくださり、1社目は7万円、2社目は手厚い修繕がウリで37万円だった。「傷が完全に元に戻るかどうかも分からないので、1社目にしますよ」と神の声。もし2社目を選ばれていたら、今月の呑み代返上どころでは済まされなかったので、ホッとした。

 下の表をご覧頂きたい。全国各地で自転車保険の義務化が急ピッチで進んでいる。2000年代に入ってから子どもが加害者になり、1億円近い損害賠償を命じられる裁判判決が出てきていることが要因のようだ。
浦島_Vol.3(1-8x3) 後日、社長さんの車が停まっていた場所には違う車種の新車が停まるようになった。それを見かけたのも雨の日だった。

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東大阪市で見かけた「傘」装備済のママチャリ

 

文・PPW編集部 日本特派員


 

Vol.2 : エスカレーター片側は歩いてはいけない

エスカレーターの乗り方は日本東西で異なることは皆さんもご存知かと思う。大阪では【右側立ち・左側開け】、東京は【左側立ち・右側開け】だ。
大阪では日本人に多い右利きの人が手すりにつかまり易いために、東京は刀が人に当たらないように左側通行の風習が残ったなどと言われている。

elevetor さて本題だ。今回一時帰国して、駅で目にしたポスターには新たなスローガン【エスカレーター内は歩かない】が謳われていた。【左側も右側も開けずに、二人並んで立って乗りましょう】というものだ。一体どこの機関がこんなことを掲げているのだろう。ただでさえ、香港と比べて日本のエスカレーターの速度がエラく遅く感じるというのに、歩いて進めないとなると有問題(ヤウマンタイ)だと感じる人もいるか思う。

皆さんは「早く歩いて進みたい人のために開けてある側」に人が立ち、その先は誰も立っていないのに前に進めずイラッとしたことはないだろうか? それがこのスローガンのおかげで、イラッとする側に非があることになってしまう。そんな可能性が出てきたのだ。

肌感覚だが、車両を降りて改札口に向かう人の3~4割りくらいは、【エスカレーターを歩いて早く上りたい人】だろうか。6割くらいの【止まってエスカレーターに乗りたい人】がホームで長蛇の列をなすのを見かける。列を作り順番を守ることは非常に尊いし素晴らしいことだと思う。このスローガンには、ホーム上を早くクリアにしたい。そんな思惑があるのだろうか。
その反面、香港在住が長いので非効率なものはどんどんショートカットしてしまいたい私である。時間が豊富にある人、遅刻しそうな人、いろいろな人がいる中で、そこまで画一化する必要があるのかとも思う。もともとエスカレーターは立ち止まって乗る設計だ、高齢化社会だから安全に乗ろう、と言われればそれまでだが・・・。
このスローガンが謳われてから、もう2~3年くらい経つであろう。但し、気のせいなのか、このポスターは数が減り、駅のエスカレーターでは未だに片側が開いている。民意はどちらを必要としているのだろうか・・・。

文・PPW編集部 日本特派員


Vol.1 携帯からの地震速報音が恐ろしい

久々の一時帰国で驚いたことがある。携帯から流れる「緊急地震速報の音」だ。地震のない香港での生活にすっかり慣れていたので、深夜の地震にびっくりしたが、それ以上に恐怖心を煽ったのがこの速報だった。

下記にYouTube音源を用意したので、聞いたことがない人は帰国前に「訓練」「心の準備」として一度聞いておくことをお勧めしたい。

※※※音量注意※※※

かん高いアラーム音がヴィンヴィンと鳴り、無機質な機械の声が「地震デス・地震デス」と告げるのである。警報そのものの目的を果たすための音づくりなのだろうが、兎に角「生命の危機を感じる」バイオハザード音なのである。

YouTubeのコメント欄にも、「クラス内のスマホが一斉に鳴り出した時、本当に世界の終わり感が凄かった」とか「さっき寝てる最中に鳴ったけど、マジで寿命が30年縮まった」など、この速報音を聞いた時の恐怖体験が綴られている。

この音を知らずして日本で初めて聞くと心臓が止まりそうになるので、ご注意あれ。

文・PPW編集部 日本特派員

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