風水の奥義を行く!第116回 誰も語らなかった陰陽論、の巻

2021/10/13
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

 

◆胎内めぐり◆

 暗闇の中不思議な体験ができる「胎内めぐり」というのがあります。

 これは、京都の清水寺や長野の善光寺をはじめ日本全国に50か所以上あります。暗闇の空間を菩薩の胎内に見立て「もう一度生まれ変わる」という修行の場でもあります。自分が目を開けているのか閉じているのかわからないほど完璧な暗闇の中、手や足の感覚と聞こえる音を頼りに前に進んでいくものです。ものが見えるのがあたりまえ、光があるのがあたりまえの毎日とは要領が違い、全く何も見えない暗闇の中は自分との戦いです。その奥に何があるのか分からず不安になるのも自分、わずかしか歩いていないはずなのに長い時間歩いていたような感覚になるのも自分。その中で、他の五官に頼らず自分の心の目を養う、というのがこの修行の落としどころです。

 

◆風水の陰陽論を紐解いてみると◆

スクリーンショット 2021-10-12 094035 古代中国で発展してきた陰陽論では、光は陽、暗闇は陰とみなします。日がさして明るい時間帯は陽、日が落ちて暗い時間帯は陰です。能動的な事柄は陽、受動的な事柄は陰、動くものは陽、動じないものは陰です。香港の多くのオフィスは窓ガラスが多く、光が挿してキビキビと活動する環境なので基本的には陽です。その一方で、フェイシャルやマッサージ店のように暗い環境でゆったりと時間を過ごす場所は基本的には陰です。輝く太陽に反射して月は輝きますから、太陽は陽、月は陰です。ただし、勧善懲悪のように陰陽がはっきりと分かれているのではなく、暗い環境にも照明があり、光があるから影ができるといった具合に、陰と陽はお互いに深い関わりを持っています。

 また、風水には「陰宅」と「陽宅」という言葉があります。ご先祖様などあの世にいる方々が住むお墓などを風水では「陰宅」と呼び、この世を生きる私たちが生活する場所を「陽宅」と呼んでいます。陰宅の方が陽宅よりも実は歴史があり、陰宅の方が人に対する影響も大きいものです。お住まいや事務所など陽宅をいくら良いものにしても、そもそも陰宅の影響が良くなければ陽宅の効果には限界があります。その効果は「子孫繁栄」という人に関わるものと、「富貴栄華」という財産や名誉に関わるものがあります。先祖を大切にし、重陽節などに墓参りを怠らない香港の人たちは、この理(ことわり)をよく知っているだと思います。

 

 ◆孟意堂風水的陰陽の奥義◆

スクリーンショット 2021-10-12 094047 さて、後天第九運(2024年~2043年)は八卦では「離(り)」の時代です。ちなみに、先天第九運は2017年からすでに始まっています。離は火のように明るく美しいもの、麗でありはっきりしているもの、という意味があります。それなのに、コロナ禍のように予測ができず先の見えない事柄が起きています。それはまるで胎内めぐりのように、見えないものがどこまで続くか分からず不安になるのに似ています。離を八卦で表すと陽と陽の間に陰があり、このことと何らかの関わりがあるのでしょう。

 陽の世界ははっきりと分かり、誰の目から見ても同じに映ります。一方、陰の世界ははっきりと分からず、「見える」と思われるものには個人差があります。陰はまるでどこまで奥が深いのかが読み取れず、その奥に何があるのか、それとも何もないのかは想像がつきません。

 活気があって明るい環境の中、スマートフォーンやタブレットが身近にあり、各地の情報を得ることができ、夜でも光がある世界で生活している私たちは陰陽の「陽」に傾いた生活をしているのかもしれません。そのために、目に見える物だけを信用し、視覚だけを発達させ、それにとらわれてしまっているようにも見えます。だからこそ目に見えないものが訪れた時のギャップが強くもろいのかもしれません。そして、この見えない空の部分にこそこれからを生きていく何かの秘訣が隠されているはずなのです。


彦坂 久美子
<プロフィール>

名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
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